このモジュールでは、実際のトラフィック環境に設置された SCE プラットフォームのモニタ方法について説明します。
ネットワーク デバイスと同様に、SCE プラットフォームにはパフォーマンスおよびキャパシティのエンベロープがあります。ネットワークが拡張するにつれて、SCE プラットフォームの利用率が高まり、これらのエンベロープに到達することがあります。したがって、SCE プラットフォームをモニタし、利用率が一定のレベルにとどまっていて、信頼できる一貫したサービスがサポートされていることを確認してください。
SCE プラットフォームがパフォーマンス エンベロープに到達すると、特定のメカニズムがアクティブになり、トラフィックが削除されなくなります。これらのメカニズムでは、サービス関連の処理よりも、パケット処理が優先されます。その結果、サービス ロスが発生することがあります。次に例をいくつか示します。
• 輻輳期間中に不完全なレポートが作成される(場合によっては、ギザギザのパターンが表示される)
• UDP トラフィックが報告されない(SCE プラットフォームが、最後の手段として、UDP トラフィックをすべて自動的にフィルタリングすることがあるため)
SCE プラットフォームにはインジケータがいくつかあります。ネットワーク オペレータはこれらのインジケータを使用して、プラットフォームが次に示すパフォーマンスおよびキャパシティ仕様内で動作しているかどうかを簡単にモニタできます。
tpCpuUtilization -- PCubeSeMib.mib 内の各トラフィック プロセッサ( TpInfoEntry )で使用できます。
show snmp MIB pcube-SE-MIB traffic-processor | include tpCpuUtilization
tpFlowsCapacityUtilization -- PCubeSeMib.mib 内の各トラフィック プロセッサ( TpInfoEntry )で使用できます。
show snmp MIB pcube-SE-MIB traffic-processor | include tpFlowsCapacityUtilization
subscribersInfoEntry -- PCubeSeMib.mib で利用できます。
show snmp MIB pcube-SE-MIB subscriber
SCE 2000 プラットフォームは最大 80,000 のサブスクライバをサポートし、SCE 1000 は最大 40,000 のサブスクライバをサポートします。導入したサブスクライバ数とアノニマス サブスクライバ数の合計がこの値以下になっていることを確認する必要があります。
サービス ロスは、ネットワーク内のトランザクションに対して予定されている処理を SCE プラットフォームが行っていない場合に発生するイベントです。サービス ロスの原因は、CPU またはフロー不足などです。
SCE プラットフォームでサービス ロスが発生した場合、次の 2 つの状況のいずれかになることがあります。
• 一時的なサービス ロス -- 本来不足しているネットワーク パターンが形成され、SCE プラットフォームのリソースの一部が一時的に枯渇した場合に発生します。例として、SCE プラットフォームが検出およびフィルタリングできない、DDoS 攻撃などがあります。
• 永続的なサービス ロス -- ネットワーク トラフィックがキャパシティおよびパフォーマンス エンベロープに適合しない場所に SCE プラットフォームが設置されている場合、永続的サービス ロスが発生することがあります。
サービス ロスは、SCE プラットフォームで処理されたパケット総数に対する、予測どおりにサービスが得られなかったパケット数の比として定義されます。
tpServiceLoss MIB -- 各トラフィック プロセッサ( TpInfoEntry )で利用できます。
この変数をモニタするタイムスロットは、通常、SCE プラットフォームのユーザが定義します(タイムスロット間で変数をリセットします)。