はじめに
このドキュメントでは、コンフィギュレーション レジスタ(config register)について説明します。
前提条件
要件
このドキュメントに関しては個別の要件はありません。
使用するコンポーネント
このドキュメントは、特定のソフトウェアやハードウェアのバージョンに限定されるものではありません。
本書の情報は、特定のラボ環境にあるデバイスに基づいて作成されたものです。このドキュメントで使用するすべてのデバイスは、初期(デフォルト)設定の状態から起動しています。稼働中のネットワークで作業を行う場合、コマンドの影響について十分に理解したうえで作業してください。
表記法
ドキュメント表記の詳細は、『シスコ テクニカル ティップスの表記法』を参照してください。
コンフィギュレーション レジスタの目的
コンフィギュレーション レジスタを使って、次のルータの動作をさまざまに変更できます。
-
ルータのブート方法(ROMmon、NetBoot への移行)
-
ブート中のオプション(設定の無視、ブート メッセージのディセーブル)
-
コンソール スピード(ターミナル エミュレーション セッションのボーレート)
注:ボーレートがデフォルトのレートと異なる場合、CLIには奇数の文字が表示されます。table1をチェックして、異なるConfreg値のボーレートを設定します。
コンフィギュレーション レジスタは config-register コマンドを使って、コンフィギュレーション モードから設定できます。ROMmon からは、confreg コマンドを使用します。コンフィギュレーション レジスタの現在の設定を表示するには、show version コマンドを実行します。
Router#show version
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) 2500 Software (C2500-JS-L), Version 12.1(5), RELEASE SOFTWARE (fc1)
Copyright (c) 1986-2000 by cisco Systems, Inc.
Compiled Wed 25-Oct-00 05:18 by cmong
Image text-base: 0x03071DB0, data-base: 0x00001000
ROM: System Bootstrap, Version 5.2(8a), RELEASE SOFTWARE
BOOTFLASH: 3000 Bootstrap Software (IGS-RXBOOT), Version 10.2(8a),
RELEASE SOFTWARE (fc1)
Router uptime is 7 minutes
System returned to ROM by reload
System image file is "flash:c2500-js-l_121-5.bin"
cisco 2500 (68030) processor (revision D) with 16384K/2048K bytes of memory.
Processor board ID 03867477, with hardware revision 00000000
Bridging software.
X.25 software, Version 3.0.0.
SuperLAT software (copyright 1990 by Meridian Technology Corp).
TN3270 Emulation software.
1 Token Ring/IEEE 802.5 interface(s)
2 Serial network interface(s)
32K bytes of non-volatile configuration memory.
16384K bytes of processor board System flash (Read ONLY)
Configuration register is 0x2102
コンフィギュレーションレジスタの工場出荷時設定は0x2102です。これは、ルータがフラッシュメモリからCisco IOS®ソフトウェアイメージをロードし、9600ボーのコンソール速度でスタートアップコンフィギュレーションをロードすることを示します。
コンフィギュレーション レジスタの値とその意味
configreg
コンフィギュレーション レジスタの値がわかっている場合、その意味を特定できます。今後予想される問題や修正など、コンフィギュレーションレジスタの設定の意味については、show versionコマンドまたはshow tech-supportコマンドの出力を収集し、Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)ツールに入力します。Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)を使用するには、登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。
次表には、ほとんどのプラットフォームで有効な一般的な設定が記載されています。
注:ルータ上のコンフィギュレーション レジスタをこの表のいずれかの値に変更する前に、該当するハードウェア インストール ガイドを調べて、コンフィギュレーション レジスタを使用できることを確認してください。
コンフィギュレーション レジスタの設定 |
ルータの動作 |
0x102 |
|
0x1202 |
|
0x2101 |
- ブートストラップへのブート
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 9600 コンソール ボーレート
|
0x2102 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 9600 コンソール ボーレート(ほとんどのプラットフォームのデフォルト値)
|
0x2120 |
- ROMmon へのブート
- 19200 コンソール スピード
|
0x2122 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 19200 コンソール ボーレート
|
0x2124 |
- NetBoot
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 19200 コンソール スピード
|
0x2142 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 9600 コンソール ボーレート
- Non-Volatile RAM(NVRAM; 不揮発性 RAM)の内容の無視(設定の無視)
|
0x2902 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 4800 コンソール ボーレート
|
0x2922 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 38400 コンソール ボーレート
|
0x3122 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 57600 コンソール ボーレート
|
0x3902 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 2400 コンソール ボーレート
|
0x3922 |
- ブレークの無視
- 初期ブートが失敗した場合は ROM へのブート
- 115200 コンソール ボーレート
|
コンフィギュレーション レジスタに設定されている値が表に記述されていない場合、値を算出するにはどのビットが設定されているかを特定します。
ビット番号 |
16進数 |
意味 |
00~03 |
0x0000~0x000F |
フィールドパラメータの起動:
- 0x0000:システムブートストラッププロンプトのままになります。
- 0x0001:オンボードフラッシュメモリ(EPROM)の最初のシステムイメージをブートします。
- 0x0002-0x000F:デフォルトのnetbootファイル名を指定します。デフォルトのnetbootファイル名を上書きするboot systemコマンドを有効にします。
|
06 |
0x0040 |
|
07 |
0x0080 |
|
08 |
0x0100 |
|
09 |
0x0200 |
- システムにセカンダリブートストラップを使用させる。これは通常は使用されません(0に設定)。
|
10 |
0x0400 |
|
5,11,12 |
0x0020, 0x0800, 0x1000 |
|
13 |
0x2000 |
- ネットワーク ブートが失敗した場合は、デフォルト ROM ソフトウェアのブート
|
14 |
0x4000 |
|
15 |
0x8000 |
- 診断メッセージのイネーブル
- NVRAM の内容の無視
|
コンフィギュレーション レジスタの問題のトラブルシューティング
コンフィギュレーション レジスタの設定が不適切な場合、次に示すようなさまざまな問題が発生する可能性があります。
これらの問題を解決するには、コンフィギュレーション レジスタを適切な設定(工場出荷時のデフォルト値 0x2102 など)に変更します。
コンフィギュレーション レジスタの値がわからない場合のトラブルシューティング
コンフィギュレーションレジスタの値がわからない場合は、ルータとのTelnetまたはコンソールセッションの確立を試みます。次に show version 出力を確認して、コンフィギュレーション レジスタの値を特定します。
Router#show version
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) 2500 Software (C2500-JS-L), Version 12.1(5), RELEASE SOFTWARE (fc1)
Copyright (c) 1986-2000 by cisco Systems, Inc.
Compiled Wed 25-Oct-00 05:18 by cmong
Image text-base: 0x03071DB0, data-base: 0x00001000
ROM: System Bootstrap, Version 5.2(8a), RELEASE SOFTWARE
BOOTFLASH: 3000 Bootstrap Software (IGS-RXBOOT), Version 10.2(8a), RELEASE SOFTWARE (fc1)
Router uptime is 7 minutes
System returned to ROM by reload
System image file is "flash:c2500-js-l_121-5.bin"
cisco 2500 (68030) processor (revision D) with 16384K/2048K bytes of memory.
Processor board ID 03867477, with hardware revision 00000000
Bridging software.
X.25 software, Version 3.0.0.
SuperLAT software (copyright 1990 by Meridian Technology Corp).
TN3270 Emulation software.
1 Token Ring/IEEE 802.5 interface(s)
2 Serial network interface(s)
32K bytes of non-volatile configuration memory.
16384K bytes of processor board System flash (Read ONLY)
Configuration register is 0x2142
コンソール セッションが確立できない場合や、意味不明の文字しか表示されない場合は、ルータとターミナル エミュレーション ソフトウェア間の速度の不一致が原因と考えられます。ターミナル エミュレーション ソフトウェアのボーレートを変更してください。可能な設定は、1200、2400、4800、9600、19200、38400、57600、および115200です。セッションを確立したら、show versionコマンド設定を決定します。ルータが ROMmon モードの場合、boot コマンドを実行して、オペレーティング システムを手動でブートします。今後予想される問題や修正など、コンフィギュレーションレジスタの設定の意味については、show versionコマンドまたはshow tech-supportコマンドの出力を収集し、Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)ツールに入力します。Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)を使用するには、登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。
コンフィギュレーション レジスタの値がわかっている場合のトラブルシューティング
コンフィギュレーション レジスタの値がわかっている場合は、「コンフィギュレーション レジスタの値とその意味」の表を使って、動作を特定します。今後予想される問題や修正など、コンフィギュレーションレジスタの設定の意味については、show versionコマンドまたはshow tech-supportコマンドの出力を収集し、Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)ツールに入力します。Cisco CLI Analyzer(登録ユーザ専用)を使用するには、登録ユーザとしてログインし、JavaScriptを有効にしている必要があります。Telnet を介してルータにアクセスできる場合は、ルータとのセッションを確立します。そうでない場合は、コンソール セッションを確立するためのコンフィギュレーション レジスタ設定で指示されているボーレートに、使用しているターミナル エミュレーション プログラムを設定します。
コンフィギュレーション レジスタの設定
「コンフィギュレーション レジスタの値とその意味」の表を使って、目的のコンフィギュレーション レジスタの設定(通常は 0x2102)を判別します。
設定モードからのコンフィギュレーション レジスタの設定
コンフィギュレーション レジスタを設定するには、config-register コマンドを発行します。
Router#configure terminal
Enter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.
Router(config)#config
Router(config)#config-register 0x2102
Router(config)#end
Router#show version
Cisco Internetwork Operating System Software
IOS (tm) 2500 Software (C2500-JS-L), Version 12.1(5), RELEASE SOFTWARE (fc1)
Copyright (c) 1986-2000 by cisco Systems, Inc.
Compiled Wed 25-Oct-00 05:18 by cmong
Image text-base: 0x03071DB0, data-base: 0x00001000
ROM: System Bootstrap, Version 5.2(8a), RELEASE SOFTWARE
BOOTFLASH: 3000 Bootstrap Software (IGS-RXBOOT), Version 10.2(8a),
RELEASE SOFTWARE (fc1)
Router uptime is 11 minutes
System returned to ROM by reload
System image file is "flash:c2500-js-l_121-5.bin"
cisco 2500 (68030) processor (revision D) with 16384K/2048K bytes of memory.
Processor board ID 03867477, with hardware revision 00000000
Bridging software.
X.25 software, Version 3.0.0.
SuperLAT software (copyright 1990 by Meridian Technology Corp).
TN3270 Emulation software.
1 Token Ring/IEEE 802.5 interface(s)
2 Serial network interface(s)
32K bytes of non-volatile configuration memory.
16384K bytes of processor board System flash (Read ONLY)
Configuration register is 0x2142 (will be 0x2102 at next reload)
ルータのリロードが終了すると、コンフィギュレーション レジスタの新しい設定がアクティブになります。
Router#reload
System configuration has been modified. Save? [yes/no]: n
Proceed with reload? [confirm]
ROMmon からのコンフィギュレーション レジスタの設定
ルータが ROMmon モードの場合は、confreg コマンドを使ってコンフィギュレーション レジスタを設定します。
rommon 1 >confreg 0x2102
新しいコンフィギュレーション レジスタを有効にするには、リセットまたは電源のオフ→オンを実行する必要があります。
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