この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
このセクションでは、メッシュ AP の ATF を紹介し、その導入ガイドラインを提供します。このセクションでは、次のことを目的としています。
メッシュ ATF は、ワイヤレス LAN コントローラ上の AireOS 8.4 以降のリリースでサポートされます。メッシュ ATF は、1550/128、1570、および他のすべての IOS ベースの AP でサポートされます。
AP | 1550(64 MB) | 1550(128 MB) | 1570 | 3700 | 1530 | 1540 | 1560 |
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機能 | – | – | –– | – | – | – | – |
基本メッシュ | はい | はい | はい | はい | はい | はい | 8.4 |
Flex+メッシュ | はい | はい | はい | はい | はい | いいえ | いいえ |
高速コンバージェンス(バックグラウンド スキャン) | いいえ | 8.3 | 8.3 | はい | 8.3 | いいえ | 8.4 |
RAP の有線クライアント | はい | はい | はい | いいえ | はい | いいえ | いいえ |
MAP の有線クライアント | はい | はい | はい | いいえ | はい | いいえ | 8.4 |
デイジーチェーン | 7.6 | 7.6 | 7.6 | いいえ | 7.6 | いいえ | いいえ |
LSC | はい | はい | はい | はい | はい | いいえ | いいえ |
PSK プロビジョニング:MAP-RAP 認証 | 8.2 | 8.2 | 8.2 | 8.2 | 8.2 | 8.5 | 8.4 |
メッシュの ATF | いいえ | 8.4 | 8.4 | 8.4 | いいえ | いいえ | いいえ |
公共ホットスポット(スタジアム/空港/会議場/その他)
この場合、パブリック ネットワークは 2 社以上のサービス プロバイダー側や施設側と WLAN を共有しています。各サービス プロバイダーに対するサブスクライバをグループ化して、各グループに特定のダウンストリーム通信時間を割り当てることができます。
教育機関
たとえば大学では、学生、教員、およびゲスト間で WLAN を共有しています。ゲスト ネットワークは、サービス プロバイダーによってさらに分割できます。各グループに特定の割合の通信時間を割り当てることができます。
一般企業、サービス業、小売業
この場合、施設は、従業員とゲスト間で WLAN を共有しています。ゲスト ネットワークは、サービス プロバイダーによってさらに分割できます。ゲストはサービス レベルによってサブグループ化し、サブグループごとに一定の通信時間を割り当てることができます(有料のグループには、無料のグループよりも多く割り当てるなど)。
時間を共有するマネージド ホットスポット
この場合、サービス プロバイダーまたは企業など、ホットスポットを管理するビジネス主体は、割り当てた後に通信時間をその他のビジネス主体にリースできます。
ATF 機能:
割り当ては、SSID およびクライアントごとに適用されます。
ダウンストリームだけに適用されます。
WLC GUI/CLI および PI で設定できます。
AP グループに対するネットワーク内のすべての AP または 1 つの AP に適用できます。
次のローカル モードの AP でサポートされています:AP1260、1550-128Mb、1570、1700、2600、2700、3500、3600、3700
メッシュ AP の AirTime Fairness 機能は、以前のリリースにおけるローカル AP の ATF 機能と概念がよく似ています。機能と導入手順について、次のガイドから確認することを強くお勧めします。 http://www.cisco.com/c/en/us/td/docs/wireless/technology/mesh/8-2/b_Air_Time_Fairness_Phase1_and_Phase2_Deployment_Guide.html
Cisco IOS 11n および 11ac 屋内向け AP を配備したエンタープライズ/高密度スタジアム向けなどの大規模な Wi-Fi 導入では、8.1 MR1 および 8.2 リリースにおける SSID ごとの Airtime Fairness(ATF)と、SSID 内のクライアントごとの Airtime Fairness を実現できています。
ATF に対する要求は大規模な屋外ワイヤレス メッシュでも高まっていますが、そこでは、各 Wi-Fi ユーザに(複数の携帯事業者が Wi-Fi ホットスポットを通じて)SLA を適用できる重要な管理機能への要求も高まっています。しかし、Wi-Fi ユーザのトラフィックはすべて無線バックホールにより MAP と RAP 間でブリッジされます。また、バックホール ノード向けの無線バックホールでは SSID という概念が存在しないため、各バックホール ノードの SSID によってポリシーを適用することができません。そのため、屋外ワイヤレス メッシュ AP で各 Wi-Fi ユーザの無線通信時間を公平に扱うための簡単なソリューションは存在しません。しかし Client Access では、シスコのユニファイド ローカル モード AP で処理される方法と同様に、(Client Fair Sharing ポリシーの有無に関わらず)SSID を介して利用時間の公平性を簡単に確保できます。
ATF をサポートするメッシュ ソリューションの概要を説明する前に、ATF について要約しておきましょう。Airtime Fairness(ATF)とは基本的に、SSID によって接続したクライアントに対して、ダウンストリーム方向の AP 無線通信時間を調整/適用するための機能です。ATF により、ワイヤレス ネットワークの各ユーザは無線通信時間の点で公平に扱われるため、SLA を(追加で)適用できます。つまり、特定 AP のワイヤレス キャパシティが特定のグループやユーザに偏ることを防止できる、重要な管理機能となります。サービス レベル契約(SLA)とは、サービス プロバイダーが提供するサービス レベルを定義した、(内/外いずれかの)サービス プロバイダーとエンドユーザとの間の契約です。SLA は顧客が受けるサービスを定義するため、アウトプット ベースと言えます。
メッシュ アーキテクチャでは一般に、無線バックホールで接続されたメッシュ AP(親/子 MAP)が同一チャネルでメッシュ(親/子 MAP 間)接続します(拡張サブ無線バックホールについては後で説明します)。一方、ルート AP はコントローラに有線接続され、MAP はコントローラにワイヤレス接続されます。そのため、すべての CAPWAP や Wi-Fi のトラフィックは、無線バックホールおよび RAP によりコントローラに接続されます。物理的な配置について言えば、RAP は一般にルーフ トップに配置され、複数のホップにある MAP は(メッシュ ネットワークのセグメント化ガイドラインに基づき)間隔を置いて配置されます。そのためメッシュ ツリー内の各 MAP は、各 MAP が同じメディアにアクセスするにも関わらず、本体のダウンストリーム キャパシティを 100 % ユーザに提供できます。では、メッシュを使用しないシナリオと比較しましょう。たとえばアリーナでは、隣り合う部屋に設置された隣接するローカル モード AP により、同一チャネル上でそれぞれのクライアントに 100% のダウンストリーム キャパシティで通信を提供することになります。このため、同じメディアにアクセスする 2 台の隣接 AP に接続されたクライアントに ATF を適用できません。メッシュ ツリーの MAP についても、同じことが言えます。屋外/屋内メッシュ AP では、メッシュでないローカル モード AP が ATF をサポートするのと同様に、一般クライアントが接続されるクライアント AP で ATF をサポートしている必要があります。また、クライアント AP 上のクライアント~ RAP 間(1 ホップ)や MAP ~ RAP 間(複数ホップ)をブリッジする無線バックホールにおいても同様です。同じ SSID/ポリシー/ウェイト/Client Fair Sharing モデルを使用している無線バックホールで ATF をサポートするのは注意が必要です。無線バックホールには SSID がないため、常に、隠れたバックホール ノードによってトラフィックをブリッジします。その後、RAP または MAP の無線バックホールでは、ダウンストリームの無線通信時間はバックホール ノードの数に基づいて等しく公平に共有されます。このアプローチにより先述の問題を解決し、ワイヤレス メッシュ ネットワーク全体のユーザに公平性を提供します。つまり、2 番目のホップ MAP に接続するクライアントが 1 番目のホップ MAP に接続されたクライアントを失速させる中で、(MAP の Wi-Fi ユーザが物理的には分離されているものの)2 番目のホップ MAP が無線バックホールによって 1 番目のホップ MAP に接続している場合に役立ちます。このシナリオでは、無線バックホールが一般的なユニバーサル クライアント アクセス機能を通じて通常のクライアントにも接続を提供できる場合、ATF は通常のクライアントを単一ノードとみなし、それらをグループ化します。ノードの数(バックホール ノード+通常のクライアントに対する単一ノード)に基づいて、ダウンストリームの無線通信時間を等しく公平に共有します。次のセクションでは、このソリューションを設計に組み込む方法についての詳細を説明します。
メッシュ設計の全体像はこのようになります。
ATF モニタ モードにより、使用される全体的な通信時間の統計情報を表示して取得できます。つまり、すべての AP 送信における通信時間の使用を報告できるようになります。モニタ モードの ATF は、次のレベルで有効にできます。
メッシュの ATF を設定するには、次の手順を実行します。