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この章では、OC3 ATM Line Card について説明します。具体的な内容は次のとおりです。
• 「機能」
• 「LED」
OC3 ATM Line Card は、1 枚のカードで Cisco 7304 ルータに 2 つの OC-3(155.52 Mbps)ATM インターフェイスを提供します。OC3 ATM Line Card と外部の OC-3 ネットワークとの接続には、適切な光ファイバ ケーブルを使用する必要があります(光ファイバ ケーブルに関する詳細は、光ファイバ伝送仕様およびケーブルおよびコネクタを参照してください)。
OC3 ATM Line Card には、次の 3 つのモデルがあります。
• 7300-2OC3ATM-MM ― マルチモード(図1-1 を参照)
• 7300-2OC3ATM-SMI ― シングルモード中距離(図1-2 を参照)
• 7300-2OC3ATM-SML ― シングルモード長距離(図1-3 を参照)
図1-1 7300-2OC3ATM-MM -- 前面プレート図
図1-2 7300-2OC3ATM-SMI -- 前面プレート図
図1-3 7300-2OC3ATM-SML -- 前面プレート図
SONET は、51.840 Mbps(STS-1)~ 622.080 Mbps(STS-12)以上の階層型速度での光デジタル伝送に関する American National Standards Institute(ANSI; 米国規格協会)規格(T1.1051988)です。SDH は、155.520 Mbps(STM-1)~ 2.488 Gbps(STM-16)以上の階層型速度での光デジタル伝送に関する国際規格です。
SONET は、標準速度および形式系列を定義するオクテット同期マルチプレクス方式です。使用可能な情報帯域幅は 149.760 Mbps です。これは、STS-3c/STM-1 Synchronous Payload Envelope(SPE; 同期ペイロード エンベロープ)の SONET フレームのペイロード部分であり、オクテット指向ユーザ データのマッピング先です(オクテット境界は、SPE オクテット境界に揃えられます)。
International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector(ITU-T; 国際電気通信連合電気通信標準化部門)では、155.520 Mbps から始まる一連の SDH 伝送速度を次のように定義しています。
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STS-3c 2 |
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SONET という名前が付いていますが、SONET は光リンクに限定されません。電気的仕様は CATV 75 Ωの同軸ケーブルについて定義されています。伝送速度は、T3/E3 ビット同期信号の伝送に使用できる 51.840 Mbps の整数倍です。
現在規定されていて一般に使用されている伝送速度は、次のとおりです。
Asynchronous Transfer Mode(ATM; 非同期転送モード)は、回線交換の利点(伝播遅延の均一性およびキャパシティの保証)にパケット交換の利点(断続的なトラフィックに対応するフレキシビリティおよび効率性)を組み合わせた、セル スイッチングおよび多重化テクノロジーを採用しています。
ATM は、コネクション型の環境です。ATM ネットワークを出入りするトラフィックにはすべて、Virtual Path Identifier(VPI; 仮想パス識別子)および Virtual Channel Identifier(VCI; 仮想チャネル識別子)が前置きされます。VPI/VCI のペアが、1 つの Virtual Circuit(VC; 仮想回線)とみなされます。個々の VC は、ATM ネットワーク上の他のノードへの専用コネクションです。VC は、他のルータまたはホストへのポイントツーポイント メカニズムとして扱われ、双方向トラフィックに対応できます。
各 ATM ノードは、ATM ネットワーク上で通信する必要のある他のすべてのノードとの間に、個別のコネクションを確立しなければなりません。これらのコネクションはいずれも、ATM シグナリング メカニズムと共に Permanent Virtual Circuit(PVC; 相手先固定接続)または Switched Virtual Circuit(SVC; 相手先選択接続)を使用して確立します。このシグナリングは、ATM Forum User-Network Interface(UNI)仕様 V3.0 に基づいています。
各 VC は、宛先ノードへの独立した完全なリンクとみなされます。このコネクション上で、ユーザが必要に応じてデータをカプセル化することができます。ATM ネットワークはデータの内容を無視します。OC3 ATM カードに送信されるデータが ATM Adaptation Layer(AAL; ATM アダプテーション レイヤ)固有のフォーマットになっていることだけが必要条件です。
AAL は、ユーザ情報のセルへの変換を定義します。AAL はトランスミッタ側で上位レイヤ情報をセルに分割し、レシーバ側で再組み立てします。ITU-T が推奨する 4 つの AAL のうち 1 つである AAL5(ATM アダプテーション レイヤ 5)によって、データ通信がサポートされます。
ATM コネクションでは、未処理の情報ビットが宛先のルータまたはホストに転送されます。ATM ルータは Common Part Convergence Sublayer(CPCS; コンバージェンス サブレイヤ共通部)フレームを取って 53 バイトのセルに分割し、それらのセルを宛先ルータまたはホストに送信し、そこでセルが再組み立てされます。各セルの 48 バイトは CPCS データ用であり、残りの 5 バイトがセル ルーティングに使用されます。5 バイトのセル ヘッダーには、宛先 VPI/VCI、ペイロード タイプ、Cell Loss Priority(CLP; セル損失率優先度)、およびヘッダー エラー制御が含まれます。
コネクションレス型の LAN とは異なり、ATM ではユーザに LAN 環境を提供するためのある種の機能が必要です。このような機能の一例がブロードキャスト機能です。サブネット上のすべてのステーションにパケットをブロードキャストする必要のあるプロトコルは、レイヤ 2 への 1 回のコールによってブロードキャストを実行できなければなりません。ブロードキャストをサポートする目的で、ルータでは特定の VC をブロードキャスト VC として指定できるようになっています。プロトコルがブロードキャスト アドレスを指定したパケットを ATM ドライバに渡すと、そのパケットは複製され、ブロードキャスト VC としてマークされた各 VC に送信されます。この方式を擬似ブロードキャストといいます。
OC3 ATM Line Card には、次の機能があります。
• シングルモード光ファイバによる短距離(7300-2OC3ATM-MM)、中距離(7300-2OC3ATM-SMI)、および長距離(7300-2OC3ATM-SML)の光インターフェイス
(注) OC3 ATM Line Card で使用するケーブル タイプについては、「光ファイバ伝送仕様」および「ケーブルおよびコネクタ」を参照してください。
• 2 つのデュプレックス OC-3 回線速度 155.520 Mbps SONET/SDH 物理レイヤ ポート
• 16 VCI ビットおよび 8 VPI ビットをすべてサポート
• 最大 9180 オクテットの最大伝送ユニット(Maximum Transmission Unit; MTU)をサポート
• OC-3 ATM ポートごとに合計 2,048 のコネクションをサポート
• 平均パケット サイズ 200 バイトで 4096 の AAL5 フレームを同時に再組み立ておよび分割
• ループバック用に AAL5 データ トランスポート、F4 および F5 Operation, Administration, and Maintenance(OAM; 運用管理および保守)セルをサポート
• VC 単位および VP 単位のトラフィック シェーピングをサポート
• Unspecified Bit Rate(UBR; 未指定ビット レート)をサポート
• Non-real-time Variable Bit Rate(nrtVBR; 非リアルタイム可変ビット レート)
• Cisco 7304 ルータ上での活性挿抜(OIR; Online Insertion and Removal)
OC3 ATM Line Card は次のプロトコル、サービス、および ATM 固有ソフトウェアをサポートしています。
• User-Network Interface(UNI)シグナリング
• Integrated Local Management Interface(ILMI)
• ATM AAL5 上の RFC-1483 マルチプロトコル カプセル化
OC3 ATM Line Card の物理レイヤ インターフェイスは、Optical Carrier-3(OC-3c:SONET STS-3c および SDH STM-1 伝送速度の仕様)です。OC3 ATM Line Card は、すべてのサポート対象プラットフォームで 155.520 Mbps Packet OC-3 ネットワーク インターフェイスを 1 つ提供します。
各 OC3 ATM Line Card には、シングルモード光ファイバを接続できる 1 対の SC タイプ ファイバ レセプタクルが装備されています(このラインカードで使用する光ファイバ ケーブルについては、光ファイバ伝送仕様およびケーブルおよびコネクタを参照してください)。
パケット データは Point-to-Point Protocol(PPP; ポイントツーポイント プロトコル)を使用して転送され、STS-3c/STM-1 フレームにマッピングされます(RFC-1619)。
ここでは、光ファイバ伝送に関する SONET 仕様および電力バジェットについて説明し、マルチモードおよびシングルモード伝送のパワー マージンを概算する方法を紹介します。ここでは、次の内容について説明します。
• 「OC3 ATM Line Card のパワー マージンの概算」
• 「十分な伝送パワーがあるマルチモード電力バジェットの例」
光ファイバ伝送に関する SONET 仕様では、シングルモードおよびマルチモードの 2 タイプのファイバが定義されています。モードとは、特定の角度でファイバに入射する光線の束と考えることができます。シングルモード ファイバでは、1 つのモードの光だけがファイバを通じて伝播されます。一方、マルチモード ファイバでは、複数のモードの光がファイバを通じて伝播されます。複数のモードの光がファイバを通じて伝播される場合、入射角度によって光が移動する距離が異なるため、それぞれの光が宛先に到着する時間に、ずれが生じます(モード分散と呼ばれる現象)。したがって、シングルモード ファイバはマルチモード ファイバより広い帯域幅と長いケーブル距離に対応できます。
SONET で定義されているシングルモードおよびマルチモード伝送の一般的な最大距離を、 表1-1 に示します。
(注) 接続された 2 ステーション間の距離が、この最大距離を超える場合には、信号損失のため伝送の信頼性が低くなります。
表1-1 に、OC-3 の光ファイバ パラメータを示します。
タイプ 3 |
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パワー 4 |
感度 |
ジェット |
公称距離 |
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シングルモード 5 |
-5 dBm(最小)~ 0 dBm(最大) |
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シングルモード 7 中距離 |
-15 dBm(最小)~ -8 dBm(最大) |
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マルチモード 8 |
-20 dBm(最小)~ -14 dBm(最大) |
3.この表で示しているのは、OC-3 光ファイバ パラメータの一般的な値です。 4.この値は、レシーバが耐えることのできる最大パワーを示しています。 5.Bellcore GR-253-CORE Long Reach Specification(LR-1)に準拠 7.Bellcore GR-253-CORE Intermediate Reach Specification(IR-1)に準拠 |
個々のアプリケーションにおけるリンク損失および分散損失を計算する方法については、以下の仕様およびマニュアルを参照してください。
• 『 EIA/TIA-IVa Dispersion Unshifted Single-Mode Fiber 』
• 『 EIA/TIA-IVb Dispersion Shifted Single-Mode Fiber 』
• GR-20-CORE『 Generic Requirements for Optical Fiber and Fiber-Optic Cable 』
• ITU-T 勧告 G.957『 Optical Interfaces for Equipments and Systems Relating to the Synchronous Digital Hierarchy 』
効率的な光データリンクを設計するには、電力バジェットを評価する必要があります。電力バジェットは、光リンクの減衰量を見込んだうえで、レシーバが仕様に従った動作をするために必要な最小限以上のパワーを提供できる光の量です。レシーバに到達した変調光に十分なパワーがあり、正しく復調できることが、光データリンクが正常に動作するための必要条件です。
パッシブなメディア コンポーネント(ケーブル、ケーブル接合、およびコネクタ)が原因で発生する減衰は、マルチモード伝送およびシングルモード伝送の両方に共通する現象です。
マルチモード伝送でレシーバに送られる信号(光)のパワーは、次の変数によって減少します。
• 波長分散(光波長の速度が異なるために、信号が時間的に分散すること)
• モード分散(ファイバの伝播モードが異なるために、信号が時間的に分散すること)
光ファイバは、他のメディアと比較して減衰量が著しく低いのが特色です。マルチモード伝送の場合、システムで使用できるパワーは、波長分散およびモード分散による合計ペナルティ分だけ減少します。データリンク全体で損失するパワーは、コンポーネント損失、分散損失、およびモード損失の総和です。
表1-2 に、一般的な光ファイバ ケーブルでの減衰量および分散量の限界を示します。
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500 MHz/km 9 |
マルチモード伝送の光源に使用される LED は、パス長および光ファイバ通過所要時間が異なる複数の光伝播パスを作ります。そのため、信号分散(スミヤ)が発生します。LED の光がファイバに入射し、ファイバ クラッディングに放射される結果、Higher-order Mode Loss(HOL)が発生します。マルチモード伝送におけるパワー マージン(PM)のワーストケース値は、最小トランスミッタ パワー(PT)、最大リンク損失(LL)、および最小レシーバ感度(PR)に基づいて計算します。ワーストケース分析で導き出されるのは、エラーの限界です。実際のシステムでは、すべての部分がワーストケース レベルで動作するわけではありません。
電力バジェット(PB)は、伝送可能なパワーの最大量です。電力バジェットの計算式は、次のとおりです。
パワー マージン(PM)は、次のように電力バジェットからリンク損失を引いて計算します。
パワー マージンが正の値であれば、原則としてリンクは動作可能です。
表1-3 に、リンク損失を引き起こす要因と、これらの要因によるリンク損失の推定値を示します。
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電力バジェットからデータリンク損失を差し引いた結果は、ゼロより大きくなければなりません。結果がゼロより小さくなる場合には、パワー不足のためにレシーバが動作しない可能性があります。
SONET 仕様では、信号が 表1-4 に示すワーストケース パラメータを満たしていることを要件としています。
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ここで示すマルチモード電力バジェットの例は、次の変数に基づいて計算されています。
PB = 10 dB - 3 km(1.0 dB/km)- 4(0.5 dB)- 3(0.5 dB)- 0.5 dB(HOL)- 1 dB(CRM)
次の例は、マルチモード リンク距離が 4 kmである点を除いて、前の例と同じパラメータを使用しています。
PB = 10 dB - 4 km(1.0 dB/km)- 4(0.5 dB)- 3(0.5 dB)- 0.5 dB(HOL)- 1 dB(CRM)
PB = 10 dB - 4 dB - 2 dB - 1.5 dB - 0.5 dB - 1 dB
1 dB という値は、リンクに十分な伝送パワーがあることを表しています。ただし、リンクの分散限界(4 km × 155.52 MHz > 500 MHz/km)のため、このリンクはマルチモード ファイバを使用すると動作しない可能性があります。このケースには、シングルモード ファイバが適しています。
シングルモードの信号源は、インジェクション レーザー ダイオードです。シングルモード伝送では、ファイバ内に伝送パスが 1 つしかなく、スミヤが発生しないので、長距離に適しています。さらに、レーザー光は基本的に単色なので、波長分散も抑えられます。
シングルモード中距離(SMI)レシーバは、SMI トランスミックタによって過負荷になることはありません。また、最小ファイバ ケーブル長またはロスも必要ありません。Single-Mode Long Reach(SML; シングルモード長距離)の最大受信パワーは -10 dBm であり、最大送信パワーは 0 dBm です。したがって SML レシーバは、ファイバ距離が短い場合、過負荷になる可能性があります。レシーバが過負荷になった場合、レシーバが故障しなくても動作の信頼性が低くなります。短距離のファイバ リンクに接続された SML レシーバの過負荷を防ぐには、リンク上でシングルモード長距離トランスミッタとレシーバの間に、最低 10 dB の減衰器を挿入します。
次に示すシングルモード電力バジェットの例は、8 km離れた 2 つの建物が、中間にある建物内のパッチ パネルを通じて、合計 12 個のコネクタを使用して接続されていることを前提にしています。
PM = 16 dB - 8 km(0.5 dB/km)- 12(0.5 dB)
6 dB という値は、このリンクに十分な伝送パワーがあり、なおかつレシーバの最大入力パワーを超過していないことを表しています。
統計モデルを使用すれば、標準的なワーストケース方式よりも正確に電力バジェットを評価できます。統計的な手法でリンク損失を算出するには、データリンクのさまざまなコンポーネントに関する正確な知識が必要です。統計的な電力バジェット分析については、このマニュアルでは説明を省きます。詳細については、ITU-T 標準および使用する機器の仕様を参照してください。
減衰および電力バジェットを評価する際の情報源として、次の資料を参考にしてください。
• T1E1.2/92-020R2 ANSI、電気通信に関する米国規格草案『 Broadband ISDN Customer Installation Interfaces: Physical Layer Specification 』
• 『 Power Margin Analysis, AT&T Technical Note 』TN89-004LWP、May 1989
OC3 ATM Line Card の前面プレートには、カードのステータスを表す 2 つの LED と、インターフェイス ステータスを表すポートごとに 2 つの LED があります(図1-4 を参照)。
システムの初期化が終了すると、STATUS LED が点灯します。この LED は、OC3 ATM Line Card に電力が供給され、カードが動作可能であることを表します。
OC3 ATM Line Card が動作可能になるには、次の条件がすべて満たされている必要があります。
• OC3 ATM Line Card が正しく接続され、電力を供給されている。
• システム バスが OC3 ATM Line Card を認識している。
• 有効なバージョンのマイクロコードがロードされ、稼働している。
これらの条件が 1 つでも満たされない場合、または初期化に失敗した場合には、STATUS LED は点灯しません。
表1-5 に、LED のカラーおよび意味を示します。
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アラーム状態が発生しています。アラームの定義については、 表1-6 を参照してください。 |
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CARRIER/ALARM LED がイエローに点灯している場合は、アラーム状態が発生しています。 表1-6 に、発生する可能性のあるアラーム状態を示します。特定のアラーム状態を表示するには、show controllers コマンドを使用します。
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ルータをネットワークに接続する、または OC3 ATM Line Card を搭載した 2 台のルータをバックツーバックで接続するには、シングルモード(短距離、中距離、または長距離)光ファイバ ケーブルを使用します。SONET/SDH シングルモード光ファイバ接続には、2 本のシンプレックス SC タイプ ケーブル(図1-5 を参照)、または 1 本のデュプレックス SC タイプ ケーブル(図1-6 を参照)を使用します。
図1-5 シンプレックス SC タイプ ケーブルおよびコネクタ
図1-6 デュプレックス SC タイプ ケーブルおよびコネクタ
(注) ステーション間の最大ケーブル長については、表1-1を参照してください。OC3 ATM Line Card 用のシングルモード光ファイバ ケーブルは、別途必要です。
ラインカードと接続先装置の間に、1 対のシンプレックス光ファイバ ケーブルを使用します。ケーブルの受信側(RX)と送信側(TX)の対応関係に注意してください(図1-7 を参照)。
(注) レーザーの取り扱いに関する重要な安全上の注意事項については、「レーザーの取り扱いに関する安全上の注意事項」を参照してください。
警告 接続されていない光ファイバケーブルやコネクタからは目に見えないレーザー光が放射されている可能性があります。レーザー光を直視したり、光学機器を使用して直接見たりしないでください。
(注) 光ファイバ コネクタは、埃、油、その他の汚れから保護する必要があります。アルコールを含ませたパッドなどで、光ファイバ コネクタの汚れを丁寧に落としてください。
図1-7 OC3 ATM Line Card の送信(TX)および受信(RX)ポート
OC3 ATM Line Card では、次のカプセル化方式がサポートされています。
• ATM AAL5 上のマルチプロトコル カプセル化(RFC 1483)
ここでは、Cisco 7304 ルータのスロット位置について説明します。具体的な内容は次のとおりです。
OC3 ATM Line Card は、Cisco 7304 ルータのスロット 2 ~ 5 に搭載できます。図1-8 に、OC3 ATM Line Card をスロット 4 に搭載した Cisco 7304 を示します。
(注) スロット 0 およびスロット 1 は、Network Service Engine(NSE; ネットワーク サービス エンジン)専用です。
ここでは、Cisco 7304 ルータに搭載された OC3 ATM Line Card のインターフェイス アドレスを識別する方法について説明します。インターフェイス アドレスは、ルータ上での各インターフェイスの実際の物理位置で表します。
Cisco 7304 ルータに搭載された OC3 ATM Line Card 上のインターフェイスは、他のラインカードの取り付けまたは取り外しにかかわりなく、同じインターフェイス アドレスを保ちます。ただし、ラインカードを別のスロットに移した場合には、インターフェイス アドレスの最初の数字が新しいスロットの番号に変わります。
表1-7 に、インターフェイス アドレスの識別方法を示します。
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スロット ― 0 ~ 5 10 |
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ここでは、Cisco 7304 ルータに搭載された OC3 ATM Line Card で使用されるインターフェイス アドレスの識別方法について説明します。インターフェイス アドレスは 2 つの番号からなり、形式は スロット番号/インターフェイス ポート番号 です。インターフェイス アドレスの形式については、 表1-7 を参照してください。
Cisco 7304 ルータでは、スロット番号は一番下の 0(NSE-100 専用のデュアル幅スロット)で始まり、左下から右上のスロット 5 まで順に番号が付けられています。
(注) NSE-100 は、スロット 0 に搭載できる唯一のカードです。
スロット 2 に搭載した OC3 ATM Line Card のインターフェイスのインターフェイス アドレスは、2/0(スロット 2、インターフェイス 0)です。この OC3 ATM Line Card をスロット 4 に搭載すると、同じインターフェイスが 4/0(スロット 4、インターフェイス 0)という番号になります。