この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
Cisco PA-MC-T3-EC Port Adapter のインストレーション作業を続けるには、PA-MC-T3-EC のインターフェイスを設定する必要があります。ここで説明する手順は、サポート対象の全プラットフォームに当てはまります。プラットフォーム間のわずかな相違点(Cisco IOS ソフトウェア コマンドを含む)についても説明します。
• 「設定の確認」
Field-Programmable Device(FPD)のアップグレードが必要な場合は、T3 モードを設定する前にアップグレードを行う必要があります。設置後、ハードウェアが認識されると、PPD アップグレードを要求するメッセージが表示されます。FPD アップグレードは Cisco IOS Release 12.4(15)T から利用できるようになり、今後リリースされる Cisco IOS Release 12.4T でもサポートされます。
このアップグレードは自動または手動で行うことができますが、推奨されるのは自動アップグレード方式です。
詳細については、次の URL にある『Field-Programmable Device Upgrades』参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios124/124newft/124limit/124x/124xd4/ fpd.htm
使用する製品に応じて、次の FPD パッケージを使用してください。
• c7200-fpd-pkg(NPE-G1 および NPE-400)
FPD を自動でアップグレードするには、次の手順に従います。
ステップ 1 コマンド プロンプトで、次のコマンドを入力します。
ステップ 2 /tftpboot/xxxxx にある FPD アップグレード イメージを使用してルータをリロードするか、ポート アダプタの活性挿抜(Online Insertion and Removal; OIR)を行うか、または例で示したようにルータを別の場所に設置します。
FPD を手動でアップグレードするには、次の CLI を使用します。
詳細については、次の URL にある『Field-Programmable Device Upgrades』参照してください。
http://www.cisco.com/univercd/cc/td/doc/product/software/ios124/124newft/124limit/124x/124xd4/ fpd.htm
ルータの設定を変更するには、 EXEC (別名、イネーブル モード)というソフトウェア コマンド インタープリタを使用します。新規インターフェイスを設定したり、既存のインターフェイス設定を変更したりするには、 configure コマンドを使用しますが、そのためには、最初に enable コマンドを使用して、特権レベルの EXEC コマンド インタープリタを開始する必要があります。パスワードが設定されている場合には、パスワードの入力が要求されます。
特権レベルのシステム プロンプトでは、最後にかぎカッコ(>)ではなくポンド記号(#)が表示されます。コンソール端末で特権レベルを開始する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 ユーザ レベル EXEC プロンプトで、 enable コマンドを入力します。次のように特権レベルのパスワードの入力が要求されます。
ステップ 2 パスワードを入力します(パスワードは大文字と小文字が区別されます)。セキュリティ上、パスワードは表示されません。
正しいパスワードを入力すると、次のように特権レベルのシステム プロンプト(#)が表示されます。
ポート アダプタを取り外すまたは交換する前に、 shutdown コマンドでポート アダプタをディセーブルにして、ポート アダプタの取り外しおよび取り付け時に異常が生じないようにする必要があります。インターフェイスをシャットダウンすると、 show コマンド出力に administratively down と表示されます。
ステップ 1 特権レベルの EXEC コマンド インタープリタ(別名、イネーブル モード)を開始します(手順については、EXEC コマンド インタープリタの使用方法を参照)。
ステップ 2 特権レベルのプロンプトからコンフィギュレーション モードを開始し、コンフィギュレーション サブコマンドの入力元としてコンソール端末を指定します。
ステップ 3 shutdown コントローラ コマンドを使用して、PA-MC-T3-EC 上の T3 コントローラをシャットダウンします。
このコマンドにより、DS3 アイドル信号がネットワークに送られます。T3 コントローラを再びアクティブにする場合は、 no shutdown コントローラ コマンドを使用します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
(注) PA-MC-T3-EC の T3 ポートを両方ともシャットダウンしてから、ポート アダプタを取り外してください。
ステップ 4 show controller T3 コマンドを使用して T3 ポートが両方ともシャットダウンされていることを確認します。
次に、Cisco 7200 VXR ルータのポート アダプタ スロット 6 に搭載された PA-MC-T3-EC の例を示します。
ステップ 5 シャットダウン設定を不揮発性メモリに保存します。
ステップ 6 スロット内のポート アダプタを交換します。詳細については、「ポート アダプタの取り外しおよび取り付け」を参照してください。
ステップ 7 次の手順で、ポート アダプタを再びイネーブルにします。
a. ステップ 3 を繰り返し、インターフェイスを再びイネーブルにします。そのとき、 shutdown コマンドの代わりに no shutdown コマンドを使用します。
b. ステップ 4 を繰り返し、インターフェイスが正しいステートになっていて、シャットダウン状態ではないことを確認します。 show controller T3 コマンドを使用します。
c. ステップ 5 を繰り返し、新しい設定をメモリに書き込みます。 copy running-config startup-config コマンドを使用します。
ソフトウェア コンフィギュレーション コマンドの詳細については、「関連資料」に記載されている資料を参照してください。
新しい PA-MC-T3-EC を搭載した場合、または既存の PA-MC-T3-EC リンクの設定を変更する場合は、特権レベルの EXEC コマンド インタープリタを開始し、 configure コマンドを使用します。設定済みの PA-MC-T3-EC を交換した場合には、システムによって新しい PA-MC-T3-EC リンクが認識され、既存の設定がアクティブになります。
新しい PA-MC-T3-EC が正しく取り付けられている(ENABLED LED が点灯している)ことを確認してから、イネーブル モードの configure コマンドを使用して、新規インターフェイスを設定します。次のような情報が必要になるので、用意しておいてください。
• 個々の新規インターフェイスでルーティングに使用する予定のプロトコル
• IP ルーティング対応としてインターフェイスを設定する場合は、IP アドレス
configure コマンドは、EXEC コマンド インタープリタに対して特権レベルのアクセス権が必要であり、通常はパスワードが要求されます。必要に応じてシステム管理者に連絡し、EXEC レベルのアクセス権を取得してください。
ここでは、PA-MC-T3-EC 上の T3 コントローラを設定する手順および例を紹介します。具体的な内容は、次のとおりです。
• 「T3 コントローラに対する非チャネライズド モード設定」
• 「シリアル インターフェイスのフレーミング タイプ設定」
• 「シリアル インターフェイスの MDL メッセージ設定」
• 「シリアル インターフェイスのループバック モード設定」
次のコントローラ コマンドを入力し、設定する T3 コントローラを選択してから、他のコンフィギュレーション コマンドを使用します。
controller T3 chassis-slot/T3-port
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
T3 を非チャネライズド モードとして設定するには、 no channelized コマンドを使用します。フルレートの T3 インターフェイスを設定したあとで、 dsu bandwidth コマンドでサブレートの T3 インターフェイスを設定します。Cisco 7200 VXR ルータのポート アダプタ スロット 1 に搭載された PA-MC-T3-EC 上で、サブレート T3 インターフェイスを設定する例を示します。
PA-MC-T3-EC を非チャネライズド T3 モードとして設定した場合、他の T3 装置およびポート アダプタとの互換性を維持するために、デフォルトの MTU(最大伝送ユニット)サイズが 4470 に設定されます。
T3 ポートを非チャネライズド モードに設定すると、シリアル インターフェイスが作成されます。シリアル インターフェイスは次のコマンドを使用して設定できます。シリアル インターフェイスを選択するには、 interface serial コマンドを使用します。
インターフェイス コンフィギュレーション モードで framing {c-bit | m13} コンフィギュレーション コマンドを入力することによって、T3 フレーミングを指定します。
• c-bit ― C ビット パリティ DS3 フレーミング
プロンプトに cablelength feet インターフェイス コマンドを使用して、ケーブル長を指定します。
(注) cablelength feet コマンドでは、ユーザが指定する T3 ケーブル長は 0 ~ 49 および 50 ~ 450 の範囲で構造化されています。0 ~ 49 および 50 ~ 450 は、それぞれ短いケーブルおよび長いケーブルを表します。
ユーザが入力した数値が値の小さい方の範囲内だった場合、PA-MC-T3-EC T3 ポートは短いケーブルの出力レベルに合わせて設定されます。値が大きい方の範囲に含まれる場合、長いケーブルの出力レベルが使用されます。
上記の例では、40 というケーブル長が指定されているので、0 ~ 49 の範囲が使用されます。ケーブル長を 45 に変更しても、やはり 0 ~ 49 の範囲が適用されます。ケーブル長を 100 または 200 として指定すると、どちらの場合も 50 ~ 450 の範囲が適用されます。一方の範囲(0 ~ 49)から他方の範囲(50 ~ 450)へ移行できるだけです。実際に入力したケーブル長の数字は、コンフィギュレーション ファイルに保管されます。将来にわたって互換性が得られるように、実際のケーブル長を入力するようにしてください。
プロンプトで clock source { line | internal } インターフェイス コマンドを使用して、選択した T3 コントローラに内部またはライン クロック ソースを設定します。
• line ― ネットワーク クロック ソースを選択します。
• internal ― 内部クロック ソースを選択します。
• ライン クロック ソースを使用することを PA-MC-T3-EC に指示します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
• 内部クロック ソースを使用することを PA-MC-T3-EC に指示します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
PA-MC-T3-EC 上で、Maintenance Data Link(MDL)メッセージ(ANSI T1.107a-1990 仕様で定義)を設定できます。
(注) MDL メッセージがサポートされるのは、T3 フレーミングが C ビット パリティに設定されている場合だけです(シリアル インターフェイスのフレーミング タイプ設定を参照)。
MDL メッセージを設定するには、mdl {transmit {path | idle-signal | test-signal} | string {eic | lic | fic | unit | pfi | port | generator} string } インターフェイス コマンドを使用します。
• lic は、ロケーション識別コード(最大 11 文字)です。
• fic は、フレーム識別コード(最大 10 文字)です。
• unit は、ユニット識別コード(最大 6 文字)です。
• pfi は、MDL パス メッセージで送信されるファシリティ識別コード(最大 38 文字)です。
• port は、MDL アイドル信号メッセージで送信されるアイドル信号の発信元装置ポート(最大 38 文字)です。
• generator は、MDL テスト信号メッセージで送信されるジェネレータ番号(最大 38 文字)です。
MDL メッセージを削除する場合は、 no 形式のコマンドを使用します。デフォルトでは、MDL メッセージは設定されません。
• まず、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
• MDL アイドル信号メッセージの送信をイネーブルにします。
• MDL テスト信号メッセージの送信をイネーブルにします。
• MDL パス メッセージで送信されるファシリティ識別コードを入力します。
• MDL アイドル信号メッセージで送信されるポート番号を入力します。
• MDL テスト信号メッセージで送信されるジェネレータ番号を入力します。
インターフェイス コンフィギュレーション モードで、 dsu mode [0 | 1 | 2 | 3 | 4] コンフィギュレーション コマンドを入力することによって、Data Service Unit(DSU; データ サービス ユニット)インターオペラビリティ モードを定義します。例を示します。
デフォルト値の 0 に戻すには、 no 形式のコマンドを使用します。
ローカル DSU モードと、リモート DSU または T3 ポートの設定を一致させる必要があります。たとえば、T3 リンクのリモート側で ADC Kentrox の DSU がある場合、ローカル T3 ポートをモード 1 として設定しなければなりません。
DSU を PA-MC-T3-EC と連動させる場合、リモート側の T3 にある DSU のタイプを調べなければなりません。PA-MC-T3-EC から PA-MC-T3-EC または Digital Link DSU(DL3100)に接続する場合は、モード 0 を指定します。PA-MC-T3-EC から Kentrox DSU に接続する場合は、モード 1 を指定します。PA-MC-T3-EC から Larscom DSU に接続する場合は、モード 2 を指定します。DSU と対応する帯域範囲の一覧については、 表4-1 を参照してください。
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(注) 遠端 DSU に複数の DTE(HSSI)ポートがある場合は、DTE#1 だけに接続して設定します。Verilink の DSU については、次の注意を参照してください。
インターフェイス コンフィギュレーション モードで、 dsu bandwidth bandwidth コンフィギュレーション コマンドを入力することによって、T3 リンクのシリアル インターフェイスが使用する帯域幅を設定します。例を示します。
指定できる帯域範囲は 1 ~ 44210 kbps です。デフォルト値の 44210 に戻すには、 no 形式のコマンドを使用します。
ローカル DSU の帯域幅値は、リモート DSU または T3 ポートの帯域幅と完全に一致させる必要があります。たとえば、ローカル ポート上で DSU の帯域幅を 16000 に設定する場合は、リモート DSU または T3 ポートでも同様に設定しなければなりません。
インターフェイス コンフィギュレーション モードで scramble コンフィギュレーション コマンドを入力することによって、シリアル インターフェイスのスクランブルをイネーブルにします。例を示します。
デフォルトの設定のディセーブルに戻すには、 no 形式のコマンドを使用します。
ローカル ポートの設定と リモート DSU または T3 ポートの設定を一致させる必要があります。たとえば、ローカル ポート上でスクランブルをイネーブルにする場合は、リモート DSU または T3 ポートでも同様に設定しなければなりません。
ループバックを使用すると、PA-MC-T3-EC インターフェイスと CSU/DSU(チャネル サービス ユニット/データ サービス ユニット)などのリモート装置間の接続をテストすることによって、装置障害を検出して特定することができます。リモート ループバックは、遠端で T3 回線をループさせるコマンドを送ります。これは、ポート アダプタからスイッチング オフィスまでのケーブルで発生した問題を診断する場合に使用できます。ネットワーク ループバックは、PA-MC-T3-EC T3 ポートをループさせてネットワークに戻すので、リモート側で PA-MC-T3-EC への接続をテストできます。
ローカル ループバックは、PA-MC-T3-EC T3 ポートを自らに向かってループさせます。したがって、T3 ケーブルおよびリモート T3 装置から PA-MC-T3-EC T3 ポートを切り離してテストできます。
loopback コマンドを実行すると、インターフェイスがループバック モードになり、 ping コマンドによって発生したテスト パケットをリモート装置とケーブル経由でループさせることができます。パケットがループして最後まで到達した場合、その接続は良好です。パケットが到達しなかった場合は、ループバック テスト経路上のリモート装置またはケーブルに障害を特定できます。
シリアル インターフェイスをループバック モードに設定するには、 loopback [ local | network | remote ] インターフェイス コマンドを使用します。
シリアル インターフェイスをデフォルトのループしない状態に戻す場合は、 no 形式のコマンドを使用します。
表4-2 に、loopback {local | network {line | payload} | remote {line | payload}} コマンドの例を示します。
インターフェイスをローカル ループバック モードに設定します。ローカル ループバックにより、ルータの出力データがフレーマでループされてルータに戻ります。 |
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インターフェイスをネットワーク回線ループバック モードに設定します。ネットワーク回線ループバックにより、(フレーマの手前で)データがループされ、ネットワークに戻ります。 |
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インターフェイスをネットワーク ペイロード ループバック モードに設定します。ネットワーク ペイロード ループバックにより、ペイロード データだけが T3 フレーマでループされ、ネットワークに戻ります。 |
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loopback remote 1 |
リモート T3 装置にコマンドを送り、(リモート T3 装置のフレーマの手前で)自動的にループしてネットワークに戻るように指示します。 |
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loopback remote line 2 |
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loopback remote payload 2 |
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1.リモート ループバック モードは、C ビット フレーミングと組み合わせた場合に限って有効です。上記の他のループバック モードは、C ビット フレーミングおよび M13 フレーミングで有効です。C ビット フレーミングの設定手順については、「シリアル インターフェイスのフレーミング タイプ設定」を参照してください。 2.これらの loopback コマンドを使用できるのは、DSU モードが 1、すなわち Kentrox モードに設定されている場合だけです。 |
遠端 T3 装置から送られたリモート T3 ループバック要求に応じるように、または要求を無視するように、PA-MC-T3-EC を設定できます。 equipment customer loopback コマンドを使用すると、ポート アダプタはリモート T3 装置からのリモート T3 ループバック コマンドに応じます。 equipment network loopback コマンドを使用すると、ポート アダプタはリモート T3 ループバック コマンドを無視します。
(注) リモート ループバックを使用できるのは、C ビット パリティ フレーミングを使用する場合だけです。
shutdown コントローラ コマンドを使用すると、PA-MC-T3-EC 上の T3 コントローラをシャットダウンできます。
このコマンドにより、DS3 アイドル信号がネットワークに送られます。T3 コントローラを再びアクティブにする場合は、 no shutdown コントローラ コマンドを使用します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
PA-MC-T3-EC には Bit Error Rate Test(BERT; ビット エラー レート テスト)回路が組み込まれています。BERT により、ケーブルおよび信号の問題をその場でテストできます。
オンボード BERT 回路によって生成できるテスト パターンには、擬似ランダムと反復の 2 つのカテゴリがあります。擬似ランダム テスト パターンは、多項式ベースの値で、CCITT/ITU O.151 および O.153 仕様に準拠しています。反復テスト パターンは、すべて 0、すべて 1、または 0 と 1 が交互です。
–2^20(CCITT/ITU O.151 非 QRSS 準拠)
受信したエラー ビットの総数と受信した総ビット数の両方を分析に利用できます。テスト期間は 1 ~ 14,400 分(240 時間)に設定できます。BERT 中の任意の時点で、エラー統計情報を取得することもできます。
BERT の実行中、システムは送信用に同じパターンが与えられることを想定します。この目的で使用できる一般的なオプションは、次の 2 種類です。
コントローラ コンフィギュレーション モードで bert pattern pattern interval time コマンドを使用すると、T3 回線上で BERT パターンを送信できます。
–0s ― すべてゼロの反復テスト パターン(00000...)
–1s ― すべて 1 の反復テスト パターン(11111...)
–2^15 ― 擬似ランダム O.151 テスト パターン(32,768 ビット長)
–2^20 ― 擬似ランダム O.151 非 QRSS テスト パターン(1,048,575 ビット長)
–2^23 ― 擬似ランダム O.151 テスト パターン(8,388,607 ビット長)
–alt-0-1 ― 0 と 1 が交互の反復テスト パターン(01010101)
• BERT 擬似ランダム パターン 2^23 を 5 分間送信します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
• すべて 1 の反復パターンを 14400 分間(240 時間)送信します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
(注) 指定したテスト期間中に BERT を中止する場合は、no bert コマンドを使用します。
show controllers T3 slot/t3-port コントローラ コマンドを使用すると、BERT の結果を表示できます。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 5 に搭載されたポート アダプタの場合
no bert コントローラ コマンドを使用すると、BERT を中止できます。
次に、T3 回線 0 で実行中の BERT を中止する例を示します。
Cisco 7200 VXR ルータのスロット 1 に搭載されたポート アダプタの場合
show コマンドを使用して設定を確認する場合は、「設定の確認」に進んでください。それ以外の場合は、「シリアル インターフェイスの基本的な設定」に進んでください。
(注) Cisco 7200 VXR ポート アダプタ ジャケット カードに設定の必要はありません。他のポート アダプタと同様に、ポート アダプタを設定してください。
ここでは、インターフェイスのイネーブル化および IP ルーティングの指定という基本的な設定手順について説明します。システムの設定およびインターフェイスで使用するルーティング プロトコルによっては、他のコンフィギュレーション サブコマンドが必要になることもあります。 シリアル インターフェイス設定時のコンフィギュレーション サブコマンドおよびオプションの詳細については、該当するソフトウェア マニュアルを参照してください。
以降の手順では、特に明記されていないかぎり、各ステップの最後に Return キーを押してください。次のようにプロンプトに disable と入力すると、いつでも特権レベルを終了し、ユーザ レベルに戻ることができます。
ステップ 1 コンフィギュレーション モードを開始し、コンフィギュレーション サブコマンドの入力元としてコンソール端末を指定します。
ステップ 2 interface serial サブコマンドを入力し、続けて、設定するインターフェイスのインターフェイス アドレスを入力して、最初に設定するインターフェイスを指定します。「ポート アダプタのスロット位置」および「インターフェイス アドレスの識別」を参照してください。
次に、7200 ルータのポート アダプタ スロット 6 に搭載した T3 ポート 0 のシリアル インターフェイスを指定する例を示します。
ステップ 3 (システム上で IP ルーティングがイネーブルになっている場合)次のように ip address サブコマンドを使用して、インターフェイスに IP アドレスおよびサブネット マスクを割り当てます。
ステップ 4 他のコンフィギュレーション サブコマンドを追加して、ルーティング プロトコルをイネーブルにし、インターフェイス特性を設定します。
ステップ 5 no shutdown コマンドを使用して、インターフェイスを再びイネーブルにします(既存のポート アダプタを交換する場合を参照)。
ステップ 6 必要に応じて、他のポート アダプタ インターフェイスをすべて設定します。
ステップ 7 すべてのコンフィギュレーション サブコマンドを入力して設定を完了したあとで、 Ctrl-Z ( Control キーを押しながら、Z キーを押す)、 end 、または exit を入力して、コンフィギュレーション モードを終了し、EXEC コマンド インタープリタ プロンプトに戻ります。
新規インターフェイスを設定したあとで、 show コマンドを使用して新規インターフェイスまたはすべてのインターフェイスのステータスを表示し、 ping および loopback コマンドを使用して接続状態を確認します。ここでは、次の内容について説明します。
• 「show コマンドによる新規インターフェイスのステータス確認」
• 「ping コマンドによるネットワークの接続状態の確認」
• 「loopback コマンドによるネットワークの問題のトラブルシューティング」
表4-3 に、 show コマンドを使用して新規インターフェイスが正しく設定されて動作しているかどうかを確認し、さらに PA-MC-T3-EC が出力に正しく含まれているかどうかを確認する方法を示します。さらに、後続の項で、特定の show コマンドの出力例を示します。コマンドの詳細および例については、「関連資料」に記載されている資料を参照してください。
(注) ここに記載されている出力例は、実際のコマンド出力とは異なることがあります。これらは、出力の例にすぎません。
アップに設定したインターフェイスがシャットダウンされている場合、またはハードウェアが正しく動作していないことが示された場合には、インターフェイスが正しく接続され、終端されているかどうかを確認してください。なお、インターフェイスがアップにならない場合には、製品を購入した代理店に連絡してください。ここでは、次の内容について説明します。
• 「show version または show hardware コマンドの使用例」
システムに応じて、使用例を参照してください。 show コマンドによる確認作業を終えてから、「ping コマンドによるネットワークの接続状態の確認」に進んでください。
show version (または show hardware )コマンドを実行すると、システムのハードウェア構成、タイプ別の搭載インターフェイス数、Cisco IOS ソフトウェアのバージョン、コンフィギュレーション ファイルの名前と保存場所、およびブート イメージが表示されます。次に、show version コマンドの例を示します。
(注) ここに記載されている出力例は、実際のコマンド出力とは異なることがあります。これらは、出力の例にすぎません。
次に、PA-MC-T3-EC を搭載した Cisco 7200 VXR ルータに対する show version コマンドの出力例を示します。
show diag slot コマンドを使用して、システムに搭載されたポート アダプタのタイプ(および各タイプの具体的な情報)を表示します。 slot は、Cisco 7200 VXR ルータの ポート アダプタ スロット です。
(注) ここに記載されている出力例は、実際のコマンド出力とは異なることがあります。これらは、出力の例にすぎません。
次に、Cisco 7200 VXR ルータのポート アダプタ スロット 2 に搭載した PA-MC-T3-EC に対する show diag slot コマンドの出力例を示します。
show interfaces serial コマンドは、指定したインターフェイスのステータス情報(物理スロットおよびインターフェイス アドレスを含む)を表示します。
Cisco 7200 VXR ルータ インターフェイスで使用できるインターフェイス サブコマンドおよびコンフィギュレーション オプションの詳細については、「関連資料」に記載されている資料を参照してください。
(注) ここに記載されている出力例は、実際のコマンド出力とは異なることがあります。これらは、出力の例にすぎません。
次に、Cisco 7200 VXR ルータに対する show interfaces serial コマンドの出力例を示します。この例では、ポート アダプタは Cisco 7200 VXR ルータのスロット 5 に搭載されています。
Cisco 7200 VXR ルータに搭載された PA-MC-T3-EC 内の T3 コントローラの情報を表示するには、 show controllers t3 port-adapter/t3-port [ brief | tabular ] コマンドを使用します。
• brief は、コンフィギュレーション リストだけを表示します。
• tabular は、コンフィギュレーション リストおよび MIB(管理情報ベース)データを表形式で表示します。
(注) 任意選択の引数(brief または tabular)をどちらも指定しないで show controllers t3
port-adapter/t3-port コマンドを使用すると、指定した T3 コントローラに関するあらゆる情報が表示されるので、膨大な表示出力になります。
ポート アドレス( slot/port-adapter/port )を指定しないで show controllers T3 コマンドを使用すると、ルータに搭載されている全 T3 ポート アダプタについて、あらゆる情報が表示されるので、膨大な表示出力になります。
ping コマンドを使用して、インターフェイス ポートが正しく動作するかどうかを確認することができます。ここでは、ping コマンドの概要について説明します。コマンドの詳細および例については、「関連資料」に記載されている資料を参照してください。
ping コマンドは、指定した宛先 IP アドレスのリモート装置に対し、エコー要求パケットを送信します。エコー要求の送信後、システムはリモート装置からの応答を一定時間、待機します。各エコー応答は、コンソール端末に感嘆符(!)として表示されます。指定されたタイムアウト時間までに応答が戻されなかったエコー要求は、ピリオド(.)として表示されます。連続した感嘆符(!!!!!)の表示は正常に接続したことを示しています。ピリオドが連続したり(.....)、[timed out] または [failed] のメッセージが表示されたりした場合は、接続に障害があることが考えられます。
次に、アドレス 10.0.0.10 のリモート サーバに対して ping コマンドを実行し、正常な応答が得られた例を示します。
接続に失敗した場合には、宛先 IP アドレスを正しく指定しているか、および装置がアクティブ(電源がオン)になっているかどうかを確認し、 ping コマンドを再実行してください。
ネットワークの接続状態の確認が終了したら、次の「loopback コマンドによるネットワークの問題のトラブルシューティング」に進みます。
PA-MC-T3-EC のコンフィギュレーションまたはインストレーションに問題が生じた場合は、 loopback コマンドによってポート アダプタのトラブルシューティングを行うことができます。ループバックの設定手順については、「シリアル インターフェイスのループバック モード設定」を参照してください。
リモート IP アドレスに対する ping コマンドが失敗した場合は、次の手順で、ループバックを使用して T3 接続のトラブルシューティングを行います。
ステップ 1 show controller T3 および show interface serial コマンドを使用して、T3 コントローラ、シリアル インターフェイス、およびライン プロトコルの設定がアップになっているかどうかを確認します。
ステップ 2 loop local コマンドを使用し、PA-MC-T3-EC のシリアル インターフェイスをローカル ループバックにします。
ステップ 3 ローカル シリアル インターフェイスの IP アドレスを使用して、ping コマンドをもう一度実行します。リモート サーバの IP アドレスが 10.0.0.10 という上記の例を使用し、さらにローカル IP アドレスが 10.0.0.5 の場合、次のコマンドを使用します。
ping が成功した場合は、ステップ 4 に進みます。エラーになった場合は、PA-MC-T3-EC の設定またはハードウェアに問題があります。
ステップ 4 no loopback コマンドでローカル ループを解消し、 loopback remote コマンドでリモート サーバまたは DSU(データ サービス ユニット)をネットワーク ループバックにします。
(注) loopback remote コマンドを使用できるのは、フレーミングが C ビット パリティに設定されている場合だけです。フレーミングが C ビット パリティに設定されていない場合は、リモート サイトの担当者に、リモート サーバをネットワーク ループバックとして設定してもらう必要があります。
ステップ 5 ステップ 3 を繰り返します。ping が成功した場合、PA-MC-T3-EC およびリモート サイトまでの T3 リンクは正常です。リモート DSU またはサーバの設定またはハードウェアの問題が考えられます。ping に失敗した場合は、リモート サイトまでの T3 リンク、リモート サーバ、DSU 設定、またはハードウェアに問題があります。