特定のグループ範囲に Protocol-Independent Multicast(PIM)ランデブーポイント(RP)のアドレスを設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードで ipv6 pim rp-address コマンドを使用します。RP アドレスを削除するには、このコマンドの no 形式を使用します。
ipv6 pim [vrf vrf-name ] rp-address ipv6-address [group-access-list] [bidir]
no ipv6 pim rp-address ipv6-address [group-access-list] [bidir]
構文の説明
vrf vrf-name
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(任意)Virtual Routing and Forwarding(VRF)コンフィギュレーションを指定します。
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ipv6-address
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PIM RP になるルータの IPv6 アドレス。
ipv6-address 引数は、RFC 2373 に記載された形式で指定する必要があります。この形式では、アドレスは、16 進数値を 16 ビット単位でコロンで区切って指定します。
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group-access-list
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(任意)RP をどのマルチキャスト グループに使用するかを定義するアクセス リストの名前。
アクセス リストに割り当てられた Source-Specific Multicast(SSM)グループ アドレスの範囲(FF3x::/96)に重複するグループ アドレスの範囲が含まれている場合、警告メッセージが表示され、重複する範囲は無視されます。アクセス
リストを指定しない場合は、有効なマルチキャスト非 SSM アドレスのすべての範囲に指定した RP が使用されます。
組み込み RP をサポートするには、RP として設定したルータが、組み込み RP アドレスから生成した組み込み RP グループの範囲を許可する設定済みのアクセス リストを使用する必要があります。
組み込み RP グループの範囲にすべての範囲(3 ~ 7 など)を含める必要はありません。
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bidir
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(任意)双方向共有ツリー転送に使用するグループ範囲を指定します。指定しないと、スパース モード転送に使用されます。単一の IPv6 アドレスは、双方向またはスパース モード 範囲のいずれかにのみ RP として設定できます。単一のグループ範囲リストは、双方向モードかスパース
モードのいずれかで動作するように設定できます。
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コマンド デフォルト
PIM RP は事前に設定されていません。組み込み RP サポートは、IPv6 PIM が有効になっている(組み込み RP サポートが提供される)場合に、デフォルトで有効になります。マルチキャスト グループは PIM スパース モードで動作します。
コマンド モード
グローバル コンフィギュレーション(config)
コマンド履歴
リリース
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変更内容
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Cisco IOS XE Everest 16.5.1aCisco IOS XE Everest 16.5.1a
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このコマンドが導入されました。
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使用上のガイドライン
PIM がスパース モードで設定されている場合は、RP として動作する 1 つ以上のルータを選択する必要があります。RP は、共有配布ツリーの唯一かつ共通のルートで、各ルータではスタティックに設定されます。
組み込み RP サポートが利用できる場合、RP を組み込み RP 範囲の RP として静的に設定する必要があるだけです。他の IPv6 PIM ルータでのその他の設定は必要ありません。他のルータは、IPv6 グループ アドレスから RP アドレスを検出します。これらのルータが組み込み
RP の代わりに静的 RP を選択する場合、特定の組み込み RP グループ範囲を静的 RP のアクセス リストに設定する必要があります。
送信元マルチキャスト ホストの代わりに、ファーストホップ ルータが使用する RP アドレスを使用して登録パケットを送信します。また、グループのメンバにするマルチキャストホストの代わりに、ルータが RP アドレスを使用します。これらのルータは join
メッセージと prune メッセージを RP に送信します。
オプションの group-access-list 引数を指定しないと、FFX[3-f]::/8 ~ FF3X::/96 の範囲の SSM を除き、ルーティング可能な IPv6 マルチキャスト グループの範囲全体に RP が適用されます。group-access-list 引数を指定した場合、IPv6 アドレスは group-access-list 引数内に指定したグループの範囲の RP アドレスになります。
複数のグループに単一の RP を使用するように Cisco IOS ソフトウェアを設定できます。アクセス リストで指定されている条件によって、RP を使用できるグループが決定されます。アクセス リストが設定されていない場合は、すべてのグループに
RP が使用されます。
PIM ルータは複数の RP を使用できますが、グループごとに 1 つのみです。
例
次に、すべてのマルチキャスト グループの PIM RP アドレスを 2001::10:10 に設定する例を示します。
デバイス(config)# ipv6 pim rp-address 2001::10:10
次に、マルチキャスト グループ FF04::/64 についてのみ PIM RP アドレスを 2001::10:10 に設定する例を示します。
デバイス(config)# ipv6 access-list acc-grp-1
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff04::/64
デバイス(config)# ipv6 pim rp-address 2001::10:10 acc-grp-1
次に、IPv6 アドレス 2001:0DB8:2::2 から生成した組み込み RP の範囲を許可するグループ アクセス リストを設定する例を示します。
デバイス(config)# ipv6 pim rp-address 2001:0DB8:2::2 embd-ranges
デバイス(config)# ipv6 access-list embd-ranges
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff73:240:2:2:2::/96
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff74:240:2:2:2::/96
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff75:240:2:2:2::/96
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff76:240:2:2:2::/96
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff77:240:2:2:2::/96
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff78:240:2:2:2::/96
次に、アドレス 100::1 をマルチキャスト範囲 FF::/8 全体の双方向 RP として有効にする例を示します。
ipv6 pim rp-address 100::1 bidir
次に、IPv6 アドレス 200::1 を、bidir-grps というアクセス リストで許可された範囲の双方向 RP として有効にする例を示します。このリストで許可された範囲は ff05::/16 と ff06::/16 です。
デバイス(config)# ipv6 access-list bidir-grps
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff05::/16
デバイス(config-ipv6-acl)# permit ipv6 any ff06::/16
デバイス(config-ipv6-acl)# exit
デバイス(config)# ipv6 pim rp-address 200::1 bidir-grps bidir