株式会社リコー
「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」の「三愛精神」を創業の精神と位置付け、全社員が事業・仕事を通じて、自分、家族、顧客、関係者、社会のすべてを豊かにすることを目指す。オフィスプリンティング、商用・産業印刷、産業ソリューションなどの事業を展開している。
国内の約400拠点を収容するネットワークの刷新に取り組んだリコー。運用改善をテーマに掲げて、統合管理、可視化、自動化を実現するシスコのソリューションを採用しました。実害が出る前の品質低下も自動検知し、ユーザーからの報告を待たずに対処する新しい運用が形になりつつあります。また、Splunkを活用したユーザー向けダッシュボードも開発し、ユーザー自身がトラブルを回避する環境も目指しています。
「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」の「三愛精神」を創業の精神と位置付け、全社員が事業・仕事を通じて、自分、家族、顧客、関係者、社会のすべてを豊かにすることを目指す。オフィスプリンティング、商用・産業印刷、産業ソリューションなどの事業を展開している。
リコーグループは、安全かつストレスのないシステムアクセスやサービス利用を支えるため、各拠点をグループネットワークで接続しています。長年の利用の中でネットワークには様々な課題を感じており、次期ネットワークでは、それらの解決を目指しました。特に重要なテーマと位置付けたのが運用の改善です。「約5,000台の機器で構成し、約400拠点を収容する大規模なネットワークですが、ネットワーク担当者が常駐しているのは一部の大規模拠点のみで、大半の拠点には現地で対応できる担当者がいません。その体制で、これまで以上にネットワークを安定運用するには、運用の見直しが不可欠と考えました」とリコーの太田 健太郎氏は言います。
例えばトラブル対応では、ネットワークが遅い、つながらないといった連絡を受けても、その原因を特定したり、影響範囲を把握したりするのに時間がかかっていました。「無線LANの電波は可視化が難しいことに加え、全てのログを取っていたわけではなく、調査が難しかったことが一因です。ユーザーから送られてくる画面のスクリーンショットや、メール、電話でのやり取りを頼りに原因の特定を試みても、トラブルの再現を待っている間に自然に解消し、根本原因の特定に至らないことも少なくありませんでした」と同社の福間 真一氏は言います。
こうした状況は、コロナ禍を経て一段と厳しくなりました。リモート会議の頻度が高まり、それまでは気付かなかったような「瞬断」が表面化したのです。
ネットワーク機器のアップデート作業も運用負荷を高めていました。すでに述べたとおり対象となる機器は全国約400拠点に分散しており、担当者がいない拠点は本社から出向いて対応する必要があります。「アップデートに終わりはありませんから、1つのサイクルが終わってもすぐに次が始まる。ずっと追われている感覚でした。出張にかかる時間も費用も膨大で、それらも削減したいと考えていました」と太田氏は言います。
同社は、統合管理や可視化、自動化を軸に次期ネットワークの要件を整理し、検討を開始しました。「本部から全てのネットワークを統合管理できる。ネットワークの状況を一目で把握し、ユーザーからの報告の前に予兆段階でトラブルに気付き、先回りして解決する。任せられる作業は機械に任せる。このような運用を実現するには、どのソリューションが最適かを議論しました」(福間氏)。
複数の提案を比較し、最終的にリコーが選定したのがシスコです。
まず決め手となったのが、Cisco Catalyst Centerを利用すれば有線と無線を1つのネットワークとして統合管理できることです。「以前は有線と無線で2つのツールを使い分けていましたが、それを統合できれば、単に運用工数を削減するだけでなく、有線と無線にわたって起こっているトラブルの原因特定を効率的に行えると判断しました。他にも統合管理に対応しているソリューションはありましたが、実績の多さでCisco Catalyst Centerに分がありました」と福間氏は説明します。
運用を支えるシスコのサポートにも期待しました。「極端に言えば、5年、10年と時間が経てば機能は最新のものではなくなり、比較したソリューション間の差も縮まっていくかもしれません。そうした中でも、私たちはネットワークを安定運用し続けなければならない。構築から始まる長い運用をどのようにサポートしてくれるのかは重要なポイントでした」と太田氏は言います。
新ネットワークへの刷新は段階的に進めていますが、展開作業では、Cisco Catalyst Centerが早速威力を発揮しています。「新しい機器を設置した拠点は、まずCisco Catalyst Centerのヒートマップで無線LANの電波の飛び方を見て、意図通りに電波が届いているかを確認しています。もし問題があれば改善しますが、出力の調整などであればリモートで完結することができます」と福間氏は話します。
こうして展開を終えた拠点では、確実に運用改善が進んでいます。「ネットワーク担当者は、始業したらCisco Catalyst Centerを開き、有線、無線を問わず全ネットワークの状況を確認。緊急性の高いトラブルはもちろん、品質低下のような事象にも先回りして対応しています」と福間氏は、目指している「予兆の段階で気付く運用」が形になりつつあることを強調します。
Cisco ThousandEyesによって社内アプリケーションや外部SaaSまでの通信経路を可視化し、トラブルの原因がネットワークにあるのか、サービスにあるのかの切り分けに活用。これらの仕組みによって、以前のようにトラブルの原因特定に長い時間をかけることはほとんどありません。
また、新しい試みにもチャレンジしています。Cisco Catalyst Centerのデータを基にSplunk Cloudによるユーザー向けダッシュボードを開発し、可視化の範囲をユーザーに拡大したのです。「ネットワークトラブルの中には、特定のAPへのアクセスの集中など、機器トラブルが原因ではないものが一定数あります。APにトラブルが発生している場合であっても、速やかに別の場所に移動し、APを切り替えれば業務への影響を最小限にできます。それらをユーザー自身の判断で行えないかと考えてダッシュボードを開発しました。ユーザーは、一般社員でネットワークの専門家ではありませんから、日本地図から自分の所属拠点を簡単に選べるようにし、自分がどのAPに接続しているか、その通信品質のスコアは何点かなどをシンプルに表示するようにしています。全社への展開はこれからですが『問い合わせるより自分で見たほうが早い』状態を目指します」と同社の茅根 哲也氏は言います。
導入時に期待したシスコのサポートも高く評価しています。複数のサービスを利用していますが、例えば、構築後の活用支援を担うLCS(Lifecycle Services)では、Cisco Catalyst Centerの使いこなしをテーマに定期的なディスカッションを重ねてきました。また、トラブル発生時、障害対応サービスの1つであるHTOM(High Touch Operation Manager)に助けられた場面もありました。HTOMは、障害があると障害マネジメントのエキスパートとして契約企業とTAC(Technical Assistance Center)の間に入り、適切なエスカレーションやコミュニケーションをサポートします。「24時間365日稼働するコールセンターで障害が発生したときのことです。通信を止めることができれば、私たちでも原因特定を行えますが、コールセンターでは通信断が許されません。そこでHTOMを通じてシスコに相談したところ、コールセンターを利用するお客様への影響を最小限にしながら、無事に復旧させてくれました」と福間氏は言います。
こうした取り組みの成果を、太田氏はビジネスの視点から捉えています。「数分の通信中断でも、それを社員全体に積み上げれば相当な時間になります。その時間を削減できたことは、ビジネスへの大きな貢献だと捉えています」(太田氏)。
約5,000台の機器、約400拠点収容の大規模ネットワークを、限られた体制でどう安定運用し続けるか──。それを模索し、リコーが次期ネットワークに掲げた新しい運用の姿は着実に輪郭を現しつつあります。
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