上書き制御機能を使用した4Gと5G NSAサブスクライバ間の差分ポリシーの理解

はじめに

このドキュメントでは、4Gと5Gの加入者に対して差分請求/ポリシーを有効にする上書き制御機能（非3GPP）について説明します。

前提条件

要件

注:1.これはライセンス機能です。

2. 非3GPP機能であるため、Packet Data Network Gateway(PGW)とPolicy and Charging Rules Function(PCRF)は、セッション確立中にGx Credit Control Answer(CCA)-Iのサポートされる機能を通じて、この機能のサポートを交換できます。

次の項目に関する基本的な知識が推奨されます。

• Offline Charging Server(OFCS)/Charging Collection Function(CCF)
• オンライン課金サーバ(OCS)
• Cisco PGW
• PCRF（暗号化）
• オーバーライド制御機能のドキュメント

使用するコンポーネント

このドキュメントの情報は、StarOS:21.28.mxに基づくものです。

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境（または）にあるデバイスからランダムに作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな（デフォルト）設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。

背景説明

このドキュメントでは、4Gと5Gの非スタンドアロン(NSA)サブスクライバ間、および3GPP以外のオーバーライドコントロール機能に基づくさまざまなサブスクライバタイプ間の課金とポリシーの違いについて説明します。

この機能は、4Gと5G NSAの加入者間または4G/5G NSA上の異なる加入者間の差分充電の要件をサポートします。ルールロジックが同じであるか、またはフローマッチング基準が同じでも、加入者タイプまたはアクセステクノロジータイプに応じて異なる課金が必要な場合に、パケットゲートウェイとPCRFで複数のルールを作成する必要はありません。これにより、パケットゲートウェイに数百ものルールが必要になり、Method of Procedure（MOP；手順説明書）などの運用上の更新がPGWやPCRFで頻繁に行われる問題も確実に解決されるため、ネットワークの変更をサポートするために必要な時間と労力が大幅に削減されます。

オーバーライド制御ソリューションの概要

この機能では、カスタム属性値ペア(AVP)のセットを定義できます。AVPを使用すると、PCRFですべてのルール（ワイルドカード）の課金およびポリシーパラメータを上書きしたり、特定のルールまたは課金操作のセットを上書きしたりできます。

上書き値は、カスタムAVPを使用してPCRFからGx経由で送信する必要があります。オーバーライド制御機能は、ルールベースレベルで設定されます。ルールベースコンフィギュレーションモードでoverride-control CLIコマンドが設定されている場合、Diameter機能交換メッセージにオーバーライド制御機能のサポートが示されることがあります。

オーバーライド制御機能では、Group-of-Ruledefsをオーバーライドする機能がサポートされています。Group-of-Ruledefsに対して送信されたオーバーライドは、グループで定義されたすべてのruledefsに適用されます。同じOverride-Rule-Name AVPを使用して、RuledefまたはGroup-of-Ruledefを同じ順序で送信します。2つのAVP Override-Rule-NameとOverride-Charging-Action-Exclude-Ruleは、Ruledef名またはGroup-of-Ruledefs名をサポートします。

Gxインターフェイスは、PGWにオーバーライド値を送信するPCRFのカスタムAVPを含むように更新されます。これらの上書き値は、すべてのルール（ワイルドカード）、特定のルール、または課金処理に対して送信できます。 充電操作に対して上書き値が送信された場合、Gxメッセージにルール名を送信することで、ルールまたは一部のルールを上書き値の使用から除外できます。スタンドアロン回復またはシャーシ間セッション回復(ICSR)の場合、オーバーライド値はチェックポイントが設定され、回復されます。

PCRFから複数のオーバーライドを受信した場合、これらの指定されたポイントが優先して適用されます。

事前定義されたルールをインストールする際に、その事前定義されたルールに対する上書き制御が受信され、Quality of Service Class Identifier(QCI)/Address Resolution Protocol(ARP)が上書きされると、事前定義されたルールのベアラーバインディングに対して新しく上書きされたQCI/ARP値が使用されます。QCI/ARPが上書きされない場合、課金処理で設定された値が使用されます。PCRFから受信した料金およびポリシーパラメータの上書きは、コールの全期間にわたって適用されます。これらの値は、同じ上書き制御基準（ルール名、課金処理名、除外ルール）を使用して変更された値を送信することで、PCRFによって変更できます。 オーバーライド制御基準の変更は、新しいオーバーライド制御(OC)として中断されます。 サブスクライバにインストールできるワイルドカードOCは1つだけです。

AVPの詳細なリストについては、『オーバーライドコントロールに関するドキュメント』を参照してください。

考えられる影響と考慮事項

• 提案するソリューションは3GPPではなく、PGWとPCRFでの機能の開発が含まれます。
• これはライセンス機能です。
• 提案されたソリューションはカスタマイズであり、グローバルに実装されていない
• 実稼働環境に実装する前に、ネットワークでエンドツーエンドのフィールドテストを実施する必要があります。
• 差動充電/ポリシーのオーバーライド制御を有効にすると、Gxインターフェイスで追加のシグナリングが発生し、PCRFのパフォーマンスに影響を与える可能性があります。

フロー

MME – モビリティマネージメントエンティティ
SGW：サービングゲートウェイ

手順

• PCRFは、Subscribe-Notifications-Request(SNR)/Subscribe-Notifications-Answer(SNA)交換のHome Subscriber Server(HSS)から加入者タイプを特定し、その加入者タイプがプリペイド/ポストペイド/タブレットなどであるかどうか、および前述のようにPresence Reporting Area(PRA)IDに基づくLTE/5GNRなどのアクセステクノロジータイプにに基づいて、Override AVPをインストールできます。
• Override-Control(OVERRIDE-Control)は、PGW/Policy and Charging Enforcement Function(PCEF)上のフローに対して静的/事前定義されたルールが一致した場合、これらのルールはPGW上でのみ定義されるため、サブスクライバに対して適切なRating-Group/Content-IdおよびQoSパラメータ(Maximum Bitrate(MBR)/アクセスポイント名集約Maximum Bit Rate(APN-AMBR)など)が)が適用されることを保証します。

PGW設定の変更

configure 
   active-charging service  service_name 
      rulebase  rulebase_name 
         [  default | no ] override-control [ with-oc-name ] 
         end 

注意事項

検証

WiresharkキャプチャPGW CCA-I

注意事項

• Override-Control-Merge-Wildcard AVPは、ここでOverride-Control-Charging-Action-Nameの下に設定されたcharging-actionに対して、ワイルドカードOverride-Controlもマージ/適用されることを示します。
• Override-Charging-Action-Name AVPは、このOverride-Controlがここで設定されたcharging-actionに適用されることを示します。
• Override-Policy-Parameters AVPには、charging-actionに適用されるQoS(MBR)情報が含まれています。これはPGWで設定されているものよりも優先順位が高く、そのため、さまざまな加入者/アクセステクノロジータイプに対してPGWで複数の静的/事前定義ルールを設定する必要なく、PCRFによって動的に送信されることに注意してください。

注意事項

• この上書き制御構造は、上書き制御を適用できるcharging-action（または）rulenameが含まれないため、ワイルドカード上書き制御と呼ばれます。
• Override-Charging-Action-Exclude-Rule AVPは、ワイルドカードのoverride-controlを、PGWで設定されたすべての静的/事前定義ルールに適用することを示します。ただし、ここで説明したルールは除きます。このルールには、そのルールに対するcharging-action内のPGW設定が適用され、PCRFによって動的に変更されることはありません。
• Override-Rating-Group AVPは、このrating-group/content-idが、そのサブスクライバのルールベース内のすべての静的ルールおよび事前定義ルールに使用されることを示します。
• Override-Online AVPは、この加入者がオンライン/Gy課金をサブスクライブしていることを示します。
• Override-Offline AVPは、このサブスクライバがオフライン/Rf課金にサブスクライブされていることを示します。

PGW CLIの検証

show active-charging sessions full all（すべてのアクティブ課金セッションを表示）

show active-charging sessions full all
.
.
.
Override Control:
    Installs Received:              1
    Installs Succeeded:             1  Installs Failed:             0
    Install Pending:
      Total  :                      2
      Merged :                      0
      Flushed:                      0
      Failed :                      0
    Disables Received:              0
    Disables Succeeded:             0  Disables Failed:             0

show active-charging subscribers callid  override-control pending 
CALLID: XXXXXXXX
Override Control : 
  Rule Name : 
                      qci2
  Charging Parameters:
    Rating Group     : 100
    Offline Enabled  : TRUE
Override Control : 
  Rule Name : 
                      qci1
  Charging Parameters:
    Rating Group     : 105
    Offline Enabled  : TRUE
  Policy Parameters:
    QCI              : 4
    ARP Byte         : 81
    MBR UL           : 25000
    MBR DL           : 13000