はじめに
このドキュメントでは、Catalyst 9300スイッチスタックの実際の電力消費量を計算する方法について説明します。
前提条件
要件
次の項目に関する知識があることが推奨されます。
- Cisco Catalyst 9300シリーズスイッチのハードウェアアーキテクチャとスタック機能に関する理解
- Cisco IOS XEコマンドラインインターフェイス(CLI)
- Power over Ethernet(PoE)バジェットを含む、LANスイッチングの電源管理コンセプトに関する知識
使用するコンポーネント
このドキュメントの情報は、次のソフトウェアとハードウェアのバージョンに基づいています。
- Cisco Catalyst 9300 シリーズ.
- スタック型スイッチトポロジ
- ソフトウェアバージョン:Cisco IOS XE 17.12.4
このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、クリアな(デフォルト)設定で作業を開始しています。本稼働中のネットワークでは、各コマンドによって起こる可能性がある影響を十分確認してください。
背景説明
Cisco Catalyst 9300スイッチはスタッキングをサポートしているため、複数の物理スイッチを1つの論理ユニットとして動作させることができます。スタック環境で効果的な電源管理を実現することは非常に重要です。特に、Power over Ethernet(PoE)などの機能を使用して、IP電話、ワイヤレスアクセスポイント、カメラなどの接続デバイスに電力を供給する場合には、その重要性が高まります。消費電力のモニタリングにより、ネットワークエンジニアは、スタックが安全かつ効率的な電力バジェット内で動作していることを確認できます。また、冗長性と追加のPoEエンドポイントの計画にも役立ちます。Catalyst 9300には、詳細な電力使用量とスタック単位およびスイッチメンバ単位の割り当てを表示する組み込みCLIコマンドがあります。
問題
目的は、Cisco Catalyst 9300スイッチスタックの総電力消費量を確認することです。ネットワークエンジニアは、システム全体、およびシステムとPoEの両方の負荷を含む個々のスタックメンバーが使用している電力量(ワットまたはミリワット)に関する正確なリアルタイムデータを取得する必要があります。
解決方法
方法1:スタックの電力予算設定情報へのアクセス
このコマンドを使用すると、スタックおよびメンバごとの合計電力、予約電力、割り当て電力、使用可能電力など、スタックの詳細な電力データが表示されます。
Device#show stack-power budgeting
Power Stack Stack Stack Total Rsvd Alloc Sw_Avail Num Num
Name Mode Topolgy Pwr(W) Pwr(W) Pwr(W) Pwr(W) SW PS
-------------------- ------ ------- ------ ------ ------ ------ ----- -----
Powerstack-1 SP-PS Ring 2145 30 729 1386 3 3
Powerstack-2 SP-PS Stndaln 715 0 333 382 1 1
Power Stack PS-A PS-B Power Alloc Poe_Avail Consumd Pwr
SW Name (W) (W) Budgt(W) Power(W) Pwr(W) Sys/PoE(W)
-- -------------------- ----- ----- -------- -------- -------- ------------
1 Powerstack-1 0 715 693 243.0 450.0 74.1/0.0
2 Powerstack-2 0 715 715 333.0 382.0 74.4/33.6
3 Powerstack-1 0 715 712 243.0 469.0 68.9/0.0
4 Powerstack-1 0 715 710 243.0 467.0 68.9/0.0
-- -------------------- ----- ----- -------- -------- -------- ------------
Totals: 1062.0 1768.0 286.4/33.6 <<< The sum of these 2 values is the total power consumed
この出力は、システムの総消費電力を示しています。これは、システムで使用されている総電力(286.4 W)とPoEデバイスで使用されている総電力(33.6 W)です。
これらの値を合計すると、スタック内のすべてのスイッチの実際の電力消費量とPoEデバイスの合計が算出されます。
この例では、320 Wです。
方法2:環境電力出力の詳細にアクセスする
このコマンドを実行すると、スタック内の各電源装置(PSU)の出力電力が表示されます。
Device#show environment all | include POWout
PS2 POWout 1 GOOD 84000 mW na
PS2 POWout 2 GOOD 108000 mW na
PS2 POWout 3 GOOD 62000 mW na
PS2 POWout 4 GOOD 66000 mW na
この出力は、検出された各電源の直流出力(ミリワット)を示します。これらの値を合計すると、スタック内のすべての電源の実際の電力消費量が算出されます。
この場合、320000 mWまたは320 Wです。
注:この記事に示されている値は、電流が交互から直接に変換された後に測定されます。したがって、すべての値は直流消費電力を示しています。変換前に消費電力を測定している場合は、値が異なります。
注:これら2つの方法では、リアルタイムデータを使用して電力消費を取得します。両方を使用する場合は、コマンドを実行する時間によって出力が異なります。
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