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目次
Cisco Unified IP Phone を使用すると、データ ネットワークを経由して、音声を使用して通信できるようになります。 この機能を提供するために、Cisco Unified IP Phone では、Cisco Unified Communications Manager など、他の主要な Cisco Unified IP テレフォニー コンポーネントを利用し、それらと連携します。
ここでは、Cisco Unified IP Phone と、Cisco Unified Communications Manager、DNS サーバや DHCP サーバ、TFTP サーバ、およびスイッチとの間のやり取りを中心に説明します。 また、電話機への電源供給に関するオプションについても説明します。
音声通信と IP 通信の関連情報については、次の URL を参照してください。
http://www.cisco.com/en/US/partner/products/sw/voicesw/index.htmlhttp://www.cisco.com/en/US/products/sw/voicesw/index.html
この章では、Cisco Unified IP Phone と Voice over IP(VoIP)ネットワークの他の主要コンポーネントとの間で行われる相互対話の概要について説明します。 この章は、次の項で構成されています。
Cisco Unified IP Phone を IP テレフォニー ネットワークで機能させるには、IP Phone を Cisco Catalyst スイッチなどのネットワーク デバイスに接続する必要があります。 また、コールを送受信する前に、Cisco Unified IP Phone を Cisco Unified Communications Manager システムに登録する必要があります。
Cisco Unified Communications Manager は、業界標準のオープンなコール処理システムです。 Cisco Unified Communications Manager ソフトウェアは、従来の PBX 機能を企業の IP ネットワークに統合して、電話機間でコールを確立および切断します。 Cisco Unified Communications Manager は、電話会議やルート プランなどの機能で必要になる IP テレフォニー システムのコンポーネント(電話機、アクセス ゲートウェイ、およびリソース)を管理します。 また、Cisco Unified Communications Manager には、次の機能もあります。
この章で説明している IP デバイスを使用するための Cisco Unified Communications Manager の設定方法については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』、および『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』を参照してください。
(注) |
設定しようとする Cisco Unified IP Phone のモデルが、Cisco Unified Communications Manager の管理ページの [電話のタイプ(Phone Type)] ドロップダウン リストに表示されない場合は、http://www.cisco.com/kobayashi/sw-center/sw-voice.shtml にアクセスして、使用している Cisco Unified Communications Manager バージョンの最新のサポート パッチをインストールします。 |
Cisco Unified IP Phone にはイーサネット スイッチが内蔵されており、パケットを電話機本体、電話機背面のアクセス ポートやネットワーク ポートに転送できます。
アクセス ポートにコンピュータを接続した場合、コンピュータと電話機は、スイッチへの同じ物理リンクとスイッチ上の同じポートを共有します。 このように物理リンクが共有されるため、ネットワークの VLAN 設定について、次のような考慮事項が存在します。
これらの問題は、音声トラフィックを別の VLAN 上に分離することで解決できます。 電話機の接続先となるスイッチ ポートには、次の 2 つのトラフィックの伝送用に、それぞれ別個の VLAN を設定します。
電話機を独立した補助 VLAN に分離すると、音声トラフィックの品質が向上するとともに、各電話機に割り当てるための IP アドレスが十分にない既存ネットワークに対しても、多数の電話機を追加できるようになります。
詳細については、Cisco スイッチに添付されているマニュアルを参照してください。 スイッチに関する情報には、次の URL からもアクセスできます。
Cisco Unified IP Phone には、外部電源または Power over Ethernet(PoE)から電力を供給できます。 外部電源は、独立型の電源を通じて提供されます。 PoE は、イーサネット ケーブルを介して電話機に接続されているスイッチによって提供されます。
(注) |
外部電源を使用する場合、イーサネット ケーブルを電話機に接続する前に、電源装置を電話機に接続する必要があります。 外部電源から電力が供給されている電話機を取り外す場合は、電源装置を取り外す前に、イーサネット ケーブルを電話機から取り外してください。 |
次の表に、Cisco Unified IP Phone の電力供給に関するガイドラインを示します。
電話で緊急サービスにアクセスする場合、電話に電源が供給される必要があります。 電源障害がある場合、電源が復旧するまで、利用および緊急コール サービス ダイヤルは機能しません。 電源の異常および障害が発生した場合は、装置をリセットまたは再設定してから、利用および緊急コール サービスへのダイヤルを行う必要があります。
電力については、次の表に示すドキュメントを参照してください。 これらのドキュメントでは、次のトピックについて情報を提供しています。
電話機の設定ファイルは TFTP サーバに保存されており、Cisco Unified Communications Manager の接続パラメータを定義しています。 通常、電話機のリセットが必要となるような変更を Cisco Unified Communications Manager に加えると、その変更内容は、電話機の設定ファイルに自動的に反映されます。
設定ファイルには、電話機が実行するイメージ ロードに関する情報も含まれています。 このイメージのロードが、電話機に現在ロードされているイメージと異なる場合、その電話機は、TFTP サーバと交信して、必要なロード ファイルを要求します。 これらのファイルは、ファイルの発信元の正当性を保証するためにデジタル署名されています。
また、設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated に設定されており、電話機の CTL ファイルに Cisco Unified Communications Manager に対する有効な証明書が存在する場合、電話機は Cisco Unified Communications Manager との TLS 接続を確立します。 それ以外の場合、電話機は TCP 接続を確立します。 Session Initiation Protocol(SIP; セッション開始プロトコル)電話機の場合、TLS 接続には、設定ファイルの転送プロトコルが TLS に設定されていることも必要です(Cisco Unified Communications Manager Administration の SIP セキュリティ プロファイルの転送タイプに対応)。
(注) |
設定ファイルのデバイス セキュリティ モードが Authenticated または Encrypted に設定されているが、電話機が CTL ファイルまたは ITL ファイルを受信していない場合は、安全に登録できるように、電話機は 4 回、ファイルの取得を試みます。 |
(注) |
ただし、クラスタ間の Cisco エクステンション モビリティの場合は例外で、電話機は Cisco Unified Communications Manager との TLS 接続を許可し、CTL ファイルがなくてもセキュア シグナリングを可能にします。 |
Cisco Unified Communications Manager の管理ページでセキュリティ関連の設定を行うと、電話機の設定ファイルに重要な情報が保存されます。 設定ファイルのプライバシーを確保するには、そのファイルを暗号化用に設定する必要があります。 詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Security Guide』の「Configuring Encrypted Phone Configuration Files」の章を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager でリセットおよび登録されるたびに、電話機は設定ファイルを要求します。
電話機は、Cisco Unified Communications Manager および TFTP に割り当てられた証明書が格納された有効な信頼リスト ファイルを受け取っていない場合のみ、XmlDefault.cnf.xml という名前のデフォルト設定ファイルにアクセスします。
自動登録が有効になっておらず、電話機が Cisco Unified Communications Manager データベースに追加されていない場合、電話システムは Cisco Unified Communications Manager への電話機登録要求を拒否します。 自動登録を有効にするか、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加するまで、電話機には「IP を設定中(Configuring IP)」というメッセージが継続的に表示されます。
電話機が登録済みの場合、電話機は SEPmac_address.cnf.xml(mac_address は電話機の MAC アドレス)という設定ファイルにアクセスします。
SIP 電話機の場合、TFTP サーバによって次の SIP 設定ファイルが生成されます。
これらのファイル名は、Cisco Unified Communications Manager の [電話の設定(Phone Configuration)] ウィンドウにある [MAC アドレス(MAC address)] フィールドと [説明(description)] フィールドから生成されます。 電話機は、MAC アドレスによって一意に識別されます。 詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』を参照してください。
電話機と TFTP サーバがやり取りする方法については、『Cisco Unified Communications Manager System Guide』の「Cisco TFTP」の章を参照してください。
Cisco Unified IP Phone を VoIP ネットワークに接続すると、次の手順に示す標準起動プロセスが開始されます。 ネットワークの設定によっては、Cisco Unified IP Phone でこれらのステップの一部が発生しないこともあります。
Cisco Unified IP Phone を設置する前に、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する方法を選択しておく必要があります。
次の表に、電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加する方法の概要を示します。
自動登録および Bulk Administration Tool(BAT)が必要です。Cisco Unified IP Phone と Cisco Unified Communications Manager の管理ページで情報をアップデートします。 |
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電話機を設置する前に自動登録を有効にしておくと、次のことが可能になります。
(注) |
自動登録は、ネットワークに追加する電話機が 100 台未満の場合に使用することを推奨します。 100 台を超える電話機をネットワークに追加するには、一括管理ツール(BAT)を使用します。 |
自動登録は、デフォルトでは無効になっています。 場合によっては、自動登録の使用が適さないことがあります。たとえば、電話機に特定の電話番号を割り当てる場合です。 自動登録の有効化については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Enable autoregistration」の項を参照してください。
(注) |
Cisco CTL クライアントを通じてクラスタを混合モードに設定すると、自動登録は自動的に無効になります。 Cisco CTL クライアントを介してクラスタを非セキュア モードに設定すると、自動登録は自動的に有効になります。 |
自動登録と TAPS(Tool for Auto-Registered Phones Support)を使用すると、MAC アドレスを最初に電話機から収集しなくても、電話機を追加することができます。
TAPS は、一括管理ツール(BAT)と連携して、Cisco Unified Communications Manager データベースにダミー MAC アドレスを使用して追加された一連の電話機をアップデートします。 TAPS を使用して電話機の MAC アドレスをアップデートし、あらかじめ定義しておいた設定をダウンロードします。
(注) |
自動登録と TAPS は、ネットワークに追加する電話機が 100 台未満の場合に使用することを推奨します。 100 台を超える電話機をネットワークに追加するには、一括管理ツール(BAT)を使用します。 |
TAPS を実装するには、TAPS 電話番号をダイヤルして、ボイス プロンプトの指示に従います。 このプロセスが完了した後、電話機には電話番号とその他の設定値がダウンロードされ、電話機は正しい MAC アドレスを使用して Cisco Unified Communications Manager の管理ページで更新されます。
TAPS が機能するためには、Cisco Unified Communications Manager の管理ページ( )で自動登録を有効にする必要があります。
(注) |
Cisco CTL クライアントを通じてクラスタを混合モードに設定すると、自動登録は自動的に無効になります。 Cisco CTL クライアントを介してクラスタを非セキュア モードに設定すると、自動登録は自動的に有効になります。 |
詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Bulk Administration」の章および『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』の「Tool for Auto-Registered Phones Support」の章を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager の管理ページを使用して、個別の電話機を Cisco Unified Communications Manager データベースに追加できます。 追加するには、まず各電話機の MAC アドレスを入手する必要があります。
MAC アドレスを収集した後、Cisco Unified Communications Manager の管理ページで、 を選択し、[新規追加(Add New)] をクリックして開始します。
Cisco Unified Communications Manager の手順の詳細と概要については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』および『Cisco Unified Communications Manager System Guide』を参照してください。
Cisco Unified Communications Manager の一括管理ツール(BAT)は、標準の Cisco Unified Communications Manager アプリケーションです。このアプリケーションを使用すると、複数の電話機に対して、登録などのバッチ操作を実行できます。
TAPS を使用せずに BAT だけを使用して電話機を追加するには、まず対象の各電話機の MAC アドレスを取得する必要があります。
電話機を Cisco Unified Communications Manager に追加するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 | Cisco Unified Communications Manager の管理ページから、 の順に選択します。 |
ステップ 2 | [新規追加(Add New)] をクリックします。 |
ステップ 3 | [電話のタイプ(Phone Type)] を選択し、[次へ(Next)] をクリックします。 |
ステップ 4 | [デバイス プール(Device Pool)]、[電話ボタン テンプレート(Phone Button Template)]、[デバイス セキュリティ プロファイル(Device Security Profile)] など、電話固有の詳細なパラメータを入力します。 |
ステップ 5 | [保存(Save)] をクリックします。 |
ステップ 6 |
Cisco Unified Communications Manager から を選択し、作成済みの BAT 電話テンプレートを使用して電話機を追加します。 BAT の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』を参照してください。 BAT 電話テンプレート作成の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』の「Phone Template」の章を参照してください。 |
Cisco Unified IP Phone は、Skinny Client Control Protocol(SCCP)または SIP(Session Initiation Protocol)を使用して動作します。 あるプロトコルを使用している電話機を、別のプロトコルを使用するように変更できます。
新しい未使用の電話機は、デフォルトでは SCCP を使用するように設定されます。 この電話機を SIP を使用するように変更するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 |
次のいずれかの操作を行います。
Cisco Unified Communications Manager の設定の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』を参照してください。 BAT の使用方法の詳細については、『Cisco Unified Communications Manager Bulk Administration Guide』を参照してください。 |
ステップ 2 | ネットワークで DHCP を使用していない場合は、電話機のネットワーク パラメータを設定します。 |
ステップ 3 | 設定の更新を保存するには、[設定情報の適用(Apply Configuration Information)] ウィンドウの [設定の適用(Apply Config)] をクリックし、[OK] をクリックして、電話機のユーザ電源投入サイクルを実行します。 |
使用中の電話機でプロトコルを別のプロトコルに変更する方法については、『Cisco Unified Communications Manager Administration Guide』の「Cisco Unified IP Phone Configuration」の章、「Migrate existing phone settings to another phone」の項を参照してください。
SCCP と SIP が混在する環境で、Cisco Unified Communications Manager の自動登録パラメータに SCCP を指定して Cisco Unified IP Phone を導入するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 | Cisco Unified Communications Manager の auto_registration_protocol パラメータを SCCP に設定します。 |
ステップ 2 | Cisco Unified Communications Manager で、 を選択します。 |
ステップ 3 | 電話機を設置します。 |
ステップ 4 | [Auto Registration Protocol] エンタープライズ パラメータを [SIP] に変更します。 |
ステップ 5 | SIP 電話機を自動登録します。 |
このマニュアルで説明している手順の一部では、Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスが特定されている必要があります。 電話機の MAC アドレスは、次の方法で特定できます。