ホワイトペーパーCisco Global Cloud Index:予測と方法論、2010 〜 2015 年
このドキュメントの内容Cisco® Global Cloud Index は、世界のデータセンターおよびクラウド ベースの IP トラフィックの成長を予測する継続的な取り組みです。データセンター仮想化やクラウド コンピューティングに関連した傾向などを予測します。このドキュメントでは、調査の詳細やその方法について説明します。 予測の概要世界のデータセンター トラフィック:
データセンター仮想化とクラウド コンピューティングへの移行:
世界のクラウド トラフィック:
地域別のクラウドへの対応可能状況:
データセンター トラフィックの進化2000 年から 2008 年にかけては、ピアツーピアのファイル共有がインターネット トラフィックの大部分を占めていました。その結果、インターネット トラフィックのほとんどはデータセンターを経由せず、インターネット ユーザ間の直接通信でした。2008 年以降、インターネット トラフィックのほとんどがデータセンターから送出され、データセンターで終端するようになりました。今後しばらくは、インターネット トラフィックのほとんどをデータセンター トラフィックが占めるとみられます。ただし、データセンター トラフィックの特性は、クラウドのアプリケーション、サービス、インフラストラクチャによって根本的に変化しつつあります。2015 年までに、データセンター トラフィックの 3 分の 1 がクラウド トラフィックになる見込みです。 以降のセクションでは、データセンターを出入りするトラフィックの量と成長率だけでなく、データセンター内のさまざまな機能単位間で伝送されるトラフィックについても調査結果の概要を示します。 世界のデータセンター IP トラフィック:すでにゼタバイト時代に到達図 1 は、2010 年から 2015 年におけるデータセンター IP トラフィックの成長予測を示したものです。 インターネットがゼタバイト時代に到達するのは 2015 年以降になる可能性もありますが、データセンターはすでにゼタバイト時代に突入しています。インターネットと IP WAN のネットワークを通過するトラフィック量は 2015 年に年間約 1 ゼタバイトに到達する見込みですが1、データセンターのトラフィック量はすでに年間 1 ゼタバイトを超え、2015 年には 4 倍増の年間 4.8 ゼタバイトに到達すると予測されます。これは、CAGR 33 % に相当します。データセンターのトラフィック量が大きいのは、データセンター内部のトラフィックが含まれるためです (通常の定義では、インターネットと WAN はデータセンターとの境界までとされています)。 Global Cloud Index の主な要素として実施される世界のデータセンター トラフィック予測は、サービス プロバイダーと民間企業が運営している世界のネットワーク データセンターを対象としています。データセンター トラフィックとクラウド トラフィックの詳しい予測方法については、付録 A を参照してください。 データセンター トラフィックの宛先:ほとんどのトラフィックはデータセンター内に留まるデータセンターを流れるコンシューマ トラフィックとビジネス トラフィックはおおまかに次の 3 種類に分類できます(図 2)。
2010 年には、データセンター内に留まるトラフィックは 77 % でしたが、2015 年にはこの割合がわずかに低下し 76 % になる見込みです。2 トラフィックの大部分がデータセンター内に留まっている原因はいくつか考えられます。
データセンター内に留まるトラフィックに対して、データセンターから送出されるトラフィックの比率は、年々増大すると予測されます。ビデオ ファイルが多くの帯域幅を消費し、しかもファイル サイズの割には必要なデータベースまたは処理のトラフィックが小さいためです。ただし、拡大しているデータセンター仮想化によってこの傾向は相殺されます。たとえば、ストレージが仮想化されるとデータセンター内のトラフィックは増大します。仮想化ストレージはラックまたはサーバのローカル ストレージではなくなるからです。表 1 に、世界のデータセンター トラフィックの成長率について詳しいデータを示します。 表 1 世界のデータセンター トラフィック(2010 〜 2015 年)
出典:Cisco Global Cloud Index, 2011 定義
クラウド データセンターへのワークロードの移行ワークロードとは、1 つのアプリケーションを実行し、ユーザとそのアプリケーションとのやりとりをサポートするためにサーバが負担する処理量と定義することができます。Global Cloud Index では、従来のデータセンターはクラウド データセンターに移行すると予測しています。2014 年は、クラウド データセンターで処理されるワークロード(51 %)が従来のデータセンターでの処理量(49 %)を初めて超える重要な年となりそうです。この傾向は継続し、2015 年にはクラウドで処理されるワークロードが 57 % を占める見込みです(図 3)。 出典:Independent Analyst Shipment Data, Cisco Analysis 従来は 1 台のサーバで 1 つのワークロードが処理されていました。サーバのコンピューティング容量の増大と仮想化を背景として、クラウド アーキテクチャでは、各物理サーバが複数のワークロードを担うことが一般的となっています。サーバのコスト、耐障害性、拡張性、製品寿命など、クラウドによる経済効果が促進要因となり、データセンター内とデータセンター間(異なる地理的区域のセンターも含む)のいずれにおいても、サーバ全体でワークロードの移行が進行しつつあります。現在は、1 つのエンド ユーザ アプリケーションの処理を複数のワークロードに分割して、サーバ間で分散処理できる場合が多くなっています。これによって、データセンター内およびデータセンター間、そしてエンド ユーザとの間でも、複数のトラフィック ストリームが生成される可能性があります。表 2 に、従来のデータセンターからクラウド データセンターへのワークロードの移行について詳しいデータを示します。 表 2 従来のデータセンターからクラウド データセンターへのワークロードの移行
世界のクラウド IP トラフィックの成長世界のデータセンター トラフィックは、2010 年から 2015 年に CAGR 33 % のペースで成長しますが(図 4)、クラウド データセンターのトラフィックは特に成長が著しく、12 倍増で CAGR 66 % となります(図 5)。 2015 年までに、データセンターの全トラフィックの 3 分の 1 以上がクラウド ベースになる見込みです。この成長の主な要因は、クラウド アーキテクチャの急速な普及と移行、そしてクラウド データセンターのトラフィック処理能力の大幅な向上です。クラウド データセンターは、仮想化、標準化、自動化、セキュリティの拡大に対応できます。その結果、パフォーマンスが向上し、処理能力やスループットも増大します。 世界のビジネス クラウドおよびコンシューマ クラウドの成長Global Cloud Index では、調査の目的上、トラフィックの特性をエンド ユーザに配信されるサービスに基づいて分類しています。ビジネス データセンター(図 6)は、通常、組織のニーズを満たすために使用され、ビジネスに必要なトラフィックを処理します。そのため、より厳格なセキュリティ ガイドラインに従うことが求められる場合もあります。コンシューマ データセンター(図 7)は、通常、より広範なユーザを対象とし、一般消費者のトラフィックを処理します。 クラウド データセンターのトラフィック予測では、コンシューマ トラフィックの成長が目立ちます(CAGR 39 %)。コンシューマ トラフィックは、2010 年にはクラウド全体のトラフィックの 14 % でしたが、2015 年には全クラウド トラフィックの 3 分の 1 以上に増大する見込みです。ビジネス クラウド トラフィックは、CAGR 25 % のペースで成長し、2010 年の 6 % から 2015 年には 19 % に増大する見込みです。表 3 に、世界のクラウド トラフィックの成長率についての詳しいデータを示します。 表 3 世界のクラウド トラフィック(2010 〜 2015 年)
出典:Cisco Global Cloud Index 世界のクラウドへの対応可能状況この調査のクラウドへの対応可能状況のセグメントでは、次世代クラウド サービスの提供に必要なブロードバンドおよびモバイル ネットワークの基本的要件について地域別に状況を調べました。ビジネスレベルおよびコンシューマレベルのクラウド コンピューティングが普及するためには、これらの要件へ対応力を強化し、信頼性を高めることが必要です。たとえば、一般ユーザが外出中に音楽やビデオをダウンロードしたり、ビジネス ユーザがビデオ会議やミッションクリティカルな顧客関係管理(CRM)およびエンタープライズ リソース プランニング(ERP)システムに常にアクセスできるようにするためには、一定の要件を満たすことが重要となります。ダウンロードとアップロードの速度や遅延は、クラウドに対するネットワークの対応可能状況を評価する重要な指標です。図 8 に、ビジネス向けとコンシューマ向けのクラウド サービスのサンプル カテゴリと、この調査で使用されたネットワーク要件を示します。ネットワーク パフォーマンスの地域統計データを、これら 3 つのクラウド サービス カテゴリへの対応力に基づいてランク分けしました。 Ookla3 および International Telecommunication Union(ITU)から得た世界約 150 ヵ国における 4,500 万以上の記録を分析しました。このレポートに示されている値は、これらの指標の地域別平均値です。ダウンロード速度、アップロード速度、ネットワーク遅延に関する各国の値は地域平均とは多少異なる可能性があります。たとえば、アジア太平洋地域全体のクラウド サービスへの対応可能状況は、低速で高遅延の国がいくつかあるため、他の地域と比べて遅れていますが、この地域には、韓国や日本のように非常に対応可能状況が良好な国も含まれています。各地域の平均値から逸脱している国や特に優れている国についての詳細は、付録 E を参照してください。クラウドへの対応可能状況の判断に使用した特性は次のとおりです。
ブロードバンドの普及図 9 に、2011 年における各地域のブロードバンド普及率を示します。詳細なデータについては、付録 D を参照してください。 出典:ITU, Informa Media and Telecoms, Cisco Analysis ダウンロード速度とアップロード速度の概要2011 年には、世界の平均ダウンロード速度は 4.9 Mbps、固定接続の平均ダウンロード速度は 6.7 Mbps、モバイル接続の平均ダウンロード速度は 3 Mbps でした。世界の平均アップロード速度は 2.7 Mbps、固定接続の平均アップロード速度は 3.7 Mbps、モバイル接続の平均アップロード速度は 1.6 Mbps でした。 固定接続とモバイル接続を合わせた全体の平均ダウンロード速度が最も高いのは、西ヨーロッパで 12.5 Mbps、次いで中央および東ヨーロッパの 9.3 Mbps です。 固定接続のダウンロード速度固定接続のコンシューマ ダウンロード速度の平均値(図 10)は、西ヨーロッパがトップで 9.4 Mbps、次が北米で 8.4 Mbps です。固定接続のビジネス ダウンロード速度の平均値は、西ヨーロッパが 16.8 Mbps、中央および東ヨーロッパは 11.9 Mbps でした。各地域のダウンロード速度とアップロード速度のピーク値については、付録 E を参照してください。 出典:Cisco Analysis of Ookla Speedtest Data, 2011 モバイル接続のダウンロード速度モバイル接続全体の平均ダウンロード速度で上位を占めたのは西ヨーロッパと北米で、それぞれ 4.9 Mbps と 4.6 Mbps です。これらの地域はダウンロード速度の面で最もクラウドへの対応可能状況が良好な地域と言えます。モバイル接続のビジネス ダウンロード速度の平均値は中央および東ヨーロッパがトップで 6.1 Mbps、次いで西ヨーロッパの 5.8 Mbps です(図 11)。モバイル接続のコンシューマ ダウンロード速度の平均値は、北米がトップで 4.6 Mbps、次は西ヨーロッパの 4.5 Mbps でした。その他の詳細については、付録 E を参照してください。 出典:Cisco Analysis of Ookla Speedtest Data, 2011 固定接続のアップロード速度世界の平均アップロード速度は 2.7 Mbps、世界の固定接続の平均アップロード速度は 3.7 Mbps です。アップロードの平均速度が高いのは、西ヨーロッパと中央および東ヨーロッパで、それぞれ 5.9 Mbps と 5.7 Mbps でした。この両地域はアップロード速度の面で最もクラウドへの対応可能状況が良好な地域と言えます。世界のビジネス固定接続の平均アップロード速度は 6.5 Mbps です。トップは西ヨーロッパの 11.2 Mbps、次は中央および東ヨーロッパの 8 Mbps でした(図 12)。世界のコンシューマの平均アップロード速度は 2.1 Mbps、そのうちトップは中央および東ヨーロッパの 4 Mbps で、次はアジア太平洋地域の 3.1 Mbps です(図 13)。その他の詳細については、付録 E を参照してください。 出典:Cisco Analysis of Ookla Speedtest Data, 2011 モバイル接続のアップロード速度世界のモバイル接続の平均アップロード速度は 1.6 Mbps です。世界のビジネス モバイル接続の平均アップロード速度は全体平均よりも高い 2.7 Mbps ですが、コンシューマ モバイル接続の平均アップロード速度は 1.1 Mbps です。モバイル接続全体の平均アップロード速度が高い地域は中央および東ヨーロッパで 2.5 Mbps、次は西ヨーロッパで 2.3 Mbps となっています。この両地域はモバイル接続のアップロード速度に関して最もクラウドへの対応可能状況が良好な地域と言えます。コンシューマ モバイル接続の平均アップロード速度は、中央および東ヨーロッパが 1.8 Mbps でトップ、次は北米の 1.3 Mbps です。ビジネス モバイル接続のアップロード速度は、中央および東ヨーロッパがトップで 4.1 Mbps、次は西ヨーロッパの 4 Mbps です。その他の詳細については、付録 E を参照してください。 出典:Cisco Analysis of Ookla Speedtest Data, 2011 ネットワーク遅延世界の固定接続およびモバイル接続における遅延時間の全体平均は、201 ms です。世界の固定接続の平均遅延時間は 125 ms、モバイル接続の平均遅延時間は 290 ms です。固定接続の遅延時間が最も短いのは西ヨーロッパで 63 ms、次は僅差の 75 ms で北米が続きます。これらの 2 地域は固定接続の遅延に関して最もクラウドへの対応可能状況が良好な地域と言えます。モバイル接続の遅延時間が最も短いのは西ヨーロッパの 147 ms、続いて中央および東ヨーロッパの 173 ms です。この 2 地域はモバイル接続の遅延時間に関して最もクラウドへの対応可能状況が良好な地域と言えます。世界のビジネス ネットワークの平均遅延時間は 169.7 ms、コンシューマの方が遅延が大きく、平均 217.3 ms となっています。世界のビジネス固定接続の平均遅延時間は 112 ms、コンシューマ固定接続は 132.9 ms です。 図 14 に地域別の遅延時間を示します。ビジネス固定接続の遅延時間が最も短いのは西ヨーロッパで 61 ms、次いで中央および東ヨーロッパの 63 ms です。コンシューマ固定接続の遅延時間が最も短いのは北米で 63.3 ms、次いで西ヨーロッパの 72 ms です。世界のビジネス モバイル接続の平均遅延時間は 251 ms、最も短いのは中央および東ヨーロッパの 111.3 ms で、次は西ヨーロッパの 126.7 ms です。世界のコンシューマ モバイル接続の平均遅延時間は 307.3 ms で、トップは西ヨーロッパの 159 ms、次は北米の 173 ms です。その他の詳細については、付録 E を参照してください。 出典:Cisco Analysis of Ookla Speedtest Data, 2011 アプリケーションへの対応可能状況新しいサービス デリバリ モデルや、ビジネス向けおよびコンシューマ向けのクラウドベース アプリケーションの利用を拡大するには、その基盤としてネットワーク特性の条件を満たすことが不可欠です。固定接続およびモバイル接続でのブロードバンドの普及や、ダウンロードとアップロードの速度、そして遅延時間は、クラウドへの配信やクラウドからの取得に対する対応可能状況の指標となります。速度と遅延はブロードバンド サービスの品質を評価するための重要な指標ですが、指標はこれらだけではありません。ブロードバンドにおける基本的な手法を理解すれば、エンド コンシューマやビジネス ユーザ向けのブロードバンド サービスの速度向上がどのようなアプリケーションに最も大きな効果をもたらすかがわかります。ビジネス アプリケーションとコンシューマ アプリケーションのいずれにおいても、速度や遅延に加え、ビデオ コーデックやトラフィック最適化のテクノロジーの進化が重要です。これらは、エンドツーエンドの経路のさまざまな箇所で速度のボトルネックを隔離するメカニズムや、最大限の品質を実現するための知見をもたらすような技術的手段の開発につながります。 図 15 に示されているとおり、アップロードおよびダウンロードの平均速度や遅延の観点からみて、いずれの地域もある程度クラウドに対応できる状態にあると考えられます。アジア太平洋、西ヨーロッパ、北米、中央および東ヨーロッパの各地域は、高解像度ビデオ ストリーミングなど、中レベルのクラウド アプリケーションへの対応力があります。また、中東およびアフリカ地域とラテン アメリカ地域は基本的なクラウド サービスに対応できます。ネットワーク パフォーマンス特性の平均値から判断すると、現在のところ、高度なクラウド サービスに対応できる地域はありません。ただし、ほとんどの地域には、ネットワーク パフォーマンスの調査結果が地域のクラウドへの対応可能状況の平均値よりも高い国がいくつかあります。たとえば、アジア太平洋地域の韓国と日本、中東およびアフリカ地域の南アフリカと UAE などです。 まとめ最後に、第一回 Global Cloud Index から得られた結果の概要と重要事項をまとめます。 データセンターとクラウドのトラフィックは、確実にゼタバイト時代に到達しています。世界のデータセンター トラフィックは 2010 年から 2015 年に 4 倍増となり、2015 年には年間 4.8 ゼタバイトに達する見込みです。データセンター トラフィックの一部であるクラウド トラフィックは、この予測期間に 12 倍に増加し、2015 年にはデータセンター トラフィック全体の 3 分の 1 を占めるようになると見込まれます。 データセンター仮想化の拡大は、主要なトラフィック増加要因であると同時にクラウド コンピューティングへの移行の指標でもあります。また、エンド ユーザ デバイスの急増、そして消費者とビジネス ユーザの常時接続に対する選好やニーズは、新しいネットワーク要件となりつつあります。ネットワークの形態や使用するデバイスを問わず、いつでもどこにいてもアプリケーションやコンテンツにアクセスできるようにというユーザの期待は、クラウド サービスの成長を促す大きな要因となっています。クラウドベースのデータセンターに移行すれば、各物理サーバで対応できる仮想マシンやワークロードの数が従来のデータセンターよりも多くなります。2014 年には、クラウドで処理されるワークロードが全ワークロードの 50 % を超える見込みです。 クラウドへの対応可能状況については、その重要な指標としてブロードバンドの普及状況を調査しました。ビジネス ネットワークとコンシューマ ネットワークのダウンロード速度、アップロード速度、遅延時間の平均値を地域別に調査した結果、どの地域もある程度のクラウド サービスに対応できることがわかりました。ただし、現在のところ、ネットワーク特性の平均値がハイエンドの高度なクラウド アプリケーションをサポートできるレベルに達している地域はほとんどありません。 関連情報詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/cloudindex/ を参照してください。 付録 A:データセンター トラフィックの予測方法図 16 は、データセンター トラフィックとクラウド トラフィックの予測方法の概要を示しています。まず、ワークロードのタイプと実装別にワークロード稼動数を求めてから、ワークロードあたりの月間ボリューム(バイト)を適用して、現在および今後数年のトラフィック量を得ます。 アナリスト データワークロードのタイプと実装別(クラウドまたはクラウド以外)にワークロード稼動数を計算する際に、調査会社数社のデータを使用しました。これらのアナリスト データは、特定のワークロード タイプおよび実装のサーバ出荷台数で構成されています。シスコはこれらに基づいて、サーバ稼動数と各サーバのワークロード数を推定し、ワークロードの稼動数を得ました。 測定データ10 社およびインターネット センターからネットワーク データを収集しました。分析したデータセンターのアーキテクチャは多様で、3 層アーキテクチャもあれば、2 層アーキテクチャもあります。3 層のデータセンターでは、4 ヵ所からデータを収集しました。収集ポイントは、アクセス ルータからアグリゲーション ルータへのリンク、アグリゲーション スイッチまたはルータからサイトまたは地域のバックボーン ルータへのリンク、WAN ゲートウェイ、そしてインターネット ゲートウェイです。2 層データセンターのデータは 3 ヵ所から収集しました。収集ポイントは、アクセス ルータからアグリゲーション ルータへのリンク、WAN ゲートウェイ、インターネット ゲートウェイです。 企業のデータセンターでは、アグリゲーションのノースバウンドで測定されたトラフィックにはローカル ビジネス キャンパス間の非データセンター トラフィックも含まれます。そのため、各層で伝送されるトラフィック量の比率を得るには、インターフェイス間のトラフィックではなく、ホスト間で発生しているトラフィックを測定する方法を使用し、非データセンターの通信が除外されるようにする必要がありました。通信している両端のホストはロケーションとタイプで識別し、分類しました。データセンターのトラフィックと見なすためには、通信しているペアの少なくとも一方がデータセンターのアグリゲーション スイッチまたはルータと、アクセス スイッチまたはルータとの間のリンク内にあると識別されることが必要です。合計 50,000 の通信をカタログ化しましたが、これは毎月 30 テラバイトのトラフィックを分析したことになります。調査期間は 2011 年 9 月 30 日までの 12 ヵ月です。 付録 B:モビリティと複数デバイスの所有がクラウド アプリケーション普及の主な促進要因図 17 ユーザあたりのインターネット接続デバイス所有数 インターネット ユーザはインターネット接続に複数のデバイスを使用し、なかでもモバイル デバイスの利用が増加しています。こうしたユーザにとって、コンテンツやアプリケーションを各デバイスに手動で複製することは現実的ではありません。かつてはローカル ホーム ネットワークやビジネス ネットワークに接続されているドライブにコンテンツを保存することが洗練されたソリューションでしたが、インターネット デバイスのモビリティが拡大するにつれて、クラウド ストレージの方が魅力的なオプションとなりつつあります。
付録 C:クラウドによる複雑化図 18 は、クラウドベースのコンピューティングに伴う複雑さを図示したものです。 クラウドを使用することで、ユーザはさまざまなデバイスを使用してコンテンツやアプリケーションにアクセスできるようになります。そして、これらの各デバイスは、複数のネットワーク接続と複数のディスプレイをサポートできる可能性があります。ネットワーク接続ごとに遅延や速度が異なり、またディスプレイごとにアスペクト比や解像度は異なります。また、各クラウド アプリケーションには、複数のコンテンツ ソースが取り込まれ、他の複数のアプリケーションへのリンクが存在する可能性もあります。クラウドは多次元環境であるため、こうした要因による複雑さは驚異的なレベルとなります。 データセンターの運用の複雑さやクラウド アプリケーションの導入による変化を調べる方法は多数ありますが、ユーザ、デバイス、ディスプレイ、接続、コンテンツ ソースの可能な組み合わせ数をカウントすれば、複雑さの程度を簡単に知ることができます(表 4)。 表 4 データセンターの複雑さ
この方法で計算すると、2010 年から 2015 年の期間にデータセンターの複雑さは 5 倍に拡大します。さらに、これらの数値を、1 つのコンテンツと 1 人のユーザに絞って見る方法もあります。2005 年には、1 つのコンテンツと 1 人のユーザの間の平均経路数は 3 通りでした。コンテンツはモバイル接続を通じてスマートフォンに伝送され、モバイル アプリケーションによってモバイル スクリーンに表示されるか、あるいは固定接続を通じてラップトップに伝送され、PC アプリケーションによってラップトップ上、または大型ディスプレイに表示されていました。2010 年には、複雑さがかなり増し、1 つのコンテンツと 1 人のユーザの間の平均経路数は 7 通りになりました。2015 年には、1 つのコンテンツと 1 人のユーザの間に 17 通りの経路が可能になると予測されます。 付録 D:地域別のクラウドへの対応可能状況の概要表 5 と 6 に、クラウドへの対応可能状況の地域別データを示します。 表 5 地域別のクラウドへの対応可能状況
出典:Ookla Speedtest Data and Cisco Analysis 2011 表 6 地域別のブロードバンド普及度(パーセンテージは、各地域におけるブロードバンドにアクセス可能なユーザの割合)
出典:ITU, Informa Telecoms and Media 2011 付録 E:地域別のダウンロードおよびアップロードのピーク速度ダウンロードとアップロードのピーク速度の値(表 7 〜 9)は、地域内のすべての国の 95 パーセンタイル サンプルの平均値であり、各地域の最高速度能力を表しています。固定接続におけるダウンロードの平均ピーク速度は、西ヨーロッパがトップで 64 Mbps、その次が北米で 45.1 Mbps です。 表 7 地域別のダウンロードおよびアップロードのピーク速度
表 8 各地域の上位国の固定接続速度
表 9 各地域の上位国のモバイル接続速度
1
シスコの Visual Networking Index の一環として公開されている「ゼタバイト時代の始まり」を参照してください。
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