この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco CRS-1 キャリア ルーティング システム 4 スロット ラインカード シャーシおよび主要コンポーネントについて説明します。内容は次のとおりです。
• 「Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの主な機能」
(注) このマニュアルでは、Cisco CRS-1 キャリア ルーティング システム 4 スロット ラインカード シャーシをCisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ、または単にシャーシと表記します。
Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシのマニュアル セットはワークフローベースです。3 つの主要マニュアルに、シャーシを正常にプランニングおよび設置するために必要なプロセスが記載されています。
1. 『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 4-Slot Line Card Chassis Site Planning Guide 』
シャーシが納入される前に、このマニュアルを参照して、開梱、移動、保護に関するマニュアルやインストレーション ガイドに記載されたステップを実行するために必要なスペース、工具、ユーティリティ、人的資源などがあることを確認してください。
2. 『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 4-Slot Line Card Chassis Unpacking, Moving, and Securing Guide 』
このマニュアルは、出荷時にシャーシに付属しています。すべての Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの開梱、移動、および保護に関する情報が記載されています。
3. 『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 4-Slot Line Card Chassis Installation Guide 』
このマニュアルは、シャーシを最初に設置する場合に使用します。Field-Replaceable Unit(FRU; 現場交換可能ユニット)の取り外し方法や取り付け方法が記載されています。
(注) このシステムの説明は参照用です。シャーシ、電源システムと冷却システム、スイッチ ファブリックおよびその他のコンポーネントに関する詳細が記載されています。手順は記載されていません。
Cisco CRS-1 ルータは、IP ネットワークがマルチサービス ネットワークに発展したときに、サービス プロバイダーの POP を効率的に展開させることのできる、きわめてスケーラブルなルーティング プラットフォームです。Cisco CRS-1 ルータは現在 8 スロット構成、16 スロット構成、およびマルチシェルフ構成で使用できます。
サービス プロバイダーは Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシを導入することにより、上位バージョンのシャーシに対応するスペース要件や電力要件を満たさなくても、CRS-1 シャーシの性能や機能を利用できます。Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシは、Modular Services Card(MSC; モジュラ サービス カード)および対応する Physical Layer Interface Module(PLIM; 物理レイヤ インターフェイス モジュール)用のスロットが 4 つ、スイッチ ファブリック用のスロットが 4 つ装備されたメカニカルな格納ラックです。
このシャーシは標準外部ラックに設置され、独自の電源システムと冷却システムが組み込まれています。また、ルーティングプロトコル計算を実行する Route Processor(RP; ルート プロセッサ)カードも搭載されています。RP は、MSC にフォワーディング テーブルを配信し、各 MSC に制御パスを提供してシステム モニタ機能を実行します。また、システムおよびエラーのロギング用ハード ディスクも含まれています。RP は Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの 2 つの専用スロットに装着します。
ルータは、スケーラブルな分散型 3 ステージ Benes スイッチ ファブリック、および各種データ インターフェイスによって構築されます。データ インターフェイスは、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ内で対応する MSC に接続される PLIM 上にあります。MSC(別名ラインカード)は、スイッチ ファブリックを通して相互接続されます。
Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの主な機能は、次のとおりです。
• 最大 160 Gbps のルーティング容量を備えた、きわめてスケーラブルなルータ。
• 広範囲のインターフェイス速度およびタイプ(OC-768、OC-192、OC-48、10-GE など)、およびラインレート速度でのフル機能転送を提供するプログラマブル MSC フォワーディング エンジン。
次に、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの主要コンポーネントの概要を示します。ここでは主に、FRU とみなされるコンポーネントを示します。ただし、役立つ追加情報がある場合は、現場交換できないサブアセンブリも示します。
Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシは、以下のコンポーネントで構成されています。
• 4 枚までの MSC と 4 台までの PLIM。MSC および PLIM は、シャーシのミッドプレーンを通して接続するペアのカードです。MSC は、ユーザ データのレイヤ 3 ルーティング用の転送エンジンを提供し、PLIM はユーザ データ用の物理インターフェイスとコネクタを提供します。
1 つの MSC を、インターフェイス速度とテクノロジーの異なる数種類の PLIM に関連付けることができます。使用可能な PLIM のタイプは以下のとおりです。
–Packet-over-SONET/SDH(POS)PLIM
PLIM の詳細については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Packet-over-SONET/SDH Physical Layer Interface Module Installation Note 』および『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Gigabit Ethernet Physical Layer Interface Module Installation Note 』を参照してください。
• オプションのインターフェイス ソリューション(PLIM 対応)も使用できます。PLIM の代わりに、SPA Interface Processor(SIP; SPA インターフェイス プロセッサ)および SPA を取り付けることができます。SIP は PLIM と似たキャリア カードです。Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ スロットに装着し、PLIM と同様に MSC に相互接続します。ただし、PLIM と異なり、SIP は独自にネットワーク接続されません。
SPA は、互換性のある SIP キャリア カードのサブスロットに装着するモジュラ タイプのポート アダプタです。これにより、ネットワーク接続を実現し、インターフェイスのポート密度を高めることができます。SIP タイプおよび SPA サイズに応じて、SIP には SPA を 1 つ以上装着できます。POS/SDH およびギガビット イーサネット SPA を使用できます。SIP および SPA の詳細については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System SIP and SPA Hardware Installation Guide 』を参照してください。
• シャーシ ミッドプレーン。ミッドプレーンは MSC を対応する PLIM に接続します。対応する PLIM に接続しているケーブルを取り外さなくても、MSC をシャーシから取り外すことができます。ミッドプレーンは、電力を配分し、MSC を Switch Fabric Card(SFC; スイッチ ファブリック カード)に接続し、コントロール プレーンの相互接続を提供します。ミッドプレーンは、お客様による現場交換はできません。
• RP カード× 2。RP は Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシのシステム コントローラとして動作し、ルート プロセッシングを実行して、システム インテリジェンスを提供します。一度にアクティブになるのは、1 つの RP だけです。2 番めの RP は、スタンバイ RP となり、アクティブ RP の障害時にバックアップとして動作します。また、RP は、システム アラームをモニタし、システム ファンを制御します。前面パネル上の LED により、アクティブなアラーム状態が示されます。
• SFC × 4。これらのファブリック カードは、システムに 3 ステージ Benes スイッチ ファブリックを提供します。スイッチ ファブリックは、1 つの MSC/PLIM ペアからユーザ データを受信し、適切な出力 MSC/PLIM ペアにデータをルーティングするために必要なスイッチングを実行します。Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシには、3 ステージ Benes スイッチ ファブリックの 3 ステージをすべて提供する SFC が搭載されています。
• 各電源シェルフに 4 つの AC 整流器を備えた、単一の AC 電源シェルフ。電源シェルフおよび AC 整流器はシャーシに 4,000 W の冗長入力電力を供給します。
• 4 基の DC 電源装置が搭載された単一の DC 電源シェルフ。DC 電源システムは、シャーシに 4,000 W の電力を供給します。
• ファン トレイ。ファン トレイには、シャーシ内の空気を循環させるファンが装備されています。着脱可能なエアー フィルタは、シャーシ前面の電源シェルフの上にあります。
シャーシ前面には RP、MSC、および PLIM があります。シャーシ前面では、ユーザ データ ケーブルが PLIM に接続され、冷気がシャーシに取り込まれます。シャーシ背面にはファン トレイおよび SFC があります。
図1-1 に、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの前面図、図1-2 に背面図を示します。
図1-1 Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ(前面図)
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図1-2 Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ(背面図)
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ここでは、シャーシに搭載するカードおよびモジュールの配置とスロット番号について説明します。図1-3 に、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ前面のスロット番号を示します。
図1-3 Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシのスロット番号(前面図)
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図1-4 に、Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシ背面のスロット番号を示します。
図1-4 4 スロット ラインカード シャーシ背面のスロット番号(スイッチ ファブリック側)
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Cisco CRS-1 4 スロット ラインカード シャーシの前面(PLIM 側)、カード ケージの真上に、ケーブル管理機能があります。水平方向のケーブル管理用トレイは、高密度カードによりシャーシをアップグレードした場合に延長できるように、特殊な伸張機能を備えています。この伸張機能は、シャーシにケーブルを取り付ける場合にも便利です。
図1-5 に、シャーシのケーブル管理ブラケットを示します。
シャーシのケーブル配線およびケーブル管理の詳細については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System 4-Slot Line Card Chassis Installation Guide 』を参照してください。