Cisco Unified IP Phone 8900 シリーズ

Cisco Unified IP Phone で Cisco EnergyWise を使用した場合の費用対効果

ソリューション概要





Cisco Unified IP Phone で Cisco EnergyWise を使用した場合の投資回収率



エネルギー消費を削減する企業の取り組みを受けて、シスコは電力消費の削減、電力使用のモニタ、エネルギー コストの削減を実現する Cisco® EnergyWise テクノロジーと呼ばれるエネルギー管理アーキテクチャを提供してきました。Cisco® Unified IP Phone を Cisco EnergyWise と併用することで、運用コストをプロアクティブに制御しながら、二酸化炭素排出量を最小限に抑えることができます。さらに Cisco EnergyWise は、組織のネットワーク全体の電力消費の測定、自動化、レポートも可能にします。


このホワイト ペーパーでは、Cisco Unified IP Phone を Cisco EnergyWise テクノロジーとともに使用して、企業のインフラストラクチャ全体にわたってエネルギー削減とコスト削減を実現する方法について説明します。Cisco EnergyWise は、シスコ ネットワークと Cisco Unified IP Phone 間でインテリジェントなシグナリングにより電力状態を伝達することでコスト削減を実現します。また本書では、Cisco EnergyWise テクノロジーを組み込んだ Cisco Unified IP Phone の電力消費の詳細についても説明します。

Cisco EnergyWise の Power Save + モードは、Cisco Unified IP Phone 6900、8900、9900 シリーズの電話機で使用できます。この省電力モードを利用すると、営業時間外の Cisco Unified IP Phone の電力消費量が削減され、大幅なコスト削減を実現できます。このテクノロジーはシスコのネットワークから Cisco Unified IP Phone に対し、Power Save + モードに移行するよう信号を送ることで動作し、電話の電力消費量を 1 W 以下に削減します。Power Save + モード状態の Cisco Unified IP Phone は、ボタンを押すだけで簡単に復帰できます。また、Power Save + モードに移行するようスケジュールされた時間にその電話機が通話中であった場合、移行アクションは自動的に延期されます。電話機が Power Save + モードに移行する前に、電話機に音声とビジュアルの両方のアラートが出力されます。音声アラートは電話機の管理ページから無効にすることもできます。このような柔軟性により、企業はユーザの生産性を損なわずに消費電力を最大限節約できます。図 1 は、電話機が Power Save + モードに入る前に電話機の画面に表示される Power Save + アラートを示しています。

図 1 電話機に表示される Power Save + アラート

図 1 電話機に表示される Power Save + アラート


Cisco EnergyWise テクノロジーには、Power Save と呼ばれるもう 1 つのエネルギー節約機能があります。Power Save モードは、電話機が使用されていない間、LCD をオフにします。Power Save モードを使用すると、合計消費電力は、電話機モデルに応じて最大 1 ワットまで低減します。Power Save を Power Save + と併用すれば、強力な省電力機能が実現します。この両方を使用すると、企業全体の総消費電力は大幅に削減されます。

Cisco EnergyWise Power over Ethernet(PoE)対応スイッチには、Cisco Catalyst® 2960、2960S、3560、3560-E、3560-X、3750、3750-E、3750-X、4500、および 6500 スイッチの各モデルがあります。別のプロビジョニング方法として、シスコ スイッチのコマンドライン インターフェイス(CLI)、Cisco EnergyWise MIB を使用した簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)、セキュア ソケット レイヤ(SSL)、および Cisco Energywise Management(JouleX)があります。詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/energywise/ を参照してください。

Cisco EnergyWise テクノロジーを使用したコスト削減


Cisco EnergyWise テクノロジーは、企業のコストを大幅に削減します。たとえば、ユーザ数 1,000 人の平均的企業では 10 万ドル(図 2)、ユーザ数 1 万人の平均的企業では 100 万ドル(図 3)を 3 年間で削減できます。

図 2 ユーザ 1,000 人の平均的企業で Cisco EnergyWise を 3 年間使用した場合、10 万ドルの削減効果

図 2 ユーザ 1,000 人の平均的企業で Cisco EnergyWise を 3 年間使用した場合、10 万ドルの削減効果


図 3 ユーザ 1 万人の平均的企業で Cisco EnergyWise を 3 年間使用した場合、100 万ドルの削減効果

図 3 ユーザ 1 万人の平均的企業で Cisco EnergyWise を 3 年間使用した場合、100 万ドルの削減効果


Cisco EnergyWise を使用した Cisco Unified IP Phone の電力プロファイル


表 1 は、Cisco EnergyWise の Power Save + モードを含めた各種条件での消費電力の概要を示したものです。左から右に行くほど電力効率が向上し、結果として電力使用量が低減します。たとえば、802.3af 標準では、5 つの電力割り当てクラスが定義されています。Cisco Unified IP Phone を接続するときに、802.3af 電力割り当てクラスのポートあたりの全量を Cisco スイッチが確保してしまうと、電力バジェットが使い果たされ、スイッチはすべての PoE 機器に十分な電力を割り当てられなくなる場合があります。そのため、802.3af 分類による電力の割り当て過多を防ぐために、Cisco Unified IP Phone から Cisco スイッチへの Cisco Discovery Protocol メッセージでは、規定電力より低い値が報告されます。Cisco スイッチは、この Cisco Discovery Protocol から報告された値を使用して電力リソースを割り当てます。たとえば、802.3af 標準ではクラス 4 デバイスに 15.4 ワットを規定していますが、Cisco Unified IP Phone 8961 は 9.6 ワットの Cisco Discovery Protocol 値を報告します。Cisco Discovery Protocol を使用すれば、Cisco スイッチは余分な 5.8 ワットの電力を無駄に割り当てることはありません。

表 1 インテリジェントな電力割り当てを使用した Cisco Unified IP Phone の消費電力

Cisco Unified IP Phone のモデル 802.3AF 分類(最大ワット) PoE 割り当て用に報告される Cisco Discovery Protocol 値(ワット) アイドル時の実消費電力(ワット) Power Save モード Power Save + モード
エネルギー効率
6921 クラス 2(7.0 W) 6.3 2.4 2.0 1 W 未満
6941 クラス 2(7.0 W) 6.3 2.4 2.0 1 W 未満
6945 クラス 1(4.0 W) 3.8 2.6 2.0 1 W 未満
6961 クラス 2(7.0 W) 6.3 2.4 2.0 1 W 未満
7821 クラス 1(4.0 W) 3.8 2.6 2.0 1 W 未満
7841 クラス 1(4.0 W) 3.8 2.6 2.0 1 W 未満
7861 クラス 1(4.0 W) 3.8 2.6 2.0 1 W 未満
8831 クラス 3(15.40W) 13.0 3.2 2.9 1 W 未満
8941 クラス 1(4.0 W) 3.8 2.2 2.0 1 W 未満
8945 クラス 2(7.0 W) 6.4 3.0 2.0 1 W 未満
8961 クラス 4(15.40 W) 9.6 6.2 5.4 1 W
9951 クラス 4(15.40 W) 12.0 6.6 5.8 1 W
9971 クラス 4(15.40 W) 12.3 6.9 5.9 1 W
DX650 クラス 4(15.40 W) 13.7 6.8 5.8 1 W


Cisco Discovery Protocol による電力割り当ての数値は、電話機のリアルタイムの消費電力を反映するものではないことに注意してください。リアルタイムの消費電力は Cisco Discovery Protocol の報告値より低くなります。表 1 の「アイドル時の実消費電力」列は、電話機がアイドル時に使用するリアルタイムの消費電力を示します。電話機の使用時には、このリアルタイム値は増加しますが、Cisco Discovery Protocol の報告値を超えることはありません。Cisco Discovery Protocol の報告値とリアルタイムの消費電力が異なるのは、Cisco Discovery Protocol は、より高い電力を必要とする状況にも十分に対処できる理論的な最大値を報告するためです。

Cisco Discovery Protocol の報告値とリアルタイム値は、どちらも必要です。Cisco Discovery Protocol の数値は、Cisco スイッチを Cisco Unified IP Phone に合わせて正しくプロビジョニング、導入するために必要であり、リアルタイム値は、Cisco Unified IP Phone が実際に消費する電力量を特定するために必要です。また、リアルタイム値は、コスト削減の算出に使用する正確なレポートに必要なデータです。

Cisco Unified IP Phone の消費電力例(Cisco Unified IP Phone 6900、8900、9900 シリーズ モデルの場合)


図 4 は、PoE 対応の Cisco Catalyst 3750-E スイッチのディスプレイを示しています。これは、show power inline コマンドの出力結果です。各 Cisco Unified IP Phone に対する Cisco Discovery Protocol の報告値が、「Power(Watts)」列に表示されています。すべての Cisco Discovery Protocol メッセージの合計値は 52.8 ワットで、この合計値が「Used(Watts)」に表示されています。Cisco スイッチが電力バジェットに使用するのはこの「Used Watts」値のみで、Cisco Unified IP Phone のリアルタイムの消費電力ではありません。

図 4 Cisco Discovery Protocol を使用したインテリジェントな電力割り当て

図 4 Cisco Discovery Protocol を使用したインテリジェントな電力割り当て


図 5 は、同じ Cisco Catalyst 3750-E スイッチの Cisco EnergyWise テクノロジーを有効にして、同じ Cisco Unified IP Phone を接続した場合のリアルタイムの消費電力を示しています。「Usage」列にリアルタイムの消費電力が表示されています。この値は、図 4 の Cisco Discovery Protocol 値と比べて大幅に小さくなっています。リアルタイムの消費電力は、Cisco Unified IP Phone の動作に応じて変動します。Cisco Unified IP Phone が Power Save + モードに移行すると、「Usage」列の値は 1 ワット以下になります。Power Save + モードにするには、Cisco PoE スイッチで Cisco EnergyWise テクノロジーを有効にする必要があります。Power Save + モードのときに Cisco Unified IP Phone の電話機を使用するには、ボタンを押して復帰させます。Cisco Unified IP Phone は、すぐに Cisco スイッチに信号を送り、PoE ポートにフル電力を供給するように伝えます。

図 5 Cisco EnergyWise テクノロジーを使用したインテリジェントな電力割り当て

図 5 Cisco EnergyWise テクノロジーを使用したインテリジェントな電力割り当て


注: リアルタイムの消費電力は、Cisco EnergyWise のコマンドか、show power inline police などの従来の PoE コマンドを使用して表示できます。

Cisco Unified IP Phone の消費電力


ネットワーク上のすべての Cisco Unified IP Phone の総電力消費量の計算について考えてみましょう。電話機がアイドル状態または Power Save + モードの場合、合計値は表 1 に示すアイドル値または Power Save + 値を合計した値になります。それ以外の場合、Cisco Unified IP Phone は、動作(通話中など)によってリアルタイムの消費電力が異なります。動作によって異なるリアルタイムの消費電力を正確に把握するために、図 6、図 7、および表 2 に Cisco Unified IP Phone 6900、8900、9900 シリーズ モデルの電力使用量の概要を示します。この動作には、消費電力が 1 ワット以下の Cisco EnergyWise の Power Save + モードも含みます。

802.3af 標準では、最大 15.4 ワットの 5 つの電力クラスに分類されます。Cisco Unified IP Phone 6921、6941、6961、8945 モデルの 802.3af 分類は、クラス 2 です。Cisco Unified IP Phone 6945 および 8941 モデルの 802.3af 分類は、クラス 1 です。Cisco Unified IP Phone 8961、9951、9971 モデルの 802.3af 分類は、クラス 4 です。802.3af 標準では、クラス 2 は最大 7 ワット、クラス 3 は最大 15.4 ワットの電力を使用するように指定されています。クラス 4 は 802.3af では「将来の使用のために予約」として定義されています。そのため、Cisco Discovery Protocol を使用しない場合、802.3af 準拠の Cisco スイッチがクラス 4 デバイスであれば、PoE デバイスには 15.4 ワットのフル電力が供給されます。802.3af 準拠の Cisco スイッチではクラス 3 と 4 のどちらも最大 15.4 ワットまで使用できるため、802.3af の電力割り当てではクラス 3 と 4 は事実上同じです。将来的に電力使用が 15.4 ワットを超えた場合に備えて、Cisco Unified IP Phones 8961 および 9900 シリーズ モデルにはクラス 4 が採用されています。もちろん、802.3af クラスに関係なく、シスコでは Cisco Discovery Protocol を使用して 802.3af の最大値よりも低い電力値を通知し、Cisco スイッチにできるだけ多くの電力バジェットを残しています。

図 6 Cisco Unified IP Phone 6941 の消費電力(Cisco EnergyWise テクノロジーを含む)

図 6 Cisco Unified IP Phone 6941 の消費電力(Cisco EnergyWise テクノロジーを含む)


図 7 Cisco Unified IP Phone 9971 の消費電力(Cisco EnergyWise テクノロジーを含む)

図 7 Cisco Unified IP Phone 9971 の消費電力(Cisco EnergyWise テクノロジーを含む)


表 2 Cisco Unified IP Phones 6900、8900、9900 シリーズの消費電力統計(Cisco EnergyWise テクノロジーを含む)

Cisco Unified IP Phone のモデル アクティブ コール 1 回、10/100 PC に接続(Cisco Unified IP Phone 6900)、またはギガビット イーサネット PC に接続 最大呼び出し音、最大輝度、PC に接続 Cisco Unified Video Camera 装着時に PoE 割り当て用に報告された Cisco Discovery Protocol 値(ワット) 最大輝度、スピーカー、ギガバイト イーサネット PC、カメラ + ビデオ通話 Power Save + モードでの消費電力
6921 2.5 3.6 - - 1 W 未満
6941 2.5 3.6 - - 1 W 未満
6945 2.6 3.6 - - 1 W 未満
6961 2.6 3.7 - - 1 W 未満
8941 2.7 2.8 4   1 W 未満
8945 3.85 4.38 7 4.64 1 W 未満
8961 6.6(ギガビット イーサネット(GE)PC) 7.6(GE PC) - - 1 W
9951 7.3(GE PC) 8.4(GE PC) 13.8 9.8 1 W
9971 7.5(GE PC) 9.0(GE PC) 14.1 10.4 1 W


Cisco EnergyWise の電力削減による運用コストの管理


表 2 を使って、リアルタイムの最大電力使用量と Power Save + モードの平均値を算出できます。つまり、日中の最大電力使用量と業務時間外の最小電力使用量の平均値を求めることができます。平均することで、この統計値は、運用コストをプロアクティブに制御するために必要な数値を明確に示します。

図 8 と 9 は、Cisco Unified IP Phone で Cisco EnergyWise の Power Save + テクノロジーを使用して達成できる電力削減量を示しています。業務時間外に Cisco EnergyWise の Power Save + モードを使用することで、平均電力消費量は大幅に削減されます。図 8 の値は、Cisco EnergyWise の業務時間外向け Power Save + モードを使用した場合の 1 日の電力使用量を、1 時間あたりの平均値で示したものです。図 9 の値は、EnergyWise の業務時間外 Power Save + モードを使用した場合の 1 週間の電力使用量を、1 時間あたりの平均値で示したものです。

図 8 は、24 時間サイクルでの平均電力使用量(ワット)を示します。1 日の電力測定には、2 時間のハンドセット使用 + 2 時間のスピーカーフォン使用 + 4 時間の Power Save(日中)+ 16 時間の Power Save +(業務時間外)が含まれます。PC はギガビット イーサネットに接続されています。

図 9 は、7 日間(1 週間)の平均電力使用量(ワット)を示します。1 週間の平均統計には、1 日あたり 2 時間のハンドセット使用 + 1 日あたり 2 時間のスピーカーフォン使用 + 1 日あたり 4 時間の Power Save + 1 日あたり 16 時間の Power Save +(業務時間外)+ Power Save +(週末)が含まれます。PC はギガビット イーサネットに接続されています。

図 8 Cisco EnergyWise の Power Save および Power Save + を使用した場合の 1 日の消費電力(1 時間あたりの平均値)

図 8 Cisco EnergyWise の Power Save および Power Save + を使用した場合の 1 日の消費電力(1 時間あたりの平均値)


図 9 Cisco EnergyWise の Power Save および Power Save + を使用した場合の 1 週間の消費電力(1 時間あたりの平均値)

図 9 Cisco EnergyWise の Power Save および Power Save + を使用した場合の 1 週間の消費電力(1 時間あたりの平均値)


Cisco Unified IP Phone での Cisco EnergyWise テクノロジーの使用


図 10 の例では、Building_A という名前の 1 つの建物に複数台の Cisco Unified IP Phone が配置されています。この例のすべての Cisco Unified IP Phone および Cisco スイッチは、Cisco EnergyWise ドメインのメンバーです。Cisco EnergyWise ドメインは、Cisco Unified IP Phone などの Cisco EnergyWise 対応エンティティの論理グループです。EnergyWise ドメインは電力管理の単位として扱われ、大規模な導入では複数の EnergyWise ドメインが存在する場合もあります。スイッチで Cisco EnergyWise テクノロジーを有効にするために最低限必要なのは、そのスイッチを EnergyWise ドメインのメンバーとして構成することです。この例では、Cisco スイッチで次のグローバル コマンドを使用して新しい Cisco EnergyWise ドメインを作成します。

Switch(config)#energywise domain myDomain security shared-secret 0 mySecret
Switch(config)#energywise name Building_A
図 10 Cisco EnergyWise ドメインの例

図 10 Cisco EnergyWise ドメインの例


Cisco EnergyWise のすべてのテクノロジーをまとめたものが次のリンクに掲載されています。
http://www.cisco.com/en/US/prod/collateral/switches/ps5718/ps10195/white_paper_c11-568212.html [英語]

Cisco スイッチのコマンド show energywise children で、直接接続された PoE 機器のリアルタイム PoE 値を生成します。図 10 の「Lvl」列に示されている Cisco EnergyWise の電力状態は、レベル 10 です。これは Cisco Unified IP Phone がフル電力状態であることを示します。Cisco EnergyWise の電力レベル カテゴリは、0 〜 10 です。Cisco EnergyWise テクノロジー対応の Cisco Unified IP Phone では、レベル 0(シャットダウン)、レベル 7(中間)、レベル 10(フル)の 3 つの主要 EnergyWise カテゴリがあります。Cisco スイッチがレベル 0 〜 2 を送信すると、電話機は Power Save + モードを開始します。Cisco スイッチがレベル 3 〜 7 を送信すると、電話機は Power Save モードを開始します。Cisco スイッチがレベル 9 〜 10 を送信すると、電話機はフル電力モードを開始します。

Switch#sh energywise categories
Level Label  Color
----- -----  -----
10  Full  Red
9  High  Red
8  Reduced  Yellow
7  Medium  Yellow
6  Frugal  Green
5  Low   Green
4  Ready  Blue
3  Standby  Blue
2  Sleep  Brown
1  Hibernate Brown
0  Shut  Black

図 10 の「Imp」列に、Cisco Unified IP Phone の Cisco EnergyWise の優先度が重要度 1 と表示されています。これがデフォルトです。より高い重要度を必要とする例として、どのような状況下でも電源オフにしてはいけない緊急電話が挙げられます。図 10 の赤で囲まれているのが緊急電話で、これは不慮のシャットダウンを回避するために重要度 100 に設定されています。

「Name」列に、デフォルトで Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスが名前として表示されていることに注目してください。ただし、Cisco EnergyWise クエリーにワイルドカードを使用できるようにするために、ポートの名前を変更してドメイン ネーム システム(DNS)タイプの命名規則に準拠させることもできます。たとえば、緊急電話を Cisco EnergyWise の名前「E911」で「Building_A」に配置するとします。次のコマンドで Cisco EnergyWise の重要度と Cisco EnergyWise の名前を設定できます。


interface GigabitEthernet1/0/46
energywise importance 100
energywise name E911.building_A

このコマンドにより、「Type」列に Cisco スイッチと PoE デバイスの親子関係が表示されます。これは、Cisco スイッチが親で、すべての Cisco Unified IP Phone が PoE で給電される子機であることを示しています。PoE ではなく電源アダプタを使用している Cisco Unified IP Phone は、Cisco EnergyWise ドメインには参加しません。

注: 電源アダプタを使用する電話機には Power Save + を設定しないでください。この機能は、電源アダプタが接続されている場合はサポートされず、有効にできません。

Cisco Unified IP Phone での Cisco EnergyWise 電力クエリーの実行


Cisco EnergyWise ドメインで EnergyWise 電力クエリーを発行する最も基本的な方法として、CLI プロンプトの使用があります。これと同じコマンドを SSL や CiscoWorks LMS などの管理アプリケーションを使用しても発行できます。クエリーはドメイン全体に発行できます。この例では、Cisco EnergyWise コマンドは Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスをクエリーし、Cisco Unified IP Phone に電力レベル 2(Power Save +)を設定しています。「重要度 80」は、80 より高いものはスリープ状態に移行しないことを意味します。「重要度 80」は、重要度 100 の緊急電話など、絶対にシャットダウンしてはいけないデバイスの不慮のシャットダウンを回避するために使用されます。「レベル 2」の代わりに「レベル 0」を使用して、Cisco EnergyWise テクノロジーに対応していないすべての Cisco Unified IP Phone を完全に電源オフすることもできます。

Switch#energywise query importance 80 name SEP00260BD8C9E3 set level 2
EnergyWise query, timeout is 3 seconds:
!
Success rate is (1/1) setting entities
Queried: 1 Responded: 1  Time: 1.365 seconds

次の例は、前のコマンドを繰り返していますが、特定の範囲にある電話機を自動的に午後 5 時に Power Save + モードを開始して、午前 9 時に Power Save + モードを終了するように Cisco EnergyWise ポリシーをスケジュールしています。午後 5 時から 午前 9 時までの Power Save + をオンまたはオフにするポートの範囲が指定されています。スケジュールすると、コマンド show energywise recurrences で、自動的に実行するように設定されたすべてのクエリーが表示されます。

Switch(config)#int range g1/0/40 - 48
Switch(config-if-range)#energywise level 2 recurrence importance 80 at 0 17 * * *
Switch(config-if-range)#energywise level 10 recurrence importance 80 at 0 9 * * *

Cisco EnergyWise ドメイン内の Cisco Unified IP Phone の総電力使用量の収集


Cisco EnergyWise ドメイン内のエンティティに値を設定したり、レベルを設定するクエリーを発行したりできるのと同様に、ドメイン内で電力供給されるすべてのデバイスまたはデバイスのサブセットの合計を収集できます。たとえば、Cisco EnergyWise ドメイン内の Cisco Unified IP Phone のサブセットだけの電力消費量を表示するには、ワイルドカードを使用してクエリーを実行します。このタイプのクエリーを実行するには、Cisco EnergyWise の命名規則に従ってワイルドカードを適切に使用します。次のクエリー例では、2 つ目の E911 電話機は Building_B に配置されています。クエリーの「E911」の直後にワイルドカード「*」を使用して、Building_A と Building_B に配置されている E911 電話機をクエリーします。

Switch#energywise query importance 100 name E911* sum usage
EnergyWise query, timeout is 3 seconds:
Total Usage
-----------
8.685 (W)
Queried: 2 Responded: 2  Time: 1.443 seconds

Cisco EnergyWise の設定に関する詳細については、Cisco.com で提供されている『Cisco EnergyWise コンフィギュレーション ガイド』を参照してください。

Cisco EnergyWise の管理とレポート ツール


Cisco EnergyWise 管理サーバを使用して Cisco スイッチにポリシーを適用するには、Cisco EnergyWise のアプリケーション プログラミング インターフェイス(API)を使用します。Power Save + モードについては、Cisco Unified IP Phone が Cisco Unified Communications Manager または Cisco EnergyWise 管理サーバのいずれかを使用した制御をサポートするように設定できます。これにより、Cisco Unified Communications Manager または Cisco EnergyWise Policy Manager のいずれかを使用して Cisco Unified IP Phone の電力レベルを管理者権限で制御できる柔軟性が得られます。まだ Cisco EnergyWise に移行していない組織では、Cisco Unified Communications Manager で Power Save オプションを使用して、電力消費を Cisco Unified IP Phone 1 台あたり 1 ワットまで削減できます。このオプションにより、Cisco EnergyWise を使用していない組織では、Cisco Unified Communications Manager を使用して総電力消費量をすぐに削減することができます。

さらに、CiscoWorks LMS 3.2 により、一連のツールで Cisco EnergyWise フレームワークを簡単にクエリーし、管理できます。推奨されるアプローチは、Cisco EnergyWise プロトコルと Cisco EnergyWise Management(JouleX)を使用する方法です。JouleX は、唯一のネットワークベースのエージェントレス IT エネルギー管理アプリケーションです。詳細については、http://www.cisco.com/jp/go/energywise/ を参照してください。これらの方法を使用すれば、ビジネス ニーズに応じたエネルギー消費ポリシーを開発できます。Cisco EnergyWise テクノロジーを使用して、エネルギー ポリシーの効果を測定し組織が削減できるコストを算出できます。

Q & A


Q. Cisco Unified IP Phone 3900、6900、7800、7900、8800、8900、9900、DX600 シリーズ モデルの Power Save + モードとは、どのようなものですか。

A. Power Save + モードとは一元管理されたスケジュールに基づいて Cisco Unified IP Phone を低電力の休止状態にすることができる EnergyWise の機能です。Cisco Unified IP Phone 3900 および 7900 シリーズ モデルの場合は、電話機が完全に電源オフされます。その他のシリーズ モデルでは、電話機の電力は 1 ワット以下まで低減されます。これは、電話機の手動優先機能を有効にするには十分な電力です。Power Save + は、Cisco の先行標準方式のライン パワーまたは IEEE Power over Ethernet のいずれかを使用するエンドポイントでのみサポートされます。お客様にとっての第一の利点は、電力削減と電力監視による総所有コスト(TCO)の削減です。

Q. Power Save + モードでは電話機を使用できないのですか。

A. Power Save + モードが有効になっている電話機は、緊急時に即座に使用することはできません。通常使用またはビジネス使用の場合は、手動優先ボタンを押すと使用可能になります。Cisco Unified IP Phone 6900、7800、8800、8900、9900、DX600 シリーズの電話機は、選択キーを使用して手動優先にします。このように生産性を損なわずにネットワーク全体のエネルギー消費を削減して、あらゆるコスト上のメリットを達成できます。

Q. 電話機を「復帰させる」とはどういうことですか。

A. Power Save + モードに移行している電話機を使用する必要がある場合には、ボタンを押して電話機を簡単に復帰させることができます。このオプションは、そのサイトに適用された Cisco EnergyWise 設定を無効にできるため、非常に重要です。このインテリジェントな動作が可能なのは、電話機とスイッチが一体となって、省電力のための関係を形成しているからです。

Q. 通話中でも電話機は Power Save + モードに移行しますか。

A. いいえ。電話機がアイドル状態でなければ給電は削減されません。使用中の電話機の電力が低下することはありません。電話をかける、ボタンを押す、ハンドセットを持ち上げる、アプリケーションを操作するなど、どのような操作でも電話機を使用している場合は、Power Save + 機能は設定した時間分遅延されます。この時間はシステムレベルのユーザが設定できます(デフォルトは 1 時間)。また、Cisco EnergyWise テクノロジー対応のスイッチはアクティブな通話を検出できるため、通話が中断されることはありません。

Q. 電話機がアイドル状態でも Power Save + モードに移行しないようにすることはできますか。たとえば、電話機は現在アイドル状態になっているが、残業のため、今から 1 時間使用したい場合はどうすればよいですか。

A. アイドル状態であっても、Power Save + モードに移行しないようにすることができます。アイドル状態の場合、電話機は Power Save + 状態に移行することを知らせる音声とビジュアルのアラートを発します。そのときにハンドセットを持ち上げるか、電話機のボタンを押せば、電話機がこの状態に移行するのを阻止できます。

Q. サードパーティ ベンダーの電話機で Cisco EnergyWise の Power Save + モードを使用できますか。

A. 弊社の知る限りでは、現在この機能を使用できる電話機ベンダーはシスコのみです。シスコは、Cisco EnergyWise テクノロジーを、Cisco Unified IP Phone に組み込んで提供しています。Cisco スイッチを使用してサードパーティ製の電話機の電力を低下させられる場合がありますが、この構成ではエンドユーザが必要に応じて電話機を復帰させることはできません。

Q. Cisco EnergyWise の Power Save + モードがどのように働き、どのようにして電話機を復帰させるのかを、例となるシナリオを挙げて説明してください。

A. たとえば、IT 管理者がダラスのオフィスの電話機を午後 8 時に Power Save + モードに移行するポリシーを設定したとします。午後 8 時に、アイドル状態のすべての電話機が Power Save + モードに移行します。ボブは終日外出していましたが、午後 9 時から アジアにいる人達との重要な会議があります。オフィスに戻り、デスクの電話を使用して電話会議に参加しようとしています。電話機は午後 8 時に Power Save + モードに移行していますが、ボブが電話機のボタンを押せば、いつでも復帰させることができます。電話機はまもなく完全に復帰し、電話会議に参加できる状態になります。

Q. 通話中でないときに Power Save + モードを無効にする方法を、シナリオを挙げて説明してください。

A. たとえば、IT 管理者がシカゴ オフィスの電話機を午後 8 時に Power Save + モードに移行するように設定しているとします。ナンシーはオフィスで残業中の午後 8 時ちょっと前に、Cisco IP Phone から Power Save + モードに移行することを示す音声とビジュアルのアラートを受信しました。ナンシーは電話機のボタンを押してアクションを無効にします。午後 8 時に、ナンシーの電話機を除いて、シカゴ オフィスのアイドル状態のすべての電話機が Power Save + モードに移行します。午後 8 時 15 分に、ナンシーは電話をかけて、通話後に帰宅します。ナンシーの電話機は、ナンシーが電話を使用し終わった 1 時間後に Power Save + モードに移行します。IT 管理者は、ナンシーの電話機がアイドル状態になってから電力が低下されるまでの時間を設定できます。

Q. 内蔵 Cisco EnergyWise の Power Save + モードを完全にサポートしている Cisco IP Phone モデルとファームウェアを教えてください。

A. Cisco Unified IP Phone 6900、7800、8800、8900、9900、DX600 シリーズ モデルはすべてこのモードをサポートしています。ファームウェアは 9.2(1)以上です。Cisco Unified IP Phone 7900 シリーズの一部のモデルは、Cisco EnergyWise Client をサポートしています。Cisco Energywise テクノロジーは、クライアントをサポートしていない電話機でも、Cisco Energywise Management(JouleX)経由で使用できます。
http://www.cisco.com/jp/go/energywise/

Q. Power Save + モードは PoE がなくても動作しますか。

A. いいえ。電源アダプタで Cisco IP Phone に給電している場合、Power Save + モードは機能しません。

参考資料



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