ISDN プロトコルを使用するトランクで PSTN に直接(中継 PBX を使用しないで)アウトダイヤルする場合、Cisco Unified MeetingPlace システムに Network Specific Facility(NSF)コードを設定しなければならないことがあります。この章では、必要に応じて Cisco Unified MeetingPlace システムに正しい NSF コードを設定する方法を説明します。この章には、次の項があります。
• 「オプションの Carrier Identification Code について」
(注) 通常、NSF コードは、米国とカナダだけで使用されます。
Cisco Unified MeetingPlace システムに NSF コードが必要かどうかを判断するには、利用している電話サービス プロバイダーに問い合せます。このことは、Cisco Unified MeetingPlace システムをインストールする前に判断します。
NSF コードの設定が適切でない場合、または設定をまったく行わない場合、次の問題が発生する可能性があります。
• アウトダイヤルの失敗:PSTN に直接発信したアウトダイヤルが拒否されます。ただし、中継 PBX を経由したアウトダイヤルは成功する可能性があります。
• 電話サービス費用の上昇:PSTN への直接のアウトダイヤルが成功しても、割り引きレートではなく、通信事業者の標準レートやプレミアム レートが適用される場合があります。通信事業者はサービスのプロビジョニングの一環として、顧客に特定の NSF コード情報を使用するように求めることがあります。コールに対する特定の割り引きサービス レートを利用するには、この情報は、すべてのコールで送信される必要があります。
ISDN プロトコルでは、電話サービス プロバイダーは、各社独自のカスタム プロトコル拡張を使用できます。これらのカスタム プロトコル拡張を使用することで、通信事業者は、一般の ISDN 仕様で定義されていないローカライズされたさまざまなサービスを提供できます。これらのカスタム プロトコル拡張は、NSF Information Element(IE; 情報エレメント)に含まれています。カスタム プロトコル拡張は、一般に NSF コードと省略して呼ばれます。NSF コードは、Binary Facility Coding Value(BFCV)とも呼ばれます。
• NSF コード タイプ(サービスまたは機能)。「NSF コード タイプについて」を参照してください。
• NSF コード値(目的のサービスまたは機能)。「NSF コード値について」を参照してください。
• サービスまたは機能を提供する通信事業者を特定する、オプションの Carrier Identification Code(CIC)。「オプションの Carrier Identification Code について」を参照してください。
• オプションの変更パラメータ。「オプションの変更パラメータについて」を参照してください。
NSF コード タイプにより、NSF がサービスであるか機能であるかが判別されます。4 つの NSF コード タイプがあります。 表3-1 を参照してください。
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NSF コード値は、サービスまたは機能の固有の ID を示します。この値は、0 ~ 31 です。 表3-2 に、いくつかの一般的な NSF コード タイプとそれに対応する NSF コード値を示します。
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(注) NSF コード値は、Binary Facility Coded Value(BFCV)とも呼ばれます。
Carrier Identification Code(CIC)は、米国の FCC によって定義された、各電話会社を識別する 4 桁のコードです。たとえば、AT&T の CIC は 1288 です。さまざまな通信事業者が提供する多様なサービスを加入者が利用できる場合、通信事業者を選択するために CIC が使用されます。
CIC は、NSF コードに必ず含まれているわけではありません。Cisco Unified MeetingPlace からセントラル オフィスへの接続を提供する通信事業者が、CIC を NSF に含めるかどうかを決定します。
(注) 一部の通信事業者は、最上位の桁を省略して 3 桁の CIC を使用しています。CIC 情報を求める場合は、その通信事業者が 3 桁を使用しているか、4 桁を使用しているかを確認する必要があります。
変更パラメータは、使用されている場合 0 ~ 255 の値です。たとえば、Bell Canada は、変更パラメータを Service IDentifier(SID)として使用しています。同社の Outwats サービスの場合、BFCV「3」および SID「2」が含まれていないと、NSF コードは完全ではありません。また、AT&T の Vari-A-Bill には、BFCV「9」および SID「6」が使用されています。
• 「新しいプロトコルテーブルを使用するためのポート グループの割り当て」
• 「Cisco Unified MeetingPlace システムの再起動」
ステップ 1 CLI にアクセスします。端末のロギングをまだ有効にしていない場合は、有効にします。ロギングについては、『 Cisco Unified MeetingPlace Audio Server インストレーション アップグレード ガイド 』を参照してください。
ステップ 2 tech$ プロンプトで、 protparm と入力します。次のメニューが表示されます。
ステップ 3 3 と入力して、プロトコルテーブルをコピーします。
ステップ 4 コピー元のプロトコルテーブルの番号を入力します。この例では、プロトコルテーブル番号 3 のため 3 と入力します。コピー元のテーブルとしてどれを選択するかについては、 表3-3 を参照してください。
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ステップ 5 コピー先のプロトコルテーブルの番号を入力します。この例では、プロトコルテーブル番号 50 のため 50 と入力します。
(注) 新しいプロトコルテーブルの番号は、既存のプロトコルテーブルによって使用されていない番号である必要があります。すべての Cisco Unified MeetingPlace システムには、プロトコルテーブル 0 ~ 49 がすでに設定されています。したがって、新しいプロトコルテーブルを作成する場合は、50 以上のプロトコルテーブル番号を使用します。
ステップ 6 x と入力して、 protparm コマンドを終了します。
(注) 次の手順では、「新しいプロトコルテーブルの作成」で新しいプロトコルテーブルにコピーした情報は、NSF コード情報を除いて正しいと想定されています。
ステップ 1 CLI にアクセスします。端末のロギングをまだ有効にしていない場合は、有効にします。ロギングについては、『 Cisco Unified MeetingPlace Audio Server インストレーション アップグレード ガイド 』を参照してください。
ステップ 2 tech$ プロンプトで、 protparm と入力します。 protparm コマンド メニューが表示されます。
ステップ 3 2 と入力して、プロトコル パラメータ テーブルを修正します。
ステップ 4 「新しいプロトコルテーブルの作成」で作成した新しいプロトコルテーブルの番号を入力します。この例では、テーブル 50 のため 50 と入力します。次の例を参照してください。
ステップ 5 c と入力して、発信 NSF コードを修正します。 Enter キーを押すたびに、次の行へ移動します。次の例を参照してください。
ステップ 6 NSF コード タイプを入力します。Cisco Unified MeetingPlace 設定に応じて、「service」、「feature」、「parm service」、または「parm feature」と入力します。「NSF コード タイプについて」を参照してください。
ステップ 7 NSF コード値(BFCV)を入力します。「NSF コード値について」を参照してください。
ステップ 8 修正されたパラメータがある場合は、それを入力します。
ステップ 9 (オプション)ご使用の Cisco Unified MeetingPlace 設定で 2 つ目の NSF コードを使用する場合は、適切な情報を入力します。Cisco Unified MeetingPlace 設定で 2 つ目の NSF コードを使用しない場合は、modify command プロンプトに移動するまで Enter キーを押します。
ステップ 10 d と入力して、発信 NSF CIC を修正します。次の例を参照してください。
ステップ 11 CIC コード タイプを入力します。Cisco Unified MeetingPlace 設定に応じて、「user」、「natl」、「intl」、「user4」、「natl4」、または「intl4」と入力します。「オプションの Carrier Identification Code について」を参照してください。
ステップ 13 x と入力して、メインの protparm コマンド メニューに移動します。
ステップ 14 x と入力して、 protparm コマンドを終了します。
新しいプロトコルテーブルを使用するためのポート グループの割り当て
新しいプロトコルテーブルを使用するために、NSF コードを使用するポートを持つすべてのポート グループを割り当てます。
(注) Cisco Unified MeetingPlace システムにさまざまな通信事業者へのスパンがある場合、各通信事業者がそれぞれ異なる NSF コードを要求することがあります。これを解決するには、ある通信事業者からのポートをあるポート グループに割り当て、別の通信事業者からのポートを別のポート グループに割り当てます。異なるプロトコルテーブルを使用するように、ポート グループを設定します。各ポート グループのプロトコルテーブルに、そのポート グループの通信事業者が要求する NSF コードを設定します。
ステップ 1 CLI にアクセスします。端末のロギングをまだ有効にしていない場合は、有効にします。ロギングについては、『 Cisco Unified MeetingPlace Audio Server インストレーション アップグレード ガイド 』を参照してください。
ステップ 2 tech$ プロンプトで、 port と入力します。次のメニューが表示されます。
ステップ 3 5 と入力して、ポート グループ レコードを変更します。次の例の 2 行目が表示されます。
ステップ 4 適切なポート グループ レコードの番号を入力します。この例では、ポート グループ レコード 0 のため 0 と入力します。上記の例の残りの部分が表示されます。
ステップ 5 Signaling に移動するまで、 Enter キーを連続して押します。
ステップ 6 protocol table と入力して、Signaling を選択します。
ステップ 7 Protocol テーブルで、適切なプロトコルテーブルの番号を入力します。この例では、プロトコルテーブル 50 のため 50 と入力します。Enter command プロンプトに戻るまで、 Enter キーを連続して押します。
ステップ 8 (オプション)複数のポート グループが NSF コードを使用する場合は、この手順を繰り返します。
ステップ 9 x と入力して、 port コマンドを終了します。
Cisco Unified MeetingPlace システムの再起動
ステップ 2 tech$ プロンプトで、 restart と入力します。
ステップ 3 Cisco Unified MeetingPlace システムが再起動するのを待ちます。
(注) acsetrace と呼ばれるトレース ユーティリティは、アウトダイヤルの問題のトラブルシューティングにも使用できます。
ステップ 1 CLI にアクセスします。端末のロギングをまだ有効にしていない場合は、有効にします。ロギングについては、『 Cisco Unified MeetingPlace Audio Server インストレーション アップグレード ガイド 』を参照してください。
ステップ 2 tech$ プロンプトで、 activity と入力します。次のメニューが表示されます。
(注) 上記の例は Cisco Unified MeetingPlace 8112 の場合です。Cisco Unified MeetingPlace 8106 の場合は、576 個のセッションと 576 個の会議があります。2 行目の強調表示されている値を参照してください。
ステップ 3 テスト コールを発信するには、 4 と入力します。Cisco Unified MeetingPlace システムにより、宛先電話番号の入力を求められます。
ステップ 4 近くの電話番号を入力します。Cisco Unified MeetingPlace システムにより、特定のポートが必要かどうか確認を求められます。
ステップ 5 t と入力します。Cisco Unified MeetingPlace システムにより、ポートの範囲を指定するかどうか確認を求められます。
ステップ 6 f と入力します。Cisco Unified MeetingPlace システムにより、ポート番号の入力を求められます。
ステップ 7 NSF コードを使用するように設定されたポート番号を入力します。Cisco Unified MeetingPlace システムがコールを行います。
コールが成立しない場合は、この章の手順を見直して、すべて正確に行われていることを確認します。それでも解決しない場合は、Cisco TAC にお問い合せください。
ステップ 8 0 と入力して、 activity コマンドを終了します。