テクノロジー解説

メッシュ型ワイヤレス LAN

 ワイヤレス LAN は、多くのノート型 PC には ワイヤレス LAN クライアントが標準装備されていることもあって、家庭でも、またビジネスにおいても急激に普及しています。特に学校のようにポート数を特定できないような環境では、PC の接続数に柔軟性のあるワイヤレス LAN が非常に便利です。ただし、今までのワイヤレス LAN の利用方法は、室内が中心でした。しかし、ワイヤレス IP フォンのように継続的なネットワーク接続を必要とするデバイスが普及してくると、ある程度広い敷地内で途切れることなくワイヤレス LAN を利用できる環境が必要になります。メッシュ型ワイヤレス LAN は、屋外も含めた広い地域をカバーするワイヤレス LAN ソリューションです。

 現在普及しているワイヤレス LAN アクセスポイントは、1台でカバーできる範囲がそれほど広くありません。しかし、室内で使用するのであれば、カバーエリアを考慮しながら必要な場所にアクセスポイントを配置することができます。なぜなら、室内であれば有線 LAN にも比較的容易にアクセスしやすく、壁や天井といったところにアクセスポイントを設置することができるからです

屋外でのワイヤレス LAN 展開における問題

 外でのワイヤレス LAN 利用というと、カフェやファーストフード店で提供しているホットスポットが思い浮かぶかもしれません。ホットスポットは、室内用のワイヤレス LAN の一種であり、まさに「スポット(点)」でネットワーク接続を提供します。屋外用のワイヤレス LAN では、工場や学校の敷地内、あるいは街のなかのあらゆる場所といった「エリア(面)」に対するワイヤレス LAN 接続環境を考える必要があります。実は、屋外にアクセスポイントを配置しようとすると、「アクセスポイントには優先 LAN への接続が必要」という条件が大きな障害となります。そのほかにも、次のような問題を解決する必要があります。

  • 屋外用の筐体
    屋外にアクセスポイントを配備する必要があるため、雨・風を防げる筐体が必要です。
  • 利用周波数帯の干渉
    既存の屋外用ワイヤレス LAN ソリューションのほとんどでは、2.5GHz 帯を利用しています。この周波数帯は、家庭用機器でも使われているため、空き帯域や空きチャネルの確保に苦労したり、他の機器との干渉によるパフォーマンスの低下が問題になることがあります。
  • セキュリティの確保
    屋外でのワイヤレス LAN 利用には、厳格なセキュリティ対策が必要です。そのためには、アクセスポイント自身にも、屋外利用に耐えられるだけのセキュリティ機能が備わっている必要があります。


屋外用メッシュ型ワイヤレス LAN ソリューション

 シスコの屋外用メッシュ型ワイヤレス LAN は、これらの問題を解決して屋外でのワイヤレス LAN 利用を可能にするソリューションです。具体的には、屋外での高性能な ワイヤレス LAN 環境を構築するために必要とされる、管理性、信頼性、および配置の簡易性を備えたCisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントによって実現します。
 Cisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントの特徴は次のとおりです。

  • AWPP(Adaptive Wireless Path Protocol)にも基づいたインテリジェントなルーティングを実装
    アクセスポイントどうしの通信によって、別のアクセスポイントを経由しながら、有線 LAN に到達します。これが「メッシュ型」(あるいは「マルチホップ型」)と呼ばれる理由であり、ルートとなるアクセスポイントのみに有線 LAN が接続されていれば、他のアクセスポイントには電源を供給するだけでワイヤレス LAN ネットワークの範囲を拡大していくことができます。また、一部のアクセスポイントに障害が発生しても、別の経路での通信に切り替えることで継続した接続性を可能にしています。
  • アクセスポイントどうしの通信に 4.9GHz帯(要免許)を利用
    クライアントとアクセスポイントとの間の通信には従来の 2.4GHz 帯を利用しながら、アクセスポイントどうしの通信には免許を必要とする 4.9 GHz 帯を使用します。これにより、干渉が少なく安定したワイヤレス ネットワーク パスが確保できます。
  • ワイヤレス LAN コントローラによる一元管理
    Cisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントは、ワイヤレス LAN コントローラを基本とした Cisco Unified Wireless Network の構成要素の1つです。したがって、室内用のワイヤレス LAN と屋外用メッシュ型ワイヤレス LAN を同じワイヤレス LAN コントローラで一元管理することができます。
  • 環境に合わせて柔軟に構成を変更可能
    Cisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントは、メッシュ型で利用するように設計されていますが、お客様の環境に合わせてメッシュ型以外での利用形態によるネットワーク展開も可能です。
  • 組み込まれたセキュリティ機能
    Cisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントは、WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)に適合しています。また、ノード間の通信にはハードウェアベースの AES(Advanced Encryption Standard)暗号化を採用することで、エンドツーエンドでの高度なセキュリティを確保しています。


:Cisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントは、4.9GHz帯を使用するため、その使用にあたっては利用者の免許と局の申請が必要です。

メッシュ型ワイヤレス LAN の導入例

広い範囲に対してワイヤレス アクセス サービスを提供できるメッシュ型ワイヤレス LAN ソリューションは、次のような用途に適しています。

  • 自治体などがその地域全体に対してサービスを提供する公営の公衆 ワイヤレス LAN サービス
  • サービスプロバイダーやホットスポット サービス業者が提供する有料/無料のワイヤレス アクセス
  • 工場や学校などの広大な敷地内での利用


また、このような屋外ワイヤレス LAN サービスがあれば、次のような応用が考えられます。

  • 学校の通学路や公園の監視
  • 地震や台風などの自然災害による被害を抑制する観測・監視システム
  • 道路状況などを監視することで、渋滞情報や交通機関(バスなど)の運行状況を提供するITS(高度交通システム)への展開


このようなサービスは、実際に実用化が検討されており、実験導入が開始されているものや、本格導入へと進行中のプランもあります。

シスコが提供するメッシュ型ワイヤレス LAN は、ワイヤレス ネットワークをさらに発展させる次代のシステムです。多くの実績を持つ屋内ワイヤレス LAN システムでの集中管理型ワイヤレス LAN ソリューションの技術がそのまま屋外にも展開できることで、既存システムとの統合を可能にし、これまでの投資を活用できます。

Cisco Aironet 1500 シリーズ Lightweight アクセスポイントについて詳しくは >
http://www.cisco.com/jp/product/hs/wireless/airo1500/index.shtml

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