データ シートCisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチ製品の概要Cisco® Catalyst® 3560 シリーズは、エンタープライズクラスの固定構成スイッチ シリーズで、ファスト イーサネット/ギガビット イーサネット構成では IEEE 802.3af およびシスコ先行標準の Power over Ethernet(PoE)機能を備えています。Cisco Catalyst 3560 は、小規模なエンタープライズ向けの LAN アクセス、またはブランチ オフィスなどの環境に適した理想的なアクセス レイヤ スイッチで、IP テレフォニー、ワイヤレス アクセス、監視カメラ、ビル管理システム、リモート キオスクなどの新しい製品やアプリケーションを展開しながら、10/100/1000 と PoE 構成の両方がサポートされているために最大限の生産性と投資保護を実現します。お客様は、従来の簡単な LAN スイッチングを保持しながら、高度な QoS(Quality of Service)、レート リミット、Access Control List(ACL; アクセス コントロール リスト)、マルチキャスト管理、高性能な IP ルーティングなど、ネットワーク全体にインテリジェントなサービスを展開できます。Cisco Network Assistant は、シスコのスイッチ、ルータ、およびワイヤレス アクセス ポイントの管理タスクを簡素化する無償アプリケーションで、Cisco Catalyst 3560 シリーズにも対応しています。Cisco Network Assistant には設定ウィザードが用意されており、統合型ネットワークやインテリジェント ネットワーク サービスを簡単に実装できます。 Cisco Catalyst 3560 は、大規模かつスケーラブルなネットワーク環境を可能にする Cisco Catalyst スイッチ ファミリに属しています。Cisco Catalyst スイッチ ファミリには、Cisco Catalyst 3560 のほかにも、Cisco Catalyst 3560-E シリーズ スイッチ、Cisco StackWise™ テクノロジー対応の Cisco Catalyst 3750 および 3750-E シリーズ スイッチ、モジュラ型の Cisco Catalyst 4500 および Catalyst 6500 スイッチなどがあります。これらのスイッチは、Cisco IOS® ソフトウェアを基盤とし、製品ファミリ全体で、業界トップのアベイラビリティ、統合されたセキュリティ、最適な展開、および管理性を実現します。 構成Cisco Catalyst 3560 シリーズは、次のスイッチで構成されます(図 1 を参照)。 ![]() 図 1 Cisco Catalyst 3560 スイッチ
Cisco Catalyst 3560 シリーズは、IP Base ライセンスまたは IP Services ライセンスを事前にインストールした状態で購入できます。IP Base ライセンスは、高度な QoS(Quality of Service)、レート制限、ACL、基本的なスタティック ルーティングと Routing Information Protocol(RIP)によるルーティング機能などを提供します。IP Services ライセンスは、高度なハードウェアベースの IPv6 ユニキャストおよびマルチキャスト ルーティング、ポリシーベース ルーティング(PBR)などの豊富なエンタープライズクラスの機能を提供します。IP Services ライセンスを購入すれば、Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチをアップグレードして、IPv6 ルーティングにも対応できるようになります。スイッチを IP Base ライセンスから IP Services ライセンスにアップグレードする場合は、アップグレード ライセンスを使用できます。 SFP ベースの GE ポートには、Cisco 1000BASE-T、1000BASE-SX、1000BASE-LX、1000BASE-ZX、および CWDM SFP トランシーバなど、一連の SFP トランシーバを装着できます。また、これらのポートでは Cisco Catalyst 3560 SFP 相互接続ケーブルがサポートされているため、ギガビット イーサネットのポイントツーポイント接続を低コストで確立できます。 Power Over Ethernet(PoE)Cisco Catalyst 3560 シリーズによって、Cisco IP Phone、Cisco Aironet® WLAN(ワイヤレス LAN)アクセス ポイント、または IEEE 802.3af に準拠したエンド デバイスの導入に必要な Total Cost of Ownership(TCO; 総所有コスト)を抑えることができます。Cisco Catalyst 3560 シリーズの PoE 機能により、各 PoE 対応装置へ接続する際の壁面コンセントが不要となり、IP フォンや WLAN の配置に必要となる追加の電源ケーブルのためのコストが削減されます。Cisco Catalyst 3560 の 8 ポート PoE および 24 ポート PoE 構成では、PoE が供給可能な最大 15.4 W で 8 および 24 の PoE ポートを同時にサポートし、受電装置への電源を最大限供給します。Cisco Catalyst 3560 の 12 ポート PoE 構成では、15.4 W で 8 ポート、10 W で 12 ポート、またはその間の任意の組み合わせをサポートします。また、48 ポート PoE 構成では、Cisco Catalyst Intelligent Power Management を利用することで、15.4 W で 24 ポート、7.7 W で 48 ポート、またはその間の任意の組み合わせをサポートするために必要な電力を供給できます。Cisco Catalyst 3560 スイッチと Cisco RPS 2300 冗長電源システムを組み合わせて使用することにより、内部電源装置の障害時にシステムを透過的に保護できます。さらにまた、Uninterruptible Power Supply(UPS; 無停電電源装置)システムを組み合わせて使用すれば、停電に対処することができます。これによって、音声およびデータの統合型ネットワークで使用する最大電力を確保することができます。 ギガビット イーサネットギガビット イーサネットは、1,000 Mbps という帯域幅を提供することにより、新たなネットワークの需要を満たし、ボトルネックを緩和してパフォーマンスを向上させるとともに、既存インフラストラクチャに対する投資収益率を高めます。現在、企業では、複数のアプリケーションを同時に実行する必要があるため、ネットワークに対する要件が高まっています。たとえば、ある従業員は、IP ビデオ会議を通じてチームの電話会議に参加し、10 MB のスプレッドシートをミーティング参加者に送信し、最新のマーケティング ビデオをブロードキャストしてチーム内で評価し、Customer Relationship Management(CRM)データベースに問い合わせて最新のリアルタイムのフィードバックを入手したりする場合が考えられます。また、これと同時に、マルチギガバイトのシステム バックアップをバックグラウンドで起動したり、最新のウイルス更新をクライアントに配布したりする場合もあります。Cisco Catalyst 3560 は、既存のカテゴリ 5 銅線ケーブルによってネットワークを 100 Mbps 以上にインテリジェントに拡大すると同時に、PoE をサポートする手段を提供し、最大限の生産性と投資保護を実現します。 ネットワークにおけるインテリジェンス現在のネットワークは、ネットワーク エッジにおける次の 4 つの新たな展開に対処するために進化を続けています。
このような新たな要求により、多くの既存のミッション クリティカルなアプリケーションとの間でリソースの競合が発生しています。その結果、IT 技術者は、情報やアプリケーションの配信を効果的に管理するために、ネットワークエッジを重要視しなければならなくなっています。 戦略的なビジネス インフラストラクチャとして企業がネットワークへの依存度を高めるにつれ、優れたアベイラビリティ、セキュリティ、スケーラビリティ、および制御を確保することが、これまで以上に重要になっています。お客様は、シスコのインテリジェント機能を LAN アクセスに追加することで、このような要求に対処するインテリジェントなサービスをネットワーク全体に展開し、デスクトップからコア、さらには WAN 全体にわたる一貫した対応が可能となります。 Cisco Catalyst インテリジェント イーサネット スイッチは、企業がネットワークにインテリジェントなサービスを追加して、最大の利益を実現できるようにします。ネットワーク インフラストラクチャに、時間的な制約を満たすためのハイ アベイラビリティ、成長に対応するためのスケーラビリティ、機密情報を保護するためのセキュリティ、およびトラフィックフローの差別化と制御を実現するための機能を導入することは、ネットワーク運用を最適化していくうえで必要不可欠です。 Cisco EnergyWise テクノロジーCisco EnergyWise は Cisco Catalyst 3560 スイッチに追加された画期的なアーキテクチャです。企業のインフラストラクチャ全体の電力消費量を削減することによって、全社的な持続可能性を推進し、世界中のビル設備で排出される温室効果ガスの総量の 50% 以上に効果を及ぼします。これは、IT 業界が排出する温室効果ガスの 2% をはるかに上回っています。企業は、Cisco EnergyWise を利用して、ネットワーク インフラストラクチャとネットワーク接続デバイスの電力消費量を測定し、特定のポリシーに従って管理できるようになります。消費電力が削減されることによって、コストの節約が可能になります。電源を必要とするすべてのデバイスが影響を受ける可能性があります。 EnergyWise はきわめてインテリジェントなネットワークベースのアプローチにより、ネットワーク デバイスとエンドポイント間の電力消費量を測定および制御するメッセージを送信します。ネットワークを利用することによって、Cisco EnergyWise で管理可能なネットワーク上のデバイスを検出し、それらの電力消費量を監視し、ビジネス ルールに従って消費電力を削減する処理を実施します。EnergyWise では独自のドメインネーミング システムを採用し、大量のデバイス セットの情報を照会して集約します。これによって、ネットワーク管理が従来よりもシンプルになります。Cisco EnergyWise の管理インターフェイスでは、ネットワークをユニファイド ファブリックとして使用し、設備およびネットワーク管理アプリケーションでエンドポイントが相互に通信できます。この管理インターフェイスは、シスコとサードパーティの管理システムを統合するために、標準の SNMP または SSL を使用します。 このネットワークが Cisco EnergyWise によって、あらゆるデバイスの電力消費の情報を収集、管理、および削減する電源コントロール プレーンのプラットフォームとして機能拡張され、その結果、全社で最適化された電力を供給し、電力料金を削減することができます。 セキュリティの拡張Cisco Catalyst 3560 シリーズが提供するさまざまなセキュリティ機能により、企業は、重要な情報の保護、不正ユーザによるネットワークへのアクセスの回避、プライバシの保護、および中断のないシステム運用が可能となります。 Cisco Identity Based Networking Services(IBNS)により、認証、アクセス制御、およびセキュリティ ポリシー管理を行い、ネットワークの接続とリソースを保護します。Catalyst 3560 シリーズの Cisco IBNS により、不正アクセスを回避し、ユーザが指定された権限のみを取得できるようにします。IBNS は、ネットワーク アクセスをきめ細かくダイナミックに管理できるようにします。802.1X 標準および Cisco Access Control Server(ACS)を使用すると、ユーザがネットワークに接続する場所に関係なく、認証時に VLAN(仮想 LAN)または ACL をユーザに割り当てることができます。この設定により、IT 部門は、ユーザの移動性を損なわずに強力なセキュリティ ポリシーを実現し、管理上の負担も最小限に抑えることができます。 DoS 攻撃(サービス拒絶攻撃)やその他の攻撃から保護するために、ACL を使用して、送信元/宛先 MAC アドレス、IP アドレス、または TCP/UDP ポートに基づいてパケットを拒否することで、ネットワークの機密部分へのアクセスを制限できます。ACL の参照はハードウェアで行われるため、ACL ベースのセキュリティを実装しても、パフォーマンスは低下しません。 ポート セキュリティを使用すると、接続する装置の MAC アドレスに基づいてイーサネット ポートへのアクセスを制限できます。ポート セキュリティによって、スイッチ ポートに接続する装置の合計数も制限できるため、MAC フラッディング攻撃からスイッチを保護するとともに、不正なワイヤレス アクセス ポイントやハブによるリスクを緩和できます。 DHCP スヌーピングにより、信頼できないユーザ側に面したポートから DHCP 要求のみを許可する(応答は許可しない)ことで、DHCP スプーフィングを阻止できます。DHCP Interface Tracker(オプション 82)では、ホスト IP アドレス要求にスイッチ ポート ID を追加することで、IP アドレスの割り当てをきめ細かく制御できます。また、DHCP スヌーピング機能を利用すれば、ダイナミック ARP インスペクションと IP ソース ガードを使用して、IP アドレスのスプーフィングを阻止できます。 MAC アドレス通知機能を使用して、ユーザがいつどこでネットワークに接続したかがネットワーク管理者にわかるように、管理ステーションにアラートを送信できます。これにより、ネットワークをモニタして、ユーザを追跡できます。プライベート VLAN 機能は、スイッチ上のポートを隔離し、仮想パスを介してエントリ ポイントから集約装置に直接トラフィックを送信し、別のポートに接続できないようにします。 Secure Shell(SSH)Protocol Version 2、Kerberos、および Simple Network Management Protocol(SNMP; 簡易ネットワーク管理プロトコル)バージョン 3(SNMPv3)は、管理情報やネットワーク管理情報を暗号化して、改ざんや傍受からネットワークを保護します。TACACS+ または RADIUS 認証により、スイッチへのアクセスを一元管理して、不正ユーザが設定を変更できないようにします。また、ローカル ユーザ名およびパスワード データベースをスイッチ自体で設定することもできます。スイッチ コンソールに設定された 15 種類の許可レベル、および Web ベースの管理インターフェイスに設定された 2 種類のレベルにより、各管理者に個別の設定レベルを与えることができます。 アベイラビリティとスケーラビリティCisco Catalyst 3560 シリーズは、IP ルーティングにおけるネットワークのスケーラビリティとより優れたアベイラビリティを実現するための安定したフィーチャ セットを備えるとともに、Spanning-Tree Protocol(STP; スパニングツリー プロトコル)拡張機能を完全にサポートすることによって、レイヤ 2 ネットワークにおけるアベイラビリティを最大限に確保します。 Cisco Catalyst 3560 スイッチは、パフォーマンスの高いハードウェアベースの IP ルーティングを提供します。Cisco Express Forwarding(CEF)ベースのルーティング アーキテクチャにより、スケーラビリティおよびパフォーマンスが向上します。このアーキテクチャでは、将来のニーズに対応するために必要となる安定性とスケーラビリティを確保しながら、きわめて高速な検索が可能です。Cisco Catalyst 3560 シリーズは、ダイナミック IP ユニキャスト ルーティング機能に加えて、マルチキャスト サポートが必要なネットワークのための要件も完備しています。ハードウェアでの Protocol Independent Multicast(PIM)および Internet Group Management Protocol(IGMP; インターネット グループ管理プロトコル)スヌーピングをサポートするため、Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチは、集中的なマルチキャスト環境に最適です。 コアへのルーテッド アップリンクが実装されているため、ネットワークのアベイラビリティが向上します。これは、すべての STP インスタンスを集約スイッチで終端することで、フェールオーバー保護がより高速になり、STP アルゴリズムが簡素化されるためです。アップリンクの 1 つに障害が発生すると、標準の STP コンバージェンスに依存するのではなく、Open Shortest Path First(OSPF)または Enhanced IGRP などのスケーラブルなルーティング プロトコルにより、冗長アップリンクへのフェールオーバーがより迅速に行われます。リンク障害発生後にルーティング プロトコルを使用してパケットをリダイレクトすることで、レイヤ 2 スパニングツリー拡張機能を使用するよりも迅速なフェールオーバーが実現します。また、ルーテッド アップリンクでは、アップリンクの Equal Cost Routing(ECR)によってロード バランシングが行われることで、帯域幅をより有効に利用できます。ルーテッド アップリンクは、ネットワーク バックボーンに対する不要なブロードキャスト データ フローを排除して、LAN アクセスからのアップリンクの利用を最適化します。 Cisco Catalyst 3560 をマルチキャスト環境でワイヤリング クローゼット スイッチとして使用すると、帯域幅を大幅に節約することもできます。ネットワーク コアへのルーテッド アップリンクを使用することで、アップストリームのコンテンツ サーバから LAN アクセス スイッチに同じマルチキャストのストリームを複数送信する必要がなくなります。たとえば、ワイヤリング クローゼット スイッチがルーテッド アップリンクに対応していない環境では、3 人のユーザが 3 つの異なる VLAN に割り当てられており、さらに全員が ABC というマルチキャストを視聴したい場合、3 つのマルチキャスト ABC ストリームをアップストリームのルータからワイヤリング クローゼット スイッチに送信する必要があります。Cisco Catalyst 3560 スイッチによるコアへの IP ルーティングを使用すると、マルチキャスト機能の充実した、スケーラブルなネットワークを作成できます。Cisco IP Services ライセンスは、IPv4 および IPv6 同時転送のサポートを含む、IPv6 ルーティングを提供します。IPv6 プロトコルのサポートには OSPFv3 と EIGRPv6 が含まれます。IPv6 管理および MLD スヌーピングは、Cisco Catalyst 3560 ソフトウェア イメージすべてでサポートされます。 Per-VLAN Spanning-Tree Plus(PVST+)、UplinkFast、PortFast など、標準の STP への機能強化により、ネットワークの稼働時間が最大になります。PVST+ により、レイヤ 2 の負荷を冗長リンク上に分散できるため、冗長設計に本来備わっている余剰の容量を効率的に利用できます。UplinkFast、PortFast、および BackboneFast はいずれも、30 〜 60 秒の標準的な STP コンバージェンス時間を大幅に短縮します。ループ ガードおよび Bridge Protocol Data Unit(BPDU; ブリッジ プロトコル データ ユニット)ガードによって、STP ループの発生を防ぎます。 高度な QoSCisco Catalyst 3560 には、優れたきめ細かいマルチレイヤ QoS 機能が備わっており、ネットワーク トラフィックを分類して優先順位を付け、最善の方法で輻輳を回避できます。Automatic QoS(Auto QoS)を使用すると、QoS を非常に簡単に設定できます。Auto QoS は、Cisco IP Phone を検出し、適切な分類および出力キューイングに合わせてスイッチを自動的に設定する機能です。これにより、複雑な設定を行わなくても、トラフィックの優先順位とネットワーク アベイラビリティを最適化できます。 Cisco Catalyst 3560 では、着信パケットの分類、再分類、ポリシング、マーキング、キューイング、スケジューリングが可能であり、出力時にはパケットのキューイングおよびスケジューリングが可能です。パケット分類を使用すると、ネットワーク エレメントでは、さまざまなトラフィック フローを分類し、レイヤ 2 およびレイヤ 3 の QoS フィールドに基づいてポリシーを実行できます。 QoS を実装するために、Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチは、まずトラフィック フローまたはパケット グループを識別し、Differentiated Services Code Point(DSCP; DiffServ コード ポイント)フィールドまたは 802.1p Class of Service(CoS; サービス クラス)フィールドを使用して、これらのグループを分類または再分類します。分類や再分類には、送信元/宛先 IP アドレス、送信元/宛先 MAC アドレス、またはレイヤ 4 TCP/UDP ポートが基準として使用されます。Cisco Catalyst 3560 は入力時にも、ポリシングによるパケットの適合性の判断、分類ラベルの変更のマーキング、不適合パケットの許可または廃棄、分類に基づくパケットのキューイングを行います。すべてのポートでコントロール プレーンおよびデータ プレーン ACL がサポートされており、パケットごとに適切な処理が行われるようにします。 Cisco Catalyst 3560 はポートごとに 4 つの出力キューをサポートしているため、ネットワーク管理者は、LAN 上のさまざまなアプリケーションにプライオリティを割り当てる際に、より細かく具体的に指定できます。出力時に、スイッチはスケジューリングおよび輻輳制御を実行します。スケジューリングは、キューが処理される順序を決定するアルゴリズムまたはプロセスです。Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチは、Shaped Round Robin(SRR)および完全優先キューイングをサポートしています。SSR アルゴリズムにより、優先順位を区別することができます。 上記の QoS 機能を利用すると、ネットワーク管理者は、FTP や E メールなどの時間的な制約が少ないアプリケーションよりも、Oracle などの ERP(Enterprise Resource Planning)、音声(IP テレフォニー トラフィック)、コンピュータ支援設計および製造(CAD/CAM)など、帯域を大量に消費するミッションクリティカルなトラフィックに高い優先順位を付けることができます。たとえば、ワイヤリング クローゼット スイッチ上のあるポートに大きなファイルをダウンロードすることによって、このスイッチ上の別のポートで音声トラフィックの遅延が増加するなどの品質面での影響が生じるのは、非常に望ましくないことです。この状態は、ネットワーク全体でその音声トラフィックが正しく分類および優先順位付けされるようにすることで、回避できます。Web 閲覧などのその他のアプリケーションはプライオリティが低いとみなされ、ベスト エフォートでの処理が行われます。 Cisco Catalyst 3560 シリーズは、Cisco Committed Information Rate(CIR)機能のサポートによりレート リミットを実行できます。CIR により、8 kbps 単位で帯域幅を保証できます。帯域幅は、送信元 MAC アドレス、宛先 MAC アドレス、送信元 IP アドレス、宛先 IP アドレス、TCP/UDP ポート番号など、複数の基準に基づいて割り当てられます。帯域幅の割り当ては、サービスレベル アグリーメントを必要とするネットワーク環境や、ネットワーク マネージャが特定のユーザに付与される帯域幅を制御する必要がある場合に不可欠です。 管理新しい Cisco Express Setup 機能により、スイッチの初期設定が簡素化されます。ユーザは、Web ブラウザを使用してスイッチを設定することもできます。このため、複雑な端末エミュレーション プログラムの使用やコマンドライン インターフェイスの知識は必要ありません。Cisco Express Setup は、不慣れなユーザでもスイッチを迅速かつ簡単に設定できるようにすることで、スイッチの構成に必要なコストを削減します。 Cisco Network Assistant は、PC ベースのネットワーク管理アプリケーションで、最大 250 ユーザを有する中堅・中小企業の LAN 向けに最適化されています。Cisco Network Assistant は、シスコのスイッチ、ルータ、および WLAN アクセス ポイントを一元管理します。Cisco Catalyst 2950 から Cisco Catalyst 4506 まで、さまざまな Cisco Catalyst インテリジェント スイッチをサポートします。わかりやすい GUI により、ユーザはさまざまなスイッチ機能を設定および管理して、シスコのルータおよびワイヤレス アクセス ポイントのデバイス マネージャを起動できます。マウスを数回クリックするだけで、詳細な設計ガイドを利用せずに、シスコが推奨するセキュリティ、アベイラビリティ、および QoS 機能を実装できます。セキュリティ ウィザードは、機密データを持つサーバへの不正アクセスを自動的に制限します。Smartports とウィザードは、ネットワーク管理者の時間を節約して、人為的なエラーを回避し、これらのアプリケーションに合わせてスイッチの設定が最適化されるようにします。Cisco Network Assistant は Cisco.com から無償でダウンロードできます。 Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチでは、Cisco Network Assistant のほかにも、CiscoWorks LAN Management Solution(LMS)などの SNMP ネットワーク管理プラットフォームを使用して、幅広い管理を行うことができます。LMS は強力な管理ツール スイートで、シスコ ネットワークの設定、管理、モニタリング、およびトラブルシューティングを簡素化します。LMS は、こうした機能を卓越したソリューションに統合して、運用スタッフの作業に関わる精度と効率を向上させるだけでなく、ネットワークの全体的な可用性も増大させます。LMS は、400 以上のデバイス タイプをサポートし、次の機能を提供します。
Cisco Catalyst 3560 SFP 相互接続ケーブルCisco Catalyst 3560 SFP 相互接続ケーブル(図 2 を参照)は、Cisco Catalyst 3560 スイッチ間のポイントツーポイント ギガビット イーサネット接続を低コストで実現します。SFP ポートを経由して Cisco Catalyst 3560 スイッチ同士を短距離で相互接続する場合、この 50 cm のケーブルを SFP トランシーバの代わりに使用できます。 ![]() 図 2 Cisco Catalyst 3560 SFP 相互接続ケーブル 表 1 に、Cisco Catalyst 3560 シリーズの機能と利点を示します。表 2 にハードウェア仕様、表 3 に電源仕様を示します。さらに、表 4 に管理および標準のサポート、表 5 に安全性および適合規格に関する情報を示します。 表 1 Cisco Catalyst 3560 シリーズの機能と利点
表 2 Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチのハードウェア
表 3 Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチの電源仕様
注: 免責:すべての消費電力の数値は、管理されたラボ環境で測定されたもので、予測として提供されています。 電源装置のワット数定格は実際の消費電力を表すものではありません。電源装置で発生し得る最大消費電力を示しています。このワット数定格は、施設の容量計画に使用できます。PoE スイッチの場合は、PoE 負荷の大部分がエンドポイントで消費されるため、冷却の所要量は実際の消費電力よりも小さくなります。 PoE 非対応スイッチの消費電力 スループット 100% 時のスイッチ消費電力 この数値は、一般的なスイッチが通常の条件で消費する電力を示します。通常の条件は、温度 25°C、気圧 860 〜 1,060 mbar、相対湿度 30 〜 75% です。一般的に、この消費電力は、スイッチとアップリンクですべて 64 バイトのパケットで構成されているトラフィック負荷が 100% の場合のみ発生します。 スループット 5% 時のスイッチ消費電力 この数値は、一般的なスイッチが通常の条件で消費する電力を示します。通常の条件は、温度 25°C、気圧 860 〜 1,060 mbar、相対湿度 30 〜 75% です。この数値は、スイッチとそのアップリンクのトラフィック負荷が 5% であることを示します。 PoE 対応スイッチの消費電力 スループット 100% 時のスイッチ消費電力(PoE 負荷なし) この数値は、一般的なスイッチが通常の条件で消費する電力を示します。通常の条件は、温度 25°C、気圧 860 〜 1,060 mbar、相対湿度 30 〜 75% です。一般的に、この消費電力は、スイッチとアップリンクですべて 64 バイトのパケットで構成されているトラフィック負荷が 100%、PoE 負荷がない場合のみ発生します。 測定スループット 5% 時のスイッチ消費電力(PoE 負荷なし) この数値は、一般的なスイッチが通常の条件で消費する電力を示します。通常の条件は、温度 25°C、気圧 860 〜 1,060 mbar、相対湿度 30 〜 75% です。この数値は、スイッチとそのアップリンクのトラフィック負荷が 5% であることを示します。 スループット 100% 時のスイッチ消費電力(PoE 最大負荷) この数値は、一般的なシステム(スイッチおよび対応する PoE 負荷)が通常の条件で消費する電力を示します。通常の条件は、温度 25°C、気圧 860 〜 1,060 mbar、相対湿度 30 〜 75% です。一般的に、この消費電力は、スイッチのすべてのポートとアップリンクでサイズ 64 バイトのパケットのトラフィック負荷が 100%、PoE 負荷が 100% でスイッチが稼働している場合に実現します。 スループット 5% 時のスイッチ消費電力(PoE 50% 負荷) この数値は、一般的なシステム(スイッチおよび対応する PoE 負荷)が通常の条件で消費する電力を示します。通常の条件は、温度 25°C、気圧 860 〜 1,060 mbar、相対湿度 30 〜 75% です。この数値は、スイッチとそのアップリンクのトラフィック負荷が 5% であり、PoE 負荷が 50% であることを示します。 表 4 Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチの管理および標準規格のサポート
表 5 安全性および適合規格
アクセス スイッチング用のシスコのサービスシスコとそのパートナーは、お客様が堅牢かつ信頼性のあるシスコのアクセス スイッチング ソリューションを構築するお手伝いをします。サービスに対するシスコのライフサイクル アプローチでは、ソリューションのライフサイクルの各段階で必要なアクティビティを定義しています。新しいテクノロジーをサポートできるように、ソリューションを評価してビジネスの目標と基準に合わせることができます。効果的な計画および設計によって、ソリューションの導入を円滑化します。受賞実績のあるテクニカル サポートが業務効率を向上させます。最適化によって、パフォーマンス、復元力、安定性、予見可能性が向上し、変化に対応できるようお客様のネットワークやチームを強化することができます。詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/services/ を参照してください。 表 6 シスコのサービスおよびサポート プログラム
シスコ サービス プログラムについて詳しくは、下記のページをご覧ください。 Routing & Switching 注意:購入済み製品に上位フィーチャ ライセンスを追加購入して Cisco IOS をアップグレードする場合でも、現行フィーチャ ライセンスに SMARTnet 等のサービス契約があれば、アップグレード後の製品型番に対応するサービスを新規購入していただく必要があります。新規サービス契約の購入依頼につきましては、お買い求めの販売パートナー様までご連絡ください。 シスコ 販売パートナーの情報はこちら 発注情報表 7 に、Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチの発注情報を示します。 表 7 Cisco Catalyst 3560 シリーズ スイッチの発注情報
WWW URL:http://www.cisco.com/jp/ |
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