ホワイトペーパーCisco サービス統合型ルータによるブランチ オフィス ネットワーク インフラストラクチャの総所有コストの最適化分散ビジネスの興隆世界は地球村へと進化しました。企業は、戦略的に重要な地域で存在感を確立し、独自のパートナー提携と顧客機会によって利益を獲得することの必要性を見出しています。複数の業界筋によれば、世界中のエンタープライズ従業員の 30 〜 90% はブランチ オフィス ユーザによって構成され、ビジネス リソースの 70 〜 90% はリモート ロケーションでリモート ユーザによって使用されていることがわかっています。これらのリモート従業員は、業務を滞りなく遂行するために、本社の従業員と同じアプリケーション、システム、およびツールにアクセスできる必要があります。 テクノロジーの進化はビジネス ポリシーを変化させ、さらに、ブランチ オフィス ネットワーク インフラストラクチャの変化を推進しています。ビジネスの継続性はリソースの集中化を加速させ、結果的に、より重要な資産はエンタープライズの本社およびデータセンターに移管されています。このような状況は、ブランチ オフィスおよびリモート オフィスにも波及効果をもたらしています。多くの企業は、法規制への準拠とコスト管理の要件を満たすため、ブランチ オフィスにおいてリソースの最適化と複雑さの低減に努めています。 ブランチ リソースの集中化とアクセスの強化には大きな利点がありますが、同時に、セキュリティ、遅延、およびパフォーマンスに関連する課題も生まれてきます。最適なビジネス生産性を達成できるのは、ブランチ オフィスでも本社と同じサービス レベルを利用できる場合に限られます。ブランチ オフィス ネットワークは、セキュリティで保護され、ハイアベイラビリティを実現し、リモート管理と拡張が可能である必要があります。また、メイン オフィスと同レベルのアプリケーション パフォーマンスとサービス品質を提供できる必要があります。 テクノロジーの進化とポリシーへの準拠によって実現する利点は比較的把握しやすいにもかかわらず、フル サービス ブランチを所有および運用するためのコストと複雑さは予測が困難です。既存の機器は、ブランチ オフィス拡張のニーズに対応できるだけの十分な能力を備えているでしょうか。ブランチ オフィスに新しいアプリケーションを導入する際にはどのような複雑さがあるでしょうか。新しいソリューションを実装するには、多大なコストがかかり、習得が難しいでしょうか。 ネットワークの TCO:詳細分析すべてのネットワークには導入コストと運用コストが必要ですが、それらの投資が企業の利潤線に影響する度合いは、ブランチ オフィス ネットワーク ソリューション自体の特徴、機能、および適合性によって左右されます。 総所有コスト(TCO)が高くなる原因の一部を次に紹介します。
Gartner Group が行った調査によると、ネットワークの導入ライフサイクル全体で、継続的な運用コストが TCO に占める割合は 80% であるのに対し、機器を購入するための初期コストは 20% で、比較的少ないことがわかっています。これらのハードウェア関連のコスト以外でも、必要なテクノロジーへの過少投資が原因で「サービスのロックアウト(サービスを利用できない)」状態になり、追加の機会コストが発生することがあります。価格が低くても機能やサービスへの対応性に乏しいプラットフォームを購入してしまうと、初期コストは節約できますが、その運用コストおよびそれによって失われる機会コストは、節約の金額を上回ります(図 1)。
図 1 ネットワーク所有コスト Cisco サービス統合型ルータシスコのブランチ オフィス ソリューションは、データ、セキュリティ、音声、アプリケーション アクセラレーションの同時サービスで優れたパフォーマンス、アベイラビリティ、および密度を備えたマルチサービス ルータを提供し、将来の拡張にも対応することで、他のブランチ オフィス ソリューションとの差別化を図っています。Cisco 3800 シリーズ サービス統合型ルータは、組み込みセキュリティ、オンボード DSP(Digital Signal Processor; デジタル信号プロセッサ)、パフォーマンスとメモリの強化、最新の WAN テクノロジーを導入したハイパフォーマンス インターフェイスなどの機能を提供して、最も要求の厳しいエンタープライズ ブランチ オフィスのニーズを満たします。 Cisco サービス統合型ルータには、オーバーレイ アプライアンスと比べて、次に示す具体的な利点があります。
TCO モデル
図 2 Cisco サービス統合型ルータの導入による資本支出の削減 Cisco サービス統合型ルータの統合型アプローチを採用すると、TCO を削減できます。ネットワーク インフラストラクチャを購入する際の資本コスト比較に基づくと、個々の製品を購入する場合、統合型ソリューションを購入する場合よりも、資本支出(CapEx)が 5 〜 30% も高くなります。同様に、導入コストも個々のデバイスの場合は高くなります。 シスコでは、TCO の主なコスト要素を計算するため、実装コスト(IMPEX)と運用コスト(OpEx)で構成される包括的なモデルを調査しました。信頼できるシステム インテグレータによって提供されたインストールおよび導入のコストを使用して、ブランチ オフィス ソリューションの初期導入コストを 10 か所のブランチ オフィス サイトについて見積もりました。各ブランチ オフィスには平均 50 名の従業員が在籍しているとします。 このモデルでは、今後 3 〜 5 年以内における人員の増加および IP ネットワーク上での複数の高度なサービス展開の結果、年間成長率を 8.9% と算出しています。 エンタープライズの場合は、ハイアベイラビリティで冗長性の高いネットワークを備えたデータ センターを含む、大規模で、ハイアベイラビリティを備えたインフラストラクチャを運用していると仮定しています。3 年間にわたる運用コストの具体的な比較を次に示します。
図 3 総所有コスト(TCO) Cisco サービス統合型ルータを 3 年のライフサイクルで所有すると、オーバーレイ アプライアンスの場合と比べ、資本支出で 5 〜 30% 有利であるだけでなく、年間で 70% を超える削減になります。言い換えると、それぞれに 50 名の従業員が在籍する 10 か所のブランチ オフィスを運営するエンタープライズでは、ネットワーク内の多様な個々のオーバーレイ製品に 560,000 ドル以上も支出することになります。これには、毎日の運用、サポート、およびトラブルシューティングに関連する種々雑多のコストは含まれていません。 このモデルでは控え目な見積もりを行っています。ネットワークのアベイラビリティが向上することによって得ることのできる企業収益は計算に含まれていないからです。ネットワーク ダウンタイムの影響下にある、収益を創出する従業員の数を考慮に入れたモデルを詳細に分析することで、統合型ソリューションの優れた利点はさらに明らかになります。 コスト効果の方程式Cisco サービス統合型ルータを所有することで、ネットワークの TCO を削減できるだけでなく、きわめて魅力的な ROI(Return on Investment; 投資回収率)も実現できることがわかります。サービス統合型ルータの 3 年間のライフサイクルで償却される金額の概要を表 1 に示します。 表 1 所有にかかる直接コストと間接コスト
表 1 に示した数字には、機器のコスト(資本コスト)は含まれていません。この調査は、運用コストと実装コストに基づいているためです。Cisco サービス統合型ルータを所有すると、ROI が 3 年間で 300% 以上改善することは明らかです。 TCO 分析の主な結果を次に示します。
何もしなくても発生するコスト最後に、ブランチ オフィスの運用コストが簡単に膨張するという事実について説明します。これは、1 つのブランチ オフィスではわずかなコスト増加であっても、ブランチの数が増えれば莫大な金額になるということです。サービス料の場合も 1 か月分の料金は少なくても、何か月にもわたれば莫大な金額になります。新しいハードウェアのオンサイト構成では、技術者を派遣してもらうたびに、1 時間あたり 300 ドル(遠隔地ではそれ以上)の追加コストが発生します。したがって、数年後に要件が変わった場合(ネットワークへの音声サービスの追加や VPN サービスへの移行など)、新しい機器を手動で導入し直すとコストは増大します。 ブランチ オフィス ネットワークの TCO の場合、10 か所のブランチで構成されるネットワークの 3 年間にわたる運用コストは、700,000 ドルを超える可能性があります。企業の収入と収益性に影響するこれらの具体的なコストとは別に、このモデルでは金額計上されていない関連する機会コストも考慮に入れる必要があります。これらのコストには、ネットワークの複雑さ、異種ネットワークの管理ツールを操作するためのエンジニア トレーニングの必要性、ベンダー関係やさまざまな年間保守契約を管理するための時間と作業、機器の障害発生時のトラブルシューティングに関連するものが含まれます。 複数のベンダーが関与してくると、トラブルシューティングのシナリオが混同し、所有者が定まらない可能性も出てきます。また、ベンダーの計画に統一性がない場合は、ブランチ オフィス展開が頓挫したり、拡張の対応能力が低下したりする可能性もあります。 TCO 削減のためのロードマップ:統一性が導く成功
図 4 TCO 削減のためのロードマップ
ブランチ オフィスで使用している統一性のないオーバーレイ アプライアンスは、莫大な運用コストの原因となり、ブランチ オフィスのニーズに対応するには非効率的な手段です。今日の企業は、競争力の維持に必要な成長と技術革新のペースに対応するため、統合型のアプローチを使用して TCO を最小限に抑えると同時に、ブランチ オフィス従業員の生産性を最大限に高める必要があります。 シスコの違い
図 5 TCO 削減のためのロードマップ Cisco サービス統合型ルータ製品ラインの主力製品である Cisco 3800 シリーズは、他に類を見ない統合性、アベイラビリティ、およびネットワークの柔軟性を実現することにより、ネットワークの総運用コストを削減するための最大限の機会を提供します。Cisco 3800 シリーズは、ブランチ オフィスのさまざまなニーズに対応できる単体のデバイスです。たとえば、WAN 接続、接続サービス(QoS、圧縮、アクセス リスト)、セキュリティで保護された接続(暗号化、VPN)、セキュリティ サービス(ファイアウォール、IDS [Intrusion Detection System; 侵入検知システム]、URL フィルタリング)、有線 LAN とワイヤレス LAN、音声サービス(呼処理、ボイスメール、自動アテンダント、SRST [Survivable Remote Site Telephony] ゲートウェイ、会議)、アプリケーション アクセラレーション(キャッシング、事前配置、ストリーミング、URL フィルタリング)、高度な管理(フル RMON [Remote Monitoring; リモート モニタリング] サービス)などに対応しています。 多様な導入形態に対応できるように設計されている Cisco 3800 および 2800 シリーズ ルータは、設備利用の効率化、インストールとアップグレードの簡素化、およびダウンタイムの大幅な削減を実現することにより、TCO の観点から大きな見返りを提供します。このソリューションにより、IT 管理者は、既存の知識、トレーニング、およびインフラストラクチャを利用して、エンタープライズ全体のブランチ オフィス ソリューションをコスト効率よく実装できます。 冗長性のある構成大規模で広範囲の導入に対応できるように設計されている Cisco 3800 シリーズ サービス統合型ルータは、設備利用の効率化、ハイアベイラビリティ、インストールとアップグレードの簡素化、およびダウンタイムの大幅な削減を実現することにより、TCO の観点から大きな見返りを提供します。このソリューションにより、IT 管理者は、既存の知識、トレーニング、およびインフラストラクチャを利用して、エンタープライズ全体のブランチ オフィス ソリューションをコスト効率よく実装できます。 Cisco サービス統合型ルータは、完全に堅牢で信頼性の高い導入を実現し、真のブランチ オフィス イン ア ボックス(Branch Office in a Box)を実証しています。冗長性のあるシナリオでは、重要なアプリケーション用に、ハイアベイラビリティを備えたホットスワップ環境が保証されます。シスコでは、二重構成にした Cisco サービス統合型ルータと音声/セキュリティ冗長機能を組み合わせて導入および稼働することにより、利潤線にどのような影響があるかについて調査しました。 冗長性のあるシナリオでは、ブランチ ネットワークの直接コストと間接コストに関連する所有コストが増加します。1 台の Cisco サービス統合型ルータを 3 年間使用した場合の TCO が 15,600 ドルであると予想されるのに対し、冗長性を提供するために二重構成にした Cisco サービス統合型ルータを同じく 3 年間使用した場合の TCO は 25,900 ドルです。 この冗長性のあるソリューションでも、比較シナリオのオーバーレイ アプライアンスを導入した場合に比べれば、約 60% の削減を達成できます。3 年の期間で見ると、比較シナリオと比べて、ROI は 250% 近くになります(図 6)。
図 6 総所有コスト(TCO):冗長性のある導入 3G WWAN によるバックアップの必要性企業のバックアップ ソリューションのための高速で到達距離の広いワイヤレス テクノロジーにより、ビジネスおよびエンターテイメント市場にとって重要な意味を持つ将来の可能性が生まれ、力強く、柔軟性のある成長の機会が創出されています。 3G WWAN によるバックアップとは何でしょう。3G WWAN は、エンタープライズの重要なバックアップ ニーズに対応するために短時間で導入できる、セキュリティで保護された高帯域幅テクノロジーです。また、生産性の損失、機会の損失、および信頼性の低下を緩和することを目的としたビジネス ライフラインです。WAN のプライマリ リンクとバックアップ リンクに対する物理的な損傷によって引き起こされる可能性のあるネットワーク停止を、WAN の多様性によって保護するための手段でもあります。 ネットワークの停止には、さまざまな原因があります。従来のバックアップ オプションには、次のような欠点がありました。
現代の世界では、ネットワークはビジネスのライフラインです。IP を通じた音声、ビデオ、およびデータの統合が加速するにしたがって、エンタープライズ WAN の復元力は一層重要になっています。ネットワークのダウンタイムは、従業員の生産性の損失、機会の損失、および企業の信頼性の低下につながります。 3G WWAN によるバックアップ統合型アプローチ自体が備えている価値に加えて、WWAN バックアップ ソリューションでサービス統合型ルータを使用すると、WAN の多様性、マルチホーム化される接続、より高い帯域幅などの要素により、多くの利点が実現します。ISDN を含む従来の WAN バックアップ手段に対する 3G テクノロジーの利点を説明するモデルの作成では、運用コストに特化した比較を行いました。 3 年間のライフサイクルにわたって、サービス統合型ルータに基づく 3G WWAN バックアップ ソリューションを所有すると、従来の地上回線によるバックアップ ソリューションと比べて、年間で 40% のコスト削減が可能になります。言い換えると、10 か所のブランチ オフィスでバックアップにかかる支出を 3 年間にわたって累積すると、1,200 万ドル近くの削減となります。この金額があれば、3 つの新しいブランチ オフィスでハイアベイラビリティを備えたバックアップ ソリューションを運用できます。 総所有コスト(TCO)分析のその他の主な結果を次に示します。
図 7 3G WWAN によるバックアップと従来のバックアップの運用コストの比較 シスコの違い
図 8 3G WWAN の HWIC 多様な導入形態に対応できるように設計されている Cisco® ISR 3800、2800、および 1800 シリーズ サービス統合型ルータの 3G ワイヤレス WAN HWIC(High-Speed WAN Interface Card; 高速 WAN インターフェイス カード)は、設備利用の効率化、インストールとアップグレードの簡素化、およびダウンタイムの大幅な削減を実現することにより、TCO の観点から大きな見返りを提供します。このソリューションにより、IT 管理者は、既存の知識、トレーニング、およびインフラストラクチャを利用して、エンタープライズ全体のブランチ オフィス ソリューションをコスト効率よく実装できます。ブランチ オフィス環境の場合は、ソリューションを短期間で導入し、サービスをただちに開始できるという利点もあります。 Cisco 3G WWAN ソリューションは、バックアップで要求される WAN ネットワークの復元力、信頼性、およびアベイラビリティをすべて提供すると同時に、市場で最初に完全統合された製品であるという優位性も備えています。すべてのブランチ オフィスで 1 つのサービス プロバイダーと契約することができ、ブランチ オフィス間で帯域幅を共有して月額のサービス料金を削減することで、コストの優位性はさらに高まります。従来のバックアップ ソリューションに取って代わる、この本当の意味でコスト効率の高いソリューションは、ビジネスに不可欠なアプリケーションで必要とされる帯域幅と継続性を提供します。 |
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