Cisco Vision Dynamic Signage Director におけるビデオ ウォールの計画
このモジュールでは、Cisco Vision Dynamic Signage Director でビデオ コンテンツの導入を計画する方法について説明します。説明する項目は次のとおりです。
■ビデオ ウォール
■デュアル ビデオ
■ビデオの同期
■マクロブロッキング
■マルチキャスト ビデオのスケーリング
■サポートするビデオとオーディオの形式
■静的グラフィックの形式
■イベント ステートとイベント スクリプト
■イベント ステートとイベント スクリプトのガイドライン
■ビデオのガイドライン
■ビデオ ウォールのベスト プラクティス
■ビデオ ウォールの前提条件
■ビデオ ウォールの制限事項
■ビデオ ウォールのデザイン事例
ビデオ ウォール
「ビデオ ウォール」は、同期されたコンテンツを表示して、はるかに大きな 1 つの画面として情報を伝える画面グループのことです。Cisco Vision Director は、ビデオ ウォールを制御するメディア プレーヤーのタイプに応じて、ビデオ ウォールのさまざまな設計方法をサポートします。ビデオ ウォールの一般的な用途は、イベント中にビデオ ウォールのレイアウトやコンテンツを変更することです。
デュアル ビデオ
デュアル ビデオ リージョンでは、セカンダリ(ローカルまたはマルチキャスト)ビデオ リージョンと、プライマリ ビデオ リージョンの 2 つのビデオ リージョンを重ねることができます。デュアル ビデオ テンプレートは、次の機能を提供します。
■2 つのビデオ フィードの同時表示
■ビデオベースの広告の掲載
■イベントにおける独占的機会の促進
■セカンダリ ビデオ リージョンへの輝度(Luma)キーイングの適用
ビデオの同期
同期されたローカル コンテンツ(ビデオまたはイメージ)をビデオ ウォールで表示する場合は、DMP をデイジー チェーン接続します。4 つの異なる TV チャネルなど、異なるタイプのコンテンツをビデオ ウォール内の各ディスプレイでサポートする場合は、TV ディスプレイごとに直接接続を使用します。
ローカル ビデオ同期にこの接続方式を使用する場合は、HDMI Out と RS-232 の接続を使用して、ビデオ ウォールの各 TV ディスプレイに 1 つのメディア プレイヤーを接続します(図 1を参照)。これは、ビデオ ウォールでローカル ビデオを再生する際に、TV のタイル マトリックス機能が利用できない場合に使用できます。
図 1 TV ディスプレイごとに 1 つの DMP を使用したビデオ ウォールの接続
このアーキテクチャを使用すると、3840 X 2160 の解像度のコンテンツを開発した後に、ビデオを 1920 X 1080 の 4 つの部分に分割して同期再生できます。この方法では、ディスプレイごとに最大解像度を使用して、プレゼンテーションの品質を最大限に高めることができます。
マクロブロッキング
マクロブロッキングは、ビデオ イメージ内のあるエリアが小さなブロックまたは正方形として表示されるビデオの副作用です。大きな I-フレームが含まれているビデオ コンテンツでは、DMP での再生中にマクロブロッキングが発生することがあります(図 2を参照)。
図 2 マクロブロッキングのビデオ コンテンツの例
固定ビット レート(CBR)の使用は要件であり、コンテンツのガイドラインを厳密に順守して問題を削減します。Adobe Creative Cloud ビデオ エンコーディング ツールを使用している場合は、非標準 H.264 のサポートに関する問題に対処するために特別な設定の使用が必要になることがあります。下記はその描画設定の詳細です。VBR の使用も含まれます。
注 :下記のキー フレーム間隔の設定には特に留意してください。
描画設定
■VBR、1 パス
■ターゲット:10 Mbps
■最大:12 Mbps
■キー フレーム間隔:9
詳細については、『 Release Notes for 6.2 Cisco Vision Dynamic Signage Director 』を参照してください。
マルチキャスト ビデオのスケーリング
マルチキャスト ビデオのスケーリングは、多数のビデオ モニタで形式設定された(スケーリングされた)コンテンツを同時に表示できる機能のことです。これはビデオ ウォールでの使用を目的としたもので、マルチキャスト ビデオ リージョンを縦向きと横向きの両方についてビデオ ウォール ディスプレイ全体にスケーリングすることが可能です。
注 :コンテンツのスケーリングは、マルチキャスト ビデオとローカル ビデオで動作するほか、外部の URL および HTML でも動作します。
サポートするビデオとオーディオの形式
次の表で、メディア プレーヤーでローカルに保存され、ビデオプレイリストを使用して再生されるフルスクリーン ビデオでサポートするビデオとオーディオの形式を定義します。
注 :最適なパフォーマンスを得るため、メディア プレーヤーのローカル ビデオ再生については固定ビット レート(CBR)をお勧めします。可変ビット レート(VBR)も使用できますが、同期ビデオ再生では品質が損なわれる場合があります。
注 :Cisco Vision Dynamic Signage Director は、DMP で UHD/HD 解像度のビデオ コンテンツ(ローカルおよびストリーミング ビデオ)をサポートしています。UHD 解像度のグラフィックはサポートされていません。DMP-2K メディア プレーヤーは、HD/SD コンテンツのみをサポートしています。
注 :HTML フレーム内で UHD ビデオを使用することは推奨されません。これを行うと、パフォーマンスに望ましくない影響を与えることがあります。
表 1 SV-4K(UHD)、CV-UHD、および CV-UHD2 の DMP のローカライズされたファイルでサポートされているビデオ/オーディオ形式
フォーマット |
SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 の DMP |
モデル |
HD/SD のサポート。UHD 解像度のビデオ コンテンツは SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 のプレーヤーでのみサポートされています。UHD ビデオ コンテンツの仕様については別途参照してください。 ビデオ ファイル MPEG-4 を途切れなく繰り返し再生するには MPEG-2 TS(トランスポート ストリーム)が必要 Cisco Vision Dynamic Signage Director がサポートするファイル タイプ: ファイル タイプ.mpg、.mpeg、.mp4、.m2t、.m2ts、および.ts。 ブラック フレームを削減するには、mp4 が推奨されます。 H.264 仕様:レベル 4.2 までの Main または High プロファイル、AAC オーディオ、CBR オーディオのサポート(VBR は非サポート)。 CV-HD2 および CV-UHD2 の場合は H.265 |
ビデオ解像度 |
サポートされる最大解像度:3840 X 2160 |
縦横比 |
ワイドスクリーン 16:9(1.0 正方画素) |
フィールド順序 |
プログレッシブ |
UDP マルチキャストおよびファイル ベースのビデオ |
コーデック:H.264 カプセル化形式:MPEG2-TS または MPEG-4 |
ビデオ ビット レート エンコーディング |
30 ~ 40 Mbps の固定ビット レートを推奨。2 つ目のビデオ レコーダーは同時に最大 40 Mbps で、もう 1 つの 1080p ビデオをサポートできることに留意すること。 |
オーディオ ストリーミング |
Cisco Vision Dynamic Signage Director はストリーミング オーディオ(オーディオ専用トラックなど)はサポートしない。 |
ローカル オーディオ サンプル レート |
48 kHz |
表 2 SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 でサポートされている UHD 解像度のビデオ形式
フォーマット |
SV-4K、CV-UHD、および CV-UHD2 |
モデル |
UHD 解像度のビデオ コンテンツのみをサポート。 UHD 解像度のグラフィックは非サポート。 MPEG-4 を強く推奨。その他の形式についてはテスト未実施。 |
ビデオ解像度 |
3840 X 2160 X 60p または 4096 X 2160 X 60p |
ビデオ エンコーディング |
H.265 High Efficiency Video Coding(HEVC)。 H.265 バージョン 1 プロファイルのみ(Main および Main 10)。 |
Main プロファイル |
ディスプレイ コンポーネントで HDMI 2.0 がサポートされている場合は、60p で UHD ビデオを表示できます。その際はレベル 5.1 の Main 10 プロファイル(色深度 10 ビット、クロマ サブサンプリング 4:2:0)を使用してファイルをエンコードします。ディスプレイ コンポーネントで HDMI 2.0 がサポートされていない場合は、最大 30p で UHD ビデオを表示できます(色深度 8 ビット)。レベル 5.0 の Main プロファイルを使用 |
ビデオ エンコードのビット レート |
2000 ~ 25000 Kbps |
ビットレート |
30 ~ 40 Mbps の CBR。2 つ目のビデオ デコーダは同時に最大 40 Mbps で、もう 1 つの 1080p ビデオをサポートできることに留意すること。 |
最大ストリーミング ビット レート(HDMI-In エンコーディング) |
ビデオ エンコード ビット レート値の 2 倍を推奨。 |
表 3 UHD ビデオでサポートされている色深度
解像度 |
8 ビット |
10 ビット |
12 ビット |
4Kp24 4Kp25 4Kp30 |
4:4:4(RGB) |
4:4:4(RGB) |
4:4:4(RGB) |
4Kp50 4Kp60 |
4:4:4(RGB) 4:2:0 |
4:2:0 |
4:2:2 4:2:0 |
表 4 DMP-2K、CV-HD、および CV-HD2 の DMP のローカライズされたファイルでサポートされているビデオ/オーディオ形式
モデル |
DMP-2K、CV-HD、および CV-HD2 の DMP |
フォーマット |
HD/SD のサポート。 MPEG-2 TS(トランスポート ストリーム) MPEG-4 Cisco Vision Dynamic Signage Director がサポートするファイル タイプ: ファイル タイプ.mpg、.mpeg、.mp4、.m2t、.m2ts、および.ts。 ブラック フレームを削減するには、mp4 が推奨されます。 H.264 仕様:レベル 4.2 までの Main または High プロファイル、AAC オーディオ、CBR オーディオのサポート(VBR は非サポート)。 |
ビデオ解像度 |
1920X1080 |
縦横比 |
ワイドスクリーン 16:9(1.0 正方画素) |
フィールド順序 |
プログレッシブ |
UDP マルチキャストおよび ファイルベースのビデオ |
コーデック:H.264 カプセル化形式:MPEG2-TS または MPEG-4 |
ビデオ ビット レート |
30 ~ 40 Mbps の固定ビット レートを推奨。2 つ目のビデオ レコーダーは同時に最大 40 Mbps で、もう 1 つの 1080p ビデオをサポートできることに留意すること。 |
オーディオ ストリーミング |
Cisco Vision Dynamic Signage Director はストリーミング オーディオ(オーディオ専用トラックなど)はサポートしない。 |
ローカル オーディオ サンプル レート |
48 kHz |
注 :HDMI-In ポートにデバイスを接続する場合、HDCP をサポートする目的でコンテンツをストリーミングするときはデバイスをテストしてください。ほとんどの Mac OS と Windows ラップトップは、コピー保護されていないコンテンツの HDMI-In エンコーディングと動作互換があります。HDCP パススルーがサポートされるかどうかは、デバイスの製造元と OS によって決まります。
静的グラフィックの形式
静的グラフィックは、動きを必要としない広告や情報通知メッセージに使用されます。これには、特別席のウェルカム メッセージやイベント後の方向案内の情報などが含まれます。静的グラフィックは、メディア プレーヤー上にローカルに保存されます。表 5に、静的グラフィックで使用できる形式を示します。
注 :コンテンツのスケーリングは、.png ファイル、ウィジェット、外部 URL コンテンツ、および外部 URL チャネルでサポートされています。コンテンツは、リージョンの境界からはみ出さないようにスケールが縮小されます。.png ファイルとウィジェットでは縦横比が維持されます。外部 URL(コンテンツおよびチャネル)ではリージョンが満たされます。
表 5 静的グラフィックの形式
グラフィック形式 |
DMP-2K、SV-4K、CV-HD、CV-UHD、CV-HD2、および CV-UHD2 |
JPEG、非プログレッシブ、8 ビット RGB CMYK、グレースケール、およびダブルトーン(デュオトーン)は非サポート |
あり |
JPEG、プログレッシブ |
あり |
PNG |
あり 8、16、24、および 32 ビット(24 ビットに 8 ビットの透過情報)を推奨 |
静的グラフィックのガイドライン
■ベスト プラクティスとして、アップロードするファイルの数を 100 個以内とし、一括でアップロードしてください。合計ファイル サイズは 100 MB 未満である必要があります。
■リリース 5.0 およびそれ以前のリリースにおける垂直方向(縦型)のコンテンツについて、グラフィックおよびビデオは DMP によって自動回転しません。縦型画面では、これらを垂直形式で作成してから 90 度回転させてください。リリース 6.0 以降では、縦型のコンテンツは DMP で回転させることができます。
■垂直(縦置き)設置のディスプレイ上の適切な方向にコンテンツを自動的に回転するように DMP を設定できます([Display Specifications] で dmp.portrait パラメータを使用します)。「コンテンツの向き」を参照してください。
■コンテンツ ファイル名には、「-」および「_」を使用できますが、スペースやその他の特殊文字は使用できません。
■コンテンツのスケーリングは、静的グラフィックス、ウィジェット、ローカルおよびマルチキャスト ビデオ、外部 URL、およびチャネル(マルチキャスト ビデオと外部 URL)でサポートされています。
イベント ステートとイベント スクリプト
イベント ステートとイベント スクリプトは、イベントの進行過程において、いつ、どのようなコンテンツを表示するかを制御します。たとえば、ゲーム前のウェルカム メッセージ、ハーフタイムの飲食のプロモーション、ゲーム終了時の退場メッセージなどです。イベント ステートは、グループ内の画面が同じ振る舞い(たとえば、同一の画面テンプレート、プレイリスト、チャネル)を示す一定の時間のことです。イベント ステートは、時間の経過(ゲーム前、ゲーム中、ゲーム後など)に合わせて変更できます。
イベント ステートとイベント スクリプトのガイドライン
イベント ステートとイベント スクリプトを作成するときには、次のガイドラインを考慮してください。
■Cisco Vision Dynamic Signage Director でイベント スクリプトが実行されていない際は、メディア プレーヤーにデフォルトのビデオ チャネル/非イベント ステートが表示されます。
■プレイリストで再生証明(PoP)を取得するコンテンツを使用する際、特に PoP コンテンツがプレイリストの終了付近または終了まで含まれている場合は、少なくとも 60 秒間実行される最終イベント ステート(PoPコンテンツを含まない)を定義し、すべての PoP データが Cisco Vision Dynamic Signage Director によってキャプチャされる時間を確保してください。一般的にこの最終イベント ステートは構内のディスプレイをオフ(電源断)するために設定されます。
■ゾーンに対してスクリプト アクションを設定すると、デフォルトではそのゾーン内のすべてのグループにおいて、設定されたアクションが継承されます。このゾーン内の特定のグループに対してスクリプト アクションを設定すると、この継承を上書きすることができます。
■ゾーンに複数のグループが含まれている場合、特定のグループに対しスクリプト アクションを設定すると、これらのアクションはそのグループにのみ適用されます。
■Cisco Vision Dynamic Signage Director は、イベント ステートあたり 1 つの RS-232 コマンドのみサポートしています。
表 6では、Cisco Vision Dynamic Signage Director の一般的なスクリプト サポートのガイドラインについて説明します。
注 :次の上限値は、Cisco Vision Dynamic Signage Director の基本的な操作ではテストを行っていますが、最大値の組み合わせや、複雑なシステムとコンテンツの場合は実際の上限に影響する可能性があります。実稼働で使用する前にスクリプトのコンテンツが予測どおり動作するかテストしてください。
表 6 スクリプトのガイドラインと設定の上限値
スクリプトのガイドライン |
上限値 |
最大同時スクリプト実行数(各スクリプトでマルチキャストが利用されている場合) |
20 |
スクリプトあたりのイベント ステートの最大数 |
50 |
イベント スクリプトあたりの最大アイテム数 |
2,200 |
ビデオのガイドライン
Cisco Vision Dynamic Signage Director でのビデオ コンテンツの導入では、次のガイドラインを考慮してください。
■ビデオ ファイルの大きさについてはリリース 5.0 以降では、最大 4 GB のファイル サイズがサポートされています。
■ビデオ コンテンツが「サポートするビデオとオーディオの形式」に記載されている要件を満たしていることを確認してください。
■SV-4K、CV-UHD、または CV-UHD2 の HDMI-In ポートにデバイスを接続する場合、HDCP をサポートするコンテンツをストリーミングするときは、それらのデバイスを必ずテストしてください。ほとんどの Mac OS と Windows ラップトップは、コピー保護されていないコンテンツの HDMI-In エンコーディングと動作互換があります。これがサポートされるかどうかは、デバイスの製造元と OS に依存します。
■一般的に、1 つのコンテンツをマルチ画面に引き伸ばすことはサポートされていません。ただし、マルチキャスト ビデオのスケーリングはサポートされています。「ライブラリの受信トレイへの自動コンテンツのインポート」を参照してください。
注 :同じ縦横比を保ちながらのコンテンツのスケーリングは、静的グラフィックス、ウィジェット、ローカルおよびマルチキャスト ビデオ、外部 URL、およびチャネル(マルチキャスト ビデオと外部 URL)でサポートされています。
ビデオ ウォールのベスト プラクティス
ビデオ ウォールを実装するときは、次のベスト プラクティスを考慮してください。
■ビデオ ウォール全体で同じモデルのメディア プレーヤーを使用します(すべて SV-4K、すべて DMP-2K など)。
■ビデオ ウォール全体で均一なベゼル サイズ(ウルトラ ナロー(極狭)ベゼルを強く推奨)の同じ TV モデルを使用します。
注: ウルトラ ナロー(極狭)ベゼルの TV 画面では、重要なテキストやデータが切り落とされることがなく、最適な表示エクスペリエンスを得やすくなります。
■両方のビデオ リージョンでのマルチキャスト ビデオの使用はサポートされていますが、各ビデオ リージョンにはマルチキャスト ビデオとローカルに保存されたビデオの組み合わせ(または両方ともローカル ビデオ)の使用をお勧めします。
■ビデオはそれが描画されるビデオ リージョンと同じサイズで作成します。これにより、ビデオの不要なスケーリングが回避されます。これにより、ビデオの不要なスケーリング(スケーリング)が回避されます。
■一貫性のあるビデオ縦横比を使用します。
■ビデオ コンテンツの縦横比と一致するようにビデオ リージョンをデザインします。
■ビデオ ウォールでの最適なパフォーマンスのために、ローカル ビデオ ファイルでは固定ビット レート(CBR)を使用します。
ビデオ ウォールの前提条件
ビデオ ウォールを導入してコンテンツを作成する前に、次の条件を満たしていることを確認してください。
ビデオ ウォールでローカル ビデオまたはイメージ コンテンツを再生する場合:
1. 最初に、ビデオ ウォールの全体的な形式を作成します。
2. コンテンツを編集して、各ディスプレイに表示するコンテンツのセグメントを格納した 1920X1080 の別々のファイルにします。
たとえば、SV-4K の 2X2 ビデオ ウォール(4 画面)では、元のコンテンツを 3840X2160 の形式にする(1920X1080 の 2 倍)必要があります。
3. コンテンツの該当する部分が 4 画面で表示されるように、コンテンツを 1920X1080 形式の個別のファイル(この例では 4 つ)に分割します。
DMP によるコンテンツの同期の場合:
–各メディア プレーヤーは、それ自身のグループに所属する。
–各リージョンでは、プレイリストのアイテム数、アイテム タイプ、各アイテムの時間が同じか、リージョン内にプレイリストがない(空である)こと。
表 7に、ローカル ビデオとイメージ コンテンツが混在する SV-4K の 2X2 ビデオ ウォールのプレイリスト コンテンツの例を示します。4 つのプレイリストのそれぞれで、最初のアイテムはすべて同じタイプ(PNG)、同じ時間ですが、コンテンツ自体は同じでないことに注目してください。同様に、各プレイリストの 2 番目のアイテムは同じ時間のビデオ コンテンツですが、ファイルは異なります。
表 7 SV-4K の 2x2 ビデオ ウォール プレイリストの例
コンテンツ アイテム |
プレイリスト 1 |
プレイリスト 2 |
プレイリスト 3 |
プレイリスト 4 |
1 |
30 秒:PNG 1-1 |
30 秒:PNG 1-2 |
30 秒:PNG 1-3 |
30 秒:PNG 1-4 |
2 |
34 秒:MP4 2-1 |
34 秒:MP4 2-2 |
34 秒:MP4 2-3 |
34 秒:MP4 2-4 |
3 |
21 秒:MP4 3-1 |
21 秒:MP4 3-2 |
21 秒:MP4 3-3 |
21 秒:MP4 3-4 |
–ローカル ビデオ アイテムの時間は、何分の1秒といった端数ではなく、秒の単位で調整すること。
注: インポートされたビデオ コンテンツの時間が秒の端数の場合、コンテンツ画面にはビデオにおける実際のアイテムの時間が表示されます。ただし、システムは実際にはプレイリスト用にそのコンテンツの時間を偶数の時間枠に丸めます(秒単位)。また、Cisco Vision Dynamic Signage Director の UI の中でアイテムの時間を手動で変更した場合は、コンテンツの再生時間が短縮されます。
ゾーンベースによるビデオ ウォールの同期の場合:
■各メディア プレーヤーは、それ自身のグループに所属します。
■ビデオ ウォールの一部をなす各グループは、全体で 1 つのゾーンに配置します。
■DMP グループのゾーンを作成する場合は、[Use as Video Wall] チェックボックスをオンにします。
■[More] > [Management Dashboard] > [Dynamic Signage Director Configuration] > [System Configuration] > [Global DMP Settings] > [Default Audio/Video/Closed Caption] に移動します。
■[Zone Based Video Wall Synchronization] を「 true 」に設定します。
図 3 ゾーンベース ビデオ ウォールの同期
ビデオ ウォールの制限事項
ビデオ ウォールを作成する前に、次の制限事項を考慮してください。
■ビデオ ウォールのすべての画面に 1920 X 1080 の形式を使用する必要があります。
■ウィジェット、外部 URL、マルチキャスト ビデオのチューニングの同期は、DMP 間コンテンツ同期機能によりサポートされます。
■ビデオ ウォールにゾーンベースのコンテンツ同期を使用するときは、1 つのデバイスが同期を制御します。そのデバイスがビデオ表示を停止すると、ビデオ ウォールのすべてのディスプレイがコンテンツの表示を停止します。
ビデオ ウォールのデザイン事例
このセクションでは、より一般的で現在導入されている Cisco Vision Driector ビデオ ウォールのデザイン事例をいくつか紹介します。
ヒント: 標準的でない設定も含め、ビデオ ウォールのあらゆるアイデアに関して Cisco Creative サービス チームのビデオ ウォールの専門家にお問い合わせください。このチームは、アイデア、ベスト プラクティス、配線図により導入の成功を支援します。
TV ベース タイル マトリックスの 2x3 ビデオ ウォールの例
図 4は、コンコース エリアで一般的に使用されるビデオ ウォールを表します。ここでは常連ファンのグループが見る大きなゲーム フィードの横で、順序を巡りながら映し出される各スポンサー コンテンツが表示されています。
図 4 2x3 ビデオ ウォール コンテンツの例
左側のディスプレイの 2x2 のグループでは、HD 解像度のゲーム フィードの 16:9 アスペクト比を維持できるため、2x3 ビデオ ウォールはシスコが推奨する最も一般的なビデオ ウォールです。
右側のディスプレイの 2x1 のグループはゲーム フィードからは独立して機能でき、スポンサー、ソーシャル メディア、その他のコンテンツをゲームの間中表示します。また、ユーザはゲームの間に再生するコンテンツのタイプを変更することもできます。たとえば、ハーフタイムやピリオド間ブレイク中にゲーム フィードがない場合、ユーザは 2x2 を全画面のスポンサー コンテンツを再生するように切り替えながら、2x1 で次のイベントまたはチーム ブランドのコンテンツを表示するように変更し、スポンサーの競合が起こらないようにすることができます。
図 5は、2x3 ビデオ ウォールの接続例を示しています。ここでは 2 つの Cisco DMP が使用され、ビデオ ウォールが異なる表示エリアに分割されています。
最初の DMP は 2x2 のゲーム フィードを提供し、2 番目の DMP は 2x1 のスポンサー広告を提供します。
図 5 TV タイル マトリックス機能を使用した 2X3 ビデオ ウォールの配線例
それぞれに特化した DMP が、TV のデイジーチェーンを通じ、接続された TV のグループにビデオ信号を提供します。TV の製造メーカーによっては、この機能が使用できる場合には、RS-232 接続もデイジーチェーンで接続することができます。
タイル マトリックス モードで動作している場合、TV には同じビデオ信号が入力されます。TV のタイル マトリックス設定に基づいて、TV はまず入力ビデオを x, y で設定された大きさにスケーリングしてから、マトリックス内の設定された位置に基づいて全体表示の「一部」を表示します。
注 :各画面に 4 つの異なるチャネルなど、複数のタイプのコンテンツを表示する場合には、各 TV の背後に Cisco DMP を接続してください。
その他のビデオ ウォールの設定
2X3 ビデオ ウォールが最も一般的に使用されるビデオ ウォール設定ですが、ビデオ ウォールの事例で紹介した情報と概念を利用することで、任意の数のさまざまなビデオ ウォール設定を作成することができます。
図 6 4X4 ビデオ ウォールの例