Cisco 7600 シリーズ インターネット ルータ

高品質のビデオ エクスペリエンスを実現する統合ビデオ アドミッション コントロール

ホワイトペーパー





高品質のビデオ エクスペリエンスを実現する統合ビデオ アドミッション コントロール


IPTV の配信にアドミッション コントロールが不可欠な理由

サービス プロバイダーにとって、IP を通じてエンターテイメント品質のビデオ配信を行う IPTV は大きな挑戦です。何百万人もの加入者を管理し、ピーク需要に持ちこたえながら高品質のエクスペリエンスを提供し、同時にネットワークのキャパシティと効果的な資本投資とのバランスをとれるソリューションを展開しなければならないためです。シスコは Cisco IP Next-Generation Network(IP NGN; 次世代 IP ネットワーク)アーキテクチャを通じて、ネットワークに過剰な需要が集中しても高品質のビデオ エクスペリエンスを実現する統合ビデオ アドミッション コントロールを提案します。

このホワイトペーパーでは、ビデオ オンデマンドのためのシスコ統合ビデオ アドミッション コントロール ソリューション、キャリアクラスの IPTV、IP 次世代ネットワーク トリプルプレイ サービスについて説明します。

概要

シスコは、Cisco IP NGN 技術に関してサービス プロバイダー各社と協力し、ネットワークのサービス レイヤで管理するポリシーに基づいて高品質のビデオをユーザに提供するための共同研究を行いました。所定のビデオ サービスの帯域幅および品質要件をもとに、シスコは信頼性に優れた 2 つのコンポーネント、ビデオオンデマンド(VoD)アドミッション コントロールとブロードキャスト ビデオ アドミッション コントロールで構成されるアドミッション コントロール ソリューションを開発しました。

アドミッション コントロールの実現は、高品質のビデオ エクスペリエンスの維持に欠かせません。シスコ アドミッション コントロール ソリューションは、トランスポート ネットワークに冗長性およびロードシェアリング パスを持つ複雑なネットワーク トポロジ、そして加入者サービスに関する他の制約を適用する可能性のあるアクセス リンクの利用ポリシーとビジネス ポリシーを考慮します。シスコ アドミッション コントロール ソリューションは、有料 VoD、無料 VoD、特定のハイデマンド ブロードキャスト チャネル、その他多くの異種サービスと差別化できるため、サービス プロバイダーは IPTV エクスペリエンスによる選択と管理を強化することができます。シスコのルータは、Cisco Broadband Policy Manager(BPM)とオンデマンド サーバおよびマネージャと連携して集中的に統合ビデオ アドミッション コントロール機能を実行します。

課題

一般に、高速のインターネット サービスを提供するサービス プロバイダーは、アップストリームとダウンストリーム スループットの速度に基づいてサービスを設定しているため、加入者のサービスレベル アグリーメント(SLA)は、転送パラメータによって定義されます。一方、IPTV の場合、サービス プロバイダーはアプリケーション エクスペリエンス ベース、すなわちビデオ ブロードキャスト サービスで提供するチャネル数やビデオの品質、ビデオ ライブラリの容量、ユーザのインターフェイス、ビデオ録画機能、双方向機能に基づいてサービスを設定します。IPTV の SLA はネットワークの転送パラメータではなく、エクスペリエンス(QoE; Quality of Experience)の品質に基づいて決定されます。そのためネットワークは、このエクスペリエンス指向の SLA をサポートできるように適切な QoS を提供しなければなりません。こうした明確な違いにより、シスコはそれぞれの異なるサービス タイプに応じて最適な転送が行えるよう IP NGN を設計しました。それぞれの異なるサービスは独立したメカニズムによって保護され、個別の SLA を適用することができます。

高速のインターネットは転送サービスとして扱われ、インターネット トラフィックはブロードバンド リモート アクセス サーバ(BRAS)を通過します。ここでは加入者ごとの QoS が適用され、認証が行われます。加入者ごとの QoS は、それぞれの加入者にサービスが正しく配信および測定できることを目的とした極めて重要なものです。たとえば加入者がターボ ボタンを選択し、一定時間帯域幅を増やした場合、この加入者のQoS だけを変更しなければなりません。一方、ビデオ トラフィックがアプリケーション サービスとして扱われている場合、アプリケーション サービスのネットワーク QoS はすべてのユーザに対して同じなので、QoS はサービスごとに適用されることになります(QoS の集約)。このため、ミドルウェアによってビデオ アプリケーション レイヤでユーザがプロビジョニングされる場合、オペレーションは簡素化され、ビデオ サービスをトランスポート レイヤで再びプロビジョニングする必要はありません。ところが、IPTV サービスでは、サービス プロバイダーはこれとはまた別の多くの課題に直面することになります。

IPTV はパケット損失に対してあまり柔軟ではありません。IPTV は圧縮率が極めて高いため、ビデオ パケットが欠落すると重要なエンコード情報を失ったり、マクロブロッキングやピクセレーション、画像フレームの損失といった可視的なビデオ品質の劣化が起こる可能性があります。業界では、エクスペリエンスとして許容できるビデオ品質の基準として、2 時間の映画 1 本当たり 1 回の可視的劣化しか認めていません。これをネットワーク QoS に換算すると、100 万(10 の 6 乗)個のパケット損失がおよそ 1 回分の劣化に相当します。IPTV を提供するサービス プロバイダーにとっては、この 10 の 6 乗個の最大損失が市場のベースライン要件とされています。

このような損失の上限値を守るようプレッシャーを課せば、各視聴者に専用のストリームを提供し、大量の帯域幅を消費するオンデマンド コンテンツの持続的な成長が促されます。ビジネスの側面から見れば、ビデオ サービスを差別化する方法を模索しているサービス プロバイダーは、さらにブロードキャストや VoD 指向のコンテンツ、ネットワークベースのパーソナル ビデオ レコーダ機能などを提案することができます。ただし、サービス プロバイダーはこうしたオンデマンドやブロードキャスト ソースから入手する膨大な量のコンテンツを背負うことにもなります。欲しいコンテンツが常に手元にあるという状況に慣れてしまうと、ユーザは基本的なブロードキャストの閲覧だけでは満足できなくなります。Horowitz Associates の最近の報告によると、VoD にアクセスするユーザの大半がサービスを毎週利用し、約 20 パーセントが毎日利用しています(図 1)。

図 1 ケーブル加入者のビデオ オンデマンド利用状況

図 1 ケーブル加入者のビデオ オンデマンド利用状況

また、Bernstein Research によると、Comcast 加入者の VoD 利用率は、2004 年および 2005 年の夏期の比較で 400 パーセント増加しています。フィラデルフィアのような成熟した Comcast 市場やニューヨークの Time Warner Cable システムの場合、加入者一人当たりの平均利用数は、1 日 1 回選択する方向に近づいています。

多くのプロバイダーは、標準と高品位 TV(HDTV)の両方を含むセグメントごとにブロードキャスト TV 用の帯域幅数量を割り当てています。ブロードキャスト TV はあらゆる IP ブロードキャスト サービスの基盤とみなされているため、この帯域幅を全力で確保しています。たとえば、米国でスーパー ボールの放映中にビデオ サービスが中断すれば、顧客サービスに深刻な影響を与えます。ただし、一般的にユーザは VoD のブロッキングには寛容な一面もあるため、ブロードキャスト向けの帯域幅を割り当てた残りの帯域幅を VoD サービスで使用するように設計しています。

VoD サービスが成功し、高品位 VoD サービス成長の気運が高まるにつれて、ビデオ サービスの送信に必要な帯域幅は増大し続けます。そこで、ビデオ劣化の可能性が大きな課題となってくるはずです。ビデオはパケット損失を許容できないため、視聴の過度の集中から発生する輻輳は避けなければなりません。上限に近いネットワーク容量にもう 1 つストリームを追加しようとすれば、すべてのユーザの VOD とブロードキャスト品質が劣化する可能性があります。帯域幅消費型のオンデマンド サービスにおいて、このリスクをさらに悪化させる要因として、予測が最も困難な 1 つの指標に、ピーク同時利用レートがあります。これは、同時にオンデマンド ストリームを受信する加入者のビデオ デバイス(セットトップ ボックスなど)の台数のことです。オンデマンドで利用可能なプレミアム チャネルのコンテンツを加入者サービスに追加したところ、金曜日と土曜日の夜のピーク同時利用レートが、多くの米国市場の全セットトップ ボックスの 20パーセントの容量を超えたことが記録されています。

図 2 の例で説明しましょう。1 つの中央オフィス(CD)から 4000 人の加入者に向けてオンデマンド コンテンツを配信する分散ネットワークがあります。オンデマンドの標準定義(SD)サービスのみの場合、20 パーセントのピーク同時利用レートに約 4 Gbps の容量が必要であるとします。

図 2 . Telco のビデオ導入プランの一例と推定値

ビデオ ハブ オフィスから中央オフィスへの帯域幅
VoD
400 CO で 4百万世帯 = 1 CO当たり平均 10,000 世帯
IPTV サービス受入れ率 = 40% = 1 CO 当たりのビデオ加入者数 4000
加入者一人当たり 2 TVx20% VoD ピーク同時利用 = 1 CO当たり 1600 ストリーム
2 Mbps で 94% SD VoD/ストリーム + 8 Mbps で 6% HD VoD/ストリーム
1 CO当たり約 4 Gbps
ブロードキャスト
それぞれ8 Mbps、20% HDTVで 300 チャネルおよびそれぞれ2 Mbpsで 80% SD
1 CO当たり約 1 Gbps


ビデオ、とくに VoD では、高速のインターネット アクセスや VoIP サービスに比べ、非常に多くのネットワーク帯域幅を瞬時に消費する可能性があるため、ネットワーク設計では最大効率性を考慮して最適化しなければなりません。

効率的で信頼性の高い、スケーラブルなビデオ サービスを導入する場合、サービス プロバイダーはネットワーク障害などの最悪のシナリオに基づくピーク同時利用を処理するのに必要な最大帯域幅でネットワークをプロビジョニングするか、あるいは使用可能な帯域幅を超えるピークを管理するためのアドミッション コントロール ソリューションを導入する必要があります。最初のオプションは極めて高価でムダの多い選択です。2 番目のオプションは資本投資と高品質のユーザ エクスペリエンスの提供のバランスがとれており、サービス プロバイダーがビデオとデータ、音声を組み合わせた需要の高いネットワーク サービスを検討する際の最有力候補となってきました。

前に述べた、土曜日夜の混雑するピーク時に全セットトップ ボックスの 20 パーセントが利用されていたという例は、1 つの VoD ストリームの閲覧を対象としたものです。新しい映画をリリースするといったイベントを頻繁に用意すれば、より多くの加入者がテレビの前に集まることになります。また、ネットワーク リンクの障害がピーク需要を押し上げ、ネットワーク容量を超えることもあるかも知れません。エンドツーエンドの IPTV ストリームが期待に応えて増大すれば、視聴の過度の集中にともなって輻輳やパケット損失、潜在的なユーザ エクスペリエンスの劣化が発生します。これらを回避するためにも、アドミッション コントロールは不可欠と言えるでしょう。

帯域幅を多く消費する VoD は、管理すべき最も重要なサービスではありますが、ブロードキャスト TV も同様に重要です。これはとくに追加される高品位チャネルの数が増えれば増えるほど重要になります。今まで、ほとんどのサービス プロバイダーは、ブロードキャスト サービスで使用するチャネル数や帯域幅に制限を課してきませんでした。今日の IPTV ネットワークでは、過剰な視聴の集中から VoD を保護するために限定的なアドミッション コントロール機能が適用されています。セットアップされる VoD ストリームは、過剰な視聴の集中によって輻輳が起こっている間にいくつかのパケットを取りこぼした場合、エクスペリエンスに著しい品質の劣化が生じる可能性があります。VoD やブロードキャスト高品位チャネルの需要が増えるにつれて、ビデオが劣化して伝送される可能性が問題となるため、ビデオ サービスにアドミッション コントロールのニーズも急速に高まっています。

ソリューション

Cisco IP NGN アーキテクチャの Service Exchange Framework(SEF)は、アプリケーション レイヤとネットワーク レイヤとの間に強固な結合を提供します。ここでは一般に、コンバージされた統合型プラットフォームで多様なサービスが管理されており、多次元のアイデンティティの維持、ポリシーやセッションの管理、モニタリングと課金の管理などが行われています。VoD やブロードキャスト ビデオ サービス向けに可能な限り最高の QoE を確保するための基盤としてシスコ統合ビデオ アドミッション コントロール ソリューションが SEF レイヤにあります。

図 3 . Cisco IP NGN のネットワーク層

図 3 . Cisco IP NGN のネットワーク層

VoD 向けのシスコ統合ビデオ アドミッション コントロール ソリューション

VoD 向けアドミッション コントロール ソリューションは、ネットワークのトランスポート レイヤに冗長パスやロード シェアリング用のパスを備えた複雑なネットワーク テクノロジーとも相互運用できなければなりません。また、加入者のネットワークで他のタイプの制約を適用する可能性のあるアクセス リンクやビジネス ポリシーと連携できることも必要です。VoD 向けのシスコ アドミッション コントロール ソリューションは、ネットワーク ルータや Cisco BPM、オンデマンド サービスと協調的に動作することで、ビデオ向けのインテリジェントなアドミッション コントロールを集中的に達成します。

シスコのソリューションには、統合型ビデオ アドミッション コントロールと呼ばれる 2 つの重要な同時プロセスが含まれています。最初の 1 つは、コアおよびディストリビューション レイヤのアドミッション コントロールを実行する on-path シグナリングという手順です(図 4)。

図 4 . Off-Path および On-Path 機能の両方を搭載した Cisco VoD 統合ビデオ アドミッション コントロール

図 4. Off-Path および On-Path 機能の両方を搭載した Cisco VoD 統合ビデオ アドミッション コントロール
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on-path では、シグナリングに Resource Reservation プロトコル(RSVP)を使用し、VoD サーバ(または代用のコンポーネント)から送信した後で VoD セッションを開始します。図 4では、セットトップ ボックスが VoD ムービーを選択します。ムービーのリクエストはプロバイダーのエッジ集約ルータ(別名「PE-AGG」)を通過し、ビデオ サーバへ到達します。VoD サーバからの RSVP メッセージは VoD セッションが使用するものと同じパスを経由し、コアおよびディストリビューション レイヤの複雑なネットワーク トポロジでのあらゆる変化をリアルタイムで追跡します。シスコのルータは、パスに沿って帯域幅アカウンティング機能を実行します。その VoD ストリーム用の帯域幅が使用可能であればセッションを許可し、使用できない場合は拒否します。ストリームが拒否されると、RSVP-CAC メッセージが VoD サーバに返されますが、この後VoD サーバは加入者にメッセージ、すなわちビジー信号を(通常はビデオ ミドルウェアを通じて)送信します。

この on-path アドミッション コントロール ソリューションを実現するには、ネイティブのレイヤ 3、たとえば、マルチキャスト向けの PIM SSM やユニキャスト向けの IGP が、VoD サーバ群に接続する分散ルータから中央オフィスの集約ルータに至るまで、あらゆるネットワーク エレメント上に存在しなければなりません。図 4 のプロバイダー エッジ集約ルータは、レイヤ 3 対応です。レイヤ 2 集約ネットワークを使用するアーキテクチャは on-path アドミッション コントロールをサポートすることができません。

2 番目の、アドミッション コントロールの補完的プロセスは、加入者へのアクセス リンクがストリームを搬送するだけの容量を持っていない場合、ビデオ オンデマンド ストリームを送信しないように設計されています。VoD サーバ(または同等のネットワーク コンポーネント)は、予防策として Cisco BPM(ポリシー サーバ)にリクエストを送信し、BPM では加入者に対するそれぞれのアクセス リンクを絶えず追跡しています。アクセス リンクは通常シンプルかつ半静的で、off-path アプローチに最も適しています(図 5)。

図 5 . Off-Path シグナリングによる VoD アドミッション コントロール

図 5 . Off-Path シグナリングによる VoD アドミッション コントロール

ポリシー サーバは、アクセス リンクに未使用の十分な帯域幅があるかどうか、ビジネス ポリシー(有料の VoD と無料の VoD など)が適用されているかどうかをチェックすることで、ストリームのサポートを可能にしています。セッションはこうして許可または拒否されます。このソリューションの off-path の部分を、分散および集約レイヤのアドミッション コントロールのために適用することは推奨されていません。こうした複雑なトポロジのあらゆるリアルタイムの変化を追跡するポリシー サーバのみに基づくアプローチである off-path は、最適条件を満たさないためです。ただし、ネットワーク エッジにおける on-path アドミッション コントロールと機能と off-path ポリシー サーバ クエリの組合せは、VoD アドミッション コントロールにとっては最も信頼性が高く効率性に優れたメカニズムであることがわかっています。

高品質ビデオ エクスペリエンスでは最大でも 10 の 6 乗個のパケット損失しか認められませんが、シスコ統合ビデオ アドミッション コントロール ソリューションは、集約 QoS を通じてビデオがこれを満たせるようなアーキテクチャに追加されます。別のアプローチとして加入者ごとのビデオのシェーピングがありますが、これには次のような 2 つの問題点があります。

  • ビデオにはシェーピングができません。これを行うと、パケット損失を起こすものも出てくる可能性があり、10 の -6 乗個の目標値を満たすのが困難になるためです。このため、複雑な加入者ごとの階層型 QoS を追加することは、ビデオに関しては何ら利点はありません。
  • ビデオ サービスでは、加入者はミドルウェアを通じてアプリケーション レイヤでプロビジョニングされます。加入者の帯域幅をネットワーク レイヤで再びビデオに割り当てなければならないことは、上記に次ぐ不要なステップといえます。


堅牢な統合型ビデオ アドミッション コントロール ソリューションが必要とされる理由は、ネットワークが 10 の -6 乗個を超えないパケット損失を満たし、ストリームが許可されるか、またはパケット損失を引き起こす潜在的な輻輳のために目標値を満たせず、ストリームが拒否されるかのいずれかであるためです。ビデオ アドミッション コントロールを実装することで、すべてのビデオ トラフィックを許可して同じキューを共有できるシンプルな集約 QoS キューイングを提供できるため、複雑で高コストな階層型キューイング方式を導入しなくて済みます。

シスコ統合ビデオ アドミッション コントロールによるブロードキャスト ビデオ

シスコ統合ビデオ アドミッション コントロールによるブロードキャスト ビデオには、シスコが開発した一連の豊富なマルチキャスト転送およびルーテイング技術が活かされています。マルチキャスト レプリケーションおよび転送は、シスコのスイッチおよびハイエンド ルータで、秒速 数千万~数億パケットを超えるデータ レートでハードウェアで実行されます。

シスコ統合ビデオ アドミッション コントロールによるブロードキャスト ビデオでは、使用可能な帯域幅チェックのトリガに IGMP(Internet Group Management Protocol)の制限値を使用します(図 6)。パス上のルータは、ブロードキャスト帯域幅の所定の制限値を維持するために設定され、これにより DSL アクセス マルチプレクサ(DSLAM)に同時送信されるチャネル数の制限が可能となります。

図 6 .シスコのブロードキャスト アドミッション コントロール

図 6 .シスコのブロードキャスト アドミッション コントロール

マルチキャストの送信先はブロードキャスト チャネルの帯域幅にマッピングされ、その帯域幅は要求が受理されたリンクから除外されます。まれなケースとして、次のブロードキャスト チャネルに 10 の -6 乗個を超えないパケット損失をサポートするだけの十分な帯域幅がない場合、ルータは特定のダウンストリーム インターフェイスからチャネルのマルチキャスト グループをレプリケートしません。

レイヤ 2 を処理する別の集約ネットワーク アプローチでは、各種のアクセス デバイス(DSLAMなど)に対してどのマルチキャスト パケットをレプリケートするか決定する際に、IGMP スヌーピング機能を使用します。この方法により、集約ネットワーク全体をとおしてすべてのマルチキャスト トラフィックがレプリケートされますが、ネイティブのレイヤ 3 マルチキャストが提供するきめ細かな管理は利用できません。その代わり、これによってレイヤ 2 集約ネットワークへのマルチキャスト アドミッション コントロールの実装は不要となります。

まとめ

新たに参入する IPTV プロバイダーにとって、競合他社をしのぐ高品質のエクスペリエンスの提供は、成功をおさめ、顧客ベースを維持する上で最も重要なことです。ビデオはパケット損失に耐えられず、業界の基準ではパケット損失が 10 の -6 乗個を超えないよう求めています。これだけの高品質を実現しながら、適切なレベルでネットワーク インフラストラクチャに投資し続けるためには、堅牢なビデオ アドミッション コントロール ソリューションが必要です。RSVP に基づく on-path アドミッション コントロール機能と、Cisco BPM に基づく off-path アドミッション コントロール機能で構成されるシスコ統合ビデオ アドミッション コントロールは、これまでにない信頼性、効率性ともに最高水準の方式です。ネイティブの レイヤ 3、たとえば、集約ネットワークにおけるマルチキャスト向けの PIM SSM やユニキャスト向けの IGP だけでも、プロバイダーは一種の堅牢な統合型ビデオ アドミッション コントロール ソリューションを展開することができます。また、シスコ統合ビデオ アドミッション コントロールは、集約 DiffServ QoS との連携により要求通りの品質を維持しながら複雑なオペレーションを可能な限り簡素化することで、あらゆるビデオ トラフィックで同じキューを共有し、階層型キューイングによるビデオ サービスを不要にします。

シスコ統合ビデオ アドミッション コントロールは、Cisco IP NGN のサービス エクスチェンジ フレームワークにおける中核的な機能であり、ネットワーク QoS 要件の観点からビデオ アプリケーションに求められる高品質のエクスペリエンスを実現します。シスコは、こうしたアプリケーションとネットワークの連携を通じて、プロバイダーが自社のネットワーク投資を最適化し、高品質のユーザ エクスペリエンスを維持するための支援を行います。

1,000 万人を超える加入者が Cisco IP NGN で IPTV サービスにアクセスしています。これらのネットワークでは、レイヤ 3 機能をはじめとするインテリジェンスを集約ネットワークへと拡張し、効率的で最高品質のビデオを配信しています。トランスポート指向環境からサービスおよびアプリケーション指向環境へのネットワークの転換を早期に実現した企業こそが、競争力を強化できるのです。加入者一人ひとりを個別化し、その期待に応えることのできる高度なインテリジェンスと適応性に優れたインフラストラクチャを通じて、高品質で信頼性の高いサービスを提供するために、今や世界中のサービス プロバイダーがシスコ統合ビデオ アドミッション コントロールを導入し、進化を続ける VoDやブロードキャスト、その他のアプリケーションに対するソリューションの評価を行っています。