MLDP-Based MVPN
MLDP ベースの MVPN 機能は、マルチキャスト仮想プライベートネットワーク(MVPN)コアネットワークでの転送用に、ポイントツーマルチポイント(P2MP)およびマルチポイントツーマルチポイント(MP2MP)ラベルスイッチドパス(LSP)を設定するためのラベル配布プロトコル(LDP)の拡張機能を提供します。
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MLDP ベースの MVPN 機能は、マルチキャスト仮想プライベートネットワーク(MVPN)コアネットワークでの転送用に、ポイントツーマルチポイント(P2MP)およびマルチポイントツーマルチポイント(MP2MP)ラベルスイッチドパス(LSP)を設定するためのラベル配布プロトコル(LDP)の拡張機能を提供します。
IPv4 マルチキャスト ルーティングの設定作業と概要に関する知識が必要です。
Cisco Express Forwarding(CEF)が、ラベルスイッチング用のルータで有効になっている必要があります。
ユニキャスト ルーティングは動作可能でなければなりません。
MLDP ベースのマルチキャスト VPN を有効にするには、VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスを設定する必要があります。
MLDP プロファイル 1、13、および 14 のみがサポートされています。
MLDP エクストラネットはサポートされていません。
コアの GRE トンネルは MLDP ではサポートされていません。
MLDP FRR はサポートされていません。
サポートされているコンテンツグループモードは、Protocol Independent Multicast(PIM)スパースモード(PIM-SM)および Source Specific Multicast(SSM; 送信元特定マルチキャスト)です。双方向 PIM(PIM-Bidir)トラフィックは、プロファイル 1 でのみサポートされています。
PIM デンスモード(PIM-DM)はサポートされていません。
RSVP-TE ベースの LSM はサポートされていません。
PIM スパース コンテンツ グループ モードは、PE ルータの裏側(CE 上)または送信元 PE ルータで RP が設定されている場合にサポートされます。
IGP MLDP ECMP はサポートされていません。MLDP マルチパスを使用するように no mpls mldp forwarding recursive を設定する必要があります。
L2 PE のデュアルホーミングは、MVPN プロファイルではサポートされていません。
シームレス MPLS アーキテクチャでは MLDP はサポートされていません。
MVPN を使用すると、サービスプロバイダーは MPLS VPN 環境でマルチキャストトラフィックを設定およびサポートできます。この機能は、個々の VRF インスタンスでのマルチキャスト パケットのルーティングおよび転送をサポートし、サービス プロバイダーのバックボーンに VPN マルチキャスト パケットを転送するメカニズムも提供します。
VPN は、インターネット サービス プロバイダー(ISP)のような共有インフラストラクチャを介するネットワーク接続です。その役割は、プライベート ネットワークとして、同じポリシーとパフォーマンスを低い所有コストで提供することによって、業務とインフラストラクチャを通して、多くのコスト削減の機会を作り出すことです。
MVPN により、企業はサービス プロバイダのネットワーク バックボーンでプライベート ネットワークをトランスペアレントに相互接続することができます。このように MVPN を使用してエンタープライズ ネットワークを相互接続しても、エンタープライズ ネットワークの管理方法や、企業の全体的な接続性は変わりません。
図に示されているように、MLDP ベースの MVPN は、各マルチキャストドメインに対して静的なデフォルトのマルチキャスト配信ツリー(MDT)を確立します。デフォルト MDT により、プロバイダーエッジ(PE)デバイスが使用するパスが定義され、マルチキャストドメインにある他のすべての PE デバイスに、マルチキャストデータと制御メッセージが送信されます。デフォルト MDT は、単一の MP2MP LSP を使用してコア ネットワークに作成されます。デフォルト MDT は仮想 LAN のように動作します。
図に示されているように、MLDP ベースの MVPN は、高帯域幅の送信用にデータ MDT の動的な作成もサポートします。レートの高いデータソースの場合、ストリームに参加しない PE への帯域幅を浪費しないよう、デフォルト MDT からのトラフィックをオフロードするために、P2MP LSP を使用してデータ MDT が構築されます。データ MDT の構築は、MDT Join TLV メッセージを使用して動的に通知されます。データ MDT は、Cisco IOS ソフトウェアに一意な機能です。データ MDT は、VPN 内のフルモーション ビデオなどの高帯域幅の送信元向けであり、MPLS VPN コアの最適なトラフィック転送を確保することを目的としています。データ MDT が構築されるしきい値は、デバイス単位または VRF 単位で設定できます。マルチキャスト伝送量が定義されたしきい値を超えると、送信側の PE デバイスがデータ MDT を構築し、データ MDT に関する情報を含むユーザー データグラム プロトコル(UDP)メッセージをデフォルト MDT のすべてのデバイスに送信します。
データ MDT は、VRF マルチキャスト ルーティング テーブル内で、(S,G)マルチキャスト ルート エントリ専用に作成されます。個々のソースデータ レートの値に関係なく、(*, G) エントリ用には作成されません。
以前はトランスポートメカニズムとして、IP コアネットワーク上で Multipoint Generic Routing Encapsulation(mGRE)を使用する Protocol Independent Multicast(PIM)のみ使用できました。マルチキャストラベル配布プロトコル(MLDP)の導入により、MPLS コアネットワーク上でラベルのプセル化とともに MLDP を使用した伝送が可能です。
MLDP により、次のように MDT が作成されます。
デフォルト MDT は MP2MP LSP を使用します。
VRF 間の低帯域幅と制御トラフィックをサポートします。
データ MDT は P2MP LSP を使用します。
VRF からの単一の高帯域幅ソースストリームをサポートします。
MVPN の他のすべての動作は、トンネリングメカニズムに関係なく同じです。
VRF の PIM ネイバーは、ラベルスイッチパス仮想インターフェイス(LSP-VIF)を介して認識されます。
VPN マルチキャストステートは PIM によって通知されます。
MLDP を使用する場合の唯一の違いは、mGRE ソリューションで使用される MDT グループアドレスが VPN ID に置き換えられることです。
MLDP ベースの MVPN には、次の利点があります。
ユニキャストトラフィックとマルチキャストトラフィックの両方に単一の MPLS 転送プレーンを使用できます。
既存の MPLS 保護(MPLS トラフィックエンジニアリング/Resource Reservation Protocol(TE/RSVP リンク保護)および MPLS 運用、管理、保守(OAM)メカニズムなど)をマルチキャストトラフィックに使用できます。
MPLS コアネットワークで PIM が不要になるため、運用上の複雑さが軽減されます。
MLDP ベースの MVPN の初期展開では、デフォルトの MDT と 1 つ以上のデータ MDT の設定を行います。
各マルチキャスト ドメインに対してデフォルトのスタティック MDT が確立されます。デフォルト MDT により、PE デバイスが使用するパスが定義され、マルチキャストドメインにある他のすべての PE デバイスに、マルチキャストデータと制御メッセージが送信されます。デフォルト MDT は、単一の MP2MP LSP を使用してコア ネットワークに作成されます。
MLDP ベースの MVPN では、高帯域幅の送信用にデータ MDT の動的な作成もサポートされます。
図は、デフォルト MDT のシナリオを示しています。デフォルト MDT のシグナリングに使用される Opaque 値は、VPN ID と VPN の MDT 番号の 2 つのパラメータで構成されます。形式は(vpn-id、0)で、vpn-id は VPN を一意に識別する手動で設定された 7 バイトの番号です。デフォルト MDT はゼロに設定されています。
このシナリオでは、3 つの PE デバイスはそれぞれ VRF と呼ばれる VRF に属し、同じ VPN ID を持ちます。同じ VPN ID を持つ各 PE デバイスは、同じ MP2MP ツリーに参加します。PE デバイスには、P-Central(ルート 1)をルートとするプライマリ MP2MP ツリーと、PE-North(ルート 2)をルートとするバックアップ MP2MP ツリーが作成されています。PE-West には 2 つの送信元があり、PE-North と PE-East の両方に該当する受信者がいます。PE-West では MP2MP ツリーの 1 つを選択してカスタマー VPN トラフィックが送信されますが、すべての PE デバイスがいずれかの MP2MP ツリーでトラフィックを受信できます。
図は、各ルートのダウンストリームツリーの構築内容を示しています。VPN ID 100:2 で設定された各 PE デバイスでは、同じ転送等価クラス(FEC)のタイプ、長さ、および値(TLV)が作成されますが、MP2MP ツリーごとに異なるルートとダウンストリームラベルが使用されます。FEC タイプは MP2MP Down になり、アップストリーム ラベル マッピング メッセージで応答してアップストリームパスを作成するように受信側の Label Switched Route(LSR)に指示します。
図は、デフォルト MDT のアップストリーム LSP の構築内容を示しています。受信したダウンストリームラベルごとに、対応するアップストリームラベルが送信されます。最初の図では、P-Central は 3 つのアップストリームラベル(111、109、および 105)を各ダウンストリームの直接接続されたネイバーに送信します(ダウンストリームはルートから離れています)。2 番目の図に示されているように、直接接続されたダウンストリームネイバーは 1 つしかないため、PE-North のプロセスは単一のアップストリームラベル(313)のみを送信することを除いて同じです。
VPN 内のマルチキャストステートのシグナリングは、PIM 経由で行われます。PIM セッションはマルチポイント LSP 上で動作し、VPN マルチキャストフローが LSP にマッピングされるため、オーバーレイシグナリングと呼ばれます。MVPN では、PIM の動作は、基盤となるトンネルテクノロジーに依存しません。MVPN ソリューションでは、PE デバイス間で PIM 隣接関係が作成され、VRF 内のマルチキャストステートが PIM セッションを介して入力されます。MLDP を使用する場合、PIM セッションは LSP-VIF インターフェイス上で実行されます。図は、デフォルト MDT MP2MP LSP 上で実行される PIM シグナリングを示しています。MP2MP LSP へのアクセスは LSP-VIF を介して行われます。LSP-VIF を使用すると、LAN インターフェイスと同様に、ブランチの終端にあるすべてのリーフ PE デバイスを確認できます。図では、PE-East はダウンストリーム ラベル マッピング メッセージをルートである P-Central に送信し、P-Central はアップストリーム ラベル マッピング メッセージを PE-West に送信しています。これらのメッセージにより、2 つのリーフ PE デバイス間に LSP が作成されます。その後、PIM セッションを LSP の上部でアクティブにして、(S、G)ステートと制御メッセージを PE-West と PE-East 間でシグナリングできます。この場合、PE-East が VRF 内の(10.5.200.3、238.1.200.2)の Join TLV メッセージを受信し、mroute テーブルに挿入します。Join TLV メッセージは、PIM セッションを介して PE-West(BGP ネクストホップ 10.5.200.3)に送信され、VRF mroute テーブルに入力されます。この手順は、mGRE トンネルを使用する場合の手順と同じです。
MVPN では、特定のしきい値を超えるトラフィックは、デフォルト MDT からデータ MDT に移動できます。
図は、データ MDT のシナリオを示しています。データ MDT のシグナリングに使用される Opaque 値は、VPN ID とMDT 番号の 2 つのパラメータで構成されます。形式は(vpn-id、MDT# > 0)で、vpn-id は VPN を一意に識別する手動で設定された 7 バイトの番号です。2 番目のパラメータは、この VPN の一意のデータ MDT 番号で、ゼロより大きい数値です。
このシナリオでは、PE-North と PE-East の 2 つの受信者が PE-West の 2 つの送信元に関心を持っています。送信元(10.5.200.3)がデフォルト MDT のしきい値を超えると、PE-West は、新しいデータ MDT が作成されていることをすべての PE デバイスに通知する MDT Join TLV メッセージをデフォルト MDT MP2MP LSP 経由で発行します。
PE-East には VRF に該当する受信者がいるため、P2MP を使用してマルチポイント LSP を構築し、ツリーのルートとなる PE-West に戻します。PE-North には 10.5.200.3 の受信者がいないため、Join TLV メッセージをキャッシュするだけです。
MLDP は、MPLS コアにマルチキャスト ルーティング プロトコルが存在しなくても、MPLS ネットワーク内にマルチポイント ラベル スイッチ パス(MP LSP)を設定できるアプリケーションです。MLDP では、他のマルチキャストツリー構築プロトコルと相互に作用したり、それらのプロトコルに依存したりすることなく、P2MP または MP2MP LSP を構築できます。MP LSP およびユニキャスト IP ルーティングに LDP 拡張を使用すると、MLDP で MP LSP を設定できます。設定できる MP LSP のタイプには、ポイントツーマルチポイント(P2MP)とマルチポイントツーマルチポイント(MP2MP)のタイプの LSP の 2 つがあります。
P2MP LSP を使用すると、1 つのルート(入力ノード)からのトラフィックを複数のリーフ(出力ノード)に配信できます。ここで、各 P2MP ツリーは 2 タプル(ルート ノード アドレス、P2MP LSP 識別子)で一意に識別されます。P2MP LSP は、1 つのルート ノード、0 個以上の中継ノード、および 1 つ以上のリーフ ノードで構成されます。ここで通常、ルート ノードとリーフ ノードは PE であり、中継ノードは P ルータです。P2MP LSP の設定はレシーバから起動され、MLDP P2MP FEC を使用してシグナリングされます。ここで、LSP 識別子は MP Opaque Value 要素で表されます。MP Opaque Value は、入力 LSR とリーフ LSR が認識している情報を伝送しますが、中継 LSR で解釈する必要はありません。特定の入力ノードをルートとする、それぞれ独自の識別子を持つ MP LSP が複数存在する可能性があります。
MP2MP LSP を使用すると、複数の入力ノードからのトラフィックを複数の出力ノードに配信できます。ここで、MP2MP ツリーは 2 タプル(ルート ノード アドレス、MP2MP LSP 識別子)で一意に識別されます。MP2MP LSP の場合は、入力ノードから送信されたパケットを、送信ノードを除くすべての出力ノードが受信します。
MP2MP LSP は P2MP LSP と同様ですが、各リーフ ノードが入力ノードと出力ノードの両方として機能します。MP2MP LSP を構築するには、ダウンストリーム パスとアップストリーム パスを次のように設定できます。
ダウンストリームパスは、通常の P2MP LSP のように設定します。
アップストリーム パスは、アップストリーム ルータに向けられた P2P LSP のように設定しますが、ダウンストリーム ラベルをダウンストリーム P2MP LSP から継承するようにします。
![]() (注) |
プレフィックスごとに 1 つの P2MP MDT ツリーを設定することを推奨します。たとえば、500 のマルチキャストルートが必要な場合は、少なくとも 500 の P2MP MDT ツリーを設定する必要があります。 |
着信するパケットごとに、MPLS は複数の外側ラベルを作成します。ソース ネットワークからのパケットは、レシーバ ネットワークへのパス上で複製されます。CE1 ルータは、ネイティブの IP マルチキャスト トラフィックを送信します。PE1 ルータは着信マルチキャスト パケットにラベルを付加し、MPLS コア ネットワークへのラベル付きパケットを複製します。パケットは、コア ルータ(P)に到達すると、MP2MP のデフォルト MDT または P2MP のデータ MDT に対応する適切なラベル付きで複製され、すべての出力 PE に送信されます。パケットが出力 PE に到達すると、ラベルが削除され、IP マルチキャスト パケットは VRF インターフェイスに複製されます。
MLDP によって構築されたラベルスイッチパス(LSP)は、アプリケーションの要件や性質に応じて、次のように使用できます。
インバンド シグナリングを使用したグローバル テーブル中継マルチキャスト用の P2MP LSP。
MI-PMSI(Multidirectional Inclusive Provider Multicast Service Instance)に基づいた MVPN 用の P2MP/MP2MP LSP(Rosen ドラフト)。
MS-PMSI(Multidirectional Selective Provider Multicast Service Instance)に基づいた MVPN 用の P2MP/MP2MP LSP(パーティション化 E-LAN)。
デバイスでは、MLDP の実装のための次の重要な機能が実行されます。
VRF マルチキャスト IP パケットの GRE/ラベルによるカプセル化、およびコアインターフェイスへの複製(インポジションノード)。
マルチキャスト ラベル パケットの異なるラベルによる別のインターフェイスへの複製(中間ノード)。
ラベル パケットのカプセル化解除、および VRF インターフェイスへの複製(ディスポジション ノード)。
MVPN を使用すると、サービスプロバイダは MPLS VPN 環境でマルチキャストトラフィックを設定およびサポートできます。このタイプでは、個々の VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスでのマルチキャスト パケットのルーティングおよび転送がサポートされ、サービス プロバイダーのバックボーン全体にわたって VPN マルチキャスト パケットを転送するためのメカニズムも提供されます。MLDP の場合は、通常のラベル スイッチ パス転送が使用されるため、コアが PIM プロトコルを実行する必要はありません。このシナリオでは、c パケットは MPLS ラベル内にカプセル化され、MPLS ラベルスイッチパス(LSP)に基づいて転送されます。
MVPN MLDP サービスにより、送信元と受信側が異なるサイトに配置された Protocol Independent Multicast(PIM)ドメインを構築できます。
複数の分散したサイトがあるカスタマーにレイヤ 3 マルチキャスト サービスを提供する場合は、サービス プロバイダーはプロバイダー ネットワーク経由でカスタマーのマルチキャスト トラフィックを伝送するセキュアかつスケーラブルなメカニズムを求めます。マルチキャスト VPN(MVPN)は、BGP/MPLS VPN のようなネイティブ マルチキャスト テクノロジーを使用して共有サービス プロバイダー バックボーンを介して、このようなサービスを提供します。
MVPN は、マルチキャスト ドメイン(MD)の概念を採用するときに MPLS VPN テクノロジーをエミュレートします。その際、プロバイダー エッジ(PE)ルータは、同一カスタマー VPN に接続している他の PE ルータとの仮想 PIM ネイバー接続を確立します。これらの PE ルータはプロバイダー ネットワーク上のセキュアな仮想マルチキャスト ドメインを形成します。マルチキャスト トラフィックは、専用プロバイダー ネットワークを通過しているかのように、サイト間をコア ネットワーク上で伝送されます。
VPN ルーティングおよび転送(VRF)インスタンスごとに個別のマルチキャスト ルーティングおよび転送テーブルが保持され、トラフィックは、サービス プロバイダーのバックボーン全体にわたって VPN トンネル経由で送信されます。
Rosen MVPN MLDP ソリューションでは、コントロールプレーンとデータトラフィックを伝送するために、マルチポイントツーマルチポイント(MP2MP)のデフォルト MDT が設定されます。このソリューションの欠点は、MVPN の一部であるすべての PE ルータがこのデフォルト MDT ツリーに参加する必要があることです。MVPN のすべての PE ルータ間に MP2MP ツリーを設定することは、各 PE をルートとする N 個の P2MP ツリーを作成することと同じです(N は PE ルータの数)。Inter-AS(オプション A)ソリューションでは、全 AS 上のすべての PE ルータがデフォルト MDT に参加する必要があるため、この問題は悪化します。このソリューションのもう 1 つの欠点は、デフォルト MDT を介して送信されたパケットが、必要ない場合でもすべての PE ルータに到達することです。
パーティション MDT アプローチでは、特定の入力 PE からのトラフィック要求を受信する出力 PE ルータだけが、その入力 PEで設定された PMSI に参加します。これにより、ネットワーク内の入力 PE ルータの数が少なくなり、コア内のツリーの数が制限されます。
プロファイル名 |
MLDP でサポート可 |
---|---|
プロファイル 1 デフォルト MDT - MLDP MP2MP - PIM C-mcast シグナリング |
対応 |
プロファイル 2 パーティション MDT - MLDP MP2MP - PIM C-mcast シグナリング |
非対応 |
プロファイル 4 パーティション MDT - MLDP MP2MP - BGP-AD - PIM C-mcast シグナリング |
非対応 |
プロファイル 5 パーティション MDT - MLDP P2MP - BGP-AD - PIM C-mcast シグナリング |
非対応 |
プロファイル 6 VRF MLDP - インバンドシグナリング |
非対応 |
プロファイル 7 グローバル MLDP - インバンドシグナリング |
非対応 |
プロファイル 9 デフォルト MDT - MLDP - MP2MP - BGP-AD - PIM C-mcast シグナリング |
非対応 |
プロファイル 12 デフォルト MDT - MLDP - P2MP - BGP-AD - BGP C-mcast シグナリング |
非対応 |
プロファイル 13 デフォルト MDT - MLDP - MP2MP - BGP-AD - BGP C-mcast シグナリング |
対応 |
プロファイル 14 パーティション MDT - MLDP P2MP - BGP-AD - BGP C-mast シグナリング |
対応 |
プロファイル 15 パーティション MDT - MLDP MP2MP - BGP-AD - BGP C-mast シグナリング |
非対応 |
プロファイル 17 デフォルト MDT - MLDP - P2MP - BGP-AD - PIM C-mcast シグナリング |
なし |
MLDP の初期設定を設定するには、次の作業を実行します。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
enable 例:
|
特権 EXEC モードを有効にします。
|
ステップ 2 |
configure terminal 例:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
mpls mldp logging notifications 例:
|
MLDP ロギング通知を有効にします。 |
ステップ 4 |
end 例:
|
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
MLDP ベースの MVPN を設定するには、次の作業を実行します。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 |
enable 例:
|
特権 EXEC モードを有効にします。
|
ステップ 2 |
configure terminal 例:
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
ip multicast-routing 例:
|
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。 |
ステップ 4 |
ip multicast-routing vrf vrf-name 例:
|
vrf-name 引数に指定された MVPN VRF の IP マルチキャストルーティングを有効にします。 |
ステップ 5 |
vrf definition vrf-name 例:
|
VRF コンフィギュレーション モードを開始し、VRF 名を割り当てることにより VPN ルーティング インスタンスを定義します。 |
ステップ 6 |
rd route-distinguisher 例:
|
ルート識別子(RD)が作成されます(VRF を機能させるため)。ルーティングテーブルと転送テーブルを作成し、RD と VRF インスタンスを関連付けて、VPN のデフォルト RD を指定します。 |
ステップ 7 |
vpn id oui : vpn-index 例:
|
VRF インスタンスの VPN ID を設定または更新します。 |
ステップ 8 |
address family ipv4 例:
|
VRF アドレス ファミリ コンフィギュレーション モードを開始して、VRF のアドレス ファミリを指定します。
|
ステップ 9 |
mdt preference { mldp | pim } 例:
|
特定の MDT タイプ(MLDP または PIM)の設定を指定します。 |
ステップ 10 |
mdt default mpls mldp group-address 例:
|
VPN VRF インスタンスのデフォルト MDT グループを設定します。 |
ステップ 11 |
mdt data mpls mldp number-of-data-mdt 例:
|
データ MDT プールで使用されるアドレスの範囲を指定します。 |
ステップ 12 |
mdt data threshold kb/s list access-list 例:
|
帯域幅しきい値をキロビット/秒単位で定義します。 |
ステップ 13 |
route target export route-target-ext-community 例:
|
指定した VRF のエクスポート ルート ターゲット拡張コミュニティを作成します。 |
ステップ 14 |
route target import route-target-ext-community 例:
|
指定した VRF のインポートルートターゲット拡張コミュニティを作成します。 |
ステップ 15 |
end 例:
|
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、特権 EXEC モードに戻ります。 |
MLDP ベースの MVPN の設定を確認するには、特権 EXEC モードで次の作業を実行します。
ステップ 1 |
show mpls mldp database MLDP データベースの情報を表示するには、show mpls mldp database コマンドを入力します。FEC 復号された FEC の Opaque 値、および関連付けられたレプリケーション クライアントが表示されます。 例:
|
ステップ 2 |
show ip pim neighbor [vrf vrf-name ] neighbor [interface-type interface-number ] show ip pim neighbor コマンドを入力して、PIM 隣接関係の情報を表示します。 例:
|
ステップ 3 |
show ip mroute [vrf vrf-name ] [[active [kbps ] [interface type number ] | bidirectional | count [terse ] | dense | interface type number | proxy | pruned | sparse | ssm | static | summary ] | [group-address [source-address ]] [count [terse ] | interface type number | proxy | pruned | summary ] | [source-address group-address ] [count [terse ] | interface type number | proxy | pruned | summary ] | [group-address ] active [kbps ] [interface type number | verbose ]] show ip mroute コマンドを入力して、マルチキャストルーティング(mroute)テーブルの内容を表示します。 例:
|
ステップ 4 |
show mpls forwarding-table [network {mask | length } | labels label [- label ] | interface interface | next-hop address | lsp-tunnel [tunnel-id ]] [vrf vrf-name ] [detail ] show mpls forwarding-table コマンドを入力して、MPLS ラベル転送情報ベース(LFIB)の内容を表示します。 例:
|
MLDP ベースの MVPN の初期展開では、デフォルトの MDT と 1 つ以上のデータ MDT の設定を行います。
次に、MLDP ベースの MVPN のデフォルト MDT を設定する例を示します。この設定は、図に示されているトポロジ例に基づいています。
この設定は、同じ VPN ID に参加するすべての PE デバイスで一貫しています。vpn id 100:2 コマンドは、mGRE トランスポート方式で使用される MDT グループアドレスを置き換えます。冗長性を提供するために、P-Central と PE-North をルートとする 2 つのデフォルト MDT ツリーが静的に設定されます。デフォルト MDT が特定の PE デバイスで使用する MP2MP ツリーの選択は、内部ゲートウェイプロトコル(IGP)メトリックによって決まります。MP2MP LSP は、デフォルト MDT に対して暗黙的です。
ip pim mpls source Loopback0
ip multicast-routing
ip multicast-routing vrf VRF
!
ip vrf VRF
rd 100:2
vpn id 100:2
route-target export 200:2
route-target import 200:2
mdt default mpls mldp 172.30.20.1 (P-Central)
mdt default mpls mldp 172.30.20.3 (PE-North)
PIM は、通常のトンネルインターフェイスであるかのように LSP-VIF 上で動作します。つまり、PIM hello メッセージが LSP-VIF を介して交換され、デフォルト MDT を介して PIM 隣接関係が確立されます。このセクションの出力例には、PE-East の VRF にある 3 つの PIM 隣接関係が表示されています。ここに記載されているのは、LSP-VIF インターフェイス 101 経由で MP2MP LSP を介した PE-West および PE-North への隣接関係です。
PE-East# show ip pim vrf vrf3001 neighbor
PIM Neighbor Table
Mode: B - Bidir Capable, DR - Designated Router, N - Default DR Priority,
P - Proxy Capable, S - State Refresh Capable, G - GenID Capable,
L - DR Load-balancing Capable
Neighbor Interface Uptime/Expires Ver DR
Address Prio/Mode
5.5.5.5 Lspvif0 00:18:54/00:01:33 v2 1 / S P G
2.2.2.2 Lspvif0 1d00h/00:01:34 v2 1 / S P G
22.22.22.22 Lspvif0 1d00h/00:01:34 v2 1 / DR S P G
show ip mroute コマンドの出力には、VRF の(S、G)エントリも表示されます。ストリーム 225.1.1.1 には、LSP-VIF インターフェイス 101 のリバース パス フォワーディング(RPF)インターフェイスと、ネイバー 2.2.2.2(PE-West)があります。
PE-East# show ip mroute vrf vrf3001 225.1.1.1 30.22.1.10
IP Multicast Routing Table
Flags: D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group, C - Connected,
L - Local, P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag,
T - SPT-bit set, J - Join SPT, M - MSDP created entry, E - Extranet,
X - Proxy Join Timer Running, A - Candidate for MSDP Advertisement,
U - URD, I - Received Source Specific Host Report,
Z - Multicast Tunnel, z - MDT-data group sender,
Y - Joined MDT-data group, y - Sending to MDT-data group,
G - Received BGP C-Mroute, g - Sent BGP C-Mroute,
N - Received BGP Shared-Tree Prune, n - BGP C-Mroute suppressed,
Q - Received BGP S-A Route, q - Sent BGP S-A Route,
V - RD & Vector, v - Vector, p - PIM Joins on route,
x - VxLAN group, c - PFP-SA cache created entry,
* - determined by Assert, # - iif-starg configured on rpf intf,
e - encap-helper tunnel flag
Outgoing interface flags: H - Hardware switched, A - Assert winner, p - PIM Join
Timers: Uptime/Expires
Interface state: Interface, Next-Hop or VCD, State/Mode
(30.22.1.10, 225.1.1.1), 00:31:08/00:02:14, flags: JTY
Incoming interface: Lspvif101, RPF nbr 2.2.2.2, MDT: [2, 2.2.2.2]/00:02:51
Outgoing interface list:
Vlan3001, Forward/Sparse, 00:31:08/00:02:35
このセクションの出力例には、PE-East のデフォルト MDT をサポートする MP2MP ツリーのデータベースエントリが表示されています。データベースは Opaque 値 MDT 3001:1 で検索され、2 つの MP2MP ツリー(ルートごとに 1 つ)の情報が返されます。両方のツリーのシステム ID は異なり、同じ Opaque 値([[mdt 3001:1 1])が使用されますが、ルートが異なります。エントリ 3E0 は、それがプライマリ MP2MP ツリーであることを示しているため、PE-East はこの LSP 上のすべての送信元マルチキャストトラフィックを送信し、21C がバックアップルートになります。インターフェイス LSP-VIF インターフェイス 101 は、両方の MP2MP LSP を表します。ローカルラベル(D)は、PE-East によってこのツリーに割り当てられたダウンストリームラベルです。つまり、ルートからのトラフィックは、プライマリツリーまたはバックアップツリーのいずれかで受信されます。アウトラベル(U)は、PE-East がトラフィックをツリー、ルートへのアップストリームに送信するために使用するラベルです(プライマリツリーの場合は 361、バックアップツリーの場合は 363)。ラベルはどちらも P-Central から受信しています。
PE-East# show mpls mldp database opaque_type mdt 3001:1
LSM ID : 3E0 Type: P2MP Uptime : 00:34:24
FEC Root : 2.2.2.2
Opaque decoded : [mdt 3001:1 1]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000001
Upstream client(s) :
33.33.33.33:0 [Active]
Expires : Never Path Set ID : 1C0
Out Label (U) : None Interface : Port-channel23*
Local Label (D): 361 Next Hop : 104.2.3.2
Replication client(s):
MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 00:34:24 Path Set ID : None
Interface : Lspvif101 RPF-ID : *
LSM ID : 21C Type: P2MP Uptime : 00:34:16
FEC Root : 2.2.2.2
Opaque decoded : [mdt 3001:1 2]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000002
Upstream client(s) :
33.33.33.33:0 [Active]
Expires : Never Path Set ID : 17D
Out Label (U) : None Interface : Port-channel23*
Local Label (D): 363 Next Hop : 104.2.3.2
Replication client(s):
MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 00:34:16 Path Set ID : None
Interface : Lspvif101 RPF-ID : *
このセクションの出力例には、P-Central であるプライマリ MP2MP LSP の VRF(MDT 3001:1)MLDP データベースエントリ 7035A が表示されています。ローカルデバイス P-Central がルートであるため、アップストリームピア ID はなく、ローカルに割り当てられているラベルはありません。ただし、3 つの PE デバイス(PE-North、PE-West、および PE-East)を表す 3 つのレプリケーション クライアントがあります。これらのレプリケーション クライアントは、P2MP LSP のダウンストリームノードです。これらのクライアントは、マルチポイント複製トラフィックを受信します。
ルートの観点から見たレプリケーションエントリには、次の 2 つのタイプのラベルがあります。
アウトラベル(D):これらは、ルートへのダウンストリームであるリモートピアから受信したラベルです(トラフィックフローはルートからダウンストリームになります)。
ローカルラベル(U):これらは、P-Central からネイバーに提供されるラベルで、アップストリームラベル(ルートにトラフィックを送信)として使用されます。ローカルラベルはすべて、P-Central で使用するように設定した 100 の範囲内で始まるため簡単に識別できます。P-Central は、タイプが MP2MP Down の FEC を受信すると、ローカルラベルを送信します。
レプリケーションエントリで送受信されたラベルから、ラベル転送情報ベース(LFIB)が作成されます。LFIB には、アップストリームパスごとに 1 つのエントリと、ダウンストリームパスごとに 1 つのエントリがあります。この場合、P-Central がルートであるため、対応するダウンストリームラベルとマージされたアップストリームエントリのみが LFIB にあります。たとえば、ラベル 105 は、送信元トラフィックをアップストリームに送信するために PE-East に送信されるラベル P-Central です。PE-East から受信したトラフィックは、ダウンストリームラベル 307 を使用して PE-West に、ラベル 208 を使用して PE-North に複製されます。
P-Central# show mpls mldp database opaque_type mdt 3001:1
LSM ID : 7035A Type: P2MP Uptime : 00:01:13
FEC Root : 2.2.2.2
Opaque decoded : [mdt 3001:1 1]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000001
Upstream client(s) :
33.33.33.33:0 [Active]
Expires : Never Path Set ID : 501A2
Out Label (U) : None Interface : Vlan31*
Local Label (D): 997 Next Hop : 104.3.1.2
Replication client(s):
MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 00:01:13 Path Set ID : None
Interface : Lspvif1 RPF-ID : *
このセクションの出力例には、PE-North(バックアップルート)をルートとする P2MP LSP の P-Central のエントリが表示されています。このツリーでは、P-Central はツリーのブランチであり、ルートではありません。そのため、注意すべき点がいくつかあります。
アップストリームピア ID は PE-North であるため、P-Central は PE-North へのダウンストリーム方向にラベル 915 を割り当てています。PE-North はその後アップストリームラベルで応答しています。
PE-East と PE-West を表す 2 つのレプリケーションエントリが表示されます。
マージされた LFIB には次の 3 つのエントリが表示されます。
ルート 2(PE-North)からトラフィックを受信する 1 つのダウンストリームエントリ(ラベル 915)。トラフィックは、PE-West および PE-East のアウトラベルを使用してさらにダウンストリームに転送されます。
リーフからトラフィックを受信し、アウトラベルを使用してダウンストリームまたはアップストリームに転送する 2 つのアップストリームエントリ。
Central_P# show mpls mldp database opaque_type mdt 3001:1
LSM ID : 3024C (RNR LSM ID: 1026F) Type: MP2MP Uptime : 2w3d
FEC Root : 2.2.2.2
Opaque decoded : [mdt 3001:1 0]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000000
RNR active LSP : 101F6 (root: 22.22.22.22)
Upstream client(s) :
33.33.33.33:0 [Active]
Expires : Never Path Set ID : D0157
Out Label (U) : 4069 Interface : Port-channel31*
Local Label (D) : 915 Next Hop : 104.3.1.2
Replication client(s) :
> MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 2w3d Path Set ID : F0036
Interface : Lspvif1 RPF-ID : *
7.7.7.7:0
Uptime : 1d20h Path Set ID : B01ED
Out label (D) : 25 Interface : Port-channel71.1*
Local label (U) : 941 Next Hop : 104.71.1.1
LSM ID : 101F6 (RNR LSM ID: 1026F) Type: MP2MP Uptime : 21:17:45
FEC Root : 22.22.22.22 (we are the root)
Opaque decoded : [mdt 3001:1 0]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000000
RNR active LSP : (this entry)
Candidate RNR ID(s) : 3024C
Upstream client(s) :
None
Expires : N/A Path Set ID : F007B
Replication client(s) :
> MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 20:51:46 Path Set ID : C001F
Interface : Lspvif1 RPF-ID : *
7.7.7.7:0
Uptime : 20:51:43 Path Set ID : C0020
Out label (D) : 44 Interface : Port-channel71.1*
Local label (U) : 1191 Next Hop : 104.71.1.1
33.33.33.33:0
Uptime : 00:00:34 Path Set ID : 100049
Out label (D) : 3109 Interface : Port-channel31*
Local label (U) : 1340 Next Hop : 104.3.1.2
次に、MLDP ベースの MVPN のデータ MDT を設定する例を示します。この設定は、図に示されているトポロジ例に基づいています。
このセクションの出力例には、すべての PE デバイスのデータ MDT の設定が表示されています。必要な追加コマンドは mdt data コマンドだけです。最初の mdt data コマンドでは最大 60 個のデータ MDT を作成でき、2 番目の mdt data コマンドではしきい値を設定できます。データ MDT の数が 60 を超えると、データ MDT は mGRE トンネル方式(参照カウントが最も低い方式)の場合と同じ方法で再利用されます。
ip pim vrf VRF mpls source Loopback0
!
ip vrf VRF
rd 100:2
vpn id 100:2
route-target export 200:2
route-target import 200:2
mdt default mpls mldp 172.30.20.1 (P-Central)
mdt default mpls mldp 172.30.20.3 (PE-North)
mdt data mpls mldp 60
mdt data threshold 1
このセクションの出力例には、高帯域幅の送信元がしきい値を超える前の PE-West の VRF mroute テーブルが表示されています。この時点で、単一の MP2MP LSP(システム ID 2)上に、PE-West の 2 つの VPN 送信元を表す 2 つのストリームがあります。LSP は、LSP-VIF インターフェイス 0 を介してアクセスされるデフォルト MDT を表します。
PE-West# show ip mroute vrf vrf3001 verbose.
.
.
(30.0.5.10, 228.1.1.1), 16:08:00/00:02:21, flags: FTAp
Incoming interface: Vlan3001, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
Lspvif0, LSM MDT: 2 (default), Forward/Sparse, 16:08:00/00:03:25, Pkts:0, p
.
.
.
(30.0.5.10, 228.1.1.3), 15:55:20/00:01:38, flags: FTAp
Incoming interface: Vlan3001, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
Lspvif0, LSM MDT: 2 (default), Forward/Sparse, 15:55:13/00:02:44, Pkts:0, p
このセクションの出力例には、送信元の送信料がしきい値を超えた後の出力が表示されています。PE-West は MDT Join TLV メッセージを送信して、データ MDT の構築を通知します。この場合、データ MDT 番号は 8 であるため、PE-East は、ルート = PE-West、Opaque 値 =(mdt vpn-id 8)を含む FEC TLV を使用して、ラベルマッピングメッセージを PE-West に返送します。システム ID は D に変更され、別の LSP をシグナリングします。ただし、LSP-VIF は引き続き LSP-VIF インターフェイス 0です。(S、G)エントリには、このストリームがデータ MDT に切り替わったことを示す「y」フラグも設定されます。
PE-West# show ip mroute vrf vrf3001 228.1.1.3 30.0.5.10 verbose
.
.
.
(30.0.5.10, 228.1.1.3), 16:00:17/00:02:49, flags: FTAyp
Incoming interface: Vlan3001, RPF nbr 0.0.0.0
MDT TX nr: 8 LSM-ID: 0xD
Outgoing interface list:
Lspvif0, LSM MDT: D (data), Forward/Sparse, 16:00:10/00:02:43, Pkts:0, p
このセクションの出力例には、入力デバイス PE-West のデータ MDT(F)の MLDP エントリが表示されています。このエントリに関する次の点に注意してください。
ツリータイプは P2MP で、ルートは PE-West(5.5.5.5)です。
Opaque 値は [mdt 3001:1 10] で、最初のデータ MDT を示しています。
ルートであるため、ラベルは割り当てられていません。
このツリーには 1 つのレプリケーション クライアント エントリがあります。
MDT エントリは内部構造です。
PE-West# show mpls mldp database id F
LSM ID : F Type: P2MP Uptime : 00:02:37
FEC Root : 5.5.5.5 (we are the root)
Opaque decoded : [mdt 3001:1 10]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 003001000000010000000A
Upstream client(s) :
None
Expires : N/A Path Set ID : 10
Replication client(s):
> MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 00:02:37 Path Set ID : None
Interface : Lspvif0 RPF-ID : *
33.33.33.33:0
Uptime : 00:02:37 Path Set ID : None
Out label (D) : 3326 Interface : Port-channel23*
Local label (U): None Next Hop : 104.2.3.2
このセクションの出力例には、出力デバイスである PE-East のデータ MDT のデータベースエントリが表示されています。また、デフォルト MDT を介して PE-West から送信された MDT Join TLV メッセージも表示されます。MDT Join TLV メッセージには、PE-East がラベルマッピングメッセージ P2MP LSP を作成して PE-West のルートに戻すために必要なすべての情報が含まれています。
PE-East# show mpls mldp database opaque_type mdt 3001:1
LSM ID : CD Type: P2MP Uptime : 00:33:46
FEC Root : 2.2.2.2 (we are the root)
Opaque decoded : [mdt 3001:1 1]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000001
Upstream client(s) :
None
Expires : N/A Path Set ID : D8
Replication client(s):
> MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 00:33:46 Path Set ID : None
Interface : Lspvif101 RPF-ID : *
33.33.33.33:0
Uptime : 00:33:46 Path Set ID : None
Out label (D) : 348 Interface : Vlan2222*
Local label (U): None Next Hop : 26.1.3.2
LSM ID : CE Type: P2MP Uptime : 00:33:38
FEC Root : 2.2.2.2 (we are the root)
Opaque decoded : [mdt 3001:1 2]
Opaque length : 11 bytes
Opaque value : 02 000B 0030010000000100000002
Upstream client(s) :
None
Expires : N/A Path Set ID : D9
Replication client(s):
> MDT (VRF vrf3001)
Uptime : 00:33:38 Path Set ID : None
Interface : Lspvif101 RPF-ID : *
33.33.33.33:0
Uptime : 00:33:38 Path Set ID : None
Out label (D) : 2399 Interface : Vlan2222*
Local label (U): None Next Hop : 26.1.3.2
このセクションの出力例には、P-Central および PE-East を通過するデータ MDT の LFIB エントリが表示されています。LSP に使用されるトンネル ID は Opaque 値 [mdt 3001:1 0] です。
P-Central# show mpls forwarding-table labels 1191
Local Outgoing Prefix Bytes Label Outgoing Next Hop
Label Label or Tunnel Id Switched interface
1191 2602 [mdt 3001:1 0][V] \
156663076 Po31 104.3.1.2
[T] No Label [mdt 3001:1 0][V] \
45279264 aggregate/vrf3001
[T] Forwarding through a LSP tunnel.
View additional labelling info with the 'detail' option
PE-East# show mpls forwarding-table vrf vrf3001
Local Outgoing Prefix Bytes Label Outgoing Next Hop
Label Label or Tunnel Id Switched interface
132 No Label 30.0.1.0/24[V] 0 drop
133 Pop Label 30.30.1.1/32[V] 0 aggregate/vrf3001
137 Pop Label 30.1.30.1/32[V] 0 aggregate/vrf3001
138 No Label 30.0.5.0/24[V] 0 aggregate/vrf3001
142 [T] No Label [mdt 3001:1 0][V] \
905056 aggregate/vrf3001
145 [T] No Label [mdt 3001:1 0][V] \
7448 aggregate/vrf3001
[T] Forwarding through a LSP tunnel.
View additional labelling info with the 'detail' option
次に、MVPN プロファイル 1 を設定する例を示します。
vrf definition one
rd 1:2
vpn id 1000:2000
!
address-family ipv4
mdt default mpls mldp 10.100.1.1
route-target export 1:1
route-target import 1:1
exit-address-family
!
ip multicast-routing vrf one
mpls mldp logging notifications
router bgp 1
bgp log-neighbor-changes
neighbor 10.100.1.7 remote-as 1
neighbor 10.100.1.7 update-source Loopback0
!
address-family vpnv4
neighbor 10.100.1.7 activate
neighbor 10.100.1.7 send-community extended
exit-address-family
!
address-family ipv4 vrf one
redistribute connected
neighbor 10.2.2.9 remote-as 65002
neighbor 10.2.2.9 activate
exit-address-family
次に、MVPN プロファイル 13 を設定する例を示します。
vrf definition one
rd 1:1
vpn id 1000:2000
!
address-family ipv4
mdt auto-discovery mldp
mdt default mpls mldp 10.100.1.3
mdt overlay use-bgp
route-target export 1:1
route-target import 1:1
exit-address-family
!
interface Ethernet2/0
vrf forwarding one
ip address 10.2.1.1 255.255.255.0
ip pim sparse-mode
router bgp 1
neighbor 10.100.1.7 remote-as 1
neighbor 10.100.1.7 update-source Loopback0
!
address-family ipv4 mvpn
neighbor 10.100.1.7 activate
neighbor 10.100.1.7 send-community extended
exit-address-family
!
address-family vpnv4
neighbor 10.100.1.7 activate
neighbor 10.100.1.7 send-community extended
exit-address-family
!
次に、MVPN プロファイル 14 を設定する例を示します。
vrf definition one
rd 1:1
!
address-family ipv4
mdt auto-discovery mldp
mdt strict-rpf interface
mdt partitioned mldp p2mp
mdt overlay use-bgp
route-target export 1:1
route-target import 1:1
exit-address-family
!
interface Ethernet2/0
vrf forwarding one
ip address 10.2.1.1 255.255.255.0
ip pim sparse-mode
!
router bgp 1
neighbor 10.100.1.7 remote-as 1
neighbor 10.100.1.7 update-source Loopback0
!
address-family ipv4 mvpn
neighbor 10.100.1.7 activate
neighbor 10.100.1.7 send-community extended
exit-address-family
!
address-family vpnv4
neighbor 10.100.1.7 activate
neighbor 10.100.1.7 send-community extended
exit-address-family
!
address-family ipv4 vrf one
redistribute connected
neighbor 10.2.1.8 remote-as 65001
neighbor 10.2.1.8 activate
exit-address-family
!
次の表に、このモジュールで説明する機能のリリースおよび関連情報を示します。
これらの機能は、特に明記されていない限り、導入されたリリース以降のすべてのリリースで使用できます。
リリース |
機能 |
機能情報 |
---|---|---|
Cisco IOS XE Amsterdam 17.3.3 |
MLDP-Based MVPN |
MLDP ベースの MVPN 機能は、マルチキャスト仮想プライベートネットワーク(MVPN)コアネットワークでの転送用に、ポイントツーマルチポイント(P2MP)およびマルチポイントツーマルチポイント(MP2MP)ラベルスイッチドパス(LSP)を設定するためのラベル配布プロトコル(LDP)の拡張機能を提供します。 |
Cisco Feature Navigator を使用すると、プラットフォームおよびソフトウェアイメージのサポート情報を検索できます。Cisco Feature Navigator には、http://www.cisco.com/go/cfn [英語] からアクセスします。