Cisco Virtual Wide Area Application Services(vWAAS)

Cisco Virtual Wide Area Application Services:クラウド対応 WAN 最適化ソリューション

ソリューション概要





Cisco Virtual Wide Area Application Services:クラウド対応 WAN 最適化ソリューション



概要


今日、多くの企業がビジネスのアジリティを高め、利用ベース モデルでインフラストラクチャ リソース コストを削減するために、アプリケーションをクラウドへと移行させています。一方、クラウド サービス プロバイダーは、アプリケーション向けのコンピューティング、ネットワーキング、およびストレージ リソースの、オンデマンドで柔軟なマルチテナント プロビジョニングが可能なサービスを提供することにより、この要求に対応しています。このような移行において、企業はまずパブリック クラウドを導入してきました。その後、プライベート クラウドや仮想プライベート クラウドを構築するのが最近の傾向です。プライベート クラウドは通常、企業のデータセンター構内に配置されるのに対し、仮想プライベート クラウドは、企業がデータセンター ネットワークを必要に応じて拡張できるように、クラウド サービス プロバイダーによって構築されます(図 1)。

企業はこれまで、クラウド サービスの導入には慎重な姿勢を見せており、クラウド サービスへの移行が急速に行われているとは言えません。クラウド導入を妨げる最大の要因として、リモート サイトのユーザ側で発生するアプリケーション応答時間の遅延がよく挙げられます。これは、データセンターおよびクラウドと、リモート サイトのユーザ間の WAN またはインターネット接続の遅延が、ビジネス アプリケーションのパフォーマンスに悪影響を与えていることに起因します。

このドキュメントでは、クラウド インフラストラクチャおよびサービスからのアプリケーション配信における問題の緩和のために WAN 最適化が果たす戦略的な役割、WAN 最適化をクラウド環境におけるサービスとして提供するための主な要件、およびシスコ ソリューションとアーキテクチャが提供する特有の利点について説明します。

図 1 クラウド サービス導入における段階

図 1 クラウド サービス導入における段階
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クラウドにおける WAN 最適化の役割


Cisco® Wide Area Application Services(WAAS)のような WAN 最適化ソリューションは、企業がアプリケーションの高速化、WAN 帯域幅の節約、支社オフィスの IT サービスのローカル ホスティングを提供するための主な IT ツールとして幅広く利用されるようになってきています。WAN 最適化の利点には、集中管理されたアプリケーションへのアクセスにおける、ユーザ生産性の向上、支社オフィスのサーバおよびストレージの統合、WAN 帯域幅のアップグレードの先送りや支社オフィスのハードウェア設置面積の縮小などが挙げられます。WAN 上のネットワーク遅延は、データセンターから支社オフィスに配信される際のアプリケーション性能の低減の主な原因となります。コスト削減を目的に、アプリケーションをデータセンターからクラウドへと移動するに伴い、「WAN 最適化は必要だろうか?」と企業は考え始めるのです。

パブリック クラウド インフラストラクチャ上でホスティングされるアプリケーションは通常、インターネットを介して配信されます。インターネットは、帯域幅やネットワーク パフォーマンスに対して保証のない共有のインフラストラクチャです。それに対して企業 WAN では、管理者がパケットの遅延や損失を抑えるために予測可能なパスを設計することができます。業界調査によると、顧客の約 60 〜 70% が、支社からのインターネット トラフィックをデータセンターを介して返しています。アプリケーションのクラウドへの移行に伴い、このようなリモートの支社オフィスのデータが通過する WAN およびインターネットのホップ数は増加することが予測されます。このため、WAN 遅延による悪影響を緩和し、クラウド導入を支援するために、戦略としての WAN 最適化テクノロジーの重要性がこれまで以上に高まっています。したがって、WAN 最適化を、クラウドベースのアプリケーション配信アーキテクチャにおける重要な要素とする必要があります。現在、Cisco WAAS アプライアンス、ルータ統合型 Cisco WAAS モジュール、および Cisco WAAS Mobile は、パブリック クラウドから支社オフィスへの配信における、企業 WAN 上の SAAS(Software-as-a-Service)アプリケーションを促進します。

プライベート クラウドおよび仮想プライベート クラウドのアーキテクチャにより、現行のユーティリティ ベースのアプリケーション サーバ仮想マシンのプロビジョニングおよびデコミッショニングに応答するサービスとして、WAN 最適化を構築する機会が到来します。このような機能により、プライベート クラウドおよび仮想プライベート クラウドのサービス プロバイダーは、自社のクラウド サービス の一環として、付加価値のあるクラウド最適化アプリケーション サービスをオンデマンドで提供し、収益の増加と他のプロバイダーとの差別化を図ることが可能となります。また、基本的なコンピューティング、ネットワーキング、およびストレージといった現行の IaaS(Infrastructure-as-a-Service)製品は、今後競争激化により、より差別化が求められると予測されています。

クラウドにおける WAN 最適化サービスの主要要件


WAN 最適化をクラウド環境におけるサービスとして提供するには、以下に示すいくつかの要件を満たす必要があります。

  • オンデマンドによる展開モデル:WAN 最適化サービスを特定のアプリケーション サーバ仮想マシンに関連付けることにより、クラウド プロバイダーが、基本的なコンピューティング サービスではなく、他社との差別化を図った最適化アプリケーション サービスを提供するための俊敏性と能力を備える
  • 規模拡大時に必要となるネットワーク設定作業の最小化:増大するアプリケーション負荷に伴い、新しいサーバ仮想マシンのインスタンスを作成する際、新しい仮想マシンの最適化に必要となるネットワーク設定は最小限で良い、あるいは不要である
  • 仮想マシン モビリティへの対応:クラウド リソース プールの動的な性質を踏まえ、アプリケーション サーバ群に提供される WAN 最適化サービスは、アプリケーション サーバ仮想マシンの物理的な場所に関係なく継続的に利用できる
  • マルチテナントのサポート:必要となるハードウェアの数量を減らし、クラウド サービス プロバイダーのハードウェア 固定費を削減するために、マルチテナント展開モデルをサポートする
  • 柔軟なスケールアウト展開:WAN 最適化サービスは、需要の拡大や縮小に対応して、それぞれのテナントに対して同時にそれぞれ異なる方法で規模を変更できる必要がある。これを行うには、柔軟なスケールアウト展開アーキテクチャが必要である。

以上の要件を満たすことを目的としたソリューションは、仮想化されている必要があります。仮想アプライアンスは、ラックの配置、スタック、配線が必要なハードウェア アプライアンスとは異なり、オンデマンドで展開可能です。仮想化は、各テナントに専用のデバイスを用意する必要がないため、複数の企業にサービスを提供する環境においてハードウェアのコストを大幅に削減します。IT 管理者は、使用負荷の増大に応じて、仮想アプライアンスをより強力なプラットフォームに移行したり、既存のプラットフォーム上でより多くのリソースを割り当てたりと、仮想コンピューティング環境のスケーラブルな性質を利用して、仮想アプライアンスのパフォーマンスを容易に向上させることができます。しかし、フォームファクタを仮想化するだけでは、すべての要件を満たすことはできません。

Cisco Virtual WAAS:業界初クラウド対応 WAN 最適化ソリューション


Cisco Virtual WAAS(vWAAS)は、業界初のクラウド対応 WAN 最適化ソリューションです。Cisco vWAAS は、プライベートおよび仮想プライベート クラウド インフラストラクチャから配信されるビジネス アプリケーションを加速化する仮想アプライアンスで、ユーザ エクスペリエンスの最適化を促進します。Cisco vWAAS は、VMware ESXi ハイパーバイザおよび Cisco Unified Computing System™(UCS) x86 サーバ上で動作し、俊敏で柔軟性のあるマルチテナント展開を実現します(図 2)。

図 2 Cisco vWAAS 展開アーキテクチャ

図 2 Cisco vWAAS 展開アーキテクチャ


Cisco vWAAS は、次の 2 つの方法で展開できます。

  • 物理的な Cisco WAAS アプライアンスの展開と同様に、Web Cache Control Protocol(WCCP)などのアウトオブパス インターセプション テクノロジーを利用して、WAN ネットワーク エッジに透過的に展開
  • Cisco Nexus® 1000V シリーズ スイッチをベースとする仮想ネットワーク サービス のフレームワークを利用して、データセンター内にアプリケーション サーバとともに展開し、アプリケーション サーバ仮想マシンのインスタンス作成に対応したクラウド最適化アプリケーション サービスを提供

Cisco vWAAS は、アプリケーション単位でのポリシーベースの運用により、オンデマンドのオーケストレーションをサポートする、唯一の WAN 最適化サービスです。図 3 に示すように、Cisco Nexus 1000V におけるポリシーベースの設定を利用することにより、Cisco vWAAS サービスは、インスタンス作成や移動時においても、アプリケーション サーバ仮想マシンに関連付けられます。これによりクラウド プロバイダーは、ネットワーク設定やクラウドベース環境の中断を最小限に抑えて、WAN 最適化サービスを迅速に提供できます。サービス プロバイダーは、Cisco vWAAS を利用することにより、WANを介したクラウド最適化アプリケーション サービスを、自社のクラウド サービスの一環として、付加価値を提供し、他社との差別化が図れます。

図 3 Cisco Nexus 1000V との統合を利用した、最小限のネットワーク設定による、Cisco vWAAS のオンデマンドのオーケストレーション

図 3 Cisco Nexus 1000V との統合を利用した、最小限のネットワーク設定による、Cisco vWAAS のオンデマンドのオーケストレーション
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Cisco vWAAS は、物理的な Cisco WAAS アプライアンスおよびルータ統合型のモジュールと完全に互換性があるため、Cisco WAAS 展開への既存投資を保護します。Cisco vWAAS Central Manager(vCM)は、物理的および仮想的な Cisco WAAS インスタンスに対する共通の管理を提供する仮想アプライアンスです。

また Cisco vWAAS は、SAN 上に保存されるデータ冗長性除去(DRE)キャッシュにより、コンピューティング リソースとストレージ リソースの分離といった機能をサポートします。この機能により、キャッシュ履歴を失うことなく、物理的なアプライアンスよりも迅速に故障から復旧できるなどの利点が得られます。

まとめ


支社オフィスに対するクラウドベースのアプリケーション配信は、これまでその性能の低さが問題とされてきました。WAN 最適化は、このような問題を解決する戦略的なテクノロジーです。クラウド サービス プロバイダーは、クラウド対応の WAN 最適化サービスを含めることで自社のサービスを差別化できるだけでなく、今日提供するコンピューティング、ネットワーキング、およびストレージの自社サービスが、将来価格だけの競争に陥る危険性を最小限にします。

クラウド対応の WAN 最適化ソリューションに対する要件には、アプリケーション サーバ仮想マシンの作成や移動に応じたオンデマンドのオーケストレーション、動的な環境における最小限のネットワーク設定、柔軟なスケールアウト、マルチテナントのサポートなどがあります。WAN 最適化のための仮想的なフォーム ファクタは必要ですが、それだけでは十分ではありません。

Cisco vWAAS は、これらの要件を満たす、業界初のクラウド対応の WAN 最適化ソリューションで、Cisco Nexus 1000V シリーズ アーキテクチャに基づくポリシーベースの運用を採用しています。Cisco vWAAS は、既存の Cisco WAAS アプライアンスおよびルータ統合型モジュールと完全な互換性を持ち、これらはすべて、仮想形式でも提供される中央型マネージャによって管理できます。Cisco vWAAS は、DRE キャッシュ用の SAN ストレージ利用といった高度な機能を提供し、コンピューティング リソースとストレージ リソースの分離によって、トラブルの際の迅速な復旧を可能とします。Cisco vWAAS は、プライベート クラウドおよび仮想プライベート クラウドの設計者に、WAN 上の優れたアプリケーション エクスペリエンスを、クラウド サービス の一環として提供する事を可能にします。

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