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Cisco Global Cloud Index

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Q&A





Cisco Global Cloud Index



Q. Cisco® Global Cloud Index(GCI)とは何ですか。他のシスコ IP トラフィック予測とはどう違うのですか。

A. データセンターの仮想化とクラウド コンピューティングは現在、ビジネス、教育、政府、家庭のすべてにおいて、通信とネットワーキングの重要要素として発展しています。シスコでは、IT プロフェッショナルに向けて、複雑化するデータセンター運営やサービス提供の要件を確定するための最新データを提供することを目的として、今回調査を実施しました。マクロレベルのデータセンターやクラウド トラフィックの傾向を理解することで、企業は戦略的なネットワーキングとビジネス遂行上の意思決定を行うことが可能となります。Cisco GCI では、プライベート ネットワークのトラフィックについても測定および予測しており、データセンター内およびデータセンター間の傾向やデータセンターからエンドユーザに最終的に伝送されるトラフィックの内容について調査しています。

Cisco GCI と他のシスコ IP ネットワーク トラフィック予測(Cisco Visual Networking Index™ [Cisco VNI™])は別々の予測ですが、重複する点があります(図 1)。Cisco VNI は、インターネットおよび IP WAN ネットワーク間を行き来するトラフィックの量を予測するものであるのに対し、Cisco GCI は、データセンター内、データセンター間、データセンターとユーザ間を行き来するトラフィックの量を予測するものです。Cisco VNI では、Cisco GCI には含まれていない非データセンター トラフィック(さまざまなタイプのピアツーピア トラフィック)と併せて、データセンターとユーザ間のトラフィックを予測します。Cisco GCI には、データセンターとユーザ間のトラフィック(この点については Cisco VNI と重複)と併せて、データセンター間のトラフィックとデータセンター内のトラフィックが含まれます。Cisco VNI の詳細については、Cisco Visual Networking Index:予測と方法論(2013 〜 2018 年)をご覧ください。

図 1 Cisco VNI と Cisco GCI

図 1 Cisco VNI と Cisco GCI


Q. Cisco GCI では「クラウド」をどのように定義しているのですか。

A. Cisco GCI は、国立標準技術研究所(NIST)が定める業界の標準的なクラウド コンピューティングの定義に準じています。NIST の定義 [英語] では、クラウド コンピューティングの特性として、オンデマンド セルフサービス、広範なネットワーク アクセス、リソースのプーリング、迅速な弾力性または拡張性、計測可能なサービスの 5 つを挙げています。導入モデルには、プライベート クラウド、パブリック クラウド、ハイブリッド クラウド(またはこれらを組み合わせたもの)があります。こうした異なる形態のクラウド コンピューティングにより、さまざまなソフトウェア サービス、プラットフォーム サービス、インフラストラクチャ サービスが可能になります。クラウド データセンターの運営は、サービス プロバイダーだけでなく、民間企業が行う場合もあります。

ただし、この予測でのプライベート クラウドとパブリック クラウドの定義は、NIST の定義とは若干異なっています。クラウド サービスは、公衆通信網と組織のプライベート ネットワークとの境界線(物理境界または仮想境界)によって、パブリックとプライベートに分かれます。

クラウドの設備が境界線よりサービス プロバイダー側にある場合、そのサービスはパブリック クラウド サービスと見なされます。仮想プライベート クラウド(VPC)は、このカテゴリに分類されます。また、マルチテナント コンシューマ クラウド サービスもこのカテゴリに属します。クラウドの設備が境界線より組織側にある場合、そのサービスはプライベート クラウド サービスと見なされます。一般に、組織の IT 部門が所有および管理する専用クラウドは、プライベート クラウドと見なされます。

Q. Cisco GCI では何らかのクラウド サービス モデルを想定していますか。また、それらはどのように定義しているのですか。

A. Cisco GCI によるクラウド ワークロードの予測は、Software as a Service(SaaS)、Platform as a Service(PaaS)、Infrastructure as a Service(IaaS)の 3 つの主要なクラウド サービス モデルに分けて行っています。サービス モデルの定義は NIST の定義と一致しています。

  • SaaS:コンシューマは、クラウド インフラストラクチャ上で実行されるプロバイダーのアプリケーションを使用できます。アプリケーションには、Web ブラウザ(Web ベースの電子メールなど)などのシンクライアント インターフェイスまたはプログラム インターフェイスを使用して、さまざまなクライアント デバイスからアクセスできます。コンシューマは、ネットワーク、サーバ、オペレーティング システム、ストレージなどのクラウド インフラストラクチャはもちろん、個別のアプリケーション機能も管理または制御することはできません。ただし、限定されたユーザ固有のアプリケーション構成設定は管理できる場合があります。
  • PaaS:コンシューマは、プロバイダーがサポートするプログラミング言語、ライブラリ、サービス、およびツールを使用して独自に作成または取得したアプリケーションをクラウド インフラストラクチャに配置できます。コンシューマは、ネットワーク、サーバ、オペレーティング システム、ストレージなどのクラウド インフラストラクチャを管理または制御することはできませんが、配置したアプリケーションと、場合によってはアプリケーションをホストする環境の構成設定を制御できます。
  • IaaS:コンシューマは、処理、ストレージ、ネットワークなどの基本的なコンピューティング リソースをプロビジョニングし、オペレーティング システムやアプリケーションを含む各種のソフトウェアを配置して実行できます。コンシューマは、クラウド インフラストラクチャを管理または制御することはできませんが、オペレーティング システム、ストレージ、および配置したアプリケーションは制御でき、一部のネットワーキング コンポーネント(ホスト ファイアウォールなど)についても限定的な制御が可能となる場合があります。

GCI では、クラウド アプリケーション(IaaS、PaaS、SaaS)を分類するに当たり、サービスの最終的な提供において他のクラウド サービス タイプが関係する可能性があるかどうかにかかわらず、ユーザが最終的にサービスをどのように利用するかを基準としました。たとえば、ある SaaS クラウド サービスが PaaS や IaaS などの他のクラウド サービスの一部に依存するとしても、そのワークロードはあくまでも SaaS と見なします。また、PaaS ワークロードが IaaS サービス上で動作する場合でも、そのワークロードはあくまでも PaaS と見なします。

Q. 「ワークロード」とは何ですか。データセンターやクラウドのトラフィックを理解する上でこれが重要なのはなぜですか。

A. サーバのワークロードは、特定のアプリケーションの実行または 1 対多ユーザに対するコンピューティング サービスの提供を目的として割り当てられた仮想または物理コンピュータ リソースの集まりと定義されます。ワークロードは、小型で軽量の SaaS アプリケーションから大規模なコンピューティング プライベート クラウド データベース アプリケーションまで、広範なアプリケーションを表すための一般的な指標です。この調査では、サーバが仮想化されていない場合、1 つのワークロードが 1 つの物理サーバに対応します。仮想化されている場合は、1 つの仮想マシン(VM)が 1 つのワークロードと見なされます。サーバ 1 台あたりの VM 数は、ワークロードの処理およびストレージ要件や導入されているハイパーバイザの種類など、さまざまな条件によって異なります。クラウド環境には、非仮想化サーバと仮想化サーバを含むさまざまなサーバが展開され、1 つの仮想化サーバには多くの仮想マシンが配置されます。ますます多くのワークロードが、エンドユーザのデバイスから離れた場所にあるサーバへと、また社内ベースのネットワークからクラウド ネットワークへと移行している中、オペレータには、従来のデータセンターとクラウド データセンター両方の環境に対応するという新たなネットワーク要件が求められています。

Q. ハイブリッド クラウドとは何ですか。

A. ハイブリッド クラウドは、プライベート クラウドとパブリック クラウドの組み合わせと定義されます。ハイブリッド クラウド環境では、クラウド コンピューティング リソースを社内の部門と外部のプロバイダーが分担して管理します。ハイブリッド クラウドの一例として、クラウド バースティングがあります。これは、毎日のコンピューティング要求はプライベート クラウドで処理し、負荷が急激に高まったときには追加のトラフィック需要(バースティング)をパブリック クラウドで処理するというものです。

Q. Cisco GCI ではどのような予測方法を採用しているのですか。

A. Cisco GCI には、グローバルな結果と地域的な結果の両方を導き出すために、ボトムアップおよびトップダウンでアプローチしています。この方法では、まずさまざまなタイプのデータセンター(従来型、プライベート クラウド、およびパブリック クラウド)へのサーバ出荷台数を調べ、ワークロード稼働数を計算します。次に、ワークロードあたりの月間バイト数を適用して、現在および予測期間に相当する数年間のトラフィックを導き出します。GCI 分析には、Gartner、IDC、Synergy、Juniper Research、Ookla など、さまざまなデータ ソースを利用してきました。データセンターのトラフィックのタイプと量をモデル化し、検証することを目的として、10 の企業およびインターネット データセンターからネットワーク データを収集しました(月間 40 テラバイト以上のデータを 12 ヵ月分)。ここでは、世界的なクラウド トラフィック予測と共に、6 つの地域別予測(アジア太平洋、中央および東ヨーロッパ、西ヨーロッパ、中東およびアフリカ、北アメリカ、中南米)を提供します。当社の予測手法の詳細については、Cisco Global Cloud Index:予測と方法論(2013 〜 2018 年)をご覧ください。

Q. 従来のデータセンターとクラウド データセンターはどう違うのですか。

A. 主な違いは、仮想化、標準化、自動化、セキュリティのレベルです。クラウド データセンターは従来のデータセンターと比べて、性能が高く、容量も大きく、管理しやすいのが特徴です。仮想化は、ハードウェアとソフトウェアの統合や自動化の促進、総合的なセキュリティ アプローチを可能にする役割を果たします。

Q. Cisco Global Cloud Index では、クラウドとクラウド以外のトラフィックをどのように区別しているのですか。

A. クラウド トラフィックは、クラウド サーバおよびワークロードから生成されるトラフィックと見なすことができます。クラウド トラフィックは、クラウド サービスの結果として生まれます。クラウド サービスとはつまり、インターネットを介してアクセス可能となる展開しやすいサービスで、弾力性と拡張性に優れたプロビジョニングや従量制の料金設定が特徴であり、オンデマンドによって提供されるものです。クラウド トラフィックを計測した後に、データセンターの合計トラフィックからこれを差し引いて、非クラウド トラフィック予測量を導き出します。

Q. 「クラウドへの対応準備状況」とはどういう意味ですか。また、どのような特性を用いて、クラウド サービスをサポートする各地域の能力を評価しているのですか。

A. Cisco GCI 調査の「クラウドへの対応準備状況」では、次世代のクラウド サービスを提供する上で、ブロードバンドおよびモバイル ネットワークに求められる基本的な性能要素を地域別および一部の国別で分析します。ビジネス レベルおよびコンシューマ レベルのクラウド コンピューティングを普及させるためには、こうした性能要素を強化し、信頼性を高める必要があります。たとえば、一般ユーザが外出中に音楽やビデオをダウンロードしたり、ビジネス ユーザがビデオ会議、ミッションクリティカルな顧客関係管理(CRM)システムおよびエンタープライズ リソース プランニング(ERP)システムに常にアクセスできるようにするためには、一定の要件を満たすことが必要となります。ダウンロードとアップロードの速度や遅延は、クラウドに対するネットワークの対応能力を評価する重要な指標です。

Ookla、Cisco の GIST アプリケーション [英語] 、および国際電気通信連合(ITU)による世界 150 ヵ国 9,000 万件以上もの記録が分析されました。地域別のクラウドへの対応状況(特定地域内で算出した国別の平均値)は、主要 Cisco GCI レポートに含まれています。ダウンロード速度、アップロード速度、ネットワーク遅延に関する各国の値は地域平均とは多少異なる可能性があります。国別のデータについては、Cisco GCI 補足資料:クラウドへの対応準備状況の地域別詳細をご覧ください。この調査に含まれる主なクラウド対応ブロードバンドの特性および性能は、以下のとおりです。

  • ブロードバンドの普及:この指標では、人口統計を考慮に入れ、固定接続とモバイル接続におけるブロードバンドの普及率を測定し、各地域の普及度と推定接続数を評価します。
  • ダウンロード速度:固定ネットワークとモバイル ネットワークのいずれにおいても、広帯域を必要とするアプリケーションの普及に伴い、エンドユーザのダウンロード速度は重要性を増しています。また、この特性は、ビジネス向けの仮想マシン、CRM、ERP のクラウド プラットフォームや、コンシューマ向けのビデオ ダウンロードおよびコンテンツ取得用クラウド サービスのサービス品質を左右する重要な指標でもあります。
  • アップロード速度:固定ネットワークとモバイル ネットワークのいずれにおいても、またはコンシューマだけでなく、ビジネスにおいても、仮想マシン、タブレット、ビデオ会議の普及に伴い、コンテンツをクラウドに送信するアップロード速度は重要な指標となっています。
  • ネットワーク遅延:高遅延のネットワーク(通常はミリ秒単位でレポートされる)は、Voice over IP(VoIP)、ビデオの表示やアップロード、モバイル ブロードバンドでのオンライン バンキング、あるいは医療機関でのカルテ表示などにおける動作遅延の原因となります。現在求められている高度なサービスを提供するためには、クラウドとの間のパケット送受信の遅延を軽減することが重要です。

従来の調査では、ダウンロード速度、アップロード速度、および遅延の平均値特性に焦点を当てていました。現在は、1 つの国内の速度分布を明らかにするために、ダウンロード速度、アップロード速度、および遅延の中央値を調査に加えています。ほとんどの国では、速度の中央値は平均速度よりも低くなっています。これは、高い速度がより広範囲に分布しているのと比較して、低い速度が 50 パーセンタイル値以下に多く発生しているためです。

どの数値のセットにおいても中央値は中央のポイントで、数値の半分はそれより低く、残りの半分はそれより高くなります。数値のセットの平均値は、そのセット内のすべての数値の合計をそのセット内の項目の数で割ったものです。詳細については、Cisco GCI 補足資料:クラウドへの対応準備状況の地域別詳細のサンプル速度分布曲線を参照してください。

Q. 前述の要因のほかに、エンドユーザのクラウド エクスペリエンスに影響を及ぼす可能性のある要因はありますか。

A. はい。ISP ネットワークのアップロードおよびダウンロード速度と遅延のほかに、コンテンツ プロバイダーのサーバまたはコンテンツ配信ネットワーク(CDN)およびそのインターネット サービス プロバイダ(ISP)との距離も要因となります。ビデオ ストリームの伝送距離が 150 マイル(240 km)長くなるごとに、遅延が 1 ミリ秒増加すると推定されます。

Q. 個人が、または組織や企業全体で、Cisco GCI の予測データを使用したり、公表したりすることはできますか。

A. はい。シスコでは、各種メディア、アナリスト、サービス プロバイダー、そして関心をお持ちのその他業界団体(企業、規制機関、教育機関など)の皆様に対して、予測データの使用をお勧めしています。ただし、印刷物、電子書類を問わず、公用もしくは私用の目的で、Cisco GCI データを使用する際には、出典の明記が必要です。たとえば、「出典:Cisco Global Cloud Index [または GCI](2012 〜 2017 年)」のように記載します。一般に公表されているホワイト ペーパーやレポートの参照については、署名や同意は不要です。当社では常に、データがどのような目的で使用されるのかに関心を寄せています。そのため、当社のコンテンツを使用する場合は、Cisco GCI からの抜粋部分を含む完成版のコピーを当社までお送りくださいますようお願いいたします。送付先は traffic-inquiries@cisco.com です。

Q. Cisco GCI トラフィック予測の作成に使用された、データセンターやクラウドに関するデータを入手することはできますか。

A. 当社の予測手法において使用された主要情報の具体的なソース データは提供できません。

Q. Cisco GCI に関する質問の送り先を教えてください。

A. Cisco GCI 調査に関するご質問については、traffic-inquiries@cisco.com までお問い合わせください。