CFS の概要
CFS over IP(CFSoIP; IP を介した CFS)を使用して、1 台のシスコ デバイスまたはネットワークの他のすべてのシスコ デバイスにコンフィギュレーションを配信し、同期させることができます。CFSoIP を使用すると、ネットワークの設定と動作に一貫性をもたせ、ほとんどの場合、同じ設定と動作を維持できます。
ここでは、次の内容について説明します。
•
「アプリケーション データベースのマージ」
•
「CFS を使用してコンフィギュレーションの変更を配信するアプリケーション」
•
「CFS の配信」
•
「CFS リージョン」
•
「ハイ アベイラビリティ」
•
「仮想化サポート」
アプリケーション データベースのマージ
ネットワークで新しいデバイスが検出されると、CFS は他のデバイスの設定とのマージ、つまり同期を管理します。また、リージョンごとおよびアプリケーションごとに 1 台のデバイスでマージを管理するよう指定して、マージ数を調整し、最小限に抑えます。他のデバイスは、マージ プロセスには関与しません。
2 つのネットワークのマージ処理中に、指定されたマネージャどうしでコンフィギュレーション データベースが交換されます。一方のアプリケーションによりデータベースがマージされ、マージ処理が成功したかどうかが判断されて、他のすべてのデバイスに通知されます。
マージ処理が成功した場合は、マージされたデータベースが統合ファブリックの全デバイスに配信され、新しいファブリック全体が一貫性のある状態になります。マージが失敗した場合は、新しいファブリックのいずれかのデバイスから配信を開始して回復できます。この配信により、ファブリック内のすべてのピアは同じコンフィギュレーション データベースに復元されます。
CFS を使用してコンフィギュレーションの変更を配信するアプリケーション
CFS は、 表 2-1 に示すアプリケーションのコンフィギュレーションの変更を配信します。
表 2-1 CFS がサポートするアプリケーション
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RADIUS |
ディセーブル |
TACACS+ |
ディセーブル |
ユーザおよび管理者のロール |
ディセーブル |
Call Home |
ディセーブル |
NTP |
ディセーブル |
CFS の配信
CFS は、定義されたリージョンまたはネットワーク全体に存在する複数のデバイスにコンフィギュレーションの変更を配信します。
次に、CFS がアプリケーションのコンフィギュレーションを配信する手順の概要を示します。
1.
CFS をイネーブルにして、Call Home などのアプリケーションのコンフィギュレーションを配信できるようにします。
2.
Call Home などの CFS アプリケーションのコンフィギュレーションを変更するコマンドを入力します。
3.
CFS は、アクティブなファブリック ロックをチェックして、このアプリケーションに対してコンフィギュレーションの変更がすでに進行していないかどうかを確認します。
(注) 1 つのアプリケーションに対してアクティブにできる CFS セッションは 1 に限られます。CFS は、ロックを使用してこの制限を強制します。ファブリック内の任意の場所でアプリケーションに対してロックが適用されている場合、配信を開始できません。
4.
次のどちらかが発生します。
–
このアプリケーションに対してアクティブなファブリック ロックが存在する場合、CFS はコマンドを拒否します。既存のファブリック ロックが解放されるまで、変更は許可されません。
–
このアプリケーションに対してアクティブなファブリック ロックがない場合、CFS はセッションを開始し、このアプリケーションに対してファブリックをロックします。
5.
アプリケーションの残りのコンフィギュレーション コマンドを入力します。
6.
コンフィギュレーションは、 commit コマンドを使用してコミットします。
7.
CFS はコンフィギュレーションを配信し、ロックを解放します。
CFS リージョン
CFS リージョンとは、ある機能またはアプリケーションに対してユーザが定義したデバイスのサブセットです。通常、互いに近くに存在するデバイスに基づいて配信をローカライズまたは制限する場合にリージョンを定義します。
多数の地域で別々の管理者がデバイスのサブセットを担当するネットワークの場合、CFS リージョンを設定して、アプリケーションの物理的な範囲を管理できます。
CFS リージョンは数字の 0 ~ 200 で識別されます。リージョン 0 はデフォルト リージョンです。リージョン 1 ~ 200 を設定できます。
(注) 機能を移動して、新しいリージョンに割り当てる場合、その範囲はそのリージョンに制限され、他のすべてのリージョンは配信やマージの対象外となります。
複数の機能について CFS リージョンを設定し、コンフィギュレーションを配信できます。ただし、1 台のデバイスで、特定の機能のコンフィギュレーションを配信するために設定できる CFS リージョンは一度に 1 つに限られます。CFS リージョンに 1 つの機能を割り当てると、そのコンフィギュレーションは、他の CFS リージョン内で配信できなくなります。
(注) デフォルト リージョンはファブリック内のすべてのデバイスに変更を配信するために使用されます。リージョン 0 はデフォルト リージョンとして予約され、ファブリック内のすべてのデバイスが含まれます。リージョンからアプリケーションを削除し、それを別のリージョンに割り当てない場合、アプリケーションはデフォルト リージョン(リージョン 0)に追加されます。
ハイ アベイラビリティ
CFS のステートレス リスタートがサポートされています。リブート後またはスーパーバイザ スイッチオーバー後に、実行コンフィギュレーションが適用されます。ハイ アベイラビリティの詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS High Availability and Redundancy Guide, Release 5.x 』を参照してください。
仮想化サポート
CFS は、VDC ごとに設定されます。
Cisco NX-OS にアクセスすると、別の VDC を指定しない限り、デフォルト VDC が使用されます。VDC の詳細については、『 Cisco Nexus 7000 Series NX-OS Virtual Device Context Configuration Guide, Release 5.x 』を参照してください。
注意事項および制約事項
CFS に関するコンフィギュレーションの注意事項および制約事項は、次のとおりです。
•
CFS は、同じデバイスから IPv4 と IPv6 両方を介して配信できません。
•
デバイスで Virtual Port Channel(vPC; 仮想ポート チャネル)機能がイネーブルになっている場合、イーサネットを介して CFS をディセーブルにしないでください。
注意 vPC 機能を動作させるには、イーサネットを介した CFS をイネーブルにする必要があります。
•
アプリケーション データの CFS 配信では、ダイレクト ユニキャストを使用します。
•
同様のマルチキャスト アドレスをもつ IP を介した CFS 対応デバイスはすべて、1 つの IP を介した CFS ファブリックを形成します。
•
設定するアプリケーションについて CFS がイネーブルになっていることを確認してください。詳細については、「アプリケーションの CFS 配信のイネーブル」を参照してください。
•
ファブリックをロックすると、リスタートとスイッチオーバーにわたってユーザ名が記憶されます。
•
ファブリックをロックすると、他のユーザによるコンフィギュレーションの変更の試みは拒否されます。
•
ファブリックのロック中、アプリケーションでは実行コンフィギュレーションではなく保留データベースまたは一時ストレージにコンフィギュレーションの変更の作業コピーが保持されます。
•
コミットされていないコンフィギュレーションの変更(作業コピーとして保存)は実行コンフィギュレーションには含まれないため、 show コマンドの出力にも表示されません。
•
変更をコミットすると、実行コンフィギュレーションが作業コピーによって上書きされます。
•
ファブリック ロックが必要な CFS セッションを開始し、セッションを終了するのを忘れた場合は、管理者がセッションをクリアできます。詳細については、「ロックされたセッションのクリア」を参照してください。
•
以前コンフィギュレーションの変更が行われていない場合は、空のコミットを行えます。この場合、 commit コマンドにより、ロックを取得し、現在のデータベースを配信するセッションが作成されます。
•
commit コマンドは、ファブリック ロックが取得されたデバイスだけで使用できます。
CFS 配信の設定
この項では、CFS の設定方法について説明します。次のトピックで構成されています。
•
「アプリケーションの CFS 配信のイネーブル」
•
「CFS 配信モードの指定」
•
「IP を介した CFS の IP マルチキャスト アドレスの設定」
•
「CFS リージョンの設定」
•
「CFS 設定の作成と配信」
•
「ロックされたセッションのクリア」
•
「設定の破棄」
•
「CFS 配信のグローバルなディセーブル」
CFS をイネーブルにして Call Home コンフィギュレーションを配信する
CFS をイネーブルにして、Call Home コンフィギュレーションを配信できます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
callhome
3.
distribute
4.
show application_name status
5.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# callhome 例: switch(config)# callhome switch(config-callhome)# |
callhome コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
switch(config)# distribute 例: switch(config-callhome)# distribute switch(config-callhome)# |
CFS をイネーブルにして、Call Home コンフィギュレーションのアップデートを配信します。 |
ステップ 4 |
show application_name status 例: switch(config-callhome)# show callhome status |
(任意)指定されたアプリケーションについて、CFS 配信ステータスを表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS をイネーブルにして、Call Home コンフィギュレーションを配信する例を示します。
switch(config-callhome)# distribute
switch(config-callhome)# show callhome status
switch(config-callhome)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
CFS をイネーブルにして RADIUS コンフィギュレーションを配信する
CFS をイネーブルにして、RADIUS コンフィギュレーションを配信できます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
radius distribute
3.
show radius status
4.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# radius distribute 例: switch(config)# radius distribute |
指定されたアプリケーションについて、デバイスが CFS から配信されたコンフィギュレーションのアップデートを受け取れるようにします。 |
ステップ 3 |
show radius status 例: switch(config)# show radius status |
(任意)指定されたアプリケーションについて、CFS 配信ステータスを表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS をイネーブルにして、RADIUS コンフィギュレーションを配信する例を示します。
switch(config)# radius distribute
switch(config)# show radius status
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
CFS をイネーブルにして TACACS+ コンフィギュレーションを配信する
CFS をイネーブルにして、TACACS+ コンフィギュレーションを配信できます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
tacacs+ distribute
3.
show tacacs+ status
4.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# tacacs+ distribute 例: switch(config)# tacacs+ distribute |
CFS をイネーブルにして、TACACS+ のコンフィギュレーションのアップデートを配信します。 |
ステップ 3 |
show tacacs+ status 例: switch(config)# show tacacs+ status |
(任意)TACACS+ の CFS 配信ステータスを表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS をイネーブルにして、TACACS+ コンフィギュレーションを配信する例を示します。
switch(config)# tacacs+ distribute
switch(config)# show tacacs+ status
Last operational state: No session
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
CFS をイネーブルにしてロールのコンフィギュレーションを配信する
CFS をイネーブルにして、ロールのコンフィギュレーションを配信できます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
role distribute
3.
show role status
4.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# role distribute 例: switch(config)# role distribute |
CFS をイネーブルにしてロールのコンフィギュレーションを配信します。 |
ステップ 3 |
show role status 例: switch(config)# show role status |
(任意)CFS 配信ステータスを表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS をイネーブルにして、Call Home コンフィギュレーションを配信する例を示します。
switch(config)# role distribute
switch(config)# show role status
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
CFS をイネーブルにして NTP コンフィギュレーションを配信する
CFS をイネーブルにして、NTP コンフィギュレーションを配信できます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
ntp distribute
3.
show application_name status
4.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
ntp distribute 例: switch(config)# ntp distribute |
CFS をイネーブルにして、NTP コンフィギュレーションのアップデートを配信します。 |
ステップ 3 |
show application_name status 例: switch(config)# show ntp status |
(任意)指定されたアプリケーションについて、CFS 配信ステータスを表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS をイネーブルにして、Call Home コンフィギュレーションを配信する例を示します。
switch(config)# ntp distribute
switch(config)# show ntp status
switch(config)# copy running-config startup-config
[########################################] 100%
CFS 配信モードの指定
CFS 配信モード(イーサネット、IPv4 または IPv6)を指定し、イネーブルにできます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
cfs [ eth | ipv4 | ipv6 ] distribute
3.
show cfs status
4.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
cfs [ eth | ipv4 | ipv6 ] distribute 例: switch(config)# cfs ipv4 distribute switch(config)# |
デバイス上の次のアプリケーションの 1 つまたはすべてに対して CFS 配信をグローバルにイネーブルにします。 • イーサネット • IPv4 • IPv6 この例では、CFS 配信は、IPv4 を介してイネーブルになります。 |
ステップ 3 |
show cfs status 例: switch(config)# show cfs status Distribution : Enabled Distribution over IP : Enabled - mode IPv4 IPv4 multicast address : 239.255.70.83 IPv6 multicast address : ff15::efff:4653 switch(config)# |
配信モードを含む CFS の現在の状態を表示します。 この例では、CFS は IPv4 から配信されることが示されています。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
IP を介した CFS の IP マルチキャスト アドレスの設定
ネットワーク トポロジの変更を検出するキープアライブ メカニズムなど、CFS プロトコル固有の配信では、IP マルチキャスト アドレスを使用して情報を送受信します。
次のいずれかについて、IP を介した CFS の配信に使用する IP マルチキャスト アドレスを設定できます。
•
IPv4:デフォルトの IPv4 マルチキャスト アドレスは 239.255.70.83 です。
•
IPv6:デフォルトの IPv6 マルチキャスト アドレスは ff13:7743:4653です。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
マルチキャスト アドレスを変更する前に、CFS IP 配信をディセーブルにする必要があります。
手順の概要
1.
config t
2.
no cfs [ ipv4 | ipv6 ] distribute
3.
cfs [ ipv4 | ipv6 ] mcast-address ip_address
4.
show cfs status
5.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cfs [ ipv4 | ipv6 ] distribute 例:
switch(config)# no cfs ipv4 distribute
This will prevent CFS from distributing over IPv4 network. Are you sure? (y/n) [n] y switch(config)# |
デバイス上のすべてのアプリケーションに対して IP を介した CFS 配信をグローバルにディセーブルにします。 (注) マルチキャスト アドレスを変更する前に、IP を介した CFS をディセーブルにする必要があります。 |
ステップ 3 |
cfs [ipv4 | ipv6] mcast-address ip_address 例: switch(config)# cfs ipv4 mcast-address 239.255.1.1 Distribution over this IP type will be affected Change multicast address for CFS-IP ? Are you sure? (y/n) [n] y |
次の 1 つを使用した CFS 配信のマルチキャスト アドレスを設定します。 • IPv4 有効な IPv4 アドレスの範囲は 239.255.0.0 ~ 239.255.255.255 と 239.192/16 ~ 239.251/16 です。 デフォルトの IPv4 アドレスは 239.255.70.83 です。 • IPv6 有効な IPv6 アドレスの範囲は ff15::/16(ff15::0000:0000 ~ ff15::ffff:ffff)ff18::/16(ff18::0000:0000 ~ ff18::ffff:ffff)です。 デフォルトの IPv6 アドレスは ff13:7743:4653 です。 |
ステップ 4 |
show cfs status 例: switch(config)# show cfs status Distribution : Enabled Distribution over IP : Enabled - mode IPv4 IPv4 multicast address : 239.255.1.1 IPv6 multicast address : ff15::efff:4653 switch(config)# |
イネーブルかどうか、IP モード、マルチキャスト アドレスなど、CFS の現在の状態を表示します。 この例では、CFS は 239.255.1.1 で IPv4 を介して配信されることが示されています。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS リージョンの作成
CFS リージョンを作成し、Call Home などのアプリケーションを追加できます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
cfs region region_number
3.
application_name
4.
show cfs region brief
5.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
cfs region region_number 例: switch(config)# cfs region 4 switch(config-cfs-region)# |
リージョンを作成し、指定されたリージョンのコンフィギュレーション モードを開始します。 この例では、リージョン 4 が作成されます。 |
ステップ 3 |
application_name 例: switch(config-cfs-region)# callhome switch(config-cfs-region)# |
指定されたリージョンに、指定されたアプリケーションを追加します。 |
ステップ 4 |
show cfs region brief 例: switch(config-cfs-region)# show cfs region brief --------------------------------------- Region Application Enabled --------------------------------------- 4 callhome yes switch(config-cfs-region)# |
(任意)設定されたすべてのリージョンとアプリケーションを表示します(ピアは表示されません)。 この例では、リージョン 4 に Call Home アプリケーションが表示されます。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
異なるリージョンへのアプリケーションの移動
アプリケーションを異なるリージョンに移動できます。たとえば、NTP をリージョン 1 からリージョン 2 に移動できます。
(注) アプリケーションを移動すると、その範囲は新しいリージョンに制限され、他のすべてのリージョンは配信やマージの対象外となります。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
cfs region region_number
3.
application_name
4.
show cfs region
5.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
cfs region region_number 例: switch(config)# cfs region 2 switch(config-cfs-region)# |
ターゲット リージョンと宛先リージョンでコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
application_name 例: switch(config-cfs-region)# callhome switch(config-cfs-region)# radius |
移動するアプリケーションを指定します。 この例では、リージョン 2 に Call Home アプリケーションが移されます。 |
ステップ 4 |
show cfs region name application_name 例:
switch(config-cfs-region)# show cfs region name callhome
|
指定されたアプリケーションのピアおよびリージョン情報を表示します。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
Call Home アプリケーションを CFS リージョン 2 に移動する例を示します。
switch# config t
switch(config)# cfs region 2
switch(config-cfs-region)# callhome
switch(config-cfs-region)# show cfs region name callhome
-------------------------------------------------------------------------
-------------------------------------------------------------------------
20:00:00:22:55:79:a4:c1 172.28.230.85 [Local]
Total number of entries = 1
switch(config-cfs-region)#
リージョンからのアプリケーションの削除
アプリケーションをリージョンから削除できます。アプリケーションをリージョンから削除することは、アプリケーションをデフォルト リージョンに戻すことと同じです。デフォルト リージョンは通常リージョン 0 です。このアクションにより、ファブリック全体がアプリケーションの配信範囲になります。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
cfs region region_number
3.
no application_name
4.
このリージョンから削除するアプリケーションごとにステップ 3 を繰り返します。
5.
show cfs region brief
6.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
cfs region region_number 例: switch(config)# cfs region 2 switch(config-cfs-region)# |
指定されたリージョンでコンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 3 |
no application_name 例: switch(config-cfs-region)# no ntp |
指定されたアプリケーションをリージョンから削除します。 |
ステップ 4 |
(任意)このリージョンから削除するアプリケーションごとにステップ 3 を繰り返します。 |
-- |
ステップ 5 |
show cfs region brief 例: switch(config-cfs-region)# show cfs region brief --------------------------------------- Region Application Enabled --------------------------------------- 4 tacacs+ yes 6 radius yes switch(config-cfs-region)# |
設定されたすべてのリージョンとアプリケーションを表示します(ピアは表示されません)。 |
ステップ 6 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS リージョンの削除
リージョンを削除し、リージョン内のすべてのアプリケーションをデフォルト リージョンに戻すことができます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
no cfs region region_number
3.
show cfs region brief
4.
show cfs application name application-name
5.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
no cfs region region_number 例: switch(config)# no cfs region 4 WARNING: All applications in the region will be moved to default region. Are you sure? (y/n) [n] switch(config)# |
この操作によってリージョン内のすべてのアプリケーションがデフォルト リージョンに移されることを伝える警告が表示されたあと、指定されたリージョンが削除されます。 リージョンの削除後、グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。 |
ステップ 3 |
show cfs region brief 例: switch(config)# show cfs region brief --------------------------------------- Region Application Enabled --------------------------------------- 6 radius no switch(config)# |
設定されたすべてのリージョンとアプリケーションを表示します(ピアは表示されません)。 この例では、リージョン 4 がありません。 |
ステップ 4 |
show cfs application name application-name 例: switch# show cfs application name callhome Enabled : Yes Timeout : 20s Merge Capable : Yes Scope : Physical-fc-ip Region : Default switch# |
ローカル アプリケーション情報を名前別に表示します。 この例では、Call Home アプリケーションがデフォルト リージョンに属していることが示されています。 |
ステップ 5 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |
CFS 設定の作成と配信
アプリケーションのコンフィギュレーションの変更を作成し、その変更をアプリケーション ピアに配信できます。
注意 変更をコミットしない場合、変更は配信されず、アプリケーション ピア デバイスの実行コンフィギュレーションに保存されません。
注意 配信されたアプリケーション ピア デバイスごとに変更をスタートアップ コンフィギュレーションに保存しない場合、変更は実行コンフィギュレーションだけに保持されます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
application_name
3.
application_command
4.
作成するコンフィギュレーション コマンドごとにステップ 3 を繰り返します。
5.
show application_name status
6.
commit
7.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
application_name 例: switch(config)# callhome switch(config-callhome)# |
CFS が指定されたアプリケーション名のセッションを開始し、ファブリックをロックすることを指定します。 |
ステップ 3 |
application_command 例: switch(config-callhome)# email-contact admin@Mycompany.com |
コンフィギュレーションの変更が作業コピーとして保存され、 commit コマンドを入力するまで実行コンフィギュレーションには保存されないことを指定します。 |
ステップ 4 |
作成するコンフィギュレーション コマンドごとにステップ 3 を繰り返します。 |
-- |
ステップ 5 |
show application_name status 例: switch(config-callhome)# show callhome status Distribution : Enabled switch(config-callhome)# |
(任意)指定されたアプリケーションについて、CFS 配信ステータスを表示します。 この例の出力では、Call Home に対して配信がイネーブルになっていることを示しています。 |
ステップ 6 |
commit 例: switch(config-callhome)# commit |
CFS は、コンフィギュレーションの変更を各アプリケーション ピア デバイスの実行コンフィギュレーションに配信します。 1 台以上の外部デバイスが成功のステータスを報告すると、ソフトウェアは実行コンフィギュレーションを CFS 作業コピーからの変更で上書きし、ファブリック ロックを解放します。 成功のステータスを報告する外部デバイスがない場合、変更は行われず、ファブリック ロックがそのまま適用されます。 |
ステップ 7 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
|
ファブリック内のすべてのデバイスで実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、リブートとリスタートを通して変更を継続的に保存します。 |
Call Home のコンタクト情報を設定し、配信する例を示します。
switch# config t
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
switch(config)# snmp-server contact personname@companyname.com
switch(config)# callhome
switch(config-callhome)# email-contact admin@Mycompany.com
switch(config-callhome)# phone-contact +1-800-123-4567
switch(config-callhome)# street-address 123 Anystreet st. Anytown,AnyWhere
switch(config-callhome)# commit
switch(config-callhome)# copy running-config startup-config
[######################################] 100%
ロックされたセッションのクリア
ファブリック内のデバイスから、アプリケーションによって設定されたロックをクリアできます。
ロックを解放するには、管理者権限が必要です。
注意 ファブリックのロックをクリアすると、そのファブリック内のデバイスで保留されているコンフィギュレーションは破棄されます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
show application_name status
3.
clear application_name session
4.
show application_name status
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
show application_name status switch(config)# show ntp status Distribution : Enabled Last operational state: Fabric Locked switch(config)# |
現在のアプリケーションの状態を表示します。 この例では、NTP がロックされていることが示されています。 |
ステップ 3 |
clear application_name session 例: switch# clear ntp session switch# |
アプリケーション コンフィギュレーション セッションをクリアし、ファブリックのロックをクリアします。 保留中の変更はすべて破棄されます。 |
ステップ 4 |
show application_name status 例: switch# show ntp status Distribution : Enabled Last operational state: No session switch# |
現在のアプリケーションの状態を表示します。 この例では、NTP アプリケーションからロックが削除されることが示されています。 |
設定の破棄
コンフィギュレーションの変更を破棄して、ロックを解放できます。
注意 コンフィギュレーションの変更を破棄すると、保留データベースが削除され、ファブリックのリリースが解放されます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
1.
application_name abort
2.
show application_name session status
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# application_name abort y 例:
switch(config)# no cfs distribute
This will prevent CFS from distributing the configuration to other switches.
Are you sure? (y/n) [n] y
|
確認の要求後、アプリケーションの設定を中止します。 この場合、NTP のコンフィギュレーションは中止され、コンフィギュレーションの変更が破棄されて CFS セッションは終了し、ファブリック ロックが解放されます。 コマンドは、ファブリック ロックを取得したデバイスだけでサポートされます。 |
ステップ 3 |
show application_name session status 例: switch(config)# show ntp session status Last Action Time Stamp : Wed Nov 12 16:07:25 2008 Last Action : Abort Last Action Result : Success Last Action Failure Reason : none switch(config)# |
(任意)指定されたアプリケーションについて、CFS セッションのステータスを表示します。 この例の出力では、CFS セッションが中止されたことが示されています。 |
CFS 配信のグローバルなディセーブル
デバイスに対する CFS 配信をディセーブルにして、物理的な接続を維持しながら、CFS を使用してファブリック全体の配信からアプリケーションを分離できます。
デバイスで CFS をグローバルにディセーブルにすると、デバイスに対する CFS の操作が制限され、すべての CFS コマンドは、デバイスが物理的に分離されているかのように機能し続けます。
操作の前に
正しい VDC を使用していることを確認します。VDC の変更は switchto vdc コマンドを使用します。
手順の概要
1.
config t
2.
no cfs distribute
3.
show cfs status
4.
copy running-config startup-config
手順の詳細
|
|
|
ステップ 1 |
config t 例: switch# config t Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z. switch(config)# |
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# no cfs distribute 例:
switch(config)# no cfs distribute
This will prevent CFS from distributing the configuration to other switches.
Are you sure? (y/n) [n] y
switch(config)# |
デバイス上のすべてのアプリケーションに対して CFS 配信をグローバルにディセーブルにします。 (注) vPC 機能をイネーブルにすると、IP 配信だけがディセーブルになります。CFS 配信をディセーブルにする前に、vPC をディセーブルにする必要があります。 |
ステップ 3 |
show cfs status 例: switch(config)# show cfs status Distribution : Enabled Distribution over IP : Disabled IPv4 multicast address : 239.255.70.83 IPv6 multicast address : ff15::efff:4653 Distribution over Ethernet : Disabled switch(config)# |
(任意)デバイスに対するグローバルな CFS 配信ステータス(イネーブルまたはディセーブル)を表示します。 |
ステップ 4 |
copy running-config startup-config 例:
switch(config)# copy running-config startup-config
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(任意)リブートおよびリスタート時に実行コンフィギュレーションをスタートアップ コンフィギュレーションにコピーして、変更を継続的に保存します。 |