データセンター ユーザ事例

クラウドサービス「TOPICA VMDC サービス」の基盤に Cisco UCS を採用

ユーザ事例





クラウドサービス「TOPICA VMDC サービス」の基盤に Cisco UCS を採用


凸版印刷株式会社



クラウドサービス「TOPICA VMDC サービス」の提供を開始
その基盤に Cisco UCS を採用、セキュアで柔軟なサービスを実現


シスコ ユニファイド コンピューティング システム導入事例

導入の背景/ 課題

  • TOPICA では共用ホスティングサービスと専用ホスティングサービスが提供されていたが、その中間のサービスへのニーズが増大していた。このニーズに対応するため、仮想化技術を活用したクラウドサービス「TOPICA VMDC サービス」を提供することになった。
  • サービス基盤に関するRFP を提示し、複数ベンダーからの提案を比較検討。その結果、シンプルな構成と高い拡張性、運用の容易さを兼ね備えた Cisco UCS の採用を決定した。
  • シスコは製品やテクノロジーの提供だけではなく、ビジネス面での検討作業にも参画。パートナーとしての積極的な関与も高く評価されている。
  • 今後は「TOPICA VMDC サービス」を新たなビジネスの柱とし、TOPICA の売上を 3年間で 2 倍にすることが目指されている。

導入ソリューション

  • Cisco Unied Computing System(UCS)  
    • Cisco UCS 6120 × 2  
    • Cisco UCS 5108 × 2  
    • Cisco UCS B200 M2 × 8
  • Cisco Nexus 5000 シリーズ

導入効果

  • Cisco UCS をクラウドサービスの基盤とすることで、高い安定性とパフォーマンスを実現できた。
  • 運用性も高く、サービス提供までの時間も大幅に短縮可能になった。
  • 今回のシステムでは Cisco Nexus も活用されており、レイヤ 2 によるデータセンター間連携への道も拓かれた。
  • Cisco UCS は、TOPICA の他のサービスのクラウド化や、トッパングループ全体のクラウド化の基盤としても、期待が寄せられている。

創業以来のベンチャー精神を 100 年以上にわたって継承し、1997 年に iDCサービス「TOPICA」をスタートしている凸版印刷株式会社。2011 年 2 月には クラウドサービス 「TOPICA VMDC サービス」の提供を開始し、ユーザの利便性をさらに高めている。その基盤として活用されているのが Cisco UCSだ。採用の決め手となったのは、シンプルなシステム構成と高い拡張性、サービス プロファイルによる運用性の高さ。その一方で、パートナーとしてのシスコの積極的な取り組みも、高く評価されている。構築されたシステムの安定性やパフォーマンスも高く、短時間でのサービス提供も実現。今後は TOPICA VMDCサービスをビジネスの新たな柱にすることで、TOPICA の売上を 3 年間で 2倍にすることが目指されている。また TOPICA の他のサービスのクラウド化や、トッパングループ全体のクラウド基盤構築も検討されている。

Cisco UCS をシステム基盤として
クラウドサービスを新たにスタート

2011 年 2 月 15 日、凸版印刷は自社で展開する iDC サービス「TOPICA」において、新たなサービスを追加したことを発表した。サービス名は「TOPICA VMDC サービス」。仮想化技術を活用した、Web サービス用インフラのクラウドサービスである。仮想サーバや OS、ミドルウェアから、サーバ保守や障害対応まで一貫して提供。2011 年 2 月 18 日から販売を開始している。

TOPICA そのもののスタートは 1997 年にまで遡る。Web サービスを対象にした新たな事業の柱として、10 年以上にわたって高い成長を続けてきた。その最大の特長は、多様な Web サービスをトータル サポートできる柔軟性の高さと、サービス クオリティの高さにある。顧客満足度は極めて高く、リピート率も 9 割に達しているのだ。顧客も金融業界や出版業界をはじめ、多岐にわたる企業が名を連ねている。

「TOPICA ではこれまで、共用ホスティングサービスである『MemberBox』や、専用ホスティングサービス『MDC』によって、数多くのお客様企業に Web サービス用のインフラを提供してきました」というのは、凸版印刷株式会社 IT ソリューション本部 IT ソリューション部 課長の今泉 昭一氏。前者は「より安く」、後者は「より高い性能を」というニーズに応えてきたと説明する。しかし最近ではこの中間のサービスを求める声が増大。「この“ 隙間” を埋めることでお客様の満足度をさらに高めようというのが、TOPICA VMDC サービス立ち上げの目的です」

凸版印刷が TOPICA VMDC サービスの検討を開始したのは 2009 年夏。仮想化技術の活用を前提に調査を行い、2010 年 2 月には 1 回目の RFP 提示を行っている。この時 5 社の提案の中から 3 社を絞り込み、2010 年 8 月に 2 回目の RFP 提示を実施。2010 年 11 月に最終的な導入システムを決定した。

ここで採用されたのが、 Cisco Unied Computing System(UCS)と EMC のストレージ、VMware の組み合わせである。
「サーバ自体のスペックやコストパフォーマンスは、どのベンダーも大きな違いはありません」というのは、株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部 部長の斎藤 伸雄氏だ。トッパンシステムソリューションズは、TOPICA をはじめとするトッパングループの IT 企画・構築・運用を担当する企業。今回の TOPICA VMDCサービスの実現でも、中心的な役割を果たしている。「しかしシステム全体の構成方法や運用管理の行いやすさには、大きな差があります。お客様に安定したサービスを提供し続けるには、Cisco UCS が最適だと判断しました」

これらの機器が TOPICA のデータセンターに設置されたのは 2011 年 1 月末。そのわずか 2週間後には、冒頭のリリースが行われている。システムを非常に短い期間で立ち上げている点でも、注目すべき事例だといえるだろう。

シンプルな構成で高い拡張性を確保
運用のしやすさも高く評価

「TOPICA VMDC サービスは、共用ホスティングと専用ホスティングの中間に位置付けられるサービスです。これによってサービスの隙間を埋め、より高い満足をお客様に提供します」

凸版印刷株式会社 IT ソリューション本部 IT ソリューション部 課長 今泉 昭一 氏

凸版印刷株式会社 IT ソリューション本部 IT ソリューション部
課長 今泉 昭一 氏

「サーバ自体のスペックやコストパフォーマンスは、どのベンダーも大きな違いはありません。しかしシステム全体の構成方法や運用管理の行いやすさには、大きな差があります」

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部 部長 斎藤 伸雄 氏

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部
部長 斎藤 伸雄 氏

「Cisco UCS はケーブリングが極めて少なく、サーバ設置や増設が手軽です。1 シャーシあたり他社システムは 32 本のネットワークが必要ですが、Cisco UCS はわずか 8 本です」

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部 課長 木野 和佳 氏

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部
課長 木野 和佳 氏

「クラウド サービスは長期的な拡張性が重要です。Cisco UCS ならシンプルな構成で、十分な拡張性を確保できると感じました」

株式会社トッパンシステムソリューションズ ソリューション本部 ソリューション推進部
主任 石丸 和稔 氏

株式会社トッパンシステムソリューションズ ソリューション本部 ソリューション推進部
主任 石丸 和稔 氏

「サービス プロファイルを活用することで、仮想環境の運用管理が行いやすくなります。これと同等の機能は他社にはありません」

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部 主任 上岡 祐一 氏

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部
主任 上岡 祐一 氏

「様々な形で運用テストを行いましたが全く問題ありません。今回は非常にタイトなスケジュールでしたが、予定通り本番稼働させることができました」

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部 主任 奥田 潤基 氏

株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部
主任 奥田 潤基 氏

それでは Cisco UCS は他社システムと比較し、具体的にどのような点が優れていると評価されたのか。

「まず第 1 にケーブリングの量が極めて少なく、サーバ設置や増設が手軽です」というのは、株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部 課長の木野 和佳氏だ。他社システムでは 1 シャーシあたり 30 本以上のネットワーク ケーブルが必要なのに対し、Cisco UCS では冗長化を含めわずか 8 本で済んでいるという。また「ネットワークの帯域も他社はすべてギガビットだったのに対し、シスコは当初から 10 ギガビットで提案していました」と指摘するのは、株式会社トッパンシステムソリューションズ ソリューション本部 ソリューション推進部の石丸 和稔氏。しかもコストは他社提案と同等だったと振り返る。「クラウド サービスは長期的な拡張性が重要です。Cisco UCS ならシンプルな構成で、十分な拡張性を確保できると感じました」(木野氏)

第 2 の優位点として挙げられたのが、運用管理の行いやすさだ。これを可能にしているのが、サービス プロファイルの実装である。株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部の上岡 祐一氏は「これと同等の機能は他社にはありません」という。

サービス プロファイルを活用すれば、万一ブレードが故障した場合でも、ブレードを入れ替えてプロファイルを適用すればすぐに復旧できる。プロファイル作成を外部の SIer に任せ、TOPICA のスタッフは現場の運用に専念するといった役割分担も容易になるという。「Cisco UCS のサービス プロファイルは、VMware 以外の仮想化ソフトウェアにも適用可能です。将来性を考えれば、これも大きなメリットです」(上岡氏)

優位性が認められているのは製品やテクノロジーだけではない。シスコのパートナーとしての取り組みも高く評価されている。本サービスの立ち上げにおいては、シスコのグローバル戦略コンサルティング部門であるシスコ インターネット ビジネス ソリューションズ グループ(IBSG)が、凸版印刷の事業分析と戦略策定支援を実施。さらにシスコ カスタマー ソリューションアーキテクト(CSA)が、事業に適したテクノロジー要件をまとめ、ロードマップを策定しているのだ。

「2010 年 6 月から 7 月にかけてシスコとワークショップを行ったのですが、シスコはTOPICA のビジネスをどのように伸ばしていくかという観点から、様々な提案をしてくれました」と斎藤氏。石丸氏も「今回は複数のベンダーからお話を伺いましたが、シスコほど真剣に話をしてくれたところは他にありませんでした」という。

今回のシステムではストレージに EMC 製品が採用されているが、「これもスムーズなサポート対応に期待しているからです」というのは、株式会社トッパンシステムソリューションズ IT サービス本部 サービスインテグレーション部の奥田 潤基氏だ。シスコと EMC、VMware は“Virtual_Computing Environment(VCE)連合” と呼ばれるアライアンスを組んでおり、3 社の製品を組み合わせたシステムの動作検証もすでに行われている。サポートに必要な情報も共有されているので、何か問題が発生しても迅速な対応が可能だ。「すでに TOPICA 内でも様々な形の運用テストを行っていますが、これまでのところ全く問題がありません。今回は非常にタイトな導入スケジュールでしたが、予定通り本番稼働させることができました」

高い安定性とパフォーマンスを実現
サービス提供開始までの時間も短縮

システム構成は図に示す通り。Cisco UCS 6120 ファブリック インターコネクト × 2 台と、Cisco UCS 5108 ブレード サーバ シャーシ × 2 組に、Cisco UCS B200 M2 ブレード サーバ を合計 8 台搭載した構成になっている。Cisco UCS 6120 は Cisco MDS 経由で EMC ストレージと接続され、さらに Cisco Nexus 5000 経由で TOPICA バックボーンにつながるコアスイッチに接続されている。Cisco UCS 6120 と Cisco UCS 5108、Cisco Nexus 5000の間のラインは、すべて 10 Gbps である。主要な機器はすべて二重化されており、VMware HA(High Availability)も活用。ネットワーク機器やブレード、OS で障害が発生した場合でも、サービスを継続できるようになっているのだ。

「システムの安定性は極めて高く、仮想環境のパフォーマンスも物理サーバに匹敵します」と上岡氏。ブレード サーバやネットワークの性能が十分に高いため、ハイパーバイザーのオーバーヘッドはほとんど感じられないという。「アプリケーションによっては他の物理サーバより、処理能力が高いケースもあります」

運用管理の効率化によって、サービス提供までの時間も短縮された。TOPICA VMDC サービスでは、顧客毎に VLAN を設定した上で仮想化されたファイアウォールやスイッチを構成し、VM の作成、OS のインストール、IP アドレス等の設定、動作確認を行った後、顧客へのサービスが開始される。顧客からの発注からサービス提供までの時間は、最短でわずか 3 日間。

VMware のクローン テンプレートや Cisco UCS のサービス プロファイルの活用、ネットワーク全体の高度な仮想化等が、プロビジョニングの高速化に大きな貢献を果たしている。「導入効果の定量化はまだこれからです」(木野氏)というが、運用効率化やスピーディなサービス投入、柔軟性の高さといったメリットは、すでに実感されているといえるだろう。

今回導入されたシステムでは、Cisco UCS 6120 を直接コアスイッチに接続せず、間に Cisco Nexus 5000 を介在させている点も注目ポイントである。これはレイヤ 2 でのデータセンター間連携を視野に入れているからだ。

TOPICA では現在 2 つのデータセンターを運用しているが、どちらもすでに手狭になっているという。近い将来には第 3 のデータセンターを立ち上げることになるが、ここで大きな問題になるのが複数のデータセンターを、どのように連携させるかなのである。レイヤ 2 でデータセンター間を接続できれば、この連携が容易になる。VMware Storage VMotion によるデータセンター間のライブ マイグレーションも、実現可能になると期待されている。

シスコ ユニファイド コンピューティング システム導入事例

凸版印刷株式会社

凸版印刷株式会社
所在地: 東京都台東区台東 1-5-1
設  立: 1900 年(明治 33 年)
資 本 金: 1,049 億 8,600 万円 (2010 年 3 月末現在)
従業員数: 単体 8,696 名、連結 49,141 名 (2010 年 9 月末現在)
売上: 単体 8,859 億 4,700 万円、 連結 1 兆 5,067 億 5,000 万円

国内印刷業界のリーディング カンパニー。1900 年に当時の最先端印刷技術であった「エルヘート凸版法」をベースとした技術ベンチャーとして創業し、「最新の印刷テクノロジーを駆使して高品質の製品・サービスを広く社会に普及させる」という創業精神を 100 年以上にわたって受け継いでいる。現在では情報・文化の担い手として、IT 関連からエレクトロニクス、生活環境にまで至る幅広い事業活動を展開。培った印刷テクノロジーをベースに顧客への「トータルソリューション」提案活動を推進している。

今後は他の TOPICA サービスや
グループ全体のクラウド化も推進

「TOPICA VMDC サービスを発表してから 1 週間で、すでに 10 社以上の引き合いをいただいております」と今泉氏。今後はこれを新たな柱とし、TOPICA の売上を 3 年間で 2 倍にすることを目指すという。しかしこれはトッパングループ全体のクラウド化に向けた第 1 ステップに過ぎない。今後はさらに 2 つのステップで、クラウド化を進めていくことが計画されている。

次の第 2 ステップでは、TOPICA の他のサービスの仮想化・クラウド化を推進。すでに共用ホスティングサービスや、サイボウズ等を提供しているASP サービスを Cisco UCS 上へと移行することが検討されており、早ければ 2011 年春には移行に着手する予定だ。また凸版印刷では電子書籍のサービスも行っているが、そのシステムのクラウド化も視野に入っているという。第 3 ステップでは、トッパングループ全体のシステムのクラウド化を実現していくことになる。ここでも Cisco UCS は、仮想環境の基盤として重要な役割を果たすことになるだろうという。

「Cisco UCS を基盤にクラウド化を進めていけば、IT 全体のコストが下がるはずです」と齋藤氏。「システムの柔軟性も高まり、短納期への対応も容易です。機会損失の最小化やビジネス拡大にも貢献するはずです」

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