C シリーズ サーバの UCSM 統合の設定例

概要

このドキュメントでは、Unified Computing System Manager（UCSM）との C シリーズ統合について説明します。

前提条件

要件

このドキュメントに特有の要件はありません。

使用するコンポーネント

このドキュメントに必要なコンポーネントのリストを以下に示します。

• UCSM リリース 2.0(2) 以降を実行している 2 つのファブリック インターコネクト（FI）（1 つの FI もサポートされる）
• 2 つの Cisco Nexus 2232 ファブリック エクステンダ（FEX）（FI がスタンドアロンの場合は 1 つだけが必要）
• 正しいコード リリースを実行している C シリーズ サーバ。UCSM リリースで実行する正しいリリースを特定するには、次の項を参照してください。
• サーバあたり 2 本ずつの RJ-45 ケーブル（および FEX 側用の 2 つの GLC-T トランシーバ）（FI がスタンドアロンの場合は 1 つ）
• FEX 用の 4 本の 10 GB Small Form-Factor Pluggable（SFP）ケーブルとサーバあたり 2 本ずつの同ケーブル（FI がスタンドアロンの場合は 2 本 + 2 本/サーバ）

注：統合用語では、FEX はブレード シャーシ内の I/O モジュール（IOM）と同じです。

このドキュメントの情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されました。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期（デフォルト）設定の状態から起動しています。対象のネットワークが実稼働中である場合には、どのようなコマンドについても、その潜在的な影響について確実に理解しておく必要があります。

背景説明

C シリーズ統合は、スタンドアロン C シリーズ サーバを UCSM に追加するプロセスを意味し、ブレードのようにそれらのサーバの管理を可能にします。統合すると、サーバ上で UCSM のすべての機能を使用できます。

統合

物理的な接続

このプロセスを開始する前に、C シリーズ サーバ上の Cisco Integrated Management Controller（CIMC）をデフォルトにリセットします。すでに設定されていた場合は、UCSM に正しく参加しません。

物理的な接続をセットアップするために、次の手順を実行します。FEX の任意のポートを使用できます。

1. 2本の10 GBケーブルをFEX AからFI Aに、2本をFEX BからFI Bに接続します。ポートはFI上のサーバポートとして設定する必要があります。
   
   
2. 1 GB ケーブルを FEX のいずれかから Lights Out Management（LOM）ポートのいずれかに接続します。他のケーブルを他の FEX と他の LOM ポートに接続します。
   
   
3. 2 本の 10 GB ケーブルをサーバから FEX に（1 本を FEX A に、もう 1 本を FEX B に）接続します。

完了したら、次の図のようになるはずです。

複数のサーバを統合する場合の図については、『Cisco UCS C シリーズ サーバと Cisco UCS Manager 2.1 との統合』の「デュアルワイヤ管理の設定」の項を参照してください。

UCSM 手順

この時点で、FI ポートがサーバ ポートとして設定されており、FEX で検出できることを確認する必要があります。FEX を独自のシャーシと見なし、ラックマウント サーバをブレードと見なします。

次の点に留意してください。

1. FEX 内の両方の電源装置（PSU）のプラグを差し込んでいない場合は、ファン エラーが発生します。
   
   
2. FEX は、IOM と同じ検出ポリシー設定に従います。ポート チャネリングを設定した場合は、FEX ポートがチャネルを確立します（6200 を使用）。 8 リンクを選択した場合は、検出するために 8 リンクが必要です。
   
   
3. IOM と同様に、接続を変更するには、FEX を確認応答（ACK）する必要があります。IOM とは違って、サービスを中断させることなく、一方の側を ACK してから、もう一方の側を ACK することができます。

リリース 2.1 の C シリーズ統合

Delmar（リリース 2.1(1a)）C シリーズ統合には、いくつかの新しい機能が追加されました。ただし、リリース 2.0(1) から 2.0(2) リリースに移行する場合と違って、以前の C シリーズ統合導入との完全な下位互換性があります。

リリース 2.1(1a) で、Cisco Unified Computing System（UCS）仮想インターフェイス カード（VIC）1225（C シリーズ用 Cisco VIC の第 2 世代）のサポートが導入されました。VIC 1225 は、シングルワイヤ管理とデュアルワイヤ管理の 2 つのモードで動作します。選択したモードに関係なく、1225 を使用するには、リリース 2.1 が必要です。

シングルワイヤ管理

シングルワイヤ管理を使用する場合は、1 本ずつのケーブルを C シリーズ サーバから各 FEX に接続する必要があるだけです。この単一リンクが管理とデータ共有に使用されます。これにより、1 つの 2232 FEX ペア上のサーバ密度が 16 台のサーバから 32 台のサーバに増加します。

要件

• リリース 2.1(1a) 以降を実行してる 2 つの FI（1 つの FI もサポート）
• 2 つの 2232 FEX（スタンドアロン FI を使用する場合は 1 つのみ）
• FEX 用の 4 本の 10 GB SFP ケーブルとサーバあたり 1 本ずつの同ケーブル
• UCS リリース用の正しいコード リリースを実行しているこれらの C シリーズ サーバのいずれか
• 正しい Peripheral Component Interconnect（PCI）スロット内の 1 つの VIC 1225

詳細については、『Cisco UCS C シリーズ サーバと Cisco UCS Manager 2.1 との統合』の「シングルワイヤ管理の設定」の項を参照してください。

配線

次の図のように VIC 1225 と FEX を接続する必要があります（例では C22 を使用）。

この時点で、前の項と同じ手順を実行する必要があります（C シリーズがデフォルトにリセットされており、FEX ポートがサーバ ポートとして設定されていることを確認します）。

サポートされているすべてのサーバの配線例については、『Cisco UCS C シリーズ サーバと Cisco UCS Manager 2.1 との統合』の「シングルワイヤ管理の設定」の項を参照してください。

このドキュメントの後半では、シングルワイヤ管理とデュアルワイヤ管理の違いはありません。

1225 を使用したデュアルワイヤ管理

このモードでは、VIC 1225 が他の 10 GB カードと同様に使用され、サーバはこのドキュメントの最初の項に記載されているように配線されます。統合に 1225 を使用するには、リリース 2.1(1a) 以降を実行する必要があります。リリース 2.1(1a) もリリース 2.0(2) 以降からの C シリーズ統合を完全にサポートし、前述したように、同じセットアップ/設定に従います。

確認

ここでは、設定が正常に機能しているかどうかを確認します。

CLI からのサーバへのアクセス

サーバにアクセスするために使用する CLI コマンドを以下に示します。

• ブレード サーバに到達するには、次のようなコマンドを入力します。
  
  

  scope server x/y

  
  
  このコマンドで、x はシャーシ番号、y はサーバ番号です。
  
  
• ラックマウント サーバに到達するには、次のコマンドを入力します。
  
  

  scope server z

  
  
  このコマンドでは、zはUCSM内のサーバの番号です。
  
  

  

  
  
  

  注：シャーシに到達してからサーバに到達するのではなく、サーバに直接到達します。

  
  
  
• FEX に到達したい場合は、scope iom x/y コマンドの代わりに次のコマンドを入力します。
  
  

  

  
  
  

  注：C シリーズ サーバに P81E/1225 が搭載されている場合は、通常どおり、それに接続して M81KR/1240/1280 上で入力している VIC コマンドのすべてを入力できます。

  
  
  

  

テクニカル サポート ファイル

ラックマウント サーバは、show chassis inventory コマンドでは表示されません。ただし、show server inventory コマンドでは通常どおり表示されます。前と同様に、サーバ番号しか表示されません。

Server 2:
    Name:
    Model: R250-2480805W
    Acknowledged Vendor: Cisco Systems Inc
    Acknowledged Serial (SN): PGS142600C1
    Acknowledged Revision: 0
    Acknowledged Product Name: Cisco UCS C250 M2
    Acknowledged PID: R250-2480805W
    Acknowledged VID: V01

AG では、rack-unit-z の識別子で表示されます。ここで、z はサーバ番号です。

[INFO][0xac05ebb0][Jun  7 05:27:30.697][app_sam_dme:checkCompu] server assigned
dn: sys/rack-unit-2

リリース 2.0(2) 以前の C シリーズ統合

リリース 2.0(2) 以前は、プロセス（およびサポートされる FEX）が若干異なります。下位互換性がないことに注意してください。リリース 2.0(2) より前に統合して、リリース 2.0(2) にアップグレードする場合は、システム全体を変更する必要があります。このドキュメントでは、使用されなくなったこの統合方法については説明しません。

トラブルシュート

この項では、設定のトラブルシューティングについて説明します。

UCSM からの C シリーズ サーバの削除

UCSM から C シリーズ サーバを削除して、スタンドアロンとして設定する必要がある場合は、次の手順を実行します。

1. UCSM 内のサーバを停止します。
2. FEX および FI からサーバへのケーブル接続を解除します。
3. モニタとキーボードのプラグを差し込んで、サーバを再起動します。
4. シスコのスプラッシュ画面が表示されたら、F8 キーをクリックして CIMC 設定に入ります。
5. スタンドアロンにリセットするかどうかを尋ねられたら、CIMC を通常どおり設定することができます。

正しいコード レベルの検索

正しいコード リリースを検索するには、次の 2 段階プロセスを使用する必要があります。

1. 使用するリリース用の C シリーズ バンドルを検索します。
2. そのバンドルに適切な Host Upgrade Utility（HUU）を検索します。

「Cisco Unified Computing System テクニカル リファレンス」ページで、両方の関連文書を参照することができます。

正しいコード リリースを検索するには、次の手順を実行します。

1. 実行しているリリースの B シリーズ マトリックスを開きます。この例ではリリース 2.1(3) を使用します。
   
   

   

   
   
   
2. 最初のページに、実行する C シリーズ コードの正しいリリースに関する文章が表示されます。
   
   

   

   
   
   
3. メインの Web ページに戻り、リリース 1.5(2) のガイドを開いて、使用する正しい HUU を探します。
   
   

   

   
   
   各サーバの正しい HUU を示す表が 2 ページ目に表示されます。
   
   

   

   
   
   この場合は、C200M2 用のリリース 1.4(3u) と C460M1 用のリリース 1.5.2 を使用して、これらのサーバを正しく統合します。

統合された C シリーズの交換

統合された C シリーズ サーバを交換するには、次の手順を実行します。

1. 古いサーバを停止します。
   
   
   
   
2. [Equipment] > [Decommissioned] に移動して、古いサーバを削除します。
   
   
   
   
3. 古いサーバの電源をオフにして、接続を解除します。
4. 交換する C シリーズをスタンドアロンとしてセットアップします。
5. HUU を使用してアップグレード/ダウングレードします。
6. CIMC を工場出荷時のデフォルトにリセットします。
7. 新しいサーバのプラグを差し込んで、電源をオンにします。
8. 間違ったサーバ ID が表示された場合は、そのサーバを停止して、[Decommissioned] タブで数字を変更します。
   
   

検出のトラブルシューティング

検出をトラブルシューティングするには、次の手順を実行します。

1. CIMC を工場出荷時のデフォルトにリセットします（ブート プロセス中に F8 キーをクリックして CIMC にアクセスします）。
   
   
2. BIOS 設定をリセットします。ネットワーク オプション ROM が無効になっている場合は、検出に問題がある可能性があります。
   
   
3. すべてのケーブルがしっかり固定されていることを確認します。ケーブルと FEX 上のポートの組み合わせを変えてみます。
   
   
4. HUU を再起動してファームウェアをフラッシュします。
   
   
5. セキュア シェル（SSH）経由で CIMC に接続し、次のコマンドを入力して、サーバが完全に更新されていることを確認します。
   
   • scope chassis
   • ファームウェアのスコープ
   • update-all
   
   
   
6. FEX を ReACK します（一度に片側しか reACK できないため、他のサーバのダウンタイムは発生しません）。