データ シート
Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージ
製品概要
Cisco MDS 9000 XRC(Extended Remote Copy)アクセラレーション パッケージは、Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタおよび Cisco MDS 9200 シリーズ マルチレイヤ ファブリック スイッチで Cisco® MDS 9000 SAN Extension over IP パッケージおよびメインフレーム パッケージと併用することにより、IBM z/OS Global Mirror(旧 Extended Remote Copy [XRC])を使用する IBM System z 用のビジネス継続性ソリューションとして、優れた費用効果と信頼性をもたらします。
Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージは、System Data Mover(SDM)と呼ばれる IBM System z のリモート レプリケーション機能の先読みによって、プライマリ ダイレクトアクセス ストレージ デバイス(DASD)からセカンダリ デバイスへのダイナミック アップデートを高速化します。データは SDM とローカル接続されている Cisco MDS 9000 18/4 ポート MSM(マルチサービス モジュール)ライン カードまたは Cisco MDS 9222i マルチサービス モジュラ スイッチにバッファリングされるため、200 km 以上の長距離でパフォーマンス低下の要因となる遅延の影響を緩和または排除できます。このプロセスは、XRC エミュレーションまたは XRC エクステンションと呼ばれることもあります。
内容
Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージには次の機能があります。
- 統合ソリューション:これまで他の XRC エミュレーションおよびアクセラレーション ソリューションには、専用の拡張スイッチまたはディレクタが必要でした。このようなソリューションでは、資本、フロア面積、電力、冷却能力、メンテナンスおよびサポート、管理オーバーヘッドなど、さまざまな面でコストがかさみます。しかし Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージはソフトウェア ライセンスであるため、既存の Extension over IP 構成に簡単に追加することができます。
- Fibre Channel over IP(FCIP)圧縮:XRC アクセラレーションは、Cisco MDS 9000 18/4 ポート マルチサービス モジュールおよび MDS 9222i ハードウェア プラットフォームの FCIP 圧縮機能を使用します。実際の圧縮率はデータによって大きく変わりますが、通常は 4:1 以上の圧縮率が得られます。
- FCIP 暗号化:XRC アクセラレーションは、Cisco MDS 9000 18/4 ポート マルチサービス モジュールおよび MDS 9222i に組み込まれた IPsec(IP セキュリティ)暗号化機能を使用します。暗号化はギガビット イーサネットのワイヤ レートで実行されます。プロトコルおよびアルゴリズムのネゴシエーションや鍵交換に Internet Key Exchange(IKE; インターネット キー エクスチェンジ)を使用し、暗号化には Advanced Encryption Standard 256(AES-256)、AES-128、Data Encryption Standard(DES)、または 3DES(168 ビット)を使用します。
- 並列スケーラビリティ: XRC アクセラレーションでは、複数の SDM を使用できます。また、各 SDM 内では複数のリーダーを使用できます。IBM z/OS Parallel Access Volume(PAV)および Hyper-PAV をサポートします。
- 複数ベンダーの DASD をサポート:IBM、EMC、HDS の DASD をサポートします。
- 管理の容易性:ライセンスをインストールして FCIP トンネルを設定し、機能を使用する各 FCIP トンネル(SDM とプライマリ DASD の間)にアクセラレーションを設定すれば手順は完了です。
- 一元的な管理:XRC アクセラレーションは、設定、ステータス、リアルタイム パフォーマンスを監視できる Cisco Fabric Manager GUI を使用して簡単に管理できます。オプションの Cisco Fabric Manager Server パッケージを使用すれば、詳細なパフォーマンス履歴レポートやトレンド情報を入手できます。
- IBM z/OS ツールによる管理:IBM System z 上の SA/390 Resource Measurement Facility(RMF)レポートを使用して一元的に管理したい場合は、インバンドの IBM Control Unit Port(CUP)インターフェイスを通じて、ポート統計、パフォーマンス データ、帯域幅利用アラートを IBM System z に渡すことにより、IBM z/OS ツールによる管理が可能となります。
- 先読み機能の向上:XRC アクセラレーションは 250 以上の Read Record Set(RRS)操作を未処理にしておくことができるため、距離が離れていたり、データベース ログのように比較的短いレコードを扱ったりする場合には特にパフォーマンスが向上します。
- インバンド XRC パフォーマンス レポート:シスコと IBM は、Cisco MDS 9000 ファミリから XRC Performance Monitor に詳細な統計情報を提供できるようにするインバンド インターフェイスを開発しました。これらの統計情報によって、パフォーマンスを効果的に制御できるとともに、トラブルシューティング機能が強化されます。
ソフトウェア リリース
このパッケージを使用するには、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェア リリース 4.2(1) 以降がインストールされている必要があります。
ライセンス情報
このパッケージのライセンスは、スイッチ内のすべてのポートおよびラインカードを含めてスイッチ単位で提供されます。このパッケージを導入するには、IBM z/OS Global Mirror のトラフィックを高速化する FCIP リンクの両側に、Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージ ライセンス(およびその前提条件)がインストールされた Cisco MDS 9000 ファミリのスイッチまたはディレクタが必要です。
XRC アクセラレーションを有効にするには、前提条件として次の 2 つのパッケージが必要です。
- Cisco MDS 9000 メインフレーム パッケージ:IBM Fiber Connection(FICON) を使用できるようにします。
- Cisco MDS 9000 SAN Extension パッケージ:FCIP を使用できるようにします。XRC アクセラレーションを機能させるには、Cisco MDS 9222i または MDS 9000 18/4 ポート マルチサービス モジュール ライン カードで FCIP を使用する必要があります。
発注情報
このパッケージに関連する発注番号は次のとおりです。
- M9500XRC= 1 台の Cisco MDS 9500 シリーズ マルチレイヤ ディレクタに対する Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージ
- M9200XRC= 1 台の Cisco MDS 9200 シリーズ マルチレイヤ スイッチに対する Cisco MDS 9000 XRC アクセラレーション パッケージ
関連情報
詳細については、Cisco MDS 9000 NX-OS ソフトウェアのデータシート、Cisco MDS 9000 メインフレーム パッケージのデータシート、Cisco MDS 9000 SAN Extension over IP パッケージのデータシートを参照してください。
特定の FICON 対応デバイスの相互運用性については、Cisco Data Center 相互運用性サポート表を参照してください(http://www.cisco.com/en/US/docs/switches/datacenter/mds9000/interoperability/matrix/Matrix.pdf) [英語]。