テクノロジー解説

仮想環境での運用負荷を軽減

 これまで、次世代データセンターを実装する際に発生するだろう問題を取り上げて、シスコが提供するソリューションを紹介してきました。それは、ユニファイド I/O、ユニファイド ファブリック、および 10 ギガ イーサネットによる I/O の統合で SAN/LAN/サーバ クラスタの構成をシンプル化して、ファブリックエクステンダよって管理ポイントを減らしてスパニング ツリーを不要にし、VN-Link によって見えない仮想マシン ネットワークを物理サーバ ネットワークと同様な形で統合管理できるようにしました。また、その実装のためのシスコ製品として、Cisco Nexus スイッチを紹介してきました。

 2009年4月、シスコは次世代データセンター構築のための新しいアーキテクチャ「シスコ ユニファイド コンピューティング」を発表しました。そして、このアーキテクチャを実現する製品として、Cisco Unified Computing System(UCS)を発表しました。Cisco UCS では、Cisco Nexus スイッチ シリーズで実現する「仮想化に最適なネットワーク、ストレージアクセス環境」といったネットワーク技術をベースに、アプリケーション、OSを実行するサーバ機能を統合しています。仮想化に最適化されたネットワークやストレージ アクセスのための管理ツールと、サーバ管理のためのツールを1つに統合することで、仮想環境の運用負荷を軽減します。

 「課題5 仮想環境での運用負荷を軽減」では、主にCisco UCSで実現できる運用負荷の軽減について解説していきます。まずは、これまでに解説してきたデータセンター ネットワークの構築手法を振り返り、Cisco NexusとCisco UCSの技術的な共通点を確認します。その後、Cisco UCSのみで実現される「組み込み管理システム」を紹介することで、Cisco UCSで得られる更なる利点を理解します。



システムへの管理の統合

「Data Center 3.0を支える仮想化の実装と課題」として紹介してきたソリューションは、どれもネットワークの運用管理の軽減を可能にするものでした。それは、物理的な接続を減らす、統合によって管理箇所を減らす、目に見えないもの(仮想マシン)の管理を可能にするといったことで実現されました。シスコは、これに加えてサーバも含めてデータセンター全体を統括的に管理する機能をシステムに統合することで、管理の統合化をより進化させました。



 仮想環境における運用管理機能を提供するのが、Cisco Unified Computing System の構成要素の 1 つである「Cisco UCS Manager」です。Cisco UCS Managerは、Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトに組み込まれ、サーバのネットワーク接続やストレージ接続に加えて、サーバの設定、上位スイッチの設定など、仮想システム全体をプラグ&プレイで設定できるようにします。

 Cisco Nexus シリーズではネットワーク部分の統合によって仮想環境を支援し、運用の負荷軽減を実現していました。Cisco UCSでは、これに加えてコンピューティング(サーバ)までもシステムのなかに統合していると考えるとわかりやすいでしょう。



 Cisco UCS Manager では、ブレード サーバの OS、UUID、MACアドレス、WWNアドレス等のID、ファームウェア、ネットワーク アダプタ、それにVLAN/VSAN、QoSなどのLAN設定/SAN設定、仮想マシンネットワークなど、アプリケーションの稼働に必要なシステムの特性を「サービス プロファイル」として定義することができます。サービス プロファイルは、特定のサービスのための「サーバ設定およびサーバへのネットワーク、ストレージ接続設定」を定義した設定情報セットで、たとえばサーバが壊れたとき、あるいは新しいサーバが増えたときにも、事前に定義されたサービス プロファイルを指定するだけで、追加されたサーバの設定が完了します。

現状では、新規にサーバを追加するときには、サーバ、ネットワーク、およびストレージの管理者が各々の設定を手作業で実行し、さらに担当者間で入念な調整作業を行わなければなりません。そのため、実際に稼働を開始するまでに数日から数週間かかることも珍しくありません。また、手作業での作業による設定の間違い、担当者間でコミュニケーションミスもよく起こる失敗です。

Cisco UCSマネージャの「サービスプロファイル」を使用すると、何日もかかっていた作業が、たった数分で終わってしまいます。また、手作業による設定ミス、担当者間のコミュニケーションミスによる障害が劇的に減少します。



関連資料

ユニファイド コンピューティング概要
Cisco UCS Manager:Cisco Unified Computing Systemのエンドツーエンド管理
Cisco Unified Computing System:業界変革の次世代を実現するアーキテクチャ

Cisco Unified Computing System製品

Cisco Unified Computing Systemは、サーバなどのコンピュータ リソースの個々の課題だけでなく、データセンター全体の課題に対処します。

Cisco UCS 製品 ベースとなるNexusシリーズ
Cisco UCS Manager
Cisco UCS Manager
Cisco UCS Manager は、組み込み型のデバイス マネージャとして Cisco Unified Computing System のすべてのコンポーネントを管理します。Cisco UCS Manager は Cisco Unified Computing Systemを 1 つの統合ドメインとして管理するシステムの中枢神経系の役割を果たします。使いやすい GUI、コマンドライン インターフェイス、あるいは XML API を使って、システム全体を論理的な 1 つのエンティティとしてエンドツーエンドでの管理をすることができます。  
Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクト
Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクト
Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトは、Cisco Unified Computing System の中核であり、Cisco UCS B シリーズ ブレードおよび UCS 5100 シリーズ ブレード サーバ シャーシの管理と通信のバックボーンとなります。
Cisco UCS 6100 シリーズには、データセンター全体を管理するための Cisco UCS Manager が組み込まれます。
Cisco Nexus 5000 シリーズ
Cisco UCS 2100 シリーズ ファブリック エクステンダ
Cisco UCS 2100 シリーズ ファブリック エクステンダ
Cisco UCS 2100 シリーズ ファブリック エクステンダは、Cisco UCS 5100 シリーズ ブレード サーバ シャーシ内に設置され、Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトへの接続を提供します。これは、Cisco UCS 6100 シリーズ ファブリック インターコネクトのリモート ラインカードとして動作し、管理、ネットワーク設計および診断を簡素化します。 Nexus 2000 シリーズ ファブリック エクステンダ
Cisco UCS 5100 シリーズ ブレード サーバ シャーシ
Cisco UCS 5100 シリーズ ブレード サーバ シャーシ
Cisco UCS 5100 シリーズ ブレードサーバ シャーシは、余計なコンポーネントを排除した非常にシンプルな作りとなっていてグリーンな環境を実現します。
Cisco UCS 5108 は 6RU の高さで、業界標準の 19 インチラックに設置可能であり、Cisco UCS B200-M1 であれば 8枚、Cisco UCS B250-M1 であれば 4 枚のブレード サーバを搭載できます。
Cisco UCS Bシリーズ ブレード サーバ
Cisco UCS Bシリーズ ブレード サーバ
Intel Xeon 5500 番台プロセッサをベースとする Cisco UCS Bシリーズ ブレードサーバは、アプリケーションの要求に応じてプロセッサパフォーマンスを適応させることが可能で、利用状況に基づいてエネルギー消費量をインテリジェントに調整します。
Cisco UCS Bシリーズ ブレードサーバには、Cisco UCS B200-M1 と、最大384GBのメモリを搭載可能にするメモリ拡張技術を実装した Cisco UCS B250-M1 の 2 種類があります。
 
Cisco UCS 仮想インターフェイス カード Cisco UCSでは、(1) Intel製10 GB イーサネット アダプタ、(2) Emulex/QLogic製統合ネットワーク アダプタ(CNA)、(3) Cisco UCS VIC M81KR 仮想インターフェイス カードの3種類のネットワーク アダプタをサポートしています。そのうち、(3) Cisco UCS VIC M81KR 仮想インターフェイス カードを使用すると、ユニファイドファブリック(FCoE)の機能に加え、Nexus 1000VのようなVN-Linkの機能をハードウェアでサポートすることができるようになります。仮想マシン単位で仮想的なインターフェイスを動的に割り当てることが可能になります。 Cisco Nexus 1000V

詳しくは:
http://www.cisco.com/jp/go/unifiedcomputing/

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