Critical
Critical
日本語による情報は、英語による原文の非公式な翻訳であり、英語原文との間で内容の齟齬がある場合には、英語原文が優先します。
概要
Cisco Secure Firewall 適応型セキュリティアプライアンス(ASA)ソフトウェア、Cisco Secure Firewall Threat Defense(FTD)ソフトウェア、Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XE ソフトウェア、および Cisco IOS XR ソフトウェアの Web サービスにおける脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者(Cisco ASA および FTD ソフトウェア)またはユーザー権限の低い認証されたリモートの攻撃者(Cisco IOS、IOS XE、および IOS XR ソフトウェア)が該当デバイスで任意のコードを実行できる可能性があります。
この脆弱性は、HTTP リクエストでのユーザー入力の検証が不適切なことに起因します。攻撃者は、システムに関する追加の情報を取得した後、エクスプロイトの緩和策を切り抜けた後、またはその両方で、巧妙に細工された HTTP リクエストを該当デバイス上の対象の Web サービスに送信することにより、この脆弱性をエクスプロイトする可能性があります。エクスプロイトに成功すると、攻撃者は任意のコードをルートとして実行できるようになり、該当デバイスが完全に侵害される可能性があります。
この脆弱性の詳細については、このアドバイザリの「詳細情報」のセクションを参照してください。
シスコでは、この脆弱性に対処するソフトウェアアップデートを提供しており、修正済みのソフトウェアリリースにアップグレードすることを強くお勧めします。この脆弱性に対処する回避策はありません。
このアドバイザリは、次のリンクより確認できます。
https://sec.cloudapps.cisco.com/security/center/content/CiscoSecurityAdvisory/cisco-sa-http-code-exec-WmfP3h3O
このアドバイザリに記載されている脆弱性の詳細については、『Cisco Event Response: Continued Attacks Against Cisco Firewall Platforms』を参照してください。
該当製品
脆弱性のある製品
本脆弱性は、以下のシスコ製品に影響します。
- 次の表に記載されている脆弱性のある設定を 1 つ以上含む Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアおよび Cisco Secure FTD ソフトウェア。(CSCwo18850)
- リモートアクセス SSL VPN 機能が有効になっている IOS ソフトウェア。(CSCwo35704)
- リモートアクセス SSL VPN 機能が有効になっている IOS XE ソフトウェア。(CSCwo35704、CSCwo35779)
- HTTP サーバーが有効になっている Cisco ASR 9001 ルータ上で実行されている IOS XR ソフトウェア(32 ビット)。(CSCwo49562)
脆弱性が存在する Cisco ソフトウェアリリースについては、このアドバイザリの「修正済みソフトウェア」セクションを参照してください。
デバイス設定の確認
デバイスの設定に脆弱性があるかどうかを確認するには、以下のソフトウェア固有のセクションを参照してください。
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェア
次の表では、左列に潜在的脆弱性のある Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアの機能を記載しています。また右の列には、show running-config CLI コマンドで判断可能な、この機能の基本設定を示します。これらの機能により、SSL リスニングソケットが有効になる可能性があります。
| Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアの機能 | 脆弱性の可能性がある設定 |
|---|---|
| モバイル ユーザ セキュリティ(MUS) |
webvpn |
| SSL VPN |
webvpn |
Cisco Secure Firewall FTD ソフトウェア
次の表では、左列に潜在的脆弱性のある Cisco Secure Firewall FTD ソフトウェアの機能を記載しています。また右の列には、show running-config CLI コマンドで判断可能な、この機能の基本設定を示します。これらの機能により、SSL リスニングソケットが有効になる可能性があります。
| Cisco Secure FTD ソフトウェアの機能 | 脆弱性の可能性がある設定 |
|---|---|
| AnyConnect SSL VPN |
webvpn |
リモートアクセス VPN 機能は、Cisco Secure Firewall Management Center(FMC)ソフトウェアで [デバイス(Devices)] > [VPN] > [リモートアクセス(Remote Access)] の順に選択するか、Cisco Secure Firewall Device Manager(FDM)で [デバイス(Device)] > [リモートアクセスVPN(Remote Access VPN)] の順に選択すると有効になります。
Cisco IOS ソフトウェア
リモートアクセス SSL VPN 機能が有効になっているかどうかを判断するには、show running-config | section webvpn CLI コマンドを使用します。次の例に示すように、別の行にコマンド inservice を含む出力をデバイスが返す場合、リモートアクセス SSL VPN が設定されており、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
Router# show running-config | section webvpn
webvpn gateway ssl-vpn
ip address 192.168.100.1 port 443
ssl trustpoint WebVPN-TP
inservice
!
Router#
Cisco IOS XE ソフトウェア
リモートアクセス SSL VPN 機能が有効になっているかどうかを判断するには、show running-config | section crypto ssl policy CLI コマンドを使用します。次の例に示すように、別の行にコマンド shutdown が含まれていないポリシーをデバイスが返す場合、リモートアクセス SSL VPN が設定されており、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
Router#show running-config | section crypto ssl policy
crypto ssl policy policy1
ssl proposal proposal1
pki trustpoint TP-self-signed-1057422294 sign
ip address local 10.0.0.1 port 443
Router#
Cisco IOS XR ソフトウェア
Cisco IOS XR ソフトウェアが 32 ビットかどうかを確認するには、run uname -s CLI コマンドを使用します。そのコマンドの出力に QNX が含まれている場合、デバイスは 32 ビットベースです。64 ビットベースのシステムには Linux が含まれます。
次に、32 ビットデバイスでの run uname -s コマンドの出力例を示します。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR-9001#run uname -s
Mon Sep 8 13:17:27.464 UTC
QNX
RP/0/RSP0/CPU0:ASR-9001#
run uname -s コマンドで出力 Linux が返される場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。ただし、コマンドで出力 QNX が返される場合、HTTP サーバーが有効になっているデバイスはこの脆弱性の影響を受ける可能性があります。
注:32 ビットと 64 ビットの Cisco IOS XR ソフトウェアの詳細については、『Difference Between Cisco IOS XR 32-bit and 64-bit OS』を参照してください。
HTTP 機能が有効になっているかどうかを判断するには、show running-config | include http server CLI コマンドを使用します。次の例に示すように、そのコマンドから出力が返される場合、HTTP サーバーが有効になっており、デバイスはこの脆弱性の影響を受ける可能性があります。
RP/0/RSP0/CPU0:ASR-9001#show running-config | include http server
Mon Sep 8 11:57:45.667 UTC
Building configuration...
http server
RP/0/RSP0/CPU0:ASR-9001#
show running-config | include http server コマンドで空の出力が返される場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けません。
run uname -s command returns QNX および show running-config | include http server コマンドで出力が返される場合、デバイスはこの脆弱性の影響を受けます。
脆弱性を含んでいないことが確認された製品
このアドバイザリの脆弱性のある製品セクションにリストされている製品だけがこの脆弱性の影響を受けることが知られています。
シスコは、この脆弱性が Cisco NX-OS ソフトウェアには影響を与えないことを確認しました。
詳細
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアおよび Cisco Secure Firewall FTD ソフトウェア
Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアと Cisco Secure FTD ソフトウェアの Web サービスにおける脆弱性により、認証されていないリモートの攻撃者が該当デバイスで任意のコードを実行できる可能性があります。
セキュリティ影響評価(SIR):致命的
CVSS ベーススコア:9
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:N/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
Cisco IOS、IOS XE、および IOS XR ソフトウェア
Cisco IOS ソフトウェア、Cisco IOS XE ソフトウェア、および Cisco IOS XR ソフトウェアの Web サービスにおける脆弱性により、認証された権限の低いリモートの攻撃者が該当デバイスで任意のコードを実行できる可能性があります。
セキュリティ影響評価(SIR):高
CVSS ベーススコア:8.5
CVSS ベクトル:CVSS:3.1/AV:N/AC:H/PR:L/UI:N/S:C/C:H/I:H/A:H
回避策
この脆弱性に対処する回避策はありません。
修正済みソフトウェア
シスコでは、回避策や緩和策は、修正済みソフトウェアリリースへのアップグレードが利用可能になるまでの一時的な解決策であると考えています。この脆弱性を完全に修正し、本アドバイザリに記載されているような将来のリスクを回避するために、シスコでは、本アドバイザリに記載されている修正済みソフトウェアにアップグレードすることを強く推奨します。
Cisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.12および9.14
Cisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.12または9.14を実行している次のCisco ASA 5500-Xシリーズモデルでは、隠しコマンドであるCisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.12.4.72または9.14.4.28を使用します。その他すべてのプラットフォームでは、Cisco Software Checkerを使用して、最初の修正済みリリースを確認します。
- 5512-Xおよび5515-X:サポート終了日:2022年8月31日
- 5525-X、5545-X、および5555-X – サポート終了日:2025年9月30日
- 5585-X – サポート終了日:2023年5月31日
Cisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.12.4.72は、Cisco Software Download Centerから入手できます。
Cisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.14.4.28は、Cisco Software Download Centerから入手できます。
これらは、Cisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.12および9.14の最終リリースです。
Cisco Secure Firewall ASA、Cisco Secure FMC、Cisco Secure FTD の各ソフトウェア
お客様が Cisco Secure Firewall ASA、Cisco Secure FMC、Cisco Secure FTD の各ソフトウェアにおける脆弱性のリスクの有無を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。 また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。または、次のフォームを使用して、特定のソフトウェアリリースに影響を及ぼす脆弱性を検索します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。すべてのアドバイザリ、セキュリティへの影響の評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、またはこのアドバイザリのみを選択します。
- 該当するソフトウェアを選択します。
- 該当するプラットフォームを選択します。
- リリース番号を入力します。たとえば、Cisco Secure Firewall ASA ソフトウェアの場合は 9.20.3.4、Cisco Secure FTD ソフトウェアの場合は 7.4.2 と入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
Cisco IOS および IOS XE ソフトウェア
お客様が Cisco IOS および IOS XE ソフトウェアの脆弱性による侵害の可能性を判断できるように、シスコは Cisco Software Checker を提供しています。このツールを使うことで、特定のソフトウェアリリースに関連するすべてのシスコ セキュリティ アドバイザリを検索でき、それぞれのアドバイザリで言及された脆弱性を修正した最初のリリース(「First Fixed」)を特定できます。 また、該当する場合には、Software Checker により判別されたすべてのアドバイザリに記載のすべての脆弱性が修正された最初のリリース(「Combined First Fixed」)を特定できます。
このツールを使用するには、「Cisco Software Checker」ページの手順に従います。あるいは、次のフォームを使用して、シスコ セキュリティ アドバイザリに該当するリリースであるかどうかを確認します。このフォームを使用するには、次の手順に従います。
- ツールで検索するアドバイザリを選択します。このアドバイザリのみ、セキュリティ影響評価(SIR)が「重大」または「高」のアドバイザリのみ、すべてのアドバイザリのいずれかです。
- リリース番号(例:15.9(3)M2、17.3.3)を入力します。
- [チェック(Check)] をクリックします。
Cisco IOS XR ソフトウェア
次の表では、1 列目にシスコソフトウェアリリースまたはトレインを記載しています。2 列目は、影響を受けるプラットフォームを示しています。3 列目は、影響を受けるアーキテクチャを示しています。右側の列は、このアドバイザリに記載されている脆弱性の影響を受けるリリース(トレイン)の修正を要求する方法を示しています。
| Cisco IOS XR ソフトウェア リリース | Platform | アーキテクチャ | SMU 名 |
| 6.8 | ASR 9001 | 32 ビット | 適切なサポート部門に連絡し、SMU を要求します。 |
| 6.9 | ASR 9001 | 32 ビット | 適切なサポート部門に連絡し、SMU を要求します。 |
シスコの Product Security Incident Response Team(PSIRT; プロダクト セキュリティ インシデント レスポンス チーム)は、このアドバイザリに記載されている該当するリリース情報と修正済みリリース情報のみを検証します。
不正利用事例と公式発表
Cisco PSIRT では、本アドバイザリに記載されている脆弱性の不正利用事例やその公表は確認しておりません。
出典
この脆弱性は、Cisco TAC サポートケースの解決中に、Cisco Advanced Security Initiatives Group(ASIG)の Keane O'Kelley によって発見されました。
今回の調査にご協力いただきました、次の機関に感謝申し上げます。
- オーストラリア信号総局のオーストラリア サイバーセキュリティ センター
- カナダ通信保安局の下部組織であるカナダ サイバーセキュリティ センター
- 英国国家サイバーセキュリティ センター(NCSC)
- 米国サイバーセキュリティ インフラストラクチャ セキュリティ庁(CISA)
URL
改訂履歴
| バージョン | 説明 | セクション | ステータス | 日付 |
|---|---|---|---|---|
| 1.1 | Cisco Secure Firewall ASAソフトウェアリリース9.12および9.14の最初の修正リリースに関する情報を追加。 | 修正済みソフトウェア | Final | 2025年11月6日 |
| 1.0 | 初回公開リリース | — | Final | 2025 年 9 月 25 日 |
利用規約
本アドバイザリは無保証のものとしてご提供しており、いかなる種類の保証も示唆するものではありません。 本アドバイザリの情報およびリンクの使用に関する責任の一切はそれらの使用者にあるものとします。 また、シスコは本ドキュメントの内容を予告なしに変更したり、更新したりする権利を有します。
本アドバイザリの記述内容に関して情報配信の URL を省略し、単独の転載や意訳を施した場合、当社が管理した情報とは見なされません。そうした情報は、事実誤認を引き起こしたり、重要な情報が欠落していたりする可能性があります。 このドキュメントの情報は、シスコ製品のエンドユーザを対象としています。