データ保護の概要
HX Data Platform ディザスタ リカバリ機能では、ネットワーク接続のクラスタのペアの間で実行中の VM のレプリケーションを設定することによって、災害から仮想マシンを保護することができます。1 つのクラスタで実行されている保護された仮想マシンをペアの他のクラスタにレプリケートします(その逆も同様です)。2 つの対になったクラスタは通常、離れて配置され、各クラスタは他のクラスタで実行されている仮想マシンのディザスタ リカバリ サイトとして機能します。
保護が VM で設定されると、HX Data Platform はローカル クラスタで実行中の VM のレプリケーション スナップショットを定期的に作成し、スナップショットをペアのリモート クラスタにレプリケート(コピー)します。ローカル クラスタで障害が発生すると、保護された各 VM の最も最近レプリケートされたスナップショットがユーザにより使用され、リモート クラスタで VM が回復され実行されます。他のクラスタのディザスタ リカバリ サイトとして機能する各クラスタは、障害の発生時に、通常のワークロードだけでなく新しく回復した仮想マシンを実行できるように、十分な予備リソースを含むサイズにする必要があります。
保護属性、その中でも重要なレプリケーション間隔(スケジュール)を割り当てることによって、各仮想マシンを個別に保護できます。レプリケーション間隔を短くすると、災害後に VM をリカバリする時に、レプリケートされたスナップショット データはより新しいものになる可能性があります。レプリケーション間隔は 15 分から 24 時間までの範囲です。
保護グループと呼ばれる、新しいクラスタごとのグループ化構成は、保護された VM をグループ化し、同じ保護属性を割り当てます。VM は、属性がすでに定義されている保護グループに追加するだけで、保護することができます。
レプリケーションの設定には、HX Data Platform バージョン 2.5 またはそれ以降を実行している 2 つの既存のクラスタが必要です。両クラスタの HX Data Platform のバージョンは同じである必要があります。この設定はオンラインで完了することができます。
まず、各クラスタがレプリケーション ネットワーク用に設定されます。これには、HX Connect を使用して、リモート クラスタにレプリケートするローカル クラスタ ノードが使用する IP アドレスのセットを提供することが含まれます。プロセスの一環として、HX Connect は専用レプリケーション ネットワーク用 VLAN を UCS マネージャから作成します。
次に、2 つのクラスタ、およびそれに対応する既存の関連するデータストアを明示的にペアリングする必要があります。ペアリングのセットアップは、2 つのクラスタのいずれかから HX Connect を使用して完了できます。これには、他のクラスタの管理者資格情報が必要です。
最後に、現在アクティブになっているクラスタで HX Connect を使用することで、仮想マシンを保護(または、既存の保護属性を変更)することができます。
HX Connect を使用して、クラスタでの着信および発信の両方のレプリケーションの状態をモニタすることができます。
災害後、クラスタ内のノード上で起動された stcli コマンド ライン ツールを使用して、その VM のディザスタ リカバリ サイトとして機能するクラスタで、保護された VM をリカバリして実行できます。
レプリケーションとリカバリの考慮事項
以下は、仮想マシンのレプリケーションの構成と仮想マシンのディザスタ リカバリの実行時の考慮事項のリストです。
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管理者:すべてのレプリケーションおよびリカバリ タスク(ただしモニタリングを除く)は、ローカル クラスタ上の管理者特権を持つユーザによってのみ実行可能です。リモート クラスタに関連するタスクに対し、指定したローカルおよびリモートの両方のユーザは管理者権限を持っている必要があり、それぞれのクラスタで vCenter SSO で構成される必要があります。
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記憶域:リモート クラスタにレプリケーション スケジュールをサポートするのに十分な領域があることを確認します。保護された仮想マシンは、スケジュールされた間隔でリモート クラスタにレプリケート(コピー)されます。ストレージ キャパシティの方法が適用されますが(重複排除、圧縮)、レプリケートされた各仮想マシンはストレージ スペースを消費します。
リモート クラスタに十分なストレージ容量がないと、リモート クラスタの容量の使用率の最大値に到達する可能性があります。スペース不足エラーの場合は、スペース不足エラーの処理を参照してください。HX クラスタ で利用できるスペースが適切に調整されるまでは、すべてのレプリケーション スケジュールは一時停止します。クラスタ容量の消費量が常にスペース使用率の警告しきい値を下回るようにしてください。
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サポートされていないクラスタ:レプリケーションの保護は 2 つの HX クラスタ の間で行われます。
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エッジ クラスタ間、エッジ クラスタへの、またはエッジ クラスタからのレプリケーションはサポートされません。
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ノードの再起動:復元、レプリケーション、またはリカバリ操作中に、HX クラスタ 内のノードを再起動しないでください。
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シン プロビジョニング:保護された仮想マシンは、元々保護されていた仮想マシンでのディスクの指定方法に関係なく、シン プロビジョニングされたディスクでリカバリされます。
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保護グループの制限:
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1 つの保護グループに設定可能な VM の最大数は 32 です。
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ISO またはフロッピーを使用する VM を保護グループに追加しないでください。
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HX 以外のデータストア:保護した VM に非 HX データストア上のストレージが含まれている場合、この VM を定期的にレプリケートしようとする試みは失敗します。この VM の保護を解除するか、非 HX ストレージを取り外します。
同様に、保護された VM を HX データストアから非 HX データストアに移動しないでください。ストレージの vMotion を通じて非 HX データストアに VM を移動する場合、VM の保護を解除して、保護を再適用します。
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回復した仮想マシンの階層:
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仮想マシンのレプリケーションの回復では、階層は保持されます。
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テスト リカバリは、レプリケーション仮想マシンを統合し、レプリケーション階層を共通のクローニングされた基本ディスクに統合します。データは、すべてクローニングされた共通ディスクにあります。しかし、テスト リカバリは新しい
vm-uuid
を持つクローンとしてのテストであるため、新たなレプリケーション仮想マシン階層構造が開始されます。
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スナップショット メモリ オプション:仮想マシンをデータ保護レプリケーションまたはリカバリ用に設定するときにはスナップショット メモリ オプションを含めないようにしてください。
メモリ スナップショットには、VM のメモリと電源状態が含まれています。このタイプのスナップショットは完了に時間がかかります。詳細については、VMware vSphere ベスト プラクティスのドキュメンテーションを参照してください。
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スナップショットのタイプ:HX Data Platform は、さまざまな形式のスナップショット技術を使用します。各スナップショットは固有のユースケースを満たし、固有の特徴があります。これらに互換性はありません。
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ReadyClone は、標準標準のクローンと同様に、既存の VM のコピーです。既存の VM は、ホスト VM と呼ばれます。クローニング操作が完了すると、ReadyClone は別のゲスト VM となります。
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ネイティブ スナップショットは、動作している VM のバージョン(状態)を保存するバックアップ機能です。VM をネイティブ スナップショットに戻すことができます。
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レプリケーション スナップショットは、VM レプリケーション保護の一部として作成されます。スケジュールされた時刻に、実行中の VM のレプリケーション スナップショットが作成されます。このスナップショットはリモート クラスタにレプリケート(コピー)されます。
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リカバリ テスト スナップショットは、リカバリ システムが動作していることを確認するために使用される一時的なスナップショットです。
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回復された VM は、復元された VM で、リカバリ クラスタから最新のレプリケーション スナップショットを復元することによって作成されました。
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データ保護の用語
フェールオーバー:ソース クラスタで障害が発生した場合の手動 VM リカバリ プロセスの一部。このコンテキストにおけるフェールオーバーとは、ターゲット クラスタのレプリケーション スナップショットを稼働中の VM に変換することを意味します。
レプリケーション間隔:レプリケーション スケジュールの設定の一部です。これは、保護された VM レプリケーション スナップショットが作成され、ターゲット クラスタにコピーされる頻度です。
ローカル クラスタ:VM レプリケーション クラスタ ペアの 1 つ。HX Connect を介して現在ログインしているクラスタ。ローカル クラスタから、ローカル上に存在する VM に対してレプリケーション保護を設定します。すると、その VM が、ペアリング済みのリモート クラスタにレプリケートされます。
移行:VM の最近のレプリケーション スナップショットのコピーを、稼働中の VM とする定期的なシステム メンテナンスおよび管理タスク。ソースおよびターゲット クラスタのレプリケーション ペアは変更されません。
プライマリ クラスタ:VM ディザスタ リカバリのソース クラスタの別名。
保護された仮想マシン:レプリケーションが設定されている VM。保護されている VM:
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レプリケーション ペアのローカル クラスタのデータストアに存在します。
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レプリケーション スケジュールを個別に設定または保護グループを通じて設定します。
保護グループ:同じレプリケーション構成を VM のグループに適用する方法です。
リカバリ プロセス:ソース クラスタに失敗または障害が発生した場合に、保護対象 VM を回復するための手動プロセス。
リカバリ テスト:リカバリ プロセスを災害時に成功させるメンテナンス タスクです。
リモート クラスタ:VM レプリケーション クラスタ ペアの 1 つ。リモート クラスタは、ローカル クラスタの保護対象 VM からレプリケーション スナップショットを受信します。
レプリケーション ペア:ローカル クラスタ VM のレプリケーション スナップショットを格納するリモートのクラスタ ロケーションを提供するためにまとめられた 2 つのクラスタ。
レプリケーション ペアのクラスタは、リモート クラスタまたはローカル クラスタのどちらにもなることができます。レプリケーション ペアのクラスタはどちらもレジデント VM を持つことが可能です。各クラスタは、そのレジデント VM に対してローカルです。各クラスタは、ペアリング済みのローカル クラスタ上に存在する VM に対してリモートです。
レプリケーション スナップショット:レプリケーション保護メカニズムの一部。保護された VM のスナップショットの種類です。ローカル クラスタからリモート クラスタにコピーされます。
セカンダリ クラスタ:VM ディザスタ リカバリ内のターゲット クラスタの別名。
ソース クラスタ:VM リカバリ クラスタ ペアの 1 つ。ソース クラスタは、保護された VM が置かれる場所となります。
ターゲット クラスタ:VM リカバリ クラスタ ペアの 1 つ。ターゲット クラスタは、ソース クラスタの VM からレプリケーション スナップショットを受信します。ターゲット クラスタは、ソース クラスタで障害が発生した場合に VM を回復するために使用されます。