この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章の内容は、次のとおりです。
3 値連想メモリ(TCAM)カービング機能では、TCAM のデフォルト リージョン サイズの変更を可能にするテンプレート ベースの手段を使用します。スイッチが起動すると、他のどんなテンプレートも設定していなければ、このデフォルト テンプレートが表示されます。次の表に、テンプレート内のさまざまなリージョンの種類とサイズを示します。
領域 | サイズ(エントリ数) | サイズ(ブロック数) | 機能 |
---|---|---|---|
VACL |
2048 |
16 |
VLAN アクセス コントロール リスト(VACL)の入力、VACL の出力 |
ifacl |
1152 |
18 |
インターフェイス ACL の入力、レイヤ 3 物理ポート/サブインターフェイス RACL の入力、すべてのポートの RACL の出力、デフォルトのコントロール プレーン ポリシング(CoPP) |
QoS |
448 |
7 |
vlan-qos の入力、system-qos の入力、interface-qos の入力 |
Rbacl |
128 |
18 |
レイヤ 3 スイッチ仮想インターフェイスの入力、レイヤ 3 ポート チャネル/ポート チャネル サブインターフェイス ルータ アクセス コントロール リスト(RACL)の入力、Cisco Trusted Security(CTS)の出力 |
Span |
64 |
1 |
Span |
Sup |
128 |
2 |
Sup-rdt |
未使用 |
128 |
2 |
これは未使用ですが、他の領域(SUP 領域など)に再割り当てできます。 |
合計 |
4096 |
64 |
領域 | サイズ(エントリ数) | サイズ(ブロック数) | 機能 |
---|---|---|---|
ifacl |
64 |
1 |
インターフェイス ACL の入力、レイヤ 3 物理ポート/サブインターフェイス ルータ アクセス コントロール リスト(RACL)の入力、すべてのポートの RACL の出力、デフォルトのコントロール プレーン ポリシング(CoPP) |
eracl |
2048 |
32 |
出力 RACL |
iracl |
1664 |
26 |
入力 RACL |
QoS |
64 |
1 |
vlan-qos の入力、system-qos の入力、interface-qos の入力 |
Span |
64 |
1 |
Span |
Sup |
64 |
1 |
Sup-rdt |
未使用 |
128 |
2 |
これは未使用であり、どの領域にも割り当てることはできません。 |
合計 |
4096 |
64 |
デフォルト テンプレートに加えて最大 16 個のテンプレートを作成できます(つまり、同時に 17 個のテンプレートを保持できるということです)。希望の 3 値連想メモリ(TCAM)リージョンにどんなサイズでも設定できます。
各テンプレートで、次の操作を実行できます。
各テンプレートは、次のうちのいずれかのステータスになっています。
テンプレートを作成する場合、TCAM リージョンのサイズはデフォルト値に初期化されます。テンプレートを作成する場合、テンプレートはデフォルトでは保存済みステートになっています。テンプレートを作成すると、これを変更してどの TCAM リージョンのサイズも変更できます。各 TCAM ブロックのサイズは 64 エントリのため、リージョンのサイズは 64 の倍数で設定する必要があります。入力した値が 64 の倍数でなかった場合、値を再入力するように求めるエラー メッセージが表示されます。
すべての保存済みテンプレートを編集してどの TCAM リージョンのサイズでも変更できますが、どの TCAM のリージョンのサイズも 0 に設定することはできません。編集中、入力したサイズが 64 の境界線にあるかがソフトウェアによってチェックされます。テンプレートを変更する場合、すべての TCAM リージョンのサイズの合計が 4096 エントリより小さくなる必要があります。変更中は、4096 エントリ未満なのかはソフトウェアではチェックされません。
テンプレートは、保存済みステートのときにのみ変更できます。テンプレートをコミットした後は編集できません。
コミット済みのユーザ定義テンプレートは、別のユーザ定義テンプレートまたはデフォルト テンプレートを提供することによって作成済みステートに変更できます。
別のユーザ定義テンプレートを提供するには、次のコマンドを入力します。
hardware profile tcam resource service-templateuser-defined-template
デフォルト テンプレートを提供するには、次のコマンドを入力します。
no hardware profile tcam resource service-templatecurrently-committed- template
どの保存済みテンプレートも削除できます。テンプレートを削除した後では、そのテンプレートに関するすべての情報が失われます。コミットしたテンプレートは削除できません。
コミット済みのユーザ定義テンプレートは、別のユーザ定義テンプレートまたはデフォルト テンプレートを提供することによって作成済みステートに変更できます。
別のユーザ定義テンプレートを提供するには、次のコマンドを入力します。
hardware profile tcam resource service-templateuser-defined-template
デフォルト テンプレートを提供するには、次のコマンドを入力します。
no hardware profile tcam resource service-templatecurrently-committed- template
自分のユーザ定義テンプレートまたはソフトウェアで提供されているデフォルト テンプレートはどれでもコミットできます。テンプレートをコミットするには、commit コマンドを入力し、スイッチの再起動を行います。commit コマンドを入力すると、ソフトェアによってテンプレートが検証されます。検証が成功すると、スイッチを再起動するか確認するメッセージが表示されます。テンプレート(ユーザ定義またはデフォルト)は、再起動後に適用されます。再起動を選択しなかった場合、TCAM リージョンへの変更は行われず、コミットされるテンプレートはありません。
テンプレートをコミットした後、システムは自動では再起動せず commit コマンドの出力にメッセージが表示され、コミットしたテンプレートを有効にするためにスイッチを再起動するか尋ねられます。再起動を承諾すると、以下が発生します。
コミットしたテンプレートがスタートアップ コンフィギュレーションに保存されます。
スイッチが再起します。
コミットっしたテンプレートがソフトウェアによって使用されます。
テンプレートが実行中ステートに移行します。
スイッチを再起動後、コミットされたテンプレートが Cisco Nexus サーバ上のすべての ASIC に適用されます。Cisco Nexus デバイス上の別の ASIC に別のテンプレートをコミットできません。各テンプレートの各リージョンのサイズを指定したすべての保存済みテンプレートおよびコミット済みテンプレートは実行コンフィギュレーションに表示されます。
テンプレートがコミットされたとき、以下がチェックされます。
TCAM 内のすべてのリージョンの合計サイズは 4096 エントリです。
各リージョンのサイズは TCAM 内に収まります。どの時点でも、TCAM リージョンに対して常に実行サイズがあります。実行サイズ(ハードウェア TCAM 内の現在のサイズ)は、コミットされ実行テンプレートとして現在使用されているデフォルトまたはユーザ定義テンプレートのどちらかによって定義されます。現在コミットされているテンプレート内のリージョンのサイズを現在の実行サイズから増やす場合は、リージョンのサイズを増やすために使用可能な現在のリージョンの外部に未使用のエントリ(他のどのリージョンにも割り当てられていないエントリ)が十分にあるかチェックされます。現在コミットされているテンプレート内のリージョンのサイズを現在の実行サイズから減らす場合は、TCAM リージョンのサイズを減らすために開放できるエントリがリージョン内に十分にあるか判断するためにチェックされます。テンプレート内のリージョンのサイズを減らすすべての変更は、そのテンプレート内のリージョンのサイズを増やす変更の前に完了します。
256 エントリが使用可能でも、sup-region のデフォルト サイズは 128 エントリです。TCAM カービングにより、128 エントリをさらに使用できます。sup-region の値を 128、192、または 256 に変更するには、CLI で sup キーワードを使用できます。
sup-region および span リージョンではハードウェアは 256 エントリより多くはサポートしません。このチェックは検査過程で実施されます。
これらすべてのチェックを通過した場合、そのテンプレートをコミットでき、再起動してテンプレートを適用するかを確認するプロンプトが表示されます。
これらのチェックが失敗した場合、コミットが失敗しテンプレートは保存済みステートに戻ります。コミットが失敗した場合、commit コマンドの出力に失敗の原因が表示されます。
デフォルト テンプレートは変更または削除できません。このテンプレートは、保存済みからコミット済み、コミット済みから保存済みへ移行のみが可能です。デフォルト テンプレートがコミットされた場合、実行コンフィギュレーションには表示されません。デフォルト テンプレートを適用するには、現在の実行テンプレートを使用して no commit コマンドを入力してください。このコマンドを入力すると、テンプレートをコミットするときに実行されるのと同じ検証チェックが実行されます。すべての検証が成功すると、スイッチを再起動するか確認するメッセージが表示されます。再起動に同意すると、テンプレートがスタートアップ コンフィギュレーションに保存されシステムが再起動します。再起動後、デフォルト テンプレートが適用されます。スタートアップ コンフィギュレーションには、再起動前にコミットしたコミット済みテンプレートがあります。再起動後に、スタートアップ コンフィギュレーションのテンプレートが使用されます。スタートアップ コンフィギュレーションにコミット済みテンプレートがない場合、デフォルト テンプレートが使用されます。
テンプレート管理コマンドを入力して、TCAM カービング テンプレートを作成および管理できます。このテンプレート ベース TCAM カービング CLI は config-sync でサポートされます。テンプレートの作成のみが config-sync 内部でサポートされます。テンプレート コミットは、config-sync コンテクストの外部でスイッチごとに別々に実施する必要があります。
コマンドまたはアクション | 目的 |
---|
次に、qos-template という名前のユーザ定義テンプレートを作成する例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# hardware profile tcam resource template qos-template
次に、ユーザ定義 QoS テンプレートを変更する例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# hardware profile tcam resource template qos-template switch(config-tmpl) qos 64
ユーザ定義テンプレートをコミットできます。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | switch(config)# hardware profile tcam resource service-template template-name | 以前に定義済みのテンプレートを実行イメージでコミットします。 |
ステップ 3 | switch(config)# copy running-config startup-config | リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
次の例では、ユーザ定義テンプレートをコミットする方法を示します。
switch# configure terminal switch(config)# hardware profile tcam resource service-template qos-template Details of qos-template: Region Features Size-allocated Current-usage Available/free ---------------------------------------------------------------------------- vacl vacl 1024 1024 0 svi racl ifacl pacl 2048 1024 1024 l3 racl interface qos qos vlan qos 256 256 0 system qos rbacl cts 64 32 32 span interface span 512 512 0 vlan span sup sup rdt 192 192 0 copp switch(config)# copy running-config startup-config
次に、レイヤ 3 カード側 UPC に対して、ユーザ定義のテンプレートをコミットし、適用する例を示します。
switch# configure terminal switch(config)# hardware profile tcam resource service-template temp10 Template name: temp10 Current state: Committed (Startup/Running) Region Features Size-allocated Current-size Current-usage Available/free ------------------------------------------------------------------------------- Vacl Vacl 1152 64 13 51 Ifacl Ifacl 2048 64 28 36 Rbacl Rbacl 64 3584 3 3581 Qos Qos 512 64 10 54 Span Span 64 192 2 190 Sup Sup 256 128 107 21 ERacl ERacl 2560 2048 15 2033 IRacl IRacl 1152 1664 26 1638 ------------------------------------------------------------------------------- switch(config)# copy running-config startup-config switch(config)# reload
システムをリブートします。
テンプレートを作成後、そのテンプレートを削除できます。削除は、そのテンプレートに関するすべての情報をソフトウェアから取り除きます。
コマンドまたはアクション | 目的 | |
---|---|---|
ステップ 1 | switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 | switch(config)# no hardware profile tcam resource template template-name | ユーザ定義テンプレートを削除します。 保存済みのテンプレートだけが削除できます。コミット済み/実行中のテンプレートは削除できません。実行コンフィギュレーションに記述されているテンプレートは(スタートアップ コンフィギュレーションも同様)削除できません。他のどんなユーザ定義テンプレートも保存済みのステータスにあれば削除できます。デフォルト テンプレートは削除できません。 |
次に、テンプレートを削除する例を示します
switch# configure terminal switch(config)# no hardware profile tcam resource template qos-template
TCAM カービングの設定情報を表示するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
コマンド | 目的 |
---|---|
show hardware profile tcam resource template |
すべてのテンプレートを表示します。 |
show hardware profile tcam resource template nametemplate-name |
ユーザ定義テンプレートを表示します。 |
show hardware profile tcam resource template default |
デフォルト テンプレートを表示します。 |