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この章では、Cisco SCA BB ソリューションを構成する論理コンポーネントについて説明します。SCA BB ソリューションは、サービス プロバイダーがサービスを作成するプラットフォームとして動作できます。
• 「レポート」
次の 2 つの図は、典型的なサービス プロバイダー環境で統合した SCA BB ソリューションの高レベル アーキテクチャを示しており、主要コンポーネントおよびその関係が表示されています。最初の図は、Subscriber Manager コンポーネントを含む SCA BB ソリューションを示しています。2 番目の図は、SCE プラットフォームとの直接統合(SM なし統合)を示しています。この場合、SM コンポーネントは組み込まれず、サードパーティ製ポリシー サーバが SCE プラットフォームと直接やり取りします。
図1-1 SM を含む Cisco SCA BB ソリューション エコシステム
図1-2 Cisco SCA BB ソリューション エコシステム-- SM なし統合
Cisco SCE プラットフォームは、ハードウェアで加速されたパケット詳細検査デバイスであり、ソリューションの中核を形成します。サービスを作成する場合は、サブスクライバ IP データ パスで SCE プラットフォームをインライン配置し、パケット詳細検査およびアプリケーションとプロトコルの認識を行いながら、お客様のビジネス ロジックに従ってサブスクライバごとに関連ポリシーを実施します。
デバイスの設定および監視は NMS によって(CLI や SNMP で)行い、サービス コンフィギュレーション、サブスクライバ管理、マルチユニット コンフィギュレーションには多くの独自のツールを使用します。すべてのツールは SCA BB Console アプリケーションで組み合わせます。SCE プラットフォームはサブスクライバを認識するので、(リアルタイムのサブスクライバ管理および制御を参照)、サブスクライバ レベルのクォータ管理および課金などの使用量ベースのサービスに使用できます。SCE プラットフォームは、監視および分析のために、さまざまな粒度でネットワーク使用量データを生成します。
SCE プラットフォームおよびさまざまな設定インターフェイスの詳細については、『 Cisco SCE 2000 4xGBE Installation and Configuration Guide 』および『 Cisco SCE 2000 4xGBE Quick Start Guide 』を参照してください。
ポリシーおよびサービス コンフィギュレーションは、トラフィックの分析および制御をグローバルに行う方法を定義する固定システム定義であり、特定サブスクライバ トラフィックの制御に使用可能なさまざまなポリシーでもあります。
お客様のビジネス ロジックに従ったポリシー定義はすべての配置の前提条件であり、ソリューションのその他の側面を定義するコンテキストを提供します。
ポリシーおよびサービス コンフィギュレーションは、SCA BB Console または SCA BB Service Configuration API を使用して作成します。サービス コンフィギュレーションは、PQB という独自のファイル形式で編集され、SCA BB Console または servconf コマンド ライン ユーティリティで SCE プラットフォームに適用できます。
(注) ポリシーを実施する場合は、サブスクライバ トラフィックが SCE を通過する前に、ポリシーおよびサービス コンフィギュレーションを適用する必要があります。
サービス コンフィギュレーションの詳細については、『 Cisco Service Control Application for Broadband User Guide 』および『 Cisco SCA BB Service Configuration API Programmer Guide 』を参照してください。
サブスクライバ管理は、ダイナミック IP 環境またはダイナミック ポリシー環境におけるサブスクライバ認識ソリューションでリアルタイムにする必要があります。ソリューションのこの側面では、以下に関連する機能が提供されます。
• 管理対象サブスクライバ エンティティへのネットワーク IP アドレスまたはその他のネットワーク識別子のマッピング
• セルフケア ポータルやターボ ボタンなど、ダイナミック ポリシー管理のその他の側面の使用
Cisco Service Control Subscriber Manager コンポーネントでは、このサブスクライバ関連機能および API の多くが提供されます。
SCA BB ソリューションでは、SCE プラットフォームと直接統合してサブスクライバ管理を容易にすることもできます。プロバイダーが完全なポリシー サーバまたは同様のシステムにすでに投資している場合などの多くの事例において、これはサービス プロバイダーにとって有益です。既存アプリケーションをさらに適切に利用できるからです。サービス プロバイダーは、Cisco Service Control Subscriber Manager コンポーネントを削除して、配置済みネットワーク要素および管理対象ネットワーク要素の数を削減することもできるので、全体的な運営費が最適化されます。
直接統合では、一般的に展開が簡素になります。ただし SCE プラットフォームとやり取りするアプリケーションには、Cisco Service Control Subscriber Manager で以前提供されていた機能が必要です。これには、複数の SCE ユニットのサポート、冗長スキームのサポートによるハイ アベイラビリティの問題への対処、フェールオーバーのさまざまなケースが含まれます。
サブスクライバ管理統合は、プッシュおよびプルという 2 つの統合モードで実装できます。このモードでは、サブスクライバ ログインのイベントのシーケンスが異なります。プッシュ モードでは、ポリシー サーバなどの外部エンティティが、サブスクライバによるデータ トラフィックの送信前に、サブスクライバの作成または更新をトリガーし、SCE に情報をプロビジョニングします。プル モードでは、SCE が不明(アノニマス)発信元に属すデータ トラフィックの受信時にサブスクライバを識別します。次に SCE は、サブスクライバのアイデンティティを提供する要求を送信してポリシー サーバをクエリーし、ログイン動作をトリガーします。ポリシー サーバは、要求されたサブスクライバ情報を SCE にプロビジョニングします。
サブスクライバ管理およびクォータ プロビジョニング機能は 2 つの別個のアプリケーションで実装されることがあり、この場合は両者と SCE を統合する必要があります。
SCE は、RADIUS トラフィックまたは DHCP トラフィックを(ボックスを通過するときに)代行受信してサブスクライバのアイデンティティ情報を取得することもできます。これにより、サブスクライバの「自動」プロビジョニングが可能になります。これによってサブスクライバの初期ログインプロセスを大幅に簡潔にすることができ、ポリシー更新およびクォータ管理の処理はポリシー サーバおよびクォータ管理システムによって実行されます。
詳細については、『 Cisco SCMS Subscriber Manager User Guide 』、『 Cisco SCMS Subscriber Manager Java API Programmer's Guide 』、『 Cisco SCMS Subscriber Manager C/C++ API Programmer's Guide 』、『 Cisco SCMS SCE Subscriber API Programmer's Guide 』を参照してください。
Cisco SCA BB のレポート ソリューションでは、SCE デバイスが分析したネットワーク使用量情報の生成、収集、集約が行われます。データは複数の粒度で使用でき、ネットワーク分析および傾向判断、別納課金、オフライン監査など、複数のシナリオで使用するように調整します。
Cisco SCA BB では、Collection Manager ソフトウェアによって Raw Data Record(RDR)を収集できます。RDR は、そのタイプおよびお客様が対処する使用事例により、JDBC 準拠データベースに保存するか、ファイルに書き込むことができます。収集した情報を表示するには、レポート ツール(独自のツールまたは一般的なツール)を使用できます。SCA BB ソリューションには、SCA BB Console の一部としてレポーター アプリケーションが組み込まれています。
レポートは、Cisco SCA BB ソリューションの多くの実装で主要機能となります。ただし、サービス作成に直接関連しないので、ここでは詳しく説明しません。
レポートの詳細については、『 Cisco SCMS Collection Manager User Guide 』を参照してください。