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この章では、Cisco CRS キャリア ルーティング システム 16 スロット ラインカード シャーシ内のルーティング システム コントロール プレーンの概要を示します。ここで説明する内容は、次のとおりです。
Cisco CRS-1 シリーズ キャリア ルーティング システム16 スロット ラインカード シャーシのコントロール プレーンは、シャーシ内のカード、モジュール、およびコンポーネントの間の通信パスを提供します。コントロール プレーンは、物理シャーシのコンポーネントおよび統合されたエンティティ内のソフトウェア機能と結び付けられる論理エンティティです。コントロール プレーンは、シャーシの各カードおよびモジュールを制御するために使用されるサービス プロセッサ(SP)モジュールにルート プロセッサ(RP)上のシステム コントローラ機能を接続します。
データ プレーンはパケットがルーティング システムを介して物理層インターフェイス モジュール(PLIM)からモジュラ サービス カード(MSC)、スイッチ ファブリック、その他の MSC、そして PLIM から出て行くパスです。コントロール プレーンとデータ プレーンは、一部の物理コンポーネントを共有する場合があります。たとえば、コントロール プレーンは一部のイントラ システム通信に対して、パケットを切替えるためにデータ プレーンで使用できるので、スイッチ ファブリックを使用します。
コントロール プレーン ハードウェアはシステムの検出およびインベントリを提供します。このプロセスには、システムが設定される前にコントロール プレーンおよびスイッチ ファブリックのシステム トポロジを決定するための機能が含まれます。トポロジ検出に加えて、コントロール プレーン ハードウェアは、カードおよびモジュールの存在を検出する機能およびカード タイプ、リビジョン、およびシリアル番号などのトラッキング情報も提供する必要があります。これらの機能によって、システム管理ソフトウェアが個別のボードの ID やロケーション情報などのルーティング システム設定を保存するデータベースを構築することができます。コントロール プレーン ハードウェアは活性挿抜(OIR)の検出を提供しています。
Cisco CRS ルーティング システムはボート内での障害の検出、分離、回復を行い、冗長ハードウェアのフェールオーバー メカニズムを提供します。コントロール プレーンは高可用性の実現の主要な要素で、データ プレーンとコントロール プレーンの両方で障害を分離してイベントのフェールオーバーを指示する必要があります。有用性を向上するには、シャーシ ID 表示および重大度、メジャー、マイナーの各アラーム インジケータがはっきりと見えるようにします。MSC、RP、ファン コントローラ カード、およびスイッチ ファブリック カードそれぞれに、現在のボードのステータスを表示する英数字ディスプレイと緑色の OK LED があります。温度や電圧レベルなど環境条件は、複数の内部測定ポイントでモニタされ、ルーティング システムのオペレータに報告されます。
RP は、Cisco CRS 16 スロット ラインカード シャーシ内のシステム コントローラとして機能します。PLIM はそれぞれ対応する MSC を介してコントロール プレーンに接続されることに注意してください。コントロール プレーンには、スイッチド ポイントツーポイント ファスト イーサネット(FE)があり、これらの FE スイッチで駆動される、コントロール プレーン ネットワーク メッセージ用、およびシステム通信用の他のいくつかのパスが含まれます。デュアル RP およびミッドプレーン FE トレースは、Cisco CRS 16 スロット ラインカード シャーシ内のすべてのカード間で冗長接続を提供します。ほとんどのカードまたはモジュールには、コントロール プレーン内のデバイスとの通信を提供するサービス プロセッサ(SP)モジュールが含まれます。
コントロール プレーンの重要な機能と実装の一部は次のとおりです。
• 活性挿抜(OIR)の検出:すべての MSC、RP、スイッチ ファブリック カード、電源モジュールなどは RP カード上のシステム コントローラ機能に存在検出信号を提供します。この専用のハードウェア信号は各スロットのカードの物理的な存在を示します。存在検出信号によって Cisco IOS XR 設定ソフトウェアは迅速に OIR イベントを検出し、挿入されたがコントロール プレーンと通信できないカードを識別します。
• PLIM インベントリ:すべての PLIM スロットはマスター RP によってボードの ID および種類、およびその他のインベントリ情報を調査されます。RP は PLIM の電源が投入されていない場合でも各 PLIM 上の ID チップを読むことが可能です。MSC が PLIM に関連付けられた MSC スロットにプラグインされていてもいなくても、PLIM インベントリ チップは RP によってアクセスされることが可能です。
• RP のアクティブ/スタンバイの調停:両方の RP スロットが専用のミッドプレーン信号で特別なハードウェア調停ロジックに直接接続されます。ブート処理中に、このロジックはマスター(アクティブ)デバイスになる RP を 1 つ選択し、他方の RP はスタンバイ モードで機能します。詳細については、「ルート プロセッサのアクティブとスタンバイの調整」を参照してください。
ハードウェアの調停の後、ソフトウェアはコントロール プレーンの FE メッセージングを介して単一 RP マスターシップを確認する必要があります。調停ハードウェアは異常なハードウェア障害のために 2 つのマスターを選ぶことができます。コントロール プレーン FE は冗長パスを提供するので、マスターシップは間違いなく確認されることが可能です。
• ノードのリセット:各 RP にはシャーシ内のすべてのノードに対する専用リセット ラインがあります。ノードは、MSC、RP、およびファブリック カードなどです。リセット ラインは各 RP から出て、ノードのカードの SP に接続されます。マスター RP だけがこれらのリセット ラインをアサートでき、スタンバイ RP のリセット ラインは RP の調停ロジックによって分離されています。リセット ラインによって RP はハードウェアからボードのリセットを強制することができ、ボードが制御ネットワーク メッセージに応答しない場合にだけ使用されます。この機能が SP のリセットに使用されると、リセットされた SP がリブートされてその SP のボードに電源を供給できるようになるまでそのノードの他のすべてのチップの電源を切ります。RP OIR イベント中に誤って起こる可能性のある不注意が原因となるリセット ラインの不具合を避けるために、この信号からのリセットは High to Low 転送のエンコードされた文字列からのみトリガすることができます。
この項では、ルーティング システムのさまざまなコンポーネントのコントロール プレーン機能について説明します。
• サービス プロセッサ(SP):サービス プロセッサ モジュールは、MSC、RP、アラーム モジュール、スイッチ モジュール、および電源制御およびブロワー制御システムに追加されます。カードまたはモジュールが電源投入されているシャーシに挿入されている場合、そのカードの SP モジュールは常に電源が入っており、シャーシの電源から切り離して電源を切ることはできません。各サービス プロセッサ モジュールには、各 SC または各 RP へのファスト イーサネット(FE)の接続があります。
• システム コントローラ(SC)機能:RP 内にある SC は 16 スロット ラインカード シャーシは、Cisco CRS シャーシ内にある制御の中央ポイントです。ルーティング システムの部分として機能するために 1 つのシャーシには少なくとも 1 つの SC が常に動作している必要があります。シャーシごとに冗長 SC が提供されるので、単一 SC の損失や取り外しがシャーシを停止させることはありません。SC は個別の SP にノードを電源投入することを指示し、ダウンロードするカードやモジュールごとのコード イメージを提供し、そしての無関係だと判断したすべてのノードをリセットします。マスター SC はシャーシの単一のコントロールと調停のポイントで、必要に応じてマスターとスタンバイ RP の状態を判断します。
• モジュラ サービス カード(MSC):MSC は主要なデータ転送エンジンです。MSC はレイヤ 2 およびレイヤ 3 のパケット処理およびキューイングを提供します。MSC CPU は転送情報ベース(FIB)のダウンロード受信、ローカル PLU/TLU 管理、統計情報の収集とパフォーマンスのモニタリング、および ASIC 管理とエラー処理などの多くのコントロール プレーン機能を実行します。
• PLIM:PLIM には外部データ回路への物理インターフェイスがあります。PLIM には独自の SP モジュールはありません。代わりに、MSC SP モジュールが PLIM のほとんどの基本コントロール プレーン機能を制御します。これには、ボード タイプ、リビジョン、シリアル番号、およびその他の製造情報などの PLIM NVRAM の読み書きがあります。
PLIM には、MSC 自体のように、RP から直接来る専用のリセット信号はありません。MSC SP がリセットを受信すると、MSC および PLIM の電源コンポーネントへの電力を停止します。MSC がない場合、関連する PLIM は電源が入っていません。
• ルート プロセッサ:Cisco CRS 16 スロット ラインカード シャーシ 1 つに対して 2 つの RP スロットがあります。シャーシのミッドプレーンは 2 つの RP の調停ロジックに接続しているので、1 つの RP がマスター(プライマリ)になり、そして 1 つの RP がスタンバイになります。プライマリ RP は SP および MSC にソフトウェア イメージを配布しますが、スタンバイ RP はフェールオーバー イベントのためにプライマリになる必要がある場合のためにプライマリ RP をモニタします。
RP は、ルーティング システムのコントロール プレーン処理およびデータベース ソリューションの基盤となるものです。RIB および FIB データベースは 1 つまたは複数の RP に存在します。BGP や OSPF などのルーティング プロトコルは、RP 上で実行され、ルート データベースを更新します。これらのデータベースは、MSC にダウンロードされ、MSC フォワーディング エンジンは適切にプログラムされています。
また、パフォーマンス ルート プロセッサ(PRP)カードは、Cisco CRS 16 スロット ラインカード シャーシでも使用できます。2 つの PRP は 2 つの RP と同じ機能を実行しますが、ルート処理とシステム コントローラ機能に高いパフォーマンスを提供します。
(注) シャーシによっては、RP カードと PRP カードを混在できません。両方のルート プロセッサ カードは同じ種類である必要があります(RP または PRP)。
• スイッチ ファブリック カード:すべてのスイッチ ファブリック カードにはスイッチ要素チップがあり、いくつかの場合にパラレル光デバイスおよびコントロール プレーン インターフェイスを提供する SP があります。ハードウェア コントロール プレーン インターフェイスは FE リンクで通信し、ファブリックの設定およびメンテナンスにチャネルを提供します。コントロール プレーン ハードウェアはファブリック チップを設定し、エラーのスイッチ ファブリックをモニタリングします。失敗したチップまたはリンクを特定するためにソフトウェアが必要なエラーがあります。SP ソフトウェアは、リンクの健全性をモニタリングし分離アクションを実行します。
スイッチ ファブリックはパフォーマンス レベルを減少させる 8 つより少ないプレーンでも動作可能です。これは、ルータを実行中(たとえば、スイッチ ファブリックをアップグレード中)にスイッチ ファブリック カードの活性挿抜(OIR)を実行できることを意味します。スイッチ ファブリック カードでの OIR の実行方法の詳細については、『 Cisco CRS-1 Carrier Routing System Getting Started Guide 』を参照してください。
• アラーム モジュールおよび電源モジュール:ルーティング システムのアラーム モジュールはエラーおよびメッセージをオペレータに示します。英数字ディスプレイおよび重大度、メジャー、およびマイナー エラーを示す 3 つの LED などがアラーム モジュールにはっきりと表示されます。エラーが発生した場合、英数字ディスプレイは、エラーの原因を示します。アラーム モジュールには英数字と LED 表示デバイス、および制御ネットワーク接続の表示と提供を処理する SP のみが含まれます。
• ファン トレイ:ファン トレイは、エアーフローを測定する SP モジュールによってモニタリングされ、ファン RPM を制御します。温度が上昇すると、SP は冷却能力を増加するブロワー RPM を増加します。
• Cisco CRS 16 スロット ラインカード シャーシのミッドプレーン:このシャーシのミッドプレーンは、ルーティング システム内のカードおよびモジュールに対するシャーシ内接続を提供します。ミッドプレーンはほとんどの場合パッシブですが、追跡番号と製造情報、および MAC アドレスを保存するために使用されるアクティブな NVRAM コンポーネントを含みます。ソフトウェアは NVRAM にシャーシ ID 値を保存します。