Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでのモジュラ Quality of Service に関する情報
ネットワーク上のモジュラ QoS を設定する前に、次の概念を理解する必要があります。
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「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータの QoS 機能の利点」
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「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでの QoS 技術」
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「Cisco IOS XR ソフトウェアのディファレンシエーテッド サービス モデル」(P.QC-4)
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「Access Node Control Protocol」(P.QC-5)
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「Cisco IOS XR の QoS でサポートされるその他の機能」(P.QC-5)
Cisco ASR 9000 シリーズ ルータの QoS 機能の利点
Cisco IOS XR の QoS 機能を使用すると、ネットワークのさまざまなネットワーク アプリケーションおよびトラフィック タイプを制御し、予測どおりにサービスを提供できます。Cisco IOS XRネットワークに QoS を実装すると、次の利点を実現できます。
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リソースの制御。使用するリソース(帯域幅、機器、ワイドエリア ファシリティなど)を制御できます。たとえば、FTP 転送によって消費されるバックボーン リンクの帯域幅を制限したり、重要なデータベース アクセスを優先させたりすることができます。
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特別仕立てのサービス。インターネット サービス プロバイダー(ISP)にとっては、QoS によって提供される制御と可視性により、慎重に調整を行った、サービス等級の差別化を顧客に提供できます。
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ミッションクリティカル アプリケーションの共存。Cisco IOS XR の QoS 機能により、次の状態が確保されます。
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ビジネスにとって最も重要なミッションクリティカル アプリケーションによって WAN が効率的に使用されます。
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時間に影響されやすいマルチメディアおよび音声アプリケーションで必要な帯域幅と最小遅延が利用できます。
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リンクを使用している他のアプリケーションは、ミッションクリティカルなトラフィックに影響を与えることなく、公平なサービスを受けます。
Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでの QoS 技術
Cisco IOS XR ソフトウェア上の QoS は、異種ネットワーク全体にエンドツーエンドの QoS 提供を実現する次の技術に依存しています。
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パケットの分類とマーキング
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輻輳管理
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輻輳回避
すべての技術が使用するネットワーク環境に適しているわけではないため、これらの技術の QoS 機能を実装する前に、ネットワークのトラフィック特性を識別し、評価する必要があります。
パケットの分類とマーキング
パケットの分類/マーキング技術では、トラフィック フローを識別して、ネットワーク トラフィックを複数のプライオリティ レベルまたはサービス クラスに区切ることができます。分類が完了した後には、他の任意の QoS アクションを実行できます。
トラフィック フローの識別は、単一のルータ内で複数の方法(アクセス コントロール リスト(ACL)、プロトコル一致、IP precedence、IP DiffServ コード ポイント(DSCP)、MPLS EXP ビット、サービス クラス(CoS)など)を使用して行えます。
トラフィックのマーキングは、次により実行されます。
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タイプ オブ サービス(ToS)バイトに IP precedence ビットまたは DSCP ビットを設定する。
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レイヤ 2 ヘッダー内に CoS ビットを設定する。
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インポーズされた、または最上位のマルチ プロトコル ラベル スイッチング(MPLS)ラベル内に EXP ビットを設定する。
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qos-group ビットおよび discard-class ビットを設定する。
マーキングは次のように実行できます。
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無条件:クラスアクションの一部として。
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条件付き:ポリサーアクションの一部として。
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条件付きと無条件の組み合わせ。
パケット マーキングの概念および設定情報の詳細については、このマニュアルの無条件マーキングに関する「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでのモジュラ QoS パケット分類の設定」 モジュール、およびこのマニュアルの条件付きマーキングに関する「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでのモジュラ QoS 輻輳管理の設定」モジュールを参照してください。
デフォルトのマーキング動作
入力インターフェイスまたは出力インターフェイスが VLAN タグまたは MPLS ラベルを追加する際には、これらのタグおよびラベルに入力する CoS 値および EXP 値のデフォルト値が必要です。デフォルト値は、ポリシー マップに基づいて上書きできます。CoS および EXP のデフォルト値は、システムに入る時点のパケット内の信頼フィールドに基づいています。ルータは、パケット タイプおよび入力インターフェイスの転送タイプ(レイヤ 2 またはレイヤ 3)に基づいて、特定のフィールドの暗黙的な信頼を実装します。
デフォルトでは、ルータは設定されているポリシーマップなしでは IP precedence または DSCP を変更しません。デフォルトの動作の説明は、次のとおりです。
xconnect やブリッジドメインなどの入力レイヤ 2 インターフェイスまたは出力レイヤ 2 インターフェイス上では、入力インターフェイスで追加されるすべてのフィールドに最も外側の CoS 値が使用されます。レイヤ 2 リライトが原因で追加された VLAN タグがある場合は、新しい VLAN タグに最も外側の着信 CoS 値が使用されます。MPLS ラベルが追加された場合は、MPLS タグの EXP ビットに CoS 値が使用されます。
(IPv4 パケットまたは IPv6 パケットに対してルーティングされた、またはラベルにより重み付けされた)入力レイヤ 3 インターフェイスまたは出力レイヤ 3 インターフェイス上では、3 つの DSCP ビットおよび precedence ビットが着信パケット内で識別されます。MPLS パケットの場合は、最も外側のラベルの EXP ビットが識別され、この値は、入力インターフェイスで追加されるすべての新しいフィールドに使用されます。MPLS ラベルが追加された場合は、識別された precedence 値、DSCP 値、または MPLS EXP 値が、新たに追加された MPLS タグの EXP ビットに使用されます。
プロバイダー バックボーン ブリッジ(PBB)の設定
PBB 設定では、パケットが PBB カプセル化を使用して顧客ネットワークからサービス プロバイダー ネットワークに入る際に、バックボーン VLAN タグ(B タグ)で使用されるサービス クラス(CoS)と廃棄適性インジケータ(DEI)、および PBB ヘッダーのサービス インスタンス タグ(I タグ)が、デフォルトでは着信パケットの最上位タグの CoS および DEI になります。
パケットがサービス プロバイダーから顧客ネットワークに移動すると、PBB ヘッダーが削除され、顧客インターフェイス上でインポーズされるすべてのタグにおいて、I タグの CoS および DEI がデフォルトで使用されます。デフォルトのマーキングはインポーズされたタグに対してのみ実行され、既存のタグまたは変換されたタグには実行されません。
輻輳管理
輻輳管理技術は、発生した後に輻輳を制御します。ネットワーク要素が着信したトラフィックのオーバーフローを処理するための 1 つの方法は、キューイング アルゴリズムを使用してトラフィックを並べ替え、それを出力リンク上で優先順位付けする何らかのサービス手段を決定することです。
Cisco IOS XR ソフトウェアにより、ストリクト プライオリティ キューイング(PQ)を Modified Deficit Round Robin(MDRR)スケジューリング メカニズムに提供する低遅延キューイング(LLQ)機能が実装されます。LLQ とストリクト PQ では、音声などの遅延に影響されやすいデータを、他のキューのパケットをキューから取り出す前にキューから取り出して送信できます。
Cisco IOS XR ソフトウェアには、クラスベースのシェーピングだけではなく、クラス単位で使用可能なトラフィック ポリシング機能が含まれています。
トラフィック ポリシング機能では、ユーザ定義の基準に基づいてトラフィック クラスの入力または出力の伝送レートを制限し、IP precedence、QoS グループ、DSCP 値などの設定値によりパケットをマーキングできます。
トラフィック シェーピングでは、インターフェイスから出力されるトラフィックを制御して、リモート ターゲット インターフェイスの速度にトラフィック フローを合わせ、指定されているポリシーにトラフィックを適合させることができます。このように、ダウンストリーム要件を満たすように、特定のプロファイルに適合するトラフィックをシェーピングできるため、データレートが一致しないトポロジで発生するボトルネックが排除されます。
Cisco IOS XR ソフトウェアでは、パラメータがクラス単位で適用される CLI メカニズムを使用したクラスベースのトラフィック シェーピング方式がサポートされます。
輻輳管理の概念および設定情報の詳細については、「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでのモジュラ QoS 輻輳管理の設定」モジュールを参照してください。
輻輳回避
輻輳回避技術では、トラフィック フローをモニタすることにより、問題が発生する前に、共通ネットワークおよびインターネットワークのボトルネックでの輻輳を予測し回避します。これらの技術は、輻輳状況下においてリアルタイム クリティカルとして分類されているトラフィック(ビデオ ストリームなど)の優先的な処理を実現すると同時に、ネットワーク スループ ットおよびキャパシティ使用率を最大化しつつ、パケットの損失や遅延を最小限に抑えるよう設計されています。Cisco IOS XR ソフトウェアでは、ランダム早期検出(RED)、重み付け RED(WRED)、およびテール ドロップによる QoS 輻輳回避機能がサポートされます。
輻輳回避技術の概念および設定情報の詳細については、このマニュアルの「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでのモジュラ QoS 輻輳管理の設定」モジュールを参照してください。
Cisco IOS XR ソフトウェアのディファレンシエーテッド サービス モデル
Cisco IOS XR ソフトウェアでは、異なる QoS 要件を満たすことが可能な複数サービス モデルであるディファレンシエーテッド サービスがサポートされます。ただし、統合サービス モデルと異なり、ディファレンシエーテッド サービスを使用するアプリケーションは、データを送信する前に明示的にルータにシグナリングを行いません。
ディファレンシエーテッド サービスでは、ネットワークは各パケットによって指定された QoS に基づいて特定の種類のサービスを提供しようとします。この指定はさまざまな方法で行われます。たとえば、IP パケット内の IP precedence ビットの設定や、送信元アドレスと宛先アドレスが使用されます。ネットワークは、この QoS 仕様を使用してトラフィックの分類、マーキング、シェーピング、およびポリシングを行い、インテリジェント キューイングを実行します。
ディファレンシエーテッド サービス モデルは、いくつかのミッションクリティカル アプリケーションで使用されたり、エンドツーエンド QoS を提供するために使用されます。一般的に、このサービス モデルでは、比較的粗いレベルのトラフィック分類が行われるため、集約フローに適しています。
Access Node Control Protocol
Access Node Control Protocol(ANCP)は、QoS 関連、サービス関連、加入者関連の操作を実行するために、サービス指向の集約デバイスとアクセス ノード(AN)間のコントロール プレーン(DSLAM など)を作成します。ANCP ネットワーク アクセス サーバ(NAS)は、ANCP 隣接(ANCP ネイバーとのセッション)を受け入れて維持し、ANCP メッセージの送受信を行います。
ANCP を使用すると、AN ポートと VLAN サブ インターフェイス間でのスタティック マッピングを行うことができ、これにより、ANCP サーバが受信した特定の加入者の DSL レートの更新を、その加入者に対応する QoS 設定に適用できます。ANCP 経由で受信した DSL トレイン レートは、ルータの加入者側インターフェイスとサブインターフェイスのシェーピング レートを変更するために使用されます。
Cisco IOS XR の QoS でサポートされるその他の機能
ここでは、Cisco IOS XR ソフトウェア上での QoS 実装において重要な役割を担う、その他の機能について説明します。
モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス
Cisco IOS XR ソフトウェアでは、モジュラ QoS コマンドライン インターフェイス(MQC)機能を介して QoS 機能を使用します。 MQC はコマンドライン インターフェイス(CLI)構造で、これを使用すると、トラフィック ポリシーを作成し、作成したポリシーをインターフェイスに対応付けることができます。トラフィック ポリシーには、トラフィック クラスと 1 つ以上の QoS 機能が含まれます。トラフィック クラスは、トラフィックの分類に使用されます。これに対して、トラフィック ポリシーの QoS 機能は、分類されたトラフィックの処理方法を決定します。MQC の主な目的の 1 つは、プラットフォームに依存しないインターフェイスを提供することにより、シスコ プラットフォーム全体の QoS を設定することです。
MQC 機能の概念および設定情報の詳細については、このマニュアルの「Cisco ASR 9000 シリーズ ルータでのモジュラ QoS パケット分類の設定」モジュールを参照してください。
ファブリック QoS
ファブリック QoS 向けの個別の設定はありません。ファブリックのプライオリティは、入力サービス ポリシーのプライオリティ アクションから取得されます。