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目次
この章では、Cisco NX-OS ハイ アベイラビリティ(HA)システムおよびアプリケーションの再起動操作について説明します。この章の構成は次のとおりです。
Cisco NX-OS システム レベル ハイ アベイラビリティ(HA)は、ハードウェアおよびソフトウェア障害の影響を軽減します。サポートされている機能は次のとおりです。
Smart Call Home を除き、システム レベル ハイ アベイラビリティ機能にライセンスは必要ありません。 ライセンス パッケージに含まれていない機能はすべて nx-os イメージにバンドルされており、追加費用は一切発生しません。 |
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Smart Call Home は、Cisco SMARTnet Service および Cisco SP Base Service を介して利用できます。 |
Cisco NX-OS ライセンス方式の詳細と、ライセンスの取得および適用の方法については、『Cisco NX-OS Licensing Guide』を参照してください。
物理的な冗長性の詳細については、『Cisco Nexus 9500 Switch Site Preparation and Hardware Installation Guide』を参照してください。
Cisco Nexus 9500 シャーシでは、8 台までの電源モジュールをサポートします。 各電源モジュールは最大 3 kW を提供できます。 装着する電源モジュールの台数を増やすことで、いずれか 1 つのモジュールで障害が発生してもシステムの動作が停止することはなくなります。 障害の発生した電源モジュールはシステムを稼働させたまま交換できます。 電源モジュールの取り付けおよび交換については、『Cisco Nexus 9500 Switch Site Preparation and Hardware Installation Guide』を参照してください。
電源サブシステムを使用すると、使用可能ないずれかの冗長モードにより、最大 8 個の電源装置を設定できます。
各電源冗長モードはそれぞれ、異なる電力バジェットと割り当てモデルを使用しており、使用可能な出力と容量も異なります。 電力バジェット、使用可能な容量、要件計画、冗長構成の詳細については、『Cisco Nexus 9500 Switch Site Preparation and Hardware Installation Guide』を参照してください。
Cisco Nexus 9500 シャーシには、システムを冷却するための 3 台の冗長システム ファン トレイが含まれています。
ファンの速度は可変であり、システムの ASIC の温度によって変わります。 ファンを取り除くか故障した場合は、欠落または故障したファンを補うためにいます。他のファン モジュールが高速で稼働し始めることができます。 システムの温度がしきい値を超えると、システムはシャット ダウンします。
(注) |
1 台のファン トレイを交換する時間制限はありませんが、適切なエアーフローを保障するために、ファン トレイをできるだけ早く交換してください。 |
Cisco NX-OS は、冗長な SFM によってスイッチング ファブリックの可用性を実現しています。 1 台の Cisco Nexus 9500 シリーズ スイッチに 1 ~ 6 枚のスイッチ ファブリック カードを装着して、容量と冗長性を高めることができます。 システムに装着された各入出力モジュールは、SFM モジュールに自動的に接続され、それらの機能を利用できます。 いずれかの SFM で障害が発生すると、残りのアクティブな SFM 間で、自動的にトラフィックの再割り当てと均等化が行われます。 故障した SFM を置換すると、これとは逆のプロセスが実行されます。 新しいファブリック モジュールを装着してオンラインにすると、装着されたすべてのファブリック モジュール間でトラフィックが再配分され、元の冗長性が復元されます。
ファブリック モジュールはホット スワップ可能です。 ホット スワップにより、一時的にトラフィックが中断されることがあります。 ファブリック モジュールをホット スワップするときのトラフィックの中断を防ぐためには、ファブリック モジュールを取り外す前に poweroff module slot-number コマンドを使用し、ファブリック モジュールを再度取り付けた後で no poweroff module slot-number コマンドを使用します。
2 台の冗長システム コントローラはスーパーバイザ モジュールからシャーシ管理機能をオフロードします。 コントローラは、電源モジュールとファン トレイの管理を行うほか、スーパーバイザ、ファブリック モジュール、およびラインカード間のギガビット イーサネット アウトオブバンド チャネル(EOBC)において中心的な役割を果たします。
Cisco Nexus 9500 シリーズ スイッチでは、プレーンの制御および管理機能において 1+1 の冗長性を実現するために、デュアル スーパーバイザ モジュールをサポートしています。 デュアル スーパーバイザ構成は、アクティブまたはスタンバイ構成で動作します。常に、どちらか一方のスーパーバイザ モジュールだけがアクティブ状態にあり、もう一方のモジュールはスタンバイ バックアップとして機能します。 2 つのスーパーバイザ モジュール間で状態とコンフィギュレーションが常に同期された状態に維持されるため、アクティブなスーパーバイザ モジュールの障害発生時にステートフルなスイッチオーバーが可能です。
Cisco NX-OS の汎用オンライン診断(GOLD)サブシステムとスーパーバイザ上の追加のモニタリング プロセスは、回復不可能な重大な障害、サービス再起動エラー、カーネル エラー、ハードウェア障害が検出されると、冗長なスーパーバイザへのステートフル フェールオーバーを起動します。
スーパーバイザ レベルの回復不能な障害が発生すると、稼働中で、障害を起こしたスーパーバイザが、スイッチオーバーを起動します。 すると、スタンバイ スーパーバイザが新しくアクティブなスーパーバイザとなり、同期された状態およびコンフィギュレーションを使用し、一方で障害の発生したスーパーバイザはリロードされます。 リロードが完了し自己診断に合格すると、初期化され、新たなスタンバイ スーパーバイザとなり、新しくアクティブになったユニットと動作状態を同期させます。
スーパーバイザが 1 台だけ搭載されたシステムでは、すべての HA ポリシーがサービスの再起動に失敗すると、スーパーバイザが再起動されます。 その場合、スーパーバイザとすべてのサービスがリセットされ、以前の状態情報なしで起動されます。
スーパーバイザが 2 台搭載されたシステムでスーパーバイザ レベルの障害が発生すると、システム マネージャは、ステートフルな動作を維持するため、再起動ではなくスイッチオーバーを実行します。 ただし、障害発生時にスイッチオーバーが実行できない場合があります。 たとえば、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定したスタンバイ状態にない場合は、スイッチオーバーではなく再起動が実行されます。
デュアル スーパーバイザ構成では、スーパーバイザ レベルの障害が発生したとき、ステートフル スイッチオーバー(SSO)によるノンストップ フォワーディング(NSF)が可能です。 2 台のスーパーバイザは、アクティブ/スタンバイ構成で動作します。常に、どちらか一方のスーパーバイザ モジュールだけがアクティブ状態にあり、もう一方のモジュールはスタンバイ バックアップとして機能します。 2 台のスーパーバイザは常に状態とコンフィギュレーションが同期された状態を維持します。これにより、アクティブなスーパーバイザ モジュールで障害が発生したとき、大半のサービスでシームレスかつステートフルなスイッチオーバーを実行できます。
スイッチオーバーは、次のどちらかのメカニズムによって発生します。
いったんスイッチオーバー プロセスが開始されると、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定して使用可能になるまで、同じスイッチ上で別のスイッチオーバー プロセスを開始できません。
スイッチオーバーが 28 秒以内に正常に完了しないと、スーパーバイザがリセットされます。
20 分以内にシステムが開始するスイッチオーバーが 3 回発生すると、スイッチオーバーが無限に繰り返されるのを防ぐため、すべての非スーパーバイザ モジュールがシャットダウンされます。 スーパーバイザは動作を継続するため、スイッチをリセットする前にシステム ログを収集できます。
アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへのスイッチオーバーを手動で起動するには、system switchover コマンドを使用します。 いったんこのコマンドを入力すると、スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定して使用可能になるまで、同じシステム上で別のスイッチオーバー プロセスを開始できません。
(注) |
スタンバイ スーパーバイザ モジュールが安定したスタンバイ状態(ha-standby 状態)にない場合は、手動で開始するスイッチオーバーは実行しません。 |
HA スイッチオーバーが使用可能かどうかを確認するには、show system redundancy status コマンドか show module コマンドを使用します。 コマンドの出力にスタンバイ スーパーバイザ モジュールの状態として ha-standby が表示されたら、手動でスイッチオーバーを開始できます。
ここでは、スイッチオーバーの前のスイッチとモジュールのステータスを確認する方法を説明します。
switch# show module Mod Ports Module-Type Model Status --- ----- ----------------------------------- ------------------ ---------- 22 0 Fabric Module N9K-C9508-FM ok 24 0 Fabric Module N9K-C9508-FM ok 26 0 Fabric Module N9K-C9508-FM ok 27 0 Supervisor Module N9K-SUP-A active * 29 0 System Controller N9K-SC-A active 30 0 System Controller N9K-SC-A standby Mod Sw Hw --- ---------------- ------ 22 6.1(2)I1(1) 0.4040 24 6.1(2)I1(1) 0.4040 26 6.1(2)I1(1) 0.4040 27 6.1(2)I1(1) 0.4080 29 6.1(2)I1(1) 0.2170 30 6.1(2)I1(1) 0.2170 Mod MAC-Address(es) Serial-Num --- -------------------------------------- ---------- 22 00-00-00-00-00-00 to 00-00-00-00-00-00 SAL17194HVX 24 00-00-00-00-00-00 to 00-00-00-00-00-00 SAL17194HRK 26 00-00-00-00-00-00 to 00-00-00-00-00-00 SAL17194HSR 27 00-22-bd-f6-9d-58 to 00-22-bd-f6-af-57 SAL17184072 29 00-00-00-00-00-00 to 00-00-00-00-00-00 SAL17225YFS 30 00-00-00-00-00-00 to 00-00-00-00-00-00 SAL17225YG8 Mod Online Diag Status --- ------------------ 1 Pass 2 Pass 3 Pass 4 Pass 5 Pass 6 Pass 9 Pass * this terminal session出力の Status 列に、スイッチング モジュールの場合は OK、スーパーバイザ モジュールの場合は active または ha-standby と表示されている必要があります。
switch# show boot auto-copy Auto-copy feature is enabled switch# show boot auto-copy list No file currently being auto-copied
switch# system switchover Raw time read from Hardware Clock: Y=2013 M=2 D=2 07:35:48 writing reset reason 7, NX9 SUP Ver 3.17.0 Serial Port Parameters from CMOS PMCON_1: 0x200 PMCON_2: 0x0 PMCON_3: 0x3a PM1_STS: 0x1 Performing Memory Detection and Testing Testing 1 DRAM Patterns Total mem found : 4096 MB Memory test complete. NumCpus = 2. Status 61: PCI DEVICES Enumeration Started Status 62: PCI DEVICES Enumeration Ended Status 9F: Dispatching Drivers Status 9E: IOFPGA Found Status 9A: Booting From Primary ROM Status 98: Found Cisco IDE Status 98: Found Cisco IDE Status 90: Loading Boot Loader Reset Reason Registers: 0x1 0x10 Filesystem type is ext2fs, partition type 0x83 Filesystem type is ext2fs, partition type 0x83 GNU GRUB version 0.97 Loader Version 3.17.0 current standby sup ---------------------------- switch(standby)# 2013 Feb 2 07:35:46 switch %$ VDC-1 %$ %KERN-2-SYSTEM_MSG: Switchover started by redundancy driver - kernel 2013 Feb 2 07:35:47 switch %$ VDC-1 %$ %SYSMGR-2-HASWITCHOVER_PRE_START: This supervisor is becoming active (pre-start phase). 2013 Feb 2 07:35:47 switch %$ VDC-1 %$ %SYSMGR-2-HASWITCHOVER_START: This supervisor is becoming active. 2013 Feb 2 07:35:48 switch %$ VDC-1 %$ %SYSMGR-2-SWITCHOVER_OVER: Switchover completed. switch# reload module 27 force switch# copy bootflash:n9000-dk9.6.1.2.I1.1.bin bootflash:n9000-dk9.6.1.2.I1.1.bin switch# config t switch# boot nxos bootflash:n9000-dk9.6.1.2.I1.1.bin sup-1 switch# copy running-config startup-config
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 |
switch# reload module slot-number force |
スーパーバイザ モジュールの交換をただちに起動します。
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||
ステップ 2 | switch# copy bootflash:nx-os-image bootflash:nx-os-image | アクティブ スーパーバイザ モジュールからスタンバイ スーパーバイザ モジュールへ nx-os イメージをコピーします。 |
||
ステップ 3 | switch# configure terminal |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
||
ステップ 4 | switch (config)# boot nxos bootflash:nx-os-image [sup-number] | スタンバイ スーパーバイザのブート変数を設定します。 |
||
ステップ 5 | switch(config)# copy running-config startup-config | (任意) リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を永続的に保存します。 |
switch# reload module 27 force switch# copy bootflash:n9000-dk9.6.1.2.I1.1.bin bootflash:n9000-dk9.6.1.2.I1.1.bin switch# config t switch# boot nxos bootflash:n9000-dk9.6.1.2.I1.1.bin sup-1 switch# copy running-config startup-config
システムの HA ステータスを表示するには、show system redundancy status コマンドを使用します。
switch# show system redundancy status Redundancy mode --------------- administrative: HA operational: HA This supervisor (sup-1) ----------------------- Redundancy state: Active Supervisor state: Active Internal state: Active with HA standby Other supervisor (sup-2) ------------------------ Redundancy state: Standby Supervisor state: HA standby Internal state: HA standby
システムがスーパーバイザ モジュールの初期化中に障害を検出し、そのモジュールの電源の投入と切断を 3 回自動的に試行しましたが、 依然として faild(障害ステート)と表示されています。 |
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次の表に、スーパーバイザ モジュール ステートのとり得る値を示します。
スイッチ内のアクティブなスーパーバイザ モジュールの構成準備ができました。 スタンバイ スーパーバイザ モジュールは ha-standby ステートです。 |
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アクティブ スーパーバイザ モジュールとセカンダリ スーパーバイザ モジュールが存在していますが、セカンダリ スーパーバイザ モジュールが機能していません。 |
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ここでは、システムレベル ハイ アベイラビリティに関連する追加情報について説明します。
『Cisco Nexus 9500 Switch Site Preparation and Hardware Installation Guide』 |
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『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Fundamentals Configuration Guide』 | |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS Unicast Routing Configuration Guide』 | |
『Cisco Nexus 9000 Series NX-OS System Management Configuration Guide』 | |
『Cisco NX-OS Licensing Guide』 |
サポートされている MIB を検索およびダウンロードするには、次の URL にアクセスしてください。 ftp://ftp.cisco.com/pub/mibs/supportlists/nexus9000/Nexus9000MIBSupportList.html |