シスコ ユニファイド コンピューティング システム 導入事例
NECネッツエスアイ株式会社
新発想のサーバとツールで、クラウド サービスの運用はここまで変えられる

NECネッツエスアイは、Cisco UCS Bシリーズとプロビジョニング自動化ツールのCisco UCS Directorを用い、同社のクラウド サービスの共通基盤を構築した。これにより、同社のクラウド サービスの運用を変えようとしている。

NECネッツエスアイ(以下、NESIC)は、NECグループに属する大規模ネットワーク/システム・インテグレータだ。東証第一部上場で、従業員数は6000人を超える。一般企業、通信事業者、官公庁、社会インフラ事業者などに対し、ICTインフラ、オフィス・ソリューション、セキュリティなどの設計・構築から保守・運用、アウトソーシングまで、幅広いサービスを提供している。

同社は、提供する各種クラウド サービスの統合基盤として、インテル(R)Xeon(R) プロセッサーを搭載したシスコのブレード サーバ製品「Cisco Unified Computing System Bシリーズ」(以下、Cisco UCS Bシリーズ)を2013年末に導入開始。以降、その台数を急速に増やしつつある。

NESICは、2009年からクラウド サービスを提供。同社にとって重要な事業の1つになってきている。だが、今後さらに伸ばすために、超えなければならない1つのハードルが認識されてきた。複数クラウド サービス間のICTインフラの統合運用だ。

同社は、IaaSの「S-iDCクラウドホスティングサービス」、DaaSの「シンクライアントサービス STclient」、そしてメール サービスをはじめとする各種アプリケーション ホスティングなどを提供している。各サービスが事業単位として、別個にサーバ機をはじめとするICTインフラ機器を調達し、導入・運用してきた。

サービス プロダクトごとに事業責任をはっきりさせるのは、健全なビジネス戦略だ。だが、クラウド サービスは、ますますコスト効率を問われるようになってきている。顧客のニーズに、柔軟かつ迅速に応える必要性も高まっている。さらに、各サービスが成長するほど、担当者にとって運用負荷が高まり、障害対応ひとつをとっても容易ではなってくる。

この問題を解決するためには、「社内向けクラウド サービス」を構築し、運用を統一するしかない。NESICは2013年中頃に、同社の各種クラウド サービスの共通基盤構築を決め、そのサーバにCisco UCS Bシリーズを採用した。

大規模環境の構築・運用工数を劇的に減らせるから選んだ

この共通基盤の構築・運用を担当している企業ソリューション事業本部 ニューソリューション推進事業部 クラウド構築部主任の松田浩志氏は、Cisco UCS Bシリーズの 採用理由として、この製品は大規模な仮想化向けに設計されていて一般的なサーバとは本質的に異なるため、初期設定の難しさはあるが、大規模環境の構築、運用に関する工数を劇的に減らせる、と説明する。

Cisco UCS Bシリーズのメリットとして、松田氏はまず、「部品やコンポーネントの数が少ない」という点を挙げる。

Cisco UCS Bシリーズはブレード サーバだ。ブレード サーバは電源装置や空冷ファン、管理モジュールなどを、複数のサーバブレードで共有するため、基本的には集約率向上、消費電力低減といった点で有利だ。しかし、NESICでは、これまでブレードサーバを使ってこなかった。ブレード サーバ単位ではコンポーネント数が減るものの、逆に各ブレード サーバ シャーシに搭載するイーサネット スイッチやファイバ チャネル スイッチが、サーバ担当者にとっての新たな管理対象になってしまうからだ。

だが、Cisco UCS Bシリーズの場合、ブレード サーバのシャーシにスイッチを搭載していない。代わりに複数シャーシを束ねる「ファブリック インター コネクト」という集線装置が、イーサネットやファイバ チャネルへとつなぐスイッチとして機能する。管理モジュールも各シャーシにはなく、ファブリック インター コネクト上にある。

これで、サーバ ブレードおよびサーバ シャーシは、非常にシンプルな構造になり、集約率や電力効率といった、ブレード サーバのメリットが際立ってくる。

Cisco UCS Bシリーズを導入するもう1つの目的は、この製品の持つユニークな機能である「サービス プロファイル」だという。

これは、通常ならサーバ1台ごとに投入しなければならない各種設定を、ハードウェアから切り離し、1カ所から管理・適用できるようにするというもの。サービス プロファイルは、上記のファブリック インター コネクトで一括管理され、「Cisco UCS Manager」というツールを使って設定・適用できる。

「例えば、サーバを8台追加する必要が生じた場合、通常は、サーバが納入されてから、この8台について1台ごとにファームウェアのバージョンを上げたり、BIOSの設定をしたりします。ファイバ チャネルでSANストレージに接続する場合は、ホストバス アダプタ(HBA)のWorld Wide Nameを確認し、これを受けてはじめて、ファイバ チャネル ストレージの設定が可能になります。従って、サーバが納入されてから、間違いやすい複雑な作業を順にこなさなければならず、時間と担当者の手間が掛かります。

一方、Cisco UCS Bシリーズの場合は、サーバの納品を待つことなく、サービス プロファイルを作っておけます。World Wide Nameなども自分たちで決めることが可能で、ストレージ側の設定も事前に済ませられます。こうして事前に8台分のサービス プロファイルを作成し、予備のサーバを用いてOSをインストールしておけば、サーバが納品された時点でサービスプロファイルを適用するだけで、すぐにサーバが準備できてしまいます」(松田氏)。

サービス プロファイルとの関連で付け加えれば、各サーバシャーシからファブリック インター コネクトへのネットワーク配線は、極端な話、最低10Gbpsイーサネット1本でいい(冗長性のため通常は最低でも2本必要)。この配線にIPネットワーク、ファイバ チャネル、NFSなどをまとめて通せる(ファイバチャネルはファブリック インター コネクトまでFCoEとして接続するため)。さらにこの10Gbpsの帯域を論理的に分割設定し、きめ細かな帯域分配ができるため、仮想化環境の運用課題として指摘されやすい、複雑なネットワーク構成でも、安定的な運用ができる。

サーバが納品されてからサービスでの使用を開始できるまでの準備に、実質的に掛かる時間は、これまでの約半分に短縮されたという。

サーバ調達の効率化が可能に

Cisco UCS Bシリーズを採用したことで、サーバ機の調達についても、従来に比べて効率化できるようになってきたという。

NESICのクラウド サービスは、法人向けのサービスであり、大きな案件はシステム インテグレーションを伴うものがほとんど。そこで、納品後の準備作業に要する時間が十分短縮できれば、あとは発注から納品までに掛かる時間次第で、「ジャストインタイム」調達に近づいていける。できるだけ獲得が確実になった時点でサーバ機を発注すれば、遊休サーバを減らせるのだ。NESICは、シスコのサーバについて国内におけるBTOサービスを提供しているディストリビュータから購入しているため、発注から納品までは最長でも約3週間だ。当初は国産サーバに比べて納期が長そうだというイメージがあったが、実際にはまったく遜色ないレベルだという。

2つの顔を持つクラウド運用自動化ツール、Cisco UCS Director

NESICのクラウド サービスの効率化に一役買っているもう1つのツールがある。「Cisco UCS Director」だ。この製品は、クラウド プロビジョニングの自動化と、コントロール パネルの提供という2つの側面を持つ。

Cisco UCS BシリーズとCisco UCS Managerにより、サーバのプロビジョニングの自動化が可能になる。一方、Cisco UCS Directorでは、サーバに加え、ストレージ、ネットワークのVLAN設定、仮想化環境、仮想マシンといった、ユーザにクラウド環境を提供するのに必要な一連の準備作業を、事前に設定された内容で、順序に従って実行する自動化機能を備えている。

もともと、NESICでは、本番システムに何らかの変更を加えるときは手順書を書き、レビュー、承認を受けてから、2人以上で作業をする内規になっている。それ自体はガバナンス上、望ましいことだ。

だが、ストレージや仮想化環境、VLANの設定を含めると、1顧客の受け入れのための設定作業だけでも、大きな手間が掛かってしまう。同社ではサーバ、ストレージ、ネットワークの運用担当者が分かれている。例えばストレージの設定については依頼事項を伝え、ストレージ担当にやってもらわなければならなかった。一連の過程で費やす時間や作業量は大きい。従来のレベルのガバナンスを維持しながら、これを自動化したかったという。

新しいやり方では、ストレージのLUNの切り出しを、サーバ担当者側がCisco UCS Directorを使って行っている。当然、Cisco UCS Directorによって適用するストレージ関連設定については、ストレージ担当者のレビューを受けている。だが、プロビジョニング自動化ツールの設定を確認すればよくなったことで、サーバとストレージ、双方の担当者にとっての負荷が軽減した。

Cisco UCS Directorの効果は大きい。各顧客のための環境構築に掛かる時間は、従来の半分になったと、松田氏とともに同社クラウド サービスの共通インフラの構築を進めている企業ソリューション事業本部 ニューソリューション推進事業部 クラウド構築部の沼本大輔氏は指摘する。

仮想化環境のみを対象とした運用自動化ツールは他にも選択肢があるが、仮想環境と物理環境が双方操作できることが、Cisco UCS Director導入の大きな決め手となっている。

Cisco UCS Directorのもう1つの側面は、ユーザ ポータル提供機能だ。NESICのクラウド サービスでは、上述のとおり、ユーザが新規仮想マシンやストレージ領域を、クレジットカードで購入し、即座に利用開始するといったレベルまでのセルフサービスポータルは不要だ。だが、仮想マシンの電源OFF/ ONや、リモート コンソールの機能は提供したかったという。これに、Cisco UCS Directorの機能を活用している。

効果を発揮しつつある新たなクラウド運用体制

こうして、NESICのクラウド サービスでは、その共通インフラの運用を、松田氏や沼本氏などのIaaSチームが一手に引き受け、他のアプリケーション指向のクラウド サービス担当チームが利用できる体制が整った。従来は各チームがそれぞれサーバなどの面倒を見ていたが、その工数が不要となり、サービス担当チームはサービスの改善や新サービスを考える時間が増えた。一方で全体的な運用コストが下がる見通しが立ったという。

さらに、サーバを追加するのに掛かる時間が確実に減った。クラウド サービスの迅速
さのメリットを、社内でも実感できるようになった。

「クラウド サービスではハードウェア費、ラック費、電源費など、いろいろなコストがありますが、人件費が大きなウェイトを占めています。今後は、人員をむやみに増やすことなく、サービスの大規模化や新規プロダクトの開発が、従来に比べてはるかに容易にできるようになると思います」(松田氏)。

NESIC では、今後どのようにCisco UCS を活用していくのか。

「私たちは、Cisco UCS Bシリーズをユーザとして使ってきて、非常にいいものだということが分かりました。今後は、自社のデータセンターで構築したスキルを生かして、Cisco UCSに関し、システム インテグレーション的なビジネスの広げかたができればと考えています」(松田氏)。

「いいものはいい」と言える企業文化。だからこそNESICは、Cisco UCS Bシリーズを採用した。そして「いいものはいい」から、広めていきたいという。同社はCisco UCS Bシリーズの展開を通じ、ICTインフラの運用体制、さらには同社のビジネスのあり方をクラウド時代に向けて進化させつつある。

S-iDC クラウドホスティングサービス

Intel、インテル、Intel ロゴ、Xeon、Xeon Inside は、アメリカ合衆国およびその他の国における Intel Corporation の商標です。

インテル® Xeon ® プロセッサー

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業界最高水準のパフォーマンスを実現
Cisco Unified Computing System

導入ソリューション

  • Cisco Unified Computing System Bシリーズ
  • Cisco UCS Director

導入前の課題、検討事案

  • クラウド サービス プロダクトごとのインフラ製品調達と運用で、各サービス プロダクト担当チームの負荷増大が表面化しつつある
  • 事業拡大に伴い、サービスの柔軟性・迅速性、コスト効率の確保が困難に

導入効果

  • Cisco UCS Bシリーズを使った共通基盤整備で、大規模環境の構築、運用に関する工数を大幅に削減
  • サーバ追加時の設定作業が簡素化し、所要時間が短縮したことで、遊休リソースの少ない効率的なインフラ調達が可能に
  • Cisco UCS Directorで各顧客のための環境構築に要する手順を自動化、迅速で確実なサービス提供に貢献
  • 各サービス プロダクト担当チームはサービスの改善や新サービスの開発に専念できるようになった
企業ソリューション事業本部 ニューソリューション推進事業部 クラウド構築部 主任 松田 浩志 氏

企業ソリューション事業本部 ニューソリューション推進事業部
クラウド構築部 主任
松田 浩志 氏

企業ソリューション事業本部 ニューソリューション推進事業部 クラウド構築部 沼本 大輔 氏

企業ソリューション事業本部 ニューソリューション推進事業部
クラウド構築部
沼本 大輔 氏

NECネッツエスアイ株式会社

NECネッツエスアイ株式会社
NEC Networks & System Integration Corporation

本社所在地
〒 112-8560 文京区後楽 2-6-1 飯田橋ファーストタワー
設立
1953 年 12 月 1 日
資本金
131 億 22 百万円
( 2013 年 3 月 31 日現在)
<東証一部上場>
URL
http://www.nesic.co.jp/