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Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カード:柔軟性に富み、スケーラブルなデータセンターの設計

ソリューション概要





Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カード:柔軟性に富み、スケーラブルなデータセンターの設計



このドキュメントの内容


従来のサーバの I/O には、柔軟性がありません。I/O 設定を変更するには、通常、物理的介入を必要するので、結果としてアプリケーションのダウンタイムが発生します。I/O 設定は、仮想化の急速な採用によってさらに複雑になっています。Network Interface Virtualization(NIV; ネットワーク インターフェイス仮想化)では、所定のサーバへの必要な物理接続数を制限しつつ、このサーバへの I/O 接続数の増加によってもたらされるこれらの課題に対応できます。

シスコは、Cisco Unified Computing System™ 内でネットワーク インターフェイスの仮想化を実行する Cisco® UCS M81KR 仮想インターフェイス カードを開発しました。このドキュメントでは、I/O を仮想化する Cisco UCS M81KR 機能と「wire-once(配線は初回のみ)」ケーブル配線モデルおよびサービス プロファイルなど他の Cisco Unified Computing System の機能を併用して、物理環境または仮想化環境の移動または再ホストを簡単かつ容易に拡張できる操作にする方法について説明します。

課題


データセンター インフラストラクチャに対する重圧は、トランザクションの全体的な増加および仮想化の採用の加速という 2 つの相関性のある傾向のために増しています。これらの傾向によって、各サーバ(物理サーバおよび仮想サーバの両方)への I/O の増加および管理に対するこれまでにない要求が生まれます。この要求は、次の 3 つの根本的な点でデータセンターの全体的な経済性および運用に影響を及ぼします。

  • 物理的コストを抑制しつつアプリケーションを拡張する必要性:既存のデータセンターのほとんどは、複数の Network Interface Card(NIC; ネットワーク インターフェイス カード)および Host Bus Adapter(HBA; ホスト バス アダプタ)を使用してサーバを展開していますが、これらはすべて、給電、冷却、およびスペア用の在庫を必要とします。トランザクション要求に応えるために新しいサーバを追加することも、ケーブルおよびスイッチの急増につながります。将来的に I/O は、プロセッサ パフォーマンスおよびメモリ テクノロジーの向上とともに拡張する必要があります。仮想環境における I/O には、仮想マシンのモビリティに対応する拡張性も必要です。
  • 動的運用を簡素化する必要性:ビジネス ユーザはオンデマンドでアプリケーションを使用できることを求めますが、ニーズに応えるためには、これまで以上に頻繁にサーバの再利用および再プロビジョニングを行わざるを得なくなります。サーバおよびアダプタからスイッチおよびケーブルにいたるコンポーネントおよびデバイスの急増は、管理を複雑化し、潜在的な障害ポイントの数も増やします。管理パラダイムは通常、デバイスベースであり、物理的実装の拡張および複雑さに対応していないので、トラブルシューティングはこれまで以上に困難になります。多くの場合 IT 組織は、サーバ、SAN、および LAN のチームに分かれていますが、これによってサーバと I/O の同期化が困難になっています。
  • 仮想化環境のために I/O を最適化する必要性:現時点では、仮想サーバがあちこちに移動するので、一貫したネットワーク ポリシー(セキュリティ、Quality of Service(QoS)など)の適用は困難です。また、物理サーバと仮想サーバの間に一貫した管理メカニズムおよびトラブルシューティング メカニズムを提供することも困難です。

シスコのソリューション


シスコは、お客様が現在直面している I/O の課題に Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カードで対応します(図 1)。

図 1 Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カード

図 1 Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カード


Cisco UCS M81KR は、仮想化のために最適化されたイーサネットおよび Fibre Channel over Ethernet(FCoE)メザニン カードです。このカードは、Cisco UCS B シリーズ ブレード サーバと共に使用するように設計されています。この仮想インターフェイスカードは、Peripheral Component Interconnect Express(PCIe)標準準拠の仮想インターフェイスを最大 128 個サポートする、デュアルポートの 10 ギガビット イーサネット アダプタです。仮想インターフェイスは、インターフェイスのタイプ(NIC または HBA)と、ID(MAC アドレスおよび Worldwide Name(WWN))の両方を、ジャストインタイムのプロビジョニングを使用して確立できるように動的に構成できます。これらの仮想インターフェイスは管理者によって定義され、サービス プロファイルの割り当て時にサーバでインスタンス化されます。BIOS、OS、およびハイパーバイザからは、これらの仮想インターフェイスは通常の PCIe デバイスとして認識されます。

Cisco UCS M81KR のアーキテクチャによって、ファブリックへの物理接続から見て CPU に対して内向きおよびネットワークに対して外向きの両方向で仮想化されたアダプタを認識できるようになりました。サービス プロファイルからアダプタにその存在、ID、およびポリシーが適用されるので、これらのデバイスは、オペレーティング システムの起動前に BIOS によって認識されます。システムによる PCI バスの通常のスキャンは影響を受けません。しかも、システムを複数回起動したり、Cisco Unified Computing System 内の他のブレードにサービス プロファイルを移行したりしても、情報は維持されます。この動作は、Cisco Unified Computing System の基盤であるステートレス モデルと同じです。

管理チームは、個々の仮想インターフェイスに対してポリシーを直接定義できます。これらのインターフェイスのサブグループに関する制限はありません。Cisco VN-Link テクノロジーによって仮想アダプタを一意に識別できるようになり、Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトでは、これらのアダプタが(仮想アダプタに論理的に直接接続されている)論理インターフェイスとして認識されます。また、Cisco VN-Link テクノロジーでは、管理者がポリシー グループを設定し、このグループに論理インターフェイスを含めることができます。

仮想化環境内では、Cisco UCS M81KR を VMware vCenter と密接に統合できます。これらのアダプタの追加、移動、または削除は VMware ESX サーバから行われるので、ネットワーク ポリシーおよび管理情報(たとえばカウンタ)は VMware vCenter で制御できます。

ソリューションの利点


Cisco UCS M81KR は、今日のデータセンターの課題を解決する多数の利点を提供します。

アプリケーションの拡張とコストの抑制

Cisco UCS M81KR は、「wire-once(配線は初回のみ)」展開モデルを実現する、高性能のユニファイド I/O アーキテクチャを提供します。これによって、購入、配線、設定、給電、冷却、およびセキュリティを必要とするアダプタおよびスイッチの数が、大幅に削減されます。多数の異なる種類のアダプタ、スイッチ、および管理ツールを使用するのではなく、単一の 10 ギガビット Converged Network Adapter(CNA; 統合型ネットワーク アダプタ)およびユニファイド ファブリックを使用してインフラストラクチャを簡素化できます。また、物理インフラストラクチャが少なくなるので、Cisco Unified Computing System のエネルギー効率が大幅に向上します。ユニファイド I/O アーキテクチャと革新的なファブリック エクステンダ I/O モデルを併用すると、配線作業を大幅に削減できます。

Cisco UCS M81KR は、高性能のデュアルポート 10 Gbps アダプタです。600,000 を超える I/O Operations per Second(IOPS; I/O 処理/秒)を非常に低遅延で提供し、I/O の多いアプリケーションのあらゆる I/O ボトルネックを排除できます。さらに、シスコのアダプタでは、さまざまなアプリケーションの増え続ける I/O 接続ニーズを満たすためにユーザが作成できる仮想インターフェイスの数について高い柔軟性が提供されます。I/O を拡張するためには、IT 管理者が、物理接続の数を抑制しつつ、所定のサーバとの別個の I/O インターフェイスを複数作成する方法を得る必要があります。さらに、各 I/O インターフェイスは、異なる種類の I/O トラフィックに優先順位を付けるための QoS 機能を必要とします。Cisco UCS M81KR アダプタでは、ネットワーク インターフェイス仮想化のインターフェイスで QoS ポリシーを適用することによってこの目的を達成できます。この機能は、Virtual Machine(VM; 仮想マシン)のモビリティが重要となる仮想サーバの I/O を拡張するときに特に有用です。

動的運用の簡素化

IT インフラストラクチャは、刻々と変化するビジネス ニーズに適応する必要があります。Cisco Unified Computing System は物理インフラストラクチャの特性を要約し、Cisco UCS Manager のサービス プロファイルで管理します。たとえば、金融機関の IT 管理者は、日中はデータセンターのサーバを Virtual Desktop Interface(VDI; 仮想デスクトップ インターフェイス)サーバとして使用し、夜間には翌日のための解析処理を実行するために再利用します。この例では、VDI サーバは、2 個の HBA と 6 個の NIC を必要としますが、解析処理用のサーバに必要なのは 2 個の NIC だけです。Cisco UCS M81KR は、NIC と HBA のさまざまな組み合わせを動的に作成し、真のステートレス コンピューティング インフラストラクチャを実現できる、市場で唯一のアダプタです。IT 管理者は、Cisco UCS Manager のサービス プロファイルを使用して、これらのアダプタを非常に容易にプロビジョニングおよび設定できます。

機敏で、柔軟性に富むデータセンターでは、復元力が非常に重要です。ほとんどのお客様は、OS およびハイパーバイザごとに NIC ベンダーが提供する、ある種の NIC チーミング ソフトウェアを使用する必要があります。NIC チーミングには、各アプリケーション環境の認定も必要です。Cisco UCS M81KR は、OS または ハイパーバイザの関与なしで、または認定に必要なオーバーヘッドをかけずに物理レベルでのインターフェイス フェールオーバーを可能にする、ファブリック フェールオーバーを提供します。

Cisco UCS Manager もサーバとネットワーク グループとの間のコラボレーションを簡素化し、促進します。ネットワーク管理者は、サーバ管理者がサービス プロファイルの定義に使用できるネットワーク プロファイルを定義できます。仮想化環境では、Cisco UCS M81KR は、VMware の管理ツールである VMware vCenter と非常に密接に統合されます。Virtual NIC(vNIC; 仮想 NIC)のプロファイルは Cisco UCS Manager で定義でき、サーバ管理者によって、透過的で、協力的な方法で仮想時マシンに適用されます。

仮想化環境の I/O の最適化

典型的な仮想サーバは、多くの場合、複数の異なる LAN および SAN インターフェイスに接続され、VMkernel、サービス コンソール、および仮想マシンの実稼動トラフィックと共有 SAN ストレージのために個別の接続を提供します。このような展開では一般的に、4 〜 8 個の NIC と 2 個以上の HBA が使用されます。Cisco UCS M81KR は、単一のデュアルポート 10 Gbps アダプタからこれらを作成し、それぞれにネットワーク ポリシーを適用できる、現在の市場で唯一のアダプタです。したがってお客様は、複数の NIC および HBA(ならびに関連するイーサネットおよびストレージ ポート)を統合し、コストを節約できます。

仮想化の自動化を促進するには、物理サーバと仮想サーバの間で一貫した運用モデルが必要なので、Cisco UCS M81KR は、シスコと VMware で共同開発した VN-Link 機能を使用して、物理サーバ上のインターフェイスの運用モデルに厳密に従った方法で、仮想サーバ上のインターフェイスを管理し、運用します。これによって、ネットワークが仮想マシンを認識するようになります。さらに、Cisco UCS M81KR の管理は、VMware vCenter と密接に統合されています。ネットワーク ポリシーおよび設定は、ネットワーク管理者が Cisco UCS Manager で作成できます。次に、VMware vCenter にエクスポートされ、サーバ管理者が VMware vCenter を使用して仮想マシンに適用します。この機能によって、アダプタおよびポリシーの管理が大幅に簡素化されます。

Cisco UCS M81KR は、最大 128 の仮想アダプタを作成し、VMware VMotion などいずれの仮想化機能を制限することなく、VMware 展開内の異なる仮想マシンに作成したアダプタをマップできます。まず各仮想マシンがシスコの Distributed Virtual Switch(DVS; 分散仮想スイッチ)に接続され、次に、パススルー スイッチングで仮想アダプタに接続されます。パススルー スイッチングでは、ネットワーキング機能を提供するために通常使用される CPU サイクルを解放できるので、仮想サーバのパフォーマンスが向上します。

アダプタには、組み込みのアーキテクチャ サポート機能があり、各仮想マシンがアダプタ ハードウェアに直接アクセスできるので、ハイパーバイザを完全にバイパスできます。この機能は、ハイパーバイザに対するコンピューティング負荷の一部を緩和し、VMware VMotion などの重要な利点を損なうことなく、さらにパフォーマンスを向上させます。

使用例


Cisco UCS M81KR は、すべてのアプリケーション環境に対して大きな利点をもたらすことができます。Cisco UCS M81KR の機能は、次の状況に特によく対応します。

  • VMware の仮想化:Cisco UCS M81KR では、物理アダプタ数の削減、管理の簡素化、ハイパーバイザ パフォーマンスの向上、および異なるグループ間でのコラボレーションの促進を実現できます。
  • データベースの展開:Cisco UCS M81KR は、物理アダプタ数の削減、管理の簡素化、およびデータベースなど要件の厳しいアプリケーションのパフォーマンスの向上を実現できます。
  • Infrastructure as a Service(IaaS):Cisco UCS M81KR は、物理アダプタ数の削減、サーバの動的な再利用、および異なるサービスのパフォーマンスの確実な向上を実現できます。

まとめ


Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カードは、その革新的なテクノロジーによって多数の新機能を提供します。Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カードでは、次のことが可能です。

  • 複数の NIC および HBA の統合および仮想化による物理インフラストラクチャの削減
  • 運用の簡素化
  • 異なる IT グループ間でのコラボレーションの促進
  • ステートレスで機敏なインフラストラクチャの実現
  • スケーラブルな高性能 I/O アーキテクチャの提供
  • 仮想環境の I/O の最適化

関連情報


Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイス カードの詳細については、http://www.cisco.com/web/JP/product/hs/ucs/ucs_b/prodlit/data_sheet_c78-525049.html を参照してください。