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この章では、PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタについて説明します。内容は次のとおりです。
• 「機能」
• 「LED」
PA-VXA-1TE1-24+(=)(図1-1 を参照)は、7 つのアクティブ デジタル信号プロセッサ(DSP)を備えたシングル ポートの T1/E1 音声ポート アダプタです。この PA-VXA は、Medium-Complexity コーデック(G.729a、G.726、または G.711)音声チャネルを最大 28 チャネルまで同時にサポートすることができます。これは、1 つの T1 または E1 回線をサポートする場合、十分なチャネル数です。
PA-VXA-1TE1-30+(=) は、8 つのアクティブ DSP(図1-2 を参照)を備えたシングル ポートの T1/E1 音声ポート アダプタです。この PA-VXA は、Medium-Complexity コーデック(G.729a、G.726、または G.711)音声チャネルを最大 32 チャネルまで同時にサポートすることができます。これは、1 つの T1 または E1 回線をサポートする場合、十分なチャネル数です。
PA-VXA はシングル幅のポート アダプタで、T1 または E1 接続用に設定可能なユニバーサル ポート× 1 を備えています。PA-VXA パケット音声ポート アダプタを搭載すると、Cisco 7200 シリーズ ルータ、Cisco 7200 VXR ルータ、および Cisco 7500シリーズ ルータを、構内交換機(PBX)および公衆電話交換網(PSTN)の両方に接続する専用パケット音声ハブまたはパケット音声ゲートウェイとして使用できます。これにより、パケット音声およびパケット Fax コールを広域ネットワーク(WAN)に発信し、ゲートウェイを介して従来の回線交換型の音声基盤に送信できます。
PA-VXB および PA-VXC(図1-3 および図1-4 を参照)は、マルチチャネル パケット音声ポート アダプタです。このポート アダプタを搭載すると、Cisco 7200 シリーズ、Cisco 7200 VXR、Cisco 7301、Cisco 7401ASR、および Cisco 7500 シリーズ ルータを、PBX および PSTN の両方に接続する専用パケット音声ハブまたはパケット音声ゲートウェイとして使用できます。この技術により、WAN(ワイドエリア ネットワーク)にパケット音声およびパケットFax コールを発信し、ゲートウェイを介して従来の回線交換型の音声基盤に送ることができます。
PA-VXB および PA-VXC はシングル幅のポート アダプタで、T1 接続または E1 接続として設定できる 2 つのユニバーサル ポートがあります。PA-VXB には、12 の高性能 DSP(デジタル信号プロセッサ)が組み込まれており、最大 48 のミディアム コンプレックスまたは 24 のハイ コンプレックス圧縮音声チャネルをサポートします。PA-VXC には、30 の高性能 DSP が組み込まれており、最大 120 のミディアム コンプレックスまたは 60 のハイ コンプレックス圧縮音声チャネルをサポートします。
VoIP(Voice over IP)では、DSP が音声信号をフレームに分割し、そのフレームが 2つずつ結合されて音声パケットに格納されます。これらの音声パケットは、ITU-T 仕様 H.323 準拠の IP を使用して伝送されます。VoIP は、遅延が問題となるアプリケーションであるため、上手に活用するには、入念に設計されたエンドツーエンド ネットワークが必要です。VoIP が適切にサポートされるようにネットワークを微調整するには、QoS(Quality Of Service)に適合する一連のプロトコルおよび機能が必要です。また、音声接続の信頼性を保証するために、トラフィック シェーピングに関する考慮事項を検討する必要があります。
PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC の機能は、次のとおりです。
• ユニバーサル ポート ― 1 つのインターフェイス ポート(PA-VXA)または 1 つのポート アダプタにつき 2 つのインターフェイス ポート(PA-VXB および PA-VXC)を T1(統合 CSU/DSU 内蔵)あるいは E1(統合 G.703/G.704 120-Ωインターフェイス内蔵)として設定できます。さらに、音声終端、TDM(時分割多重)パススルー(クロスコネクト)、またはパケット データ用に DS0 単位でポートを設定できます。
• 高密度 DSP テクノロジー ― すべての T1/E1 ポート チャネルで低ビット レートの音声圧縮(5.3 kbps まで)をフルサポートします。
• MIX(Multiservice Interchange)サポート ― Cisco 7200 VXR シャーシ内のポート アダプタ スロット間で音声チャネルの TDM スイッチングが可能です。したがって、同一シャーシ内のポート アダプタ間、またはポート アダプタ スロット間のポートからポートへの DS0 クロスコネクトで、DSP リソースを共有できます。
• DS0 ドロップ アンド インサート ― ポートと MIX バス間で柔軟性の高い TDM クロスコネクト機能が得られます。
• VoIP および VoFR(Voice over Frame Relay)終端 ― 混在環境に必要な VoIP および VoFR ゲートウェイ機能が全面的に利用できます。
• フル機能の DSP ファームウェア ― 8種類の標準圧縮アルゴリズムとともに、エコー キャンセレーション、フル DTMF(デュアル トーン多重周波数)/MFトーン検出および生成、ダイヤル パルス生成をサポートします。
• 無音抑制 ― ネットワークの帯域幅を節約するために、無音状態のときには、VAD(音声アクティビティ検出)機能によってデータ送信が禁止されます。コンフォート ノイズ生成機能によって、受信側での不快な完全無音状態が防止されます。
• 複数のクロック オプション ― ポートは、ネットワークからの内部クロックにすることも、あるポートからカード上のもうひとつのポートまたは他のカードへ、VXRシャーシのMIXバスを介してネットワーク クロックを送信することもできます。
• 柔軟性の高いシグナリング サポート ― H.323環境では、E1 および T1 アプリケーションのどちらでも、CAS(Channel-Associated Signaling)および CCS(Common Channel Signaling)をサポートします。
G.711(a-law/u-law)、G.729/G.729.a(および b タイプ)、G.723.1、G.728、G.726
• エコー キャンセレーション ― G.165 に適合する 32 ミリ秒
• エネルギーベースの VAD およびコーデック特定 VAD
• E1 CAS、T1 CAS(RBS [Robbed-Bit Signaling])
• CCS シグナリング ― E 1 および T1 PRI(ユーザ側およびネットワーク側)、Q.SIG
• DS1 100 Ωインターフェイス(RJ-45 コネクタ装備)
• D4 SF(スーパー フレーム)および ESF(拡張スーパー フレーム)フレーミング
• AMI(Alternate Mark Inversion)または B8ZS(バイナリ8ゼロ置換)伝送符号化方式
• FDL(Facility Data Link)フルサポート、ANSI T1.403 または AT&T TR 54016 準拠の FDL パフォーマンス モニタリング
• DSX-1 ケーブル長を 0~655 フィート(0~79.64 m)の範囲で段階的に選択可能
• DS1 CSU 回線ビルドアウトを選択可能 -- 0、-7.5、-15、または-22.5 dB
• DS1 CSU レシーバ ゲインを選択可能 ― 26 dBまたは 36 dB
• UL1459/1950、FCC part 6 8に基づく DS1 回線の保護
• アラーム検出およびレポートを含む DSX-1 MIB(管理情報ベース)、RFC 1406 のフルサポート
• E1 120 Ω(G.703)、RJ-48C コネクタ装備
• アラーム検出およびレポートを含む E1 MIB、RFC 1406の フルサポート
• 長さ 24 ビットまで設定可能な擬似ランダム パターン(211-1、215-1、220-1、220-1 QRSS、233-1、すべて 0、すべて 1、1 と 0 の交互を含む)
• ライン ループバック ― T1/E1 ストリームが LIU(Line Interface Unit)でネットワーク方向へループバックされます。
• ペイロード ループバック ― T1/E1 データ ストリームがフレーマでネットワーク方向へループバックされます。
• 診断ローカル ループバック ― T1/E1 データ ストリームがフレーマでシステム方向へループバックされます。
• リモート ループバック ― FDL コマンドによって遠端から要求が出されたときに、T1 ストリームが LIU でネットワーク方向へループバックされます。
図1-1 および図1-2 に示すように、PA-VXA は、前面プレートに LED が 3 つあり、これらは、グリーンのイネーブル LED、2 色のアラーム LED、および 2 色のポート ステータス LED です。 表1-1 に、各 LED のカラーおよび機能を示します。
図1-3 および 図1-4 に示されているように、PA-VXB および PA-VXC Port Adapter には前面プレートに LED が 4 つあります。グリーンのイネーブル LED(EN)と 2 色のアラーム LED(AL)が 1 つずつ、さらに 2 色のポート ステータス LED が各ポートに 1 つずつあります。 表1-1 に、各 LED のカラーと機能を示します。
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PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタの T1/E1 インターフェイス レセプタクルは、T1(100 Ω)と E1(120 Ω)の両方とも RJ-45 コネクタ用です。
回線にポートを適切に接続したあとで、Cisco IOS がその回線がアクティブになったことを知らせるまで、30 秒ほどかかります。
各コネクタは、T1.403 および ACCUNET TR62411 規格に適合する T1(100 Ω)または E1(120 Ω)インターフェイスをサポートします。RJ-45 コネクタは、外部トランシーバが不要です。DS1 ポートは、FTP(ホイル ツイストペア)ケーブルを使用する T1 インターフェイスです。
CE マーキング要件を満たすには、インピーダンスが 120 Ωのシールド付きケーブル(ホイル ツイストペア [FTP])が必要です。
図1-5 に、PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタのインターフェイス ケーブル コネクタを示します。PA-VXA、PA-VXB、または PA-VXC にケーブルを接続する手順については、「インターフェイス ケーブルの接続」を参照してください。
図1-5 PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタのインターフェイス コネクタ
表1-2 に、RJ-45 コネクタの信号ピン割り当ておよび特性を示します。
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ここでは、サポート対象プラットフォームでのポート アダプタのスロット位置について説明します。また、各プラットフォームのスロットの配置を図で示します。
• 「Cisco 7200 シリーズ Cisco 7200 VXR ルータのスロット番号」
図1-6に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7206 を示します。Cisco 7206 では、ポート アダプタ スロット 1 は左下に、スロット 6 は右上にあります(Cisco 7202 および Cisco 7204 は示されていませんが、PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタは空いている任意のポート アダプタ スロットに装着できます)。スロット 0 は、常に I/O コントローラ(使用する場合)のファスト イーサネット ポート専用です。
図1-6 Cisco 7206 のポート アダプタ スロット
Cisco 7301ルータには、ポート アダプタのスロットが 1 つあります。図1-7 を参照してください。
図1-7 Cisco 7301 ルータのポート アダプタ スロット
(注) Cisco 7301 ルータは、現在 PA-VXB-2TE1+(=) および PA-VXC-2TE1(=) ポート アダプタのみでサポートされます。
図1-8 に、ポート アダプタが搭載された Cisco 7401ASR ルータの前面図を示します。Cisco 7401ASR ルータにはポート アダプタ スロットが 1 つだけあります(ポート アダプタ スロット 1)。
図1-8 ポート アダプタが搭載された Cisco 7401ASR ルータ
(注) Cisco 7401ASR ルータは、現在 PA-VXB-2TE1+(=) および PA-VXC-2TE1+(=) ポート アダプタのみでサポートされます。
図1-9 に、Cisco 7500シリーズ ルータで使用されるポート アダプタが取り付けられた VIP マザーボードの一部を示します。マザーボードを図1-9 のような方向から見た場合、左側のポート アダプタはポート アダプタ スロット 0 に搭載され、右側のポート アダプタはポート アダプタ スロット 1 に搭載されています。スロット番号は、常に 0 および 1 です。
図1-9 2 つのポート アダプタが搭載された VIP マザーボード ― 水平方向
(注) Cisco 7507 および Cisco 7513 のシャーシでは、VIP マザーボードは垂直に搭載されます。Cisco 7505 のシャーシでは、VIP マザーボードは図1-10のように水平に搭載されます。
インターフェイス プロセッサ スロットの番号は、図1-10のとおりです。
図1-10 インターフェイス スロットの番号 ― Cisco 7505
ここでは、サポート対象のプラットフォーム上で、PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタのインターフェイス アドレスを識別する方法について説明します。インターフェイス アドレスで、ルータまたはスイッチ上の各インターフェイスの物理位置を指定します。
ルータに搭載された PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC ポート アダプタのインターフェイスは、他のポート アダプタの取り付けまたは取り外しに関係なく、常に同じアドレスを保持します。ただし、ポート アダプタを別のスロットに移した場合は、インターフェイス アドレスの最初の数値が新しいポート アダプタ スロット番号に変わります。
(注) インターフェイス ポートには、番号が左から右に向かって付けられ、一番左のポートは 0 です。
表1-3 に、インターフェイス アドレスの識別方法を示します。
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ポート アダプタ スロット ― 1 ~ 6(ルータのスロット数による) 1 |
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Cisco 7301 ルータ 2 |
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Cisco 7401ASR ルータ 3 |
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ここでは、Cisco 7200 シリーズおよび Cisco 7200 VXR ルータに搭載した PA-VXA、PA-VXB および PA-VXC ポート アダプタのインターフェイス アドレスを識別する方法を説明します。 インターフェイス アドレスは、2 つの番号からなり、アドレス形式は、ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号です。インターフェイス アドレス形式については、 表1-3 を参照してください。
Cisco 7200 シリーズおよび Cisco 7200 VXR ルータでは、ポート アダプタ スロットは左下から右上に向かって、スロット 1 から順に番号が付けられています。Cisco 7202 はスロット 2 まで、Cisco 7204 と Cisco 7204VXR はスロット 4 まで、Cisco 7206 と Cisco 7206VXR はスロット 6 まであります(ポート アダプタ スロット0は、I/Oコントローラ[使用する場合]のオプションであるファスト イーサネット ポート専用です)。
ここでは、Cisco 7301 ルータに搭載した PA-VXB-2TE1+(=) または PA-VXC-2TE1(=) のインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。Cisco 7301 ルータでは、ポート アダプタ スロット 1 に 2 つのポート アダプタのいずれかを装着します(図1-7 を参照)。インターフェイス アドレスは 2 つの番号からなり、アドレス形式は、ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号です。インターフェイス アドレス形式については、 表1-3 を参照してください。
(注) Cisco 7301 ルータは、現在 PA-VXB-2TE1+(=) および PA-VXC-2TE1(=) ポート アダプタのみでサポートされます。
ここでは、Cisco 7401ASR ルータに搭載した PA-VXB-2TE1+(=) または PA-VXC-2TE1(=) のインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。Cisco 7401ASR ルータでは、ポート アダプタ スロット 1 に 2 つのポート アダプタのいずれかを装着します(図1-8 を参照)。インターフェイス アドレスは 2 つの番号からなり、アドレス形式は、ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号です。インターフェイス アドレス形式については、 表1-3 を参照してください。
(注) Cisco 7401ASR ルータは、現在 PA-VXB-2TE1+(=) および PA-VXC-2TE1+(=) ポート アダプタのみでサポートされます。
ここでは、Cisco 7500 シリーズ ルータの VIP に搭載した PA-VXA、PA-VXB、および PA-VXC のインターフェイス アドレスを識別する方法を説明します。
(注) 7 スロットのCisco 7507、13 スロットのCisco 7513、および Cisco 7576 のプロセッサ スロットは垂直方向、5 スロットのCisco 7505は水平方向にアダプタを搭載するようになっていますが、Cisco 7500 シリーズ ルータのスロットおよびポートの番号方式はどれも同じです。
インターフェイス アドレスは 3 つの番号から構成され、アドレス形式は、 インターフェイス プロセッサ スロット 番号 /ポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。インターフェイス アドレス形式については、 表1-3 を参照してください。