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目次
Cisco NX-OS は、ネットワーク、システム、プロセスの各レベルにおけるハイ アベイラビリティを実現するために特別に設計された回復性の高いオペレーティング システムです。
この章では、Cisco NX-OS デバイスのハイ アベイラビリティ(HA)の概念および機能について説明します。この章は、次の項で構成されています。
Cisco NX-OS は、ハードウェアまたはソフトウェア障害発生時のトラフィックの中断を防ぐ、または最小限に抑えるため、次の 3 つの機能を備えています。
Cisco NX-OS では、各コンポーネントを区分けするモジュラ方式のアーキテクチャを採用することにより、障害の分離、冗長性、リソースの効率利用を実現しています。
Cisco NX-OS ソフトウェアでは、サービスと呼ばれる独立したプロセスが、サブシステムまたはフィーチャ セットの機能または機能一式を実行します。 各サービスおよびサービス インスタンスは、独立した保護プロセスとして実行されます。 このアプローチにより、高いフォールト トレラントを備えたソフトウェア インフラストラクチャとサービス間での障害の分離を実現できます。 サービス インスタンスの 1 つ(BGP など)に障害が発生しても、その時点で走っている他のサービスに影響しません(Link Aggregation Control Protocol(LACP)など)。 また、サービスの各インスタンスは独立したプロセスとして実行できるため、同じルーティング プロトコルの 2 つのインスタンス(たとえば、Open Shortest Path First(OSPF)プロトコルの 2 つのインスタンス)を別々のプロセスとして実行できます。
Cisco NX-OS のプロセスは、保護メモリ領域内で互いに独立に、またカーネルとも独立に動作します。 このようにプロセスが分離されているため、障害が閉じこめられ、迅速な再起動が可能になります。 プロセスの再起動性により、プロセスレベルの障害によってシステム全体に障害が及ぶのを防ぐことができます。 また、大半のサービスはステートフルな再起動を実行できます。これにより、プラットフォーム内の他のサービス、およびネットワーク内の隣接デバイスへ透過的に、障害の発生したサービスを再起動し、操作を再開できます。
Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチは、冗長なハードウェア コンポーネントとハイ アベイラビリティ ソフトウェア フレームワークによってシステム障害から保護されています。
Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチには、次の物理的な冗長性があります。
ネットワーク コンバージェンスは、フェールオーバーとフォールバックを透過的かつ高速にするツールや機能によって最適化されています。
Cisco NX-OS は、次のレイヤ 3 HA 機能を提供しています。
Cisco NX-OS には、システム可用性イベントのモニタリングと通知を行うシスコのシステム管理ツールがいくつか組み込まれています。
Cisco Embedded Event Manager(EEM)は、Event Detector、Event Manager、Event Manager Policy Engine で構成されます。 EEM を使用すると、システム ソフトが Event Detector を介して特定のイベントを察知したときに、特定のアクションを実行するポリシーを定義できます。 これにより、多数のネットワーク管理タスクを自動化し、Cisco NX-OS の動作を管理して可用性の向上、情報の収集、重要なイベントの外部システムまたは個人への通知が柔軟に行える、ツール セットが実現します。
EEM の設定の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』を参照してください。
Cisco GOLD および Cisco EEM の機能を組み合わせた Smart Call Home は、重要なシステム イベントを E メールで通知するためのツールです。 メッセージ形式には、ポケットベル サービス、標準の E メール、または XML ベースの自動解析アプリケーションと互換性があります。 この機能を使用して、ネットワーク サポート エンジニアをポケットベルで呼び出したり、ネットワーク オペレーション センターに E メールで通知したりできます。また、Cisco Smart Call Home のサービスを使用すると、Cisco Technical Assistance Center(TAC)に自動的に障害を報告できます。
Smart Call Home の設定の詳細については、『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』を参照してください。
Cisco NX-OS オペレーティング システムをロードするために必要なソフトウェア イメージは 1 種類のみ(nx OS)です。 このイメージは、すべての Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチで実行できます。
Cisco NX-OS では、仮想デバイスをエミュレートする Virtual Device Context(VDC)に、OS およびハードウェア リソースを分割できます。 Cisco Nexus 9000 シリーズ スイッチでは、現在複数の VDC をサポートしていません。 すべてのスイッチ リソースはデフォルト VDC で管理されます。