この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章では、Cisco PA-MC-T3-EC Port Adapter について説明します。この章の内容は次のとおりです。
• 「T3 仕様」
• 「LED」
PA-MC-2T3-EC は、BNC コネクタを使用して 2 つの T3 インターフェイス接続を提供する、シングル幅のポート アダプタです(図1-2 を参照)。PA-MC-T3-EC は、BNC コネクタを使用して 1 つの T3 インターフェイスを提供します(図1-1 を参照)。以後、このポート アダプタの両バージョンを PA-MC-TE-EC と表記します。チャネライズド T3 では、28 本の T1 回線が多重化されて T3 になります。
PA-MC-T3-EC は、次のハードウェア アクセラレーション機能をサポートします。
これらの機能および制限事項の詳細については、「チャネライズド モードの設定」を参照してください。
PA-MC-T3-EC の機能および物理特性は、次のとおりです。
• 44.736 Mbps の T3 レートで、双方向データ送受信が可能です。
• Digital Signal Level 3(DS3)回線に関連する仕様に準拠します。
• 2 つのメス BNC コネクタで送信(TX)および受信(RX)が行われる T3 接続には、インピーダンスが 75 Ωの 734A 同軸ケーブルが必要です。
• RFC 1406 および RFC 1407(CISCO-RFC-1407-CAPABILITY.my)をサポートします。RFC 1406 に関して、シスコは FarEnd テーブルを除くすべてのテーブルをサポートしています。RFC 1407 に関しては、シスコは FarEnd テーブルまたは Fractional テーブルをサポートしていません(Cisco MIB ファイルへのアクセスについては、『 Cisco MIB User Quick Reference 』を参照してください)。
• PA-MC-T3-EC のマイクロコードは、初期化時にロードされて Cisco IOS ソフトウェアにバンドルされます。
(注) PA-MC-T3-EC では E1 のチャネライズド T3 への多重化がサポートされません。
チャネライズドの動作モードでは、PA-MC-T3-EC T3 リンクが標準規格の多重化形式で、28 本の DS1 データ回線にチャネル化されます。
各 T1 回線は、64 または 56 kbps のタイムスロットが 24 個で構成されます。T1 回線は、1 つまたは複数のユーザ データ チャネルをサポートできます。このようなデータ チャネルは、シリアル インターフェイスとしてシステムに認識されます。各シリアル インターフェイスには、 n × 56 kbps または n × 64 kbps の帯域幅をシリアル インターフェイスに提供するタイムスロットが 1 つ以上割り当てられます。 n は、割り当てられるタイムスロットの数です。T1 の未使用タイムスロットは、アイドル チャネル パターンで埋められます。
次の制限事項があります。1 つのタイムスロットは 1 つのシリアル インターフェイスに限って使用できます。1 つのシリアル インターフェイスで、複数の T1 回線に属するタイムスロットを使用することはできません。1 つの T3 に与えることができるシリアル インターフェイスの数は、最大で 128 です。ある T3 上で未使用のシリアル インターフェイスを他の T3 回線で使用することはできません。
PA-MC-T3-EC は、各シリアル インターフェイス上で Cisco High-Level Data Link Control(HDLC; ハイレベル データ リンク制御)、フレームリレー、PPP、および Switched Multimegabit Data Service(SMDS; スイッチド マルチメガビット データ サービス)Data Exchange Interface(DXI; データ交換インターフェイス)カプセル化をサポートします。
(注) PA-MC-T3-EC 上の T1 回線には、他のシスコ製品で採用されている従来型のゼロベース方式(0 ~ 27)ではなく、1 ~ 28 の番号が与えられます。これにより、チャネライズド T3 機器内部の T1 回線に使用される Telco の番号方式との一貫性が得られます。
(注) PA-MC-T3-EC では、ハードウェアにおける複数 T1 回線の集束(逆多重化または結合)による、さらに大きな広帯域幅データ レートは実現されません。この目的には、ソフトウェアの MLPPP を使用できます。
PA-MC-T3-EC の T3 セクションは、C ビット パリティ フレーミングとローカルおよびネットワーク ループバックの使用時に、Maintenance Data Link(MDL)チャネルをサポートします。
PA-MC-T3-EC の T1 セクションは、Extended Superframe(ESF; 拡張スーパ フレーム)フレーミングでの Facility Data Link(FDL; ファシリティ データ リンク)および各種ループバックをサポートしています。個々の T1 回線での Bit Error Rate Testing(BERT; ビット誤り率テスト)テストはサポートされますが、一度に複数の T1 回線でこのテストをアクティブにすることはできません。BERT は、フレームまたは非フレーム T1 信号を介して実行できます。
非チャネライズドの動作モードにおいて、T3 リンクは 28 本の T1 回線に多重化されるのではなく、単一の高速ユーザ データ チャネルを提供します。このデータ チャネルはシリアル インターフェイスとしてシステムに認識されます。このチャネルは T3 帯域幅をすべて使用するように設定することも、T3 帯域幅の一部分を使用するように設定することもできます。T3 帯域幅の分割に関する標準規格はありませんが、T3 リンクの遠端で使用した場合、PA-MC-T3-EC は Data Service Unit(DSU; データ サービス ユニット)ベンダー 5 社の独自フォーマットと互換性があります。
非チャネライズド T3 モードにおいて、T3 セクションは、C ビット パリティ フレーミングおよびローカル ループバックとネットワーク ループバックの使用時に、MDL チャネルをサポートします。また、T3 リンクでの BERT が可能です。PA-MC-T3-EC は、各シリアル インターフェイス上で Cisco HDLC、フレームリレー、PPP、および SMDS DXI カプセル化をサポートします。
PA-MC-T3-EC T3 ポートは、DSX-3 レベルで送受信を行い、75 Ω同軸ケーブル(ATT 734A または同等の品質の同軸ケーブル)で駆動するように設計されています。T3 ポートは、DSX-3 レベルの BNC コネクタを備えた任意の装置に直接接続します。
表1-1 に、T3 フロントエンド設計の前提となる仕様を示します。
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75 Ω同軸ケーブル(734A または同等のもの)で 450 フィート(135 m)の出力が可能、パルス形状テンプレートに適合可能 |
(注) T3 BNC コネクタの同軸シールド側は、ルータ シャーシのアースに接続します。
PA-MC-T3-EC には、前面プレートにステータス LED が 3 個あります。ENABLED LED が 1 つ、ポートごとに A/L(アクティブ/ループバック)LED と C/A(キャリア/アラーム)LED が 1 つずつあります。
図1-3 PA-MC-2T3-EC のステータス LED ― 水平に置いた場合(部分図)
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LED によるインターフェイス ステータス情報以外に、ルータのコンソール ポートを使用して、あるいは Telnet または SNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)を使用して、インターフェイス ステータスの詳細情報を取得することもできます。
ここでは、Cisco 7200 VXR ルータのポート アダプタのスロット位置について説明します。
図1-4 に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7206VXR を示します。この図では、I/O コントローラ スロットにポート アダプタ ジャケット カードも搭載されています。Cisco 7204VXR ルータは示していませんが、空の任意のポート アダプタ スロット(1 ~ 5)に PA-MC-T3-EC を搭載できます。
Cisco AS5800 ユニバーサル アクセス サーバのルータ シェルフとして機能する Cisco 7206VXR では、左下の位置がポート アダプタ スロット 1、右上の位置がポート アダプタ スロット 6 です。
図1-4 ポート アダプタ ジャケット カードを搭載した Cisco 7206VXR ルータのポート アダプタ スロット
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図1-4 は、ポート アダプタ ジャケット カードを搭載した Cisco 7200 VXR ルータのポート アダプタのスロット番号を示します。Cisco 7200 VXR ルータのポート アダプタ スロットには、左から右へと番号が付けられています。NPE-G1 または NPE-G2 が搭載されている場合は、ポート アダプタ スロット 0 にポート アダプタ ジャケット カードを取り付けることができます。ポート アダプタ ジャケット カードは、ポート アダプタ スロット 0 に相当します。ポート アダプタ ジャケット カードに取り付けられたポート アダプタは、Cisco 7204VXR ルータのポート アダプタ スロット 5、または Cisco 7206VXR ルータのポート アダプタ スロット 7 に相当します。
図1-5 に、ポート アダプタを搭載した Cisco 7201 ルータの前面を示します。Cisco 7201 ルータのポート アダプタ スロットは 1 つだけです(スロット 1)。
図1-5 Cisco 7201 ルータのポート アダプタ スロット
Cisco 7301 ルータには、ポート アダプタ スロットが 1 つあります(図1-6 を参照)。
図1-6 Cisco 7301 ルータのポート アダプタ スロット
ここでは、Cisco 7200 VXR ルータに搭載した PA-MC-T3-EC に使用するインターフェイス アドレスを識別する方法について説明します。インターフェイス アドレスで、ルータまたはスイッチ上の各インターフェイスの物理位置を指定します。インターフェイス アドレスは 2 つの番号で構成され、フォーマットはポート アダプタ スロット番号/インターフェイス ポート番号です。
ルータに搭載された PA-MC-T3-EC のインターフェイスは、他のポート アダプタの取り付けまたは取り外しに関係なく、常に同じアドレスを維持します。ただし、ポート アダプタを別のスロットに移した場合は、インターフェイス アドレスの最初の数値が新しいポート アダプタ スロット番号に変わります。
(注) インターフェイス ポートには、0 から始まって左から右に番号が付けられています。
表1-2 に、インターフェイス アドレスの識別方法を示します。
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フォーマット |
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ポート アダプタ スロット ― 0 ~ 6 |
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Cisco 7200 VXR ルータに搭載されたポート アダプタ ジャケット カード 2 |
ポート アダプタ スロット ― 0 ~ 7 |
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1.ポート アダプタ スロット 0 は、I/O コントローラ使用時のファスト イーサネット ポート専用です。 2.NPE-G1 または NPE-G2 が搭載されている場合は、ポート アダプタ スロット 0 にポート アダプタ ジャケット カードを取り付けることができます。 |
Cisco 7200 VXR ルータでは、ポート アダプタ スロットは左下から右上に向かって番号付けされています。ポート アダプタ スロット 1 から始まり、Cisco 7202 ではポート アダプタ スロット 2 まで、Cisco 7204 および Cisco 7204VXR ではスロット 4 まで、Cisco 7206 および Cisco 7206VXR ではスロット 6 まであります(ポート アダプタ スロット 0 は、I/O コントローラ使用時のオプションのファスト イーサネット ポート専用です)。
ポート アダプタ スロット 1 に搭載の PA-MC-T3-EC 上のインターフェイスのインターフェイス アドレスは、1/0 ~ 1/1(ポート アダプタ スロット 1 とインターフェイス 0 ~ 1)です。PA-MC-T3-EC がポート アダプタ スロット 4 に搭載されている場合、同じインターフェイスでも番号は 4/0 ~ 4/1(ポート アダプタ スロット 4、インターフェイス 0 ~ 1)です。