Cisco Vision Dynamic Signage Director の画面テンプレートの仕様
この章では、Cisco Vision Dynamic Signage Director がサポートする画面テンプレートを定義します。デフォルトの画面テンプレートを使用するか、独自のカスタム テンプレートを作成します。
デフォルトの画面テンプレート
次のテンプレートは Cisco Vision Dynamic Signage Director の標準です。標準テンプレートは、テンプレート名の横に表示される鍵のアイコンで識別できます。デフォルトの画面テンプレートにより、イベント スクリプトの作成が容易になります。
■3 リージョン L ラッパー (3-Region L wrapper)
■全画面デュアル ビデオ(Full Screen Dual Video)
■全画面グラフィック (Full Screen Graphic)
■全画面ビデオ(Full Screen Video)
図 1に、3 リージョン L ラッパー テンプレートを示します。
図 1 Cisco Vision Dynamic Signage Director のデフォルト テンプレート
デフォルトの画面テンプレートの大きさ
デフォルトの画面テンプレートの大きさは固定されており、変更することはできません。
代わりに、カスタム画面テンプレート(画面テンプレートのリージョンに異なるサイズを指定できます)とオーバーレイ画面テンプレート(ビデオ リージョンまたは混合メディア リージョンに非ビデオ リージョンまたはビデオ リージョンを重ねることができます)を作成することもできます。
表 1は、Cisco Vision Dynamic Signage Director に含まれているデフォルトの画面テンプレートの定義です。
注: 以前のリリースからアップグレードした場合、旧来のテンプレート(3-Region、3-Region double、Emergency、Exit、Outside Emergency、Welcome など)がまだシステム内に表示される可能性があります。フル ISO イメージをインストールすると、以前に利用できたテンプレートは削除されます。
表 1 デフォルトの画面テンプレートの概要
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全画面ビデオ (Full Screen Video)
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混合メディア |
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全画面グラフィック (Full Screen Graphic)
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3 リージョン L ラッパー (3-Region L wrapper)
(単に「L ラッパー」とも呼ばれる) |
■ビデオ (ライブ ビデオまたはリプレイ、リージョン 1 では混合メディア) ■広告(リージョン 2 では広告のプレイリスト) ■ティッカー (リージョン 3 ではスコアまたはニュースのフィード) |
■ビデオ:1624X914 ■広告:296X914 ■ティッカー:1920X166 |
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全画面デュアル ビデオ(Full Screen Dual Video)
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リージョン 2 のビデオで Luma キーを使用することにより、リージョン 2 でビデオを透過させてリージョン 1 でビデオ コンテンツの選択エリアを表示できます。
注: UHD ビデオでは Luma キーはサポートされていません。ただし、セカンダリ リージョンの HD ビデオで、プライマリ リージョンの UHD ビデオ上に Luma キーを使用することができます。
全画面のデュアル ビデオ テンプレートを使用可能。
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テンプレートの解像度
Cisco Vision Dynamic Signage Director のデフォルトの画面テンプレートの大きさは、1920X1080 です。
すべての画面テンプレートの一般的なガイドライン
画面テンプレートを作成してコンテンツを追加するときは、次のガイドラインを考慮してください。
■テンプレートは名前順に並べられる。
■再生証明(PoP: Proof of Play)のため、広告プレイリストと関連付けたリージョンを 1 つ以上設定することができる。
■リージョンは上から下にレイヤ順にリスト表示され、最上位レイヤがリストの一番上に表示される。
■レイヤには番号が付けられ、画面テンプレートに非ビデオ リージョンと、ビデオまたはリージョンが含まれている場合、ビデオまたは混合メディア リージョンは常にリストの下位に表示される。
注: 他のリージョンの上に手動でビデオ リージョンをドラッグできますが、ビデオ リージョンの下にあるリージョンでの描画は予測できず、完全に見えなくなる場合があります。
■ボックス アイコンで非ビデオ リージョンを追加。
■フィルム アイコンでビデオまたは混合メディア リージョンを追加。
■非ビデオ リージョンをビデオ リージョンに切り替える際、既にビデオ リージョンが存在する場合は警告が表示される。
■既存のテンプレートにおいてリージョンを削除してから保存すると、確認のための強制ダイアログが表示される。さらに、イベント スクリプトで使用されているテンプレートが編集されると(リージョンの追加を含む)、確認のための強制ダイアログが表示される。また、追加または削除されたリージョンに適切なコンテンツが含まれ、期待通りに変更されていることを確認するため、変更されたテンプレートを使用するスクリプトを編集する必要がある。
注: SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 のメディア プレーヤーは、HD/SD、および UHD 解像度のビデオ コンテンツをサポートしています。UHD 解像度のグラフィックはサポートされていません。DMP は HD/SD コンテンツのみをサポートしており、UHD ビデオのストリーミングはサポートしていません。サポートされているコンテンツの一覧については、「Cisco Vision Dynamic Signage Director でのコンテンツのサポートの概要」を参照してください。
全画面デフォルト テンプレート
Cisco Vision Dynamic Signage Director に付属する全画面テンプレートは、全画面ビデオ(混合メディア)または全画面グラフィックの表示に使用します。図 2は、全画面テンプレートのビデオ(または混合メディア)の例を示しています。図 3は、全画面テンプレートのグラフィックの例を示しています。どちらも固定画面のテンプレートで、カスタマイズできません。
図 2 全画面ビデオ(または混合メディア)テンプレートの例
表 2 全画面ビデオまたは混合メディア テンプレートの大きさ
コンテンツ タイプ |
寸法 |
全画面ビデオまたは混合メディア |
リージョン 1:1920X1080 |
図 3 全画面グラフィック テンプレートの例
表 3 全画面グラフィック テンプレートの大きさ
コンテンツ タイプ |
寸法 |
全画面グラフィック (Full Screen Graphic) |
リージョン 1:1920X1080 |
3 リージョン L ラッパー デフォルト テンプレート
図 4は、3 リージョン L ラッパーのデフォルト テンプレートにおけるリージョンの番号付けを示しています。表 4では、各リージョンの特徴について説明しています。これは固定画面のテンプレートで、カスタマイズできません。
図 4 3 リージョン L ラッパー テンプレートのリージョンの番号付けとレイアウト
表 4 3 リージョン L ラッパー リージョン テンプレートの寸法
領域 |
コンテンツ タイプ |
寸法 |
説明 |
1 |
ビデオまたは混合メディア |
1624X914 |
■16:9 のアスペクト比。 ■ライブ ビデオ ブロードキャストまたはビデオ リプレイのサポート。 ビデオ形式の詳細については、ご使用のリリースの『 Cisco Vision Director ビデオ ヘッドエンド デザインおよび実装ガイド 』を参照してください(Cisco Vision 認定パートナーが利用可能)。 |
2 |
非ビデオ |
296X914 |
■広告プレイリストのサポート。 ■リージョン 2 は小さいため、このリージョンには多数の小さなテキストを含む広告ではなく、グラフィックの多い広告を使用する。 |
3 |
非ビデオ |
1920X166 |
■グラフィックやティッカー形式での情報を表示するために設計されている。 ■開催場所で承認された標準互換の RSS フィードからティッカーのコンテンツを取得することが可能。 ■ティッカーリージョンは、開催場所のロゴを使用してカスタマイズすることが可能(余白スペースでティッカーのコンテンツが再生される)。 |
図 5に、3 リージョン L ラッパー テンプレートのコンテンツの例を示します。
図 5 3 リージョン L ラッパー テンプレート
全画面デュアル ビデオ デフォルト テンプレート
全画面デュアル ビデオ デフォルト テンプレートは DMP で利用できます。デュアル ビデオ リージョンでは、セカンダリ(ローカルまたはマルチキャスト)ビデオ リージョンと、プライマリ ビデオ リージョンの 2 つのビデオ リージョンを重ねることができます。
デュアル ビデオ テンプレートは、次の機能を提供します。
■2 つのビデオ フィードの同時表示
■ビデオ ベースの広告の掲載
■イベントにおける独占的機会(MoE: Moment of Exclusivity)の促進
■セカンダリ ビデオ リージョンへの輝度(Luma)キーイングの適用
注: SV-4K、CV-UHD、または CV-UHD2 のデジタル メディア プレーヤーでは、UHD 解像度のビデオ コンテンツに Luma キーを適用しないでください。Luma キーイングは、プライマリ リージョンの UHD ビデオ上に重ねてセカンダリ リージョンの HD ビデオが Luma キーを使用する場合に、デュアル ビデオでのみサポートされています。
表 5は、デュアル ビデオ リージョンの仕様を示しています。
表 5 全画面デュアル ビデオ テンプレートの仕様
リージョン |
仕様 |
ビデオ 1 |
■赤外線リモコン(IR)またはローカル制御を使用して制御可能。 ■ビデオ リージョン 1 は一番下のレイヤまたはプライマリ レイヤとして表示される。 ■オーディオのサポート。 ■ソース:ローカルまたはマルチキャスト ビデオ。 |
ビデオ 2 |
■IR またはローカル制御からの制御は不可。 ■ビデオ リージョン 2 はビデオ リージョン 1 の上に完全に重なる。 ■輝度(Luma)キーイングは、2 番目のビデオ リージョンに適用される(このテンプレートでは無効化や変更はできない)。UHD コンテンツに適用することはできません。 ■オーディオの再生は不可。 ■ソース:ローカルまたはマルチキャスト ビデオ。 |
注: Luma キーのデフォルトは #ff2000 に設定されています。Luma キーイングを有効にするには、チェックボックスをクリックします(図 6)。
図 6 全画面デュアル ビデオによる Luma キーイングの有効化
グローバルの Luma キー値を変更する方法:
[More] > [Management Dashboard] > [Dynamic Signage Director Configuration] > [System Configuration] > [Global DMP Settings] > [Default - Audio/Video/Closed Caption] に移動します。
Luma キーイングの詳細については、『 Cisco Vision Dynamic Signage Director 操作ガイド 』を参照してください。
デュアル ビデオ画面テンプレートのガイドライン
メディア プレーヤーにデュアル ビデオ テンプレートを使用するときは、次のことを考慮してください。
■30 または 60 fps(フレーム/秒)でのフル HD(1920X1080)までのローカル ビデオおよびマルチキャスト ビデオの組み合わせがハードウェア アクセラレーションされます。
■両方のビデオ リージョンでのマルチキャスト ビデオの使用はサポートされていますが、各ビデオ リージョンにはマルチキャスト ビデオとローカルに保存されたビデオの組み合わせの使用をお勧めします。
■一貫した再生とパフォーマンスのために、ビデオ リージョンは非ビデオ コンテンツの下に配置します。
■テンプレート リージョンのアスペクト比は、そのリージョンで再生するビデオ コンテンツのアスペクト比に合わせます。
■セカンダリ ビデオ リージョンが表示されない場合は、ステージング エラーが発生していないこと、セカンダリ リージョンがプライマリ リージョンの後ろにないこと、解像度が 1920X1080 を超えていないことを確認します。
■デュアル ビデオ テンプレートでは、セカンダリ リージョン(ビデオ 2)はプライマリ リージョン(ビデオ 1)の上に表示されます。ビデオ リージョン 2 で Luma キーイングを使用することにより、ビデオ リージョン 2 を透過させてビデオ リージョン 1 のコンテンツの選択エリアを表示できます。デュアル ビデオ リージョンの順序を変更するには、ロックされたテンプレートをコピーしてカスタム テンプレートを作成し、必要に応じて順序を変更します。
■SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 メディア プレーヤーでは UHD 解像度のビデオ コンテンツに Luma キーを適用しないでください。Luma キーイングは、プライマリ リージョンの UHD ビデオ上に重ねてセカンダリ リージョンの HD ビデオが Luma キーを使用する場合に、デュアル ビデオでのみサポートされています。
カスタム画面テンプレート
Cisco Vision Dynamic Signage Director に付属する標準テンプレートの使用に加えて、独自のカスタムまたはオーバーレイ テンプレートを作成することもできます。
カスタム画面テンプレートでは、スポンサー/開催場所のニーズに合わせて画面のリージョンのサイズと配置を変更できます。例については、図 7を参照してください。
図 7 カスタム テンプレートの例
カスタム画面テンプレートのガイドライン
カスタム画面テンプレートを作成するときは、次のガイドラインを考慮してください。
■リージョンには、非ビデオ コンテンツ(静的グラフィック)、ビデオ、または両方の組み合わせ(混合メディア リージョンにおいて)を含めることができます。
■画面テンプレートごとに最大で 5 つのリージョンをサポートします。5 つを超えると、パフォーマンスが低下する可能性があり、使用される非ビデオ コンテンツの種類に応じて結果が異なる場合があります。たとえば、ごく単純なウィジェットではパフォーマンスが低下することはありませんが、非常に複雑なウィジェットの場合はその可能性があります。
■カスタム テンプレートには、最大 2 つのビデオ リージョンを含めることができます。
–SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 でのデュアル UHD ビデオ リージョンはサポートされていません。
–リージョン 2 のビデオ コンテンツで Luma キーイングを使用することにより、リージョン 2 でビデオを透過させてリージョン 1 のビデオ コンテンツの選択エリアを表示できます(図 6を参照)。
–テンプレートの相対的なレイヤの順序を変更することで、ビデオ リージョンの順序を変更します。
■リージョンを重ねると、非ビデオ コンテンツ(グラフィック、ウィジェットなど)が常にビデオ コンテンツの上に表示されます。
注: 2 つのビデオ/混合メディア リージョンを重ねる場合で、1 番目のビデオ/混合メディア リージョンにビデオと非ビデオ コンテンツの両方が含まれていると、1 番目のリージョン内の非ビデオ コンテンツが、常に 2 番目のリージョンのビデオの 上に表示 されます。
ヒント :リージョン 1 に非ビデオ コンテンツを含める場合は、静的コンテンツのローカル ビデオを作成し、プレイリストでそれを使用して、プライマリ リージョンに残るようにします。
■パフォーマンスを最適化するため、ビデオとグラフィックのアスペクト比のサイズを、リージョンのアスペクト比に合わせます。マルチスクリーンのテンプレートの一般的な拡大は、現在のところサポートされていません。ただし、マルチキャスト ビデオおよびローカル ビデオのスケーリングについては、すべてのデジタル メディア プレイヤーでサポートされています。
■すべてのリージョンが 1920X1080 の大きさに収まる必要があります。オーバーレイを使用する場合は、1920X1080 の 2 つのリージョンを用意できます。
注: DMP は数多くの解像度へのネゴシエーションをサポートしています。ただし、ネゴシエートされた解像度が 1920X1080 未満の場合は、テンプレートによってその低い解像度にまでトリミングされます。
表 6に、カスタム テンプレートを作成するときに用意することができるコンテンツ リージョンの数を示します。
表 6 カスタム テンプレートの作成時に許可されるリージョンの数
リージョンのタイプ |
SV-4K、CV-UHD、CV-UHD2 |
DMP 2K、CV-HD、および CV-HD2 |
非ビデオ グラフィック |
0 個以上 |
0 個以上 |
ビデオ リージョン 1 または混合メディア |
1 個まで |
1 個まで |
ビデオ リージョン 2 または混合メディア |
1 個まで |
未サポート |
カスタム オーバーレイ画面テンプレート
オーバーレイ画面テンプレートは、メディア プレーヤーで非ビデオ リージョン(グラフィック)をビデオ(または混合メディア)リージョンに重ねることができるカスタム テンプレートです。デュアル ビデオ リージョンを持つカスタム画面テンプレートを作成することもできます(またはデフォルトの全画面デュアル ビデオ テンプレートを使用できます)。
画面のオーバーレイ機能は任意のリージョンに割り当てることができます。オーバーレイ機能を使用することで、次のものを表示できます。
■全画面の非ビデオ(グラフィック)のコンテンツ リージョンが上に重なった、全画面ビデオ(または混合メディア)リージョン。
■画面上の小さなリージョンに重なるブランド/グラフィック。
■ロゴの一部の色が透明で、他の色は透明でない透明ロゴなどの、目立ちにくいブランド/グラフィック。
注: オーバーレイ画面テンプレートを作成する際、プライマリ ビデオ リージョンの上に非ビデオ リージョンを重ねる場合は、必ずイメージがキャンバスに合うように設計してください。イメージがキャンバスからはみ出していると、イメージの一部のみが表示されます。
オーバーレイ画面テンプレートのグラフィックスに関するガイドライン
■8 ビットまたは 24 ビットの PNG(透過ピクセルをサポート)ファイル形式を使用します。
■全画面ビデオ リージョン用に.PNG でピクセルを透過させます。
■JPG ファイルは透過性を維持しないため使用しないでください。
注: グラフィックは常にビデオをオーバーレイします。グラフィックスの上にビデオを配置することはできません。