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はじめに
このドキュメントでは、1段階ダイヤリングと2段階ダイヤリングの特徴について説明します。
前提条件
要件
このドキュメントの読者には、次の項目に関する知識が必要です。
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。
表記法
ドキュメント表記の詳細については、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
第 1 段階ダイヤリング
デジタル インターフェイスの場合には、PBX かセントラル オフィス(CO)スイッチが完全にコールをルーティングするのに必要なすべてのディジットが含まれているセットアップ メッセージを送信する際、それらのディジットは発信 Voice over IP(VoIP)のダイヤル ピアにマッピングされる(または従来の一般電話サービス(POTS)のダイヤル ピアに直接ヘアピンされる)可能性があります。ルータ/ゲートウェイは発信者に 2 番目のダイヤル トーンを返さず、ディジットを収集しません。コールは設定された宛先に直接転送されます。これを第 1 段階ダイヤリングと呼びます。
アナログ インターフェイスの場合は、ユーザには(ローカルまたはリモートの)ダイヤル トーンが 1 度だけ聞こえます。続いてユーザがディジットをダイヤルすると、宛先の電話に着信します。
T1/E1 デジタル インターフェイス
POTSインターフェイスから着信コールを受信すると、ダイヤルピアのダイヤルイン方式(DID)機能により、ルータ/ゲートウェイは着信番号(Dialed Number Identification Service(DNIS))を使用して発信ダイヤルピアと直接照合します。着信 POTS ダイヤル ピアで DID が設定されている場合は、発信コール レッグの宛先パターンとの照合に、発信先番号が自動的に使用されます。
DID のための POTS ダイヤル ピアを設定するために、グローバル設定モードの初めに以下の Cisco IOS コマンドを入力します。
Router(config)#dial-peer voice number pots
Router(config-dial-peer)#direct-inward-dial

この図では、誰かが電話 1 を取ると、そのユーザは PBX から来るダイヤル トーンを聞きます。PBX には、ルータへのチャネルを捕捉するためのアクセス コードがプログラムされています。ユーザはアクセス コードと宛先番号をダイヤルします。この例では、アクセス コードが 99 であると仮定します。電話 1 のユーザが 995678 をダイヤルします。PBX は、プログラミングされている方法に基づいて、6 桁のディジットすべてをルータに転送するか、自身のアクセス コードを除去して、ルータに宛先のディジットだけを送信するかのいずれかを実行します。同様に、公衆電話交換網(PSTN)に接続されたユーザが電話を取ると、PSTN からのダイヤル トーンが聞こえます。ユーザが 1234 をダイヤルすると、そのコールは PSTN によってルータにルーティングされます。ルータには direct-inward-dial が設定されているため、ルータはダイヤルされたディジットを参照して発信 VoIP ダイヤル ピアと照合し、コールをルータ A に送信します。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 99 pots
destination-pattern 1234
direct-inward-dial
!--- This command is required for one stage dialing so !--- the router routes the call based on the dialed digits.
port 1/0:0
prefix 1234
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 5678
session target ipv4:192.168.1.2
ルータ B の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 5678
direct-inward-dial
!--- This command is required for one !--- stage dialing so the router routes the call based on the dialed digits.
port 1/0:0
prefix 5678
dial-peer voice 200 voip
destination-pattern 1234
session target ipv4:192.168.1.1
リモート ルータにはプレフィクスを追加する必要があります。これは、POTS ダイヤル ピアが宛先パターン内の一致したディジットをデフォルトですべて取り除くためです。取り除かれたディジットも終端 CO に送信する必要があります。
注:Cisco 2600/3600プラットフォームでは、個別線信号方式(CAS)(イミディエート、ウィンク、ディレイ)インターフェイスでDIDはデフォルトで有効になっています。そのため、着信コールに対しては direct-inward-dial コマンドを設定しないでください。Cisco AS5300 プラットフォームでは、DID は E&M 即時シグナリングのために設定されるインターフェイスでサポートされません。
着信コールが direct-inward-dial が設定されている POTS ダイヤル ピアと一致していることを確認します。ダイヤル ピアの照合に関する詳細については、音声 - Cisco IOS プラットフォームにおける着信ダイヤルピアおよび発信ダイヤルピアの照合方法についての理解を参照してください。
アナログ音声インターフェイス カード
注:ダイヤルイン機能は、Foreign Exchange Office(FXO)/Foreign Exchange Station(FXS)/E&M(FXO/FXS/E&M)インターフェイスではサポートされていません。VIC-2DID カードを使用して、アナログ ポートに DID を設定する必要があります。Cisco アナログ DID に関する詳細については、Cisco 2600 および Cisco 3600 シリーズ ルータのためのアナログ DID を参照してください。
次のシナリオについて考えます。

電話 1 での第 1 段階ダイヤリングを設定するには、次の 2 通りの方法があります。
ローカル ダイヤル トーン
ユーザが受話器を取ると、ルータからのダイヤル トーンが聞こえます(デバッグ)。ユーザは次いで 5678 か 4321 をダイヤルします。ルータは発信ダイヤル ピアを検索し、ルータ B にコールを発信します。次にルータ B は PBX/CO のためのポートを捕捉し、電話にコールを発信する PBX/CO に DNIS(着信者番号)ディジットを送信します。このシナリオに特別な設定は必要ありません。ルータ B は PBX/CO に DNIS ディジットを送信する必要があります。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 99 pots
destination-pattern 1234
port 1/0/0
prefix 1234
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 5678
session target ipv4:192.168.1.2
ルータ B の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 5678
port 1/0:0
prefix 5678
!--- Send the digits to the terminating PBX/CO.
dial-peer voice 200 voip
destination-pattern 1234
session target ipv4:192.168.1.1
リモート ダイヤル トーン
ユーザが電話 1 を取ると、相手側の PBX/CO からのダイヤル トーンが聞こえます。そのため、電話がリモート側の PBX/CO に接続しているかのように見えます。これを実現するには、専用回線、自動リングダウン(PLAR)の設定を使用します。また、ルータ B が PBX/CO にディジットを送信しないようにします。PBX によっては DNIS のディジットを受信してもダイヤル トーンを返すように設定できるものもあります。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
voice-port 1/0/0
connection plar 1000
!--- Connection PLAR is configured under the voice port.
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 1000
!--- Dialed string for connection PLAR !--- which sends the call to Router B.
session target ipv4:192.168.1.2
ルータ B の設定は以下のとおりです。
!--- This dial matches the entire destination pattern, !--- strips it all off, and does not send any digits to the PBX/CO.
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 1000
!--- Dialed string for PLAR !--- that comes into this router from Router A.
port 1/0:0
!
PLAR の設定に役立つ情報、および接続 PLAR と接続トランクの違いについての詳細は、VoIP ゲートウェイ用の接続 PLAR の設定を参照してください。
第 2 段階ダイヤリング
音声コールが Cisco IOS ルータ/ゲートウェイに到達すると、ルータの音声ポートは、PBX または CO スイッチによって着信用に捕捉されます。続いて、ルータ/ゲートウェイは発信者に対してダイヤル トーンを返し、発信ダイヤル ピアを特定できるまでディジットを収集します。ディジットは、人が不規則な間隔でダイヤルするか、事前に収集されたディジットを送信する電話機器が一定の間隔でダイヤルするかのいずれかです。ダイヤル ピアの照合は 1 桁ずつ行われます。これは、ルータ/ゲートウェイが、各桁のディジットを受信するたびにダイヤル ピアを照合することを意味します。このプロセスを第 2 段階ダイヤリングと呼びます。
T1/E1 デジタル インターフェイス
次のシナリオについて考えます。

以下の 2 つのメソッドは、第 2 段階ダイヤリングを利用できます。
ローカル ダイヤル トーン
ユーザが電話 1 を取るとき、ダイヤル トーンは PBX から聞こえます。ユーザはルータのアクセスコード(PBX でプログラムされる)をダイヤルし、次にルータからダイヤル トーンを受信します(デバッグ)。続いてユーザが 5678 をダイヤルすると、コールはルータ B、続けて電話 2 にルーティングされます。
たとえば、PBX に別のルータに接続する別の回線がある場合、各ルータ用に PBX でプログラムされるアクセス コードがあります。また、ダイヤルするアクセス コードに基づき、別のローカル ルータからダイヤル トーンを引き出すこともできます。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
!--- This dial-peer does not have !--- direct-inward-dial configured. !--- By default, when a call comes in, the router !--- provides dial tone to the user.
dial-peer voice 99 pots
destination-pattern 1234
port 1/0:0
prefix 1234
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 5678
session target ipv4:192.168.1.2
!
ルータ B の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 5678
port 1/0:0
prefix 5678
!
ローカルおよびリモート ダイヤル トーン
ユーザが電話 1 の受話器を取り上げると、PBX からのダイヤル トーンが聞こえます。ユーザがディジットを入力すると、ルータ B に接続された PBX/CO から別のダイヤル トーンが聞こえます。これを実現するには、次の 2 通りの方法があります。
-
ルータ A の direct-inward-dial を使用します。
PBX/CO がルータのポートを捕捉する場合、設定された direct-inward-dial を使用して、DNIS ディジットが含まれているセットアップ メッセージを送信します。ルータは発信 VoIP ダイヤル ピアを照合するのにそれらのディジットを使用し、リモート ルータにコールを発信します。ルータ B は PBX/CO への回線を捕捉し、そちらにはディジットを何も転送しません。リモート PBX/CO は、電話 1 のユーザにダイヤル トーンを返します。そのため、ユーザがその PBX/CO に接続しているかのように見えます。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 99 pots
destination-pattern 1234
direct-inward-dial
!--- This command is needed so that the router !--- routes the call based on the dialed digits.
port 1/0:0
prefix 1234
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 5678
session target ipv4:192.168.1.2
ルータ B の設定は以下のとおりです。
!--- This dial-peer matches the entire destination pattern, !--- strips it all off, and does not send any digits to the PBX/CO.
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 5678
port 1/0:0
!
-
接続 PLAR および接続トランクを使用します。
ルータにPBX/COから送信されたDNISディジットを照合させるのではなく、接続PLARを使用して、音声インターフェイスでの捕捉を検出するとすぐにコールのIPレッグを設定します。Router B は Router A からこのコールを受信すると、PBX/CO のポートを捕捉しますが、PBX/CO にディジットは送信しません。次にリモート PBX/CO が電話 1 のユーザにダイヤルトーンを渡すため、ユーザがその PBX/CO に接続されたかのように見えます。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
voice-port 1/0:0
connection plar 6666
!--- Connection PLAR is configured under the voice port.
!
dial-peer voice 99 pots
destination-pattern 1234
port 1/0:0
prefix 1234
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 6666
!--- Dialed string for connection PLAR !--- which sends the call to Router B.
session target ipv4:192.168.1.2
!
ルータ B の設定は以下のとおりです。
!--- This dial matches the entire destination pattern, !--- strips it all off, and does not send any digits to the PBX/CO.
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 6666
!--- Dialed string for PLAR that comes !--- into this router from Router A.
port 1/0:0
!
アナログ音声インターフェイス カード
次のシナリオについて考えます。

ユーザが電話 1 を取るか、FXO 回線の PSTN 番号がダイヤルされると、ルータは発信者にダイヤル トーンを渡します(デバッグ)。ユーザがディジットを入力すると、着信側 PBX/CO からのダイヤル トーンを受信します。ユーザはその後宛先番号(9876 または 4321)をダイヤルし、他の電話に着信します。ルータ B が PBX/CO にディジットを送信しないことを確認してください。
ルータ A の設定は以下のとおりです。
dial-peer voice 99 pots
destination-pattern 1234
port 1/0/0
prefix 1234
!
dial-peer voice 100 voip
destination-pattern 9876
session target ipv4:192.168.1.2
!
!
dial-peer voice 101 voip
destination-pattern 4321
session target ipv4:192.168.1.2
ルータ B の設定は以下のとおりです。
!--- This dial matches the entire destination pattern, strips it all off, !--- and does not send any digits to the PBX/CO.
dial-peer voice 201 pots
destination-pattern 9876
port 1/0:0
!
ダイヤル トーンを提供するルータのための debug voip ccapi inout コマンドの出力
Mar 9 06:30:26.270: cc_api_call_setup_ind (vdbPtr=0x823F6E70,
callInfo={called=,called_oct3=0x81,calling=,calling_oct3=0x0,calling_oct3a=0x0,
calling_xlated=false,subscriber_type_str=RegularLine,fdest=0,
peer_tag=700, prog_ind=3},callID=0x820704FC)
Mar 9 06:30:26.270: cc_api_call_setup_ind type 3 , prot 0
Mar 9 06:30:26.274: cc_process_call_setup_ind (event=0x823D0448)
Mar 9 06:30:26.274: >>>>CCAPI handed cid 2 with tag 700 to app "DEFAULT"
Mar 9 06:30:26.278: sess_appl: ev(24=CC_EV_CALL_SETUP_IND), cid(2), disp(0)
Mar 9 06:30:26.278: sess_appl: ev(SSA_EV_CALL_SETUP_IND), cid(2), disp(0)
Mar 9 06:30:26.278: ssaCallSetupInd
Mar 9 06:30:26.278: ccCallSetContext (callID=0x2, context=0x825A5C7C)
Mar 9 06:30:26.278: ssaCallSetupInd cid(2), st(SSA_CS_MAPPING),oldst(0),
ev(24)ev->e.evCallSetupInd.nCallInfo.finalDestFlag = 0
Mar 9 06:30:26.278: ccCallSetupAck (callID=0x2)
Mar 9 06:30:26.278: ccGenerateTone (callID=0x2 tone=8)
Mar 9 06:30:26.282: ccCallReportDigits (callID=0x2, enable=0x1)
Mar 9 06:30:26.282: cc_api_call_report_digits_done (vdbPtr=0x823F6E70, callID=0x2, disp=0)
Mar 9 06:30:26.282: sess_appl: ev(53=CC_EV_CALL_REPORT_DIGITS_DONE), cid(2), disp(0)
Mar 9 06:30:26.282: cid(2)st(SSA_CS_MAPPING)ev(SSA_EV_CALL_REPORT_DIGITS_DONE)
oldst(SSA_CS_MAPPING)cfid(-1)csize(0)in(1)fDest(0)
Mar 9 06:30:26.282: ssaReportDigitsDone cid(2) peer list: (empty)
Mar 9 06:30:26.282: ssaReportDigitsDone callid=2 Enable succeeded
Mar 9 06:30:26.282: ccGenerateTone (callID=0x2 tone=8)
!--- Router that provides dial tone.