起動と接続の問題の解決
Cisco Unified Wireless IP Phone をネットワークに設置して、Cisco Unified CallManager に追加すると、電話機は「電話機の起動プロセスについて」で説明されているように起動します。 電話機が正しく起動しない場合は、次のトラブルシューティング情報を参照してください。
• 「症状:Cisco Unified Wireless IP Phone が通常の起動プロセスを完了しない」
• 「症状:Cisco Unified Wireless IP Phone が Cisco Aironet アクセス ポイントに関連付けられない」
• 「症状:Cisco Unified Wireless IP Phone が Cisco Unified CallManager に登録されない」
症状:Cisco Unified Wireless IP Phone が通常の起動プロセスを完了しない
Cisco Unified Wireless IP Phone は、無線ネットワークに接続すると通常の起動プロセスを実行し、電話機の画面に情報が表示されます。 電話機が起動プロセスを完了しない場合の原因としては、RF 信号強度の不足、ネットワークの停止、電話機のバッテリ切れ、または電話機の機能不全が考えられます。
電話機が機能しているかどうかを判断するには、次の指示に従って、このような潜在的な問題を順に排除していきます。
1. 他の有線の Cisco Unified IP Phone との間でコールを発信し合い、有線ネットワークにアクセスできることを確認します。
2. 無線ネットワークにアクセス可能であることを確認します。
• それまで機能していた別の Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の電源を入れて、アクセス ポイントがアクティブであることを確認します。
• 起動しない Cisco Unified Wireless IP Phone の電源を入れて、正常に機能している別のアクセス ポイントの場所に移動します。
3. 電話機が電力を受信していることを確認します。
• 電話機の画面に「デンチザンリョウ(テイ)」と表示された場合は、バッテリ切れの可能性があります。
• 起動しない Cisco Unified Wireless IP Phone に、新品または完全に充電されたバッテリを挿入します。
• バッテリを使用している場合は、外部電源プラグに接続してみます。
これらの解決方法を試してもまだ電話機が起動しない場合は、シスコのテクニカル サポート担当者にご連絡ください。
症状:Cisco Unified Wireless IP Phone が Cisco Aironet アクセス ポイントに関連付けられない
起動メッセージが表示された後に、電話機の画面にメッセージが周期的に表示される場合は、電話機がアクセス ポイントに正しく関連付けられていません。 電話機は、アクセス ポイントに関連付けられ、認証されるまで正常に起動しません。
アクセス ポイントの設定の確認
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、IP アドレスを取得する前に、まずアクセス ポイントの認証を受け、アクセス ポイントに関連付けられる必要があります。 電話機は、アクセス ポイントとの間で次の起動プロセスを実行します。:
• アクセス ポイントのスキャン
• アクセス ポイントとの関連付け
• LEAP を使用した認証
• IP アドレスの取得
アクセス ポイントと電話機の SSID 設定を調べ、SSID が一致することを確認します。
アクセス ポイントと電話機の認証タイプの設定を調べ、認証と暗号化の設定が一致することを確認します。
(注) 「サービスナシ - IP セッテイノシッパイ」というメッセージが表示された場合は、アクセス ポイントと電話機間の暗号化が一致しないために DHCP が失敗しています。
静的 WEP を使用している場合は、電話機の WEP キーを調べ、アクセス ポイントの WEP キーと一致することを確認します。 電話機に WEP キーを再入力し、正しいことを確認します。
(注) オープン認証が設定されている場合は、WEP キーが不正確または不一致でも、電話機をアクセス ポイントに関連付けることができます。
認証中のエラー メッセージ
次のエラー メッセージが表示される場合は、その次に示された問題を確認します。
ニンショウニシッパイシマシタ AP ガミツカリマセン
• アクセス ポイントで CCKM と暗号化が有効になっていることを確認します。 これらの機能は、リリース 2.0 以降でのみサポートされます。 それより前のリリースでは、CCKM を「Optional」に設定し、WEP 暗号だけを使用します。
• 電話機に正しい SSID が入力されていることを確認します。
• 電話機とアクセス ポイントの WEP 設定が一致することを確認します。
• LEAP を使用している場合は、電話機に正しい LEAP ユーザ名とパスワードが入力されていることを確認します。
EAP ニンショウニシッパイシマシタ
• EAP を使用している場合は、Windows ドメインでの認証時に、
domain\username 形式の EAP ユーザ名を電話機に入力しなければならない場合があります。
• 電話機に正しい EAP ユーザ名とパスワードが入力されていることを確認します。
AP Error--Cannot support all requested capabilities
アクセス ポイントで、音声 VLAN SSID に対して CKIP/CMIC が有効になっていないことを確認します。 Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、これらの機能をサポートしません。
Cisco Unified CallManager への電話機の登録
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、電話機がサーバに追加されているか、自動登録が有効になっている場合にのみ、Cisco Unified CallManager サーバに登録できます。 「トウロクガキョヒサレマシタ」というメッセージが表示される場合は、「Cisco Unified CallManager へのユーザの追加」の情報と手順を再確認し、電話機が Cisco Unified CallManager データベースに追加されていることを確認します。
3.3(3) SR 1 より前バージョンの Cisco Unified CallManager では、7920 電話機のデバイス タイプがサポートされていないため、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 が Cisco Unified IP Phone 7960 として表示されます。 この問題の詳細と修正方法については、「Cisco Unified IP Phone の MAC アドレスの確認」を参照してください。
電話機が Cisco Unified CallManager データベースに存在することを確認するには、Cisco Unified CallManager Administration で Device > Phone > Find を選択し、MAC アドレスを基準にして電話機を検索します (電話機の MAC アドレスの確認方法については、「メディア アクセス制御アドレスの表示」を参照してください)。
電話機がすでに Cisco Unified CallManager データベースに存在する場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。 対処方法については、「新しい設定ファイルの作成」を参照してください。
ネットワークの接続性の確認
アクセス ポイントと TFTP サーバまたは Cisco Unified CallManager の間のネットワークが機能を停止している場合、電話機は正常に起動できません。 WLAN と Cisco Unified CallManager、および TFTP サーバ間に IP 接続が存在することを確認してください。
TFTP サーバの設定の確認
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、TFTP サーバの設定によって、使用するプライマリ TFTP サーバを識別します。 TFTP サーバが要求に応答しない場合は、電話機が事前に Cisco Unified CallManager に登録されていないと、CallManager1(CM1) が TFTP_AS_CM として示されます。
(注) 電話機が、事前に Cisco Unified CallManager に登録されている場合は、Cisco Unified CallManager のリスト情報がメモリにキャッシュされます。 TFTP が失敗した場合は、電話機の電源を入れ直して TFTP サーバに接続する必要があります。
電話機は、TFTP IP アドレス、ゲートウェイの順番で TCP 接続を試みます。 TFTP サーバで Cisco Unified CallManager サービスが実行されていない場合、またはゲートウェイで SRST が実行されていない場合は、Cisco Unified Wireless IP Phone が、識別された TFTP サーバへの接続の試行を周期的に繰り返す場合があります。
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、DHCP サーバから渡される IP 情報をキャッシュしないため、電話機が電源を入れ直すたびに TFTP 要求を送信し、応答を待つ必要があります。
電話機に固定 IP アドレスを割り当てている場合は、この設定を手動で入力する必要があります。「スタティック設定の設定」を参照してください。
DHCP を使用している場合、電話機は DHCP サーバから TFTP サーバのアドレスを取得します。 オプション 150 またはオプション 66 で設定された IP アドレスを確認します。次の URL にある、『 Configuring Windows 2000 DHCP Server for Cisco Unified Call Manager 』を参照してください。
http://www.cisco.com/warp/customer/788/AVVID/win2000_dhcp.html
また、電話機で静的 TFTP サーバを使用可能にすることもできます。 この設定は、電話機の場所が最近移されたという場合に特に便利です。
TFTP サーバの設定の決定と変更については、「TFTP オプションの設定」または 「現在の設定の表示」を参照してください。
IP アドレッシングの確認
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 のアドレッシングを確認する必要があります。 DHCP を使用している場合は、DHCP サーバによってこれらの値が割り当てられます。 電話機に固定 IP アドレスを割り当てている場合は、その値を手動で入力する必要があります。
(注) Cisco Unified Wireless IP Phone は、RF 信号を失うと(カバレッジ区域を抜けると)、タイムアウト状態に達しない限り DHCP サーバを解放しません。
次の問題を確認します。
• DHCP サーバ:電話機に固定 IP アドレスを割り当てている場合は、[DHCP サーバ] オプションへの値の入力は不要です。 DHCP サーバを使用している場合、Wireless IP Phone が DHCP サーバからの応答を受信すると、IP アドレス情報が自動的に設定されます。
URL http://www.cisco.com/warp/customer/473/53.shtml にある『 Troubleshooting Switch Port Problems 』を参照してください。
• IP アドレス、サブネット マスク、プライマリ ゲートウェイ:電話機に固定 IP アドレスを割り当てている場合は、これらのオプションの値を設定する必要があります。「スタティック設定の設定」を参照してください。
DHCP を使用している場合は、使用しているDHCP サーバによって割り当てられた IP アドレスを確認します。 DHCP の競合と IP アドレスの重複に注意してください。 URL http://www.cisco.com/warp/customer/473/100.html#41 にある
『 Understanding and Troubleshooting DHCP in Catalyst Switch or Enterprise Networks』 を参照してください。
IP アドレッシングの決定と変更については、 第 5 章「Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 でのネットワーク プロファイルの設定」 を参照してください。
DNS 設定の確認
DNS を使用して Cisco Unified CallManager を参照している場合は、DNS サーバが指定されていることを確認する必要があります。 また、Cisco Unified CallManager システムの DNS サーバに CNAME エントリがあることを確認してください。
さらに、DNS が逆ルックアップを実行するように設定されていることを確認する必要もあります。 Windows 2000 のデフォルト設定では、前方のみのルックアップを実行するようになっています。
DNS 設定の決定と変更については、「DHCP 設定の変更」を参照してください。
Cisco Unified CallManager の設定の確認
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 は、割り当てられた Cisco Unified CallManager グループに含まれているすべての Cisco Unified CallManager サーバに TCP 接続を開こうとします。 次のいずれかの操作を行って、Cisco Unified CallManager の設定を確認します。
• Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 で、 [メニュー] >[ネットワークセッテイ] >[ゲンザイノセッテイ] を選択し、 CallManager 1 ~ 4 のオプションを確認します (「現在の設定の表示」を参照)。
• Cisco Unified CallManager のどのオプションにも IP アドレスが含まれていないか、Active または Standby と表示されていない場合、電話機は Cisco Unified CallManager に正しく登録されていません。 この問題を解決するためのヒントについては、「Cisco Unified CallManager への電話機の登録」を参照してください。
Cisco Unified CallManager と TFTP のサービスが実行されていない
Cisco Unified CallManager または TFTP のサービスが実行されていない場合は、電話機が正しく起動できない可能性があります。 そのような場合は、システム全体で障害が発生しており、他の電話機やデバイスも正しく起動できない状態になっていると考えられます。
Cisco Unified CallManager サービスが実行されていない場合は、電話機のコールの発信をこのサービスに依存するネットワーク上のすべてのデバイスが影響を受けます。 TFTP サービスが実行されていない場合は、多くのデバイスが正常に起動できなくなります。
すべてのサービスが実行されていることを確認するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager Administration で、 Application > Cisco CallManager Serviceability を選択します。
ステップ 2 Tools > Control Center を選択します。
ステップ 3 Servers から、Cisco Unified CallManager サーバを選択します。
ページには、選択したサーバに対応するサービス名、そのサービスのステータス、およびサービスを停止または開始するサービス制御パネルが表示されます。
ステップ 4 サービスが停止している場合は、 Start ボタンをクリックします。
Service Status の記号が、四角から矢印に変わります。
(注) サービスの詳細については、『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
新しい設定ファイルの作成
特定の電話機に、この章の他の指示でも解決できない問題が継続して発生する場合は、設定ファイルが破損している可能性があります。
新しい設定ファイルを作成するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 Cisco Unified CallManager で、 Device > Phone > Find を選択して、問題が生じている電話機を探します。
ステップ 2 Delete を選択して、Cisco Unified CallManager データベースから問題のある電話機を削除します。
ステップ 3 その電話機を再度 Cisco Unified CallManager データベースに追加します。 詳細については、「Cisco Unified CallManager へのユーザの追加」を参照してください。
ステップ 4 Cisco Unified Wireless IP Phone の電源を入れ直します。
(注) Cisco Unified CallManager データベースから電話機を削除すると、その設定ファイルが Cisco Unified CallManager TFTP サーバから削除されます。 電話番号(DN)は、未割り当て DN として Cisco Unified CallManager データベースに残ります。 残った DN は、他のデバイスに割り当てるか、Cisco Unified CallManager データベースから削除できます。 Route Plan Report を使用して、未割り当ての参照番号を表示および削除できます。 詳細については、『Cisco Unified CallManager アドミニストレーション ガイド』を参照してください。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 のトラブルシューティングのヒント」
音声品質とローミングの問題の解決
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 では、電話機のローミング時に音声品質と接続の問題が発生する場合があります。 トラブルシューティング情報については、次の各項を参照してください。
• 「症状: Cisco Unified Wireless IP Phone が突然リセットされる」
• 「症状:Cisco Unified Wireless IP Phone に音声の問題がある」
• 「症状:Cisco Unified Wireless IP Phone が適切にローミングしない」
• 「コールの音声品質のモニタリング」
アクセス ポイント設定の確認
ワイヤレス設定が正しいことを確認します。 たとえば、電話機が接続されている特定のアクセス ポイントまたはスイッチが機能停止しているかどうかを確認します。 アクセス ポイントの設定については、「無線ネットワークとアクセス ポイントの設定」を参照してください。
断続的なネットワークの停止の確認
断続的なネットワークの停止によって、データ トラフィックと音声トラフィックは異なる影響を受けます。 ネットワークでは、検出されなくても、断続的な停止が発生している場合があります。 その場合、データ トラフィックでは、損失したパケットを再送信し、パケットが送受信されることを確認できます。 しかし、音声トラフィックでは、損失パケットを再び取り込むことはできません。 電話機で再伝送して回復を試みることができますが、電話機が最大再伝送レートに達すると、パケットが損失し、アクセス ポイントとの関連付けが失われます。
音声ネットワークで問題が発生している場合は、既存の問題が顕在化しているだけなのかどうかを調査する必要があります。
DHCP 設定の確認
DHCP を使用するように電話機が正しく設定されているかどうかを判断するには、次の手順を実行します。
ステップ 1 DHCP を使用するように電話機が正しく設定されていることを確認します。 詳細については、「DHCP 設定の変更」を参照してください。
ステップ 2 DHCP が正しくセットアップされていることを確認します。
ステップ 3 DHCP のリース期間を確認します。 リース期間の設定は、ローカル ポリシーによって決まります。
Cisco Unified IP Phones は、要求タイプ 151 のメッセージを送信して、DHCP アドレスのリースを更新します。 DHCP が要求タイプ 150 のメッセージを想定している場合は、リースが拒否され、電話機は強制的に再起動されて DHCP サーバに新しい IP アドレスを要求します。
音声 VLAN 設定の確認
Cisco Unified IP Phone が、過密なネットワーク使用状況(たとえば、電話機と同じアクセス ポイントとスイッチに接続されたコンピュータで膨大なデータの Web サーフィンを処理しているなど)のときにリセットされるようであれば、音声 VLAN が設定されていないか、QoS の設定が適切に行われていないことが考えられます。
Wireless IP Phone を別の補助 VLAN に分離することにより、QoS を使用してデータ トラフィックよりも音声トラフィックを優先し、音声品質を改善することができます。 詳細については、「無線ネットワークでの音声品質」を参照してください。
電話機が意図的にリセットされていないことの確認
Cisco Unified CallManager へのアクセス権を持つ管理者が他にもいる場合、他の管理者が誰も電話機を意図的にリセットしていないことを確認する必要があります。
DNS または他の接続エラーの排除
電話機が Cisco Unified CallManager に登録されない場合は、Cisco Unified CallManager サーバに対してホスト名または IP アドレスを使用しているかどうかを確認します。
DNS または他の接続エラーを排除するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 電話機を出荷時のデフォルト設定にリセットします。 詳細については、「ローカル設定の消去」を参照してください。
ステップ 2 DHCP と IP の設定を変更します。
a. DHCP を無効にします。 詳細については、「DHCP 設定の変更」を参照してください。
b. 静的な IP 値を電話機に割り当てます。 詳細については、「スタティック設定の設定」を参照してください。 正常に動作している他の Cisco Unified IP Phone で使用されているのと同じデフォルト ルータ設定を使用します。
c. TFTP サーバを割り当てます。 詳細については、「TFTP オプションの設定」を参照してください。 正常に動作している他の Cisco Unified IP Phone で使用されているのと同じ TFTP サーバを使用します。
ステップ 3 Cisco Unified CallManager で、 System > Server を選択し、サーバがホスト名ではなく IP アドレスで参照されていることを確認します。
(注) シスコは、電話機の登録プロセスでの DNS 解決がなくなるように、ホスト名をではなく IP アドレスのみを設定することを推奨します。
ステップ 4 Cisco Unified CallManager で、 Device > Phone を選択し、正しい MAC アドレスがこの Cisco Unified IP Phone に割り当てられていることを確認します。
電話機の MAC アドレスの確認するには、「メディア アクセス制御アドレスの表示」を参照してください。
ステップ 5 電話機の電源を入れ直します。
症状:Cisco Unified Wireless IP Phone に音声の問題がある
不安定な音声、雑音や途切れ、または無音状態など、通話中の音声品質の低下がユーザから報告された場合は、次の指示に従って問題を特定します。
この項では、次の症状に対処する方法を説明します。
• 「接続中のコールの無音状態」
• 「接続中のコールの単方向音声」
接続中のコールの無音状態
2.0 より前のリリースを使用している場合は、アクセス ポイントで TKIP 機能と MIC 機能を無効にする必要があります。 Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 では、リリース 2.0 以降の場合にのみこれらの機能がサポートされます。
接続中のコールの単方向音声
次のリストを使用して、問題の考えられる原因を特定します。
• アクセス ポイントを調べて、送信電力の設定が電話機の送信電力の設定と一致していることを確認します。 アクセス ポイントの電力設定(100 mW)が電話機の設定(20 mW)より大きい場合には、単方向音声の状態が発生しやすくなります。
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 ファームウェア リリース 1.08 以降では、Dynamic Transmit Power Control(DTPC; 送信電力の動的制御)をサポートしています。 電話機は、アクセス ポイントが関連付けで通知する送信電力を使用します。
(注) DTPC を使用する場合は、アクセス ポイントで Client Transmit Power が設定されていれば、電話機は同じクライアント電力設定を自動的に使用します。 最大値(Max)に合わせて設定されている場合、アクセス ポイントは電話機の[ソウシンデンリョク] 設定を使用します。
• アクセス ポイントでの ARP キャッシングが有効になっていることを確認します。 Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 が省電力モードかスキャン中の場合、アクセス ポイントは、ARP キャッシングが有効になっているときだけ Wireless IP Phone に応答できます。
詳細については、「無線ネットワークとアクセス ポイントの設定」を参照してください。
• ゲートウェイと IP ルーティングを調べて、音声の問題がないかどうか確認します。
• ファイアウォールまたは NAT が RTP パケットのパスに存在するかどうかを確認します。 パスに存在する場合は、双方向音声が使用できるように、Cisco IOS および PIXNAT を使用して接続を修正できます。
• 電話機とアクセス ポイントのデータ レート設定が同じであることを確認します。 これらの設定が一致しているか、電話機の側が[ジドウ] に設定されている必要があります。 11 Mbps の場合にのみ、データ レートを最適化します。
• 電話機本体を調べ、スピーカが問題なく機能していることを確認します。
• [ユーザ プロファイル] メニューで音声設定を確認します。
ローミング中に音声品質が悪化する
宛先アクセス ポイントの RSSI を調べ、信号強度が十分かどうかを確認します。 次のアクセス ポイントでは、35 以上の RSSI 値を持つ必要があります。
サイト調査を実施し、チャネルが十分に重なり、前のアクセス ポイントからの信号が失われないように、電話機とアクセス ポイントが次のアクセス ポイントにコールを受け渡しできるかどうかを確認します。
カバレッジ区域のノイズや干渉が大きすぎるかどうかを確認します。
信号対雑音比(SNR)レベルが、許容音声品質に対して 25 db 以上であることを確認します。
ローミング時に会話が遅延する
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 でサイト調査ユーティリティを使用して、ローミング オプションとして別の許容可能なアクセス ポイントが存在するかどうかを確認します。 次のアクセス ポイントは、正常にローミングするために 35 以上の RSSI 値を持つ必要があります。
Cisco Catalyst 45xx スイッチを調べて、正しいバージョンの Supervisor(SUP)ブレードが搭載されているかどうかを確認します。 ローミング遅延を防止するには、バージョン SUP2+ 以降のブレードが必要です。
ローミング中に電話機が Cisco Unified CallManager との接続を失う
RF 信号の強度が十分であることを確認します。 サイト調査ツールを使用して、次のアクセス ポイントの RSSI 値を確認します。
次のアクセス ポイントが Cisco Unified CallManager に接続できることを確認します。
次のアクセス ポイントの認証タイプが、電話機の認証タイプと同じであることを確認します。 タイプが一致していない可能性があります。
アクセス ポイントが前のアクセス ポイントと同じサブネット内に存在していることを確認します。 Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 では、レイヤ 2 でのローミングのみが可能です。
レイヤ 3 のローミングを行うには、GRE を使用する WLSM が必要になります。
LEAP 認証を使用している場合は、アクセス ポイントでTCP ポートをブロックするフィルタを使用していないことを確認します。 ACS サーバは、認証にポート 1645、アカウンティングにポート 1646 を使用し、RADIUS サーバは、認証にポート 1812 、アカウンティングにポート 1813 を使用します。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「一般的なトラブルシューティング情報」
• 「コールの音声品質のモニタリング」
コールの音声品質のモニタリング
ネットワーク内で送受信されるコールの音声品質を測定するため、Cisco Unified IP Phone では秘匿イベントに基づく次の統計メトリックを使用します。 DSP は、秘匿フレームを再生して、音声パケット ストリームでのフレーム損失をマスクします。
• 秘匿率のメトリック:音声フレームの総数に対する秘匿フレームの比率を示します。 間隔秘匿率は、3 秒ごとに計算されます。
• 秘匿された秒数のメトリック:フレームの損失により DSP が秘匿フレームを再生する秒数を示します。 厳密に「秘匿された秒数」とは、DSP が5 パーセントを超える秘匿フレームを再生する秒数です。
• MOS-LQK のメトリック:数値スコアを使用して、相対的な音声リスニング品質を評価します。 Cisco Unified IP Phone は、先行の 8 秒間でのフレーム損失に起因する音声秘匿イベントに基づいて、Listening Quality(LQK; リスニング品質)に対する Mean Opinion Score(MOS; 平均オピニオン評点)を計算し、コーデック タイプやフレーム サイズなどの知覚的な重み係数を設定します。
MOS LQK のスコアは、ITU の予備標準である P.VTQ を実装した、シスコ独自のアルゴリズムによって生成されます。
(注) 秘匿率および秘匿秒数はフレーム損失を基準に行われる第一義的な測定である一方、MOS LQK スコアは、同じ情報の「人間の主観的な重み付け」バージョンとして推定するもので、5(非常に良い)から 1(悪い)までの範囲でリスニング品質を表します。
リスニング品質スコア(MOS LQK)は、受信音声信号の明瞭さや音質に関係したものです。 通話品質スコア(G.107 などの MOS CQC)には、会話の自然な流れを妨げる遅延などの障害要素が含まれます。
電話機の音声品質メトリックの設定方法については、『 Cisco Unified CallManager システム ガイド 』の「Cisco Unified IP Phone」の章の「電話機能」を参照してください。
音声品質メトリックにアクセスするには、Cisco Unified IP Phone から[コールノトウケイ] 画面( 「コール統計情報の表示」 を参照)を使用するか、またはリモートで Streaming Statistics( 「Cisco Unified Wireless IP Phone のリモート モニタリング」 を参照)を使用します。
音声品質のモニタリングでメトリックを使用するには、パケット損失のない正常な状態における標準的なスコアに注意し、そのメトリックを比較の基準として使用します。
メトリックのランダムな変化と有意な変化を識別することが重要です。 有意な変化とは、30 秒を超えて続くコールに対して、約 0.2 MOS 以上の範囲で持続的に変動するスコアのことです。 秘匿率が変化している場合は、3 パーセント 超のフレーム損失が発生しているはずです。
MOS LQK スコアは、Cisco Unified IP Phone が使用するコーデックに応じて異なります。 次の各コーデックについて、パケット損失ゼロの正常な状態における MOS LQK の最大スコアを示します。
• G.711 コーデックは 4.5 スコアを示す
• G.719A/ AB は 3.7 スコアを示す
秘匿率がゼロの場合、IP ネットワーク内のフレームとパケットには遅延も損失も発生していません。
有意で持続的なメトリックの変化を観測した場合は、 表10-1 で一般的なトラブルシューティングの情報を参照してください。
表10-1 音声品質メトリックの変化
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MOS LQK スコアの著しい低下 |
パケット損失または高ジッタによるネットワーク障害: • 全体の MOS LQK が低下した場合は、障害が広範囲にわたって均一的に発生している可能性あります。 • 個別の MOS LQK が低下する場合は、障害が集中的に発生しています。 秘匿率と秘匿秒数を調べ、パケット損失およびジッタの証拠がないかどうか確認します。 |
MOS LQK スコアの著しい低下 |
• 想定されるコーデック(RxType と TxType)とは異なるコーデックが電話機で使用されていないかどうかを確認します。 • ファームウェアのアップグレード後に MOS LQK バージョンが変更されたかどうかを確認します。 |
秘匿率と秘匿秒数の著しい増加 |
• パケット損失または高ジッタによるネットワーク障害。 |
秘匿率がゼロかそれに近い値であるにもかかわらず、音声品質が悪い |
• エコーまたは音声レベルなどの音声チャネルにおける雑音または歪み。 • セルラー ネットワークまたはテレホン カード ネットワークなどの、複数のエンコード/デコードが発生するタンデム コール。 • スピーカフォン、ハンドフリーの携帯電話、または無線ハンドセットが原因の音響問題。 パケット送信(TxCnt)カウンタとパケット受信(RxCnt)カウンタを調べ、ボイス パケットが流れていることを確認します。 |
(注) 音声品質メトリックは、雑音や歪みではなく、フレーム損失のみを対象としています。
電話メニューの管理オプション
[ネットワークセッテイ] メニューと[デンワノセッテイ] メニューの管理オプションは、ユーザが電話機の動作に影響する設定変更を行わないように、デフォルトで非表示になっています。 管理オプションを使用するには、電話機の管理モードを開始する必要があります。 非表示のオプションが開かれた後に電話機の電源をオフにすると、これらの設定は自動的に非表示になります。詳細については、次の項目を参照してください。
• 「電話メニューの非表示オプションへのアクセス」
• 「電話メニューの非表示オプションの使用」
電話メニューの非表示オプションへのアクセス
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 で管理オプションを開くには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [メニュー] ソフトキーを押します。
ステップ 2 (アスタリスク キー)、 (シャープ キー)、次に再度 (シャープ キー)を押します。
ステップ 3 次に、緑色の キーを押して管理モードを開きます。
[ネットワークセッテイ] メニューと[デンワノセッテイ] メニューの非表示オプションが表示されます。
ステップ 4 オプションを非表示にするには、第 1 レベルのサブメニューで任意のキーを押します。 次に、緑色の キーを押します。
関連項目
• 「電話メニューの非表示オプションの使用」
• 「基本的な問題のトラブルシューティング情報」
ローカル設定の消去
[デンワノセッテイ] メニューを使用して、ローカルに保存されたすべての設定オプションをクリアできます。 出荷時のデフォルト設定に復元するオプションを使用すると、[タンシュクダイアル]、[プロファイル]、[デンワノセッテイ]、および[デンワリレキ] にあるすべてのユーザ定義エントリは消去されますが、[デンワチョウ] のエントリは残ります。
(注) また、Cisco 7920 設定ユーティリティを使用してローカル設定を消去することもできます。
電話メニューを使用してローカル設定を消去するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [メニュー] >[デンワノセッテイ] >[ファクトリセッテイ] を押します。
電話機に、「フクゲンサキ:デフォルト?」というメッセージが表示されます。
ステップ 2 OK ソフトキーを押します。 すべての設定が削除されます。
電話機が通常の起動手順を実行します。
ステップ 3 [メニュー] >[ネットワークセッテイ] を押して、使用する WLAN のネットワーク設定を再設定します。
注意 ローカル設定を消去すると、Cisco Unified Wireless IP Phone でローカルに行われた、短縮ダイヤル、電話の設定、およびプロファイルでのユーザ定義の変更内容は削除されます。 通話履歴のエントリはすべて削除され、ネットワーク設定はすべてデフォルト値に戻されます。 個人の電話帳エントリだけは保持されます。 再びネットワークにアクセスするには、電話機のネットワーク設定を再設定する必要があります。
省電力モードの使用
省電力モードは常時有効にしておく必要があります。 省電力モードを無効にすると、電話機の無線がアクティブ モード状態を続けます。 標準バッテリの場合は、バッテリの寿命は通話可能時間である 3.5 時間までしか持続しません。
ソフトキー オプションの設定
電話機がアイドル状態のときに表示させるソフトキーとして、電話帳([デンワチョウ])にアクセスするためのソフトキーか、サービス([サービス])にアクセスするためのソフトキーのどちらかを選択できます。 また、通話中に[ミュートオン] ソフトキーを表示させるのか、あるいは電話機に割り当てられるソフトキー テンプレートで設定されているとおりにソフトキーを表示させるのかどうかも設定できます。
また、Cisco Unified CallManager Administration の Phone Configuration ページでこれらのソフトキーを設定することもできます。このページでは、Product Specific Configuration オプションも使用できます。 Cisco Unified CallManager 設定ファイルの設定は、電話機の設定より優先されます。詳細については、「ソフトキー テンプレートの設定」を参照してください。
ソフトキーの設定オプションを設定するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [メニュー] ソフトキーを押します。
ステップ 2 [デンワノセッテイ] メニューを選択します。
ステップ 3 [ソフトキーセッテイ] までスクロールし、 [センタク] を押してソフトキー メニューを開きます。
ステップ 4 [アイドル] までスクロールし、 [センタク] を押してアイドル画面に表示するソフトキーを選択します。
ステップ 5 [デンワチョウ] または [サービス] までスクロールして、 [センタク] を押します。
選択したオプションの横にチェック マークが付きます。 [モドル] を押します。
ステップ 6 [ヨビダシ] までスクロールして [センタク] を押し、コールに接続されたときに表示するソフトキーを選択します。
ステップ 7 [ミュート] または [CM カラノソフトキー] のいずれかまでスクロールして、 [センタク] を押します。
「CM カラノソフトキー」オプションを選択すると、電話機に割り当てられたソフトキー テンプレートに従ってソフトキーが表示されます。詳細については、「ソフトキー テンプレートの設定」を参照してください。
トレース ルートの実行
この機能を使用して、電話機から Cisco Unified CallManager までのパケットのパスをトレースできます。 トレース結果には、Cisco Unified CallManager サーバに到達するまでのホップ数と、各ホップの IP アドレスが示されます。
トレース ルートを実行するには、次の手順に従います。
手順
ステップ 1 [メニュー] ソフトキーを押します。
ステップ 2 [ネットワークセッテイ] メニューを選択します。
ステップ 3 [トレース ルート] までスクロールし、 [センタク] を押して [トレース ルート] メニューを開きます。
ステップ 4 宛先 Cisco Unified CallManager などのトレース ルート IP アドレスを入力し、 [ホゾン] を押します。
ステップ 5 電話機はトレース プロセスを開始し、トレース結果を表示します。
ステップ 6 [モドル] を押して[ネットワークセッテイ] メニューに戻ります。
データ レートの選択
デフォルト設定では[ジドウ] であり、この場合電話機は、アクセス ポイントのデータ レートに合わせて自動的に調節されます。 この設定は、11 メガビット/秒(Mbps)以下の値に変更できます。
(注) データ レート設定は、電話機が使用する最大レートです。 11 Mbps に設定すると、電話機は、ネットワークのトラフィック量に応じて、1、2、5.5、または 11 Mbps の速度で送信できます。
11 Mbps 未満の設定を使用すると、音声品質が悪化し、アクセス ポイントで同時に処理できる通話数が少なくなることがあります。
データ レートを選択するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [メニュー] > [プロファイル] を選択し、アクティブなプロファイルを選択します。
ステップ 2 [802.11bセッテイ] >[MAXデータレート] までスクロールして選択します。
ステップ 3 1 Mbps、2 Mbps、5.5 Mbps、11Mbps または[ジドウ] の中で、設定する値までスクロールします。
(注) シスコは、データ レートを[ジドウ] に設定することをお勧めします。
ステップ 4 [センタク] を押して、変更します。 選択したデータ レートの横にチェック マークが付きます。
送信電力の選択
ファームウェア リリース 1.08 以降を使用する Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 では、送信電力の動的制御(DTPC)を使用できます。これにより Cisco Unified Wireless IP Phone は、アクセス ポイント(Cisco IOS のみを実行)が通知する設定に合わせてローカル電力を動的に調節できます。 この条件が当てはまる場合は、送信電力の設定を変更する必要はありません。
(注) アクセス ポイントで Client Transmit Power が設定されている場合、電話機は、電話機の固定設定に関係なく、自動的に同じクライアント電力設定を使用します。 アクセス ポイントが最大値(Max)に設定されている場合には DTPC が通知されないため、電話機は、電話機のローカル設定を使用します。
送信電力を変更して、アクセス ポイントで高ゲイン アンテナの使用を調整する必要が生じる場合もあります。
電話機の送信電力を変更するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [メニュー] >[ プロファイル] を選択し、アクティブなプロファイルを選択します。
ステップ 2 [802.11bセッテイ] >[ソウシンデンリョク] までスクロールして選択します。
ステップ 3 1 ミリワット(mW)、5 mW、20 mW、50 mW、または 100 mW の中で、設定する送信電力オプションまでスクロールします。 デフォルト設定は 20 mW です。
ステップ 4 [センタク] を押して、変更します。 選択した送信電力の横にチェック マークが付きます。
シスコ検出プロトコルの設定の変更
一部のネットワーク デバイスは、Cisco Discovery Protocol(CDP; シスコ検出プロトコル)を使用しません。
電話機が、CDP パケットと CDP に関連する設定を送信するかどうかを変更するには、次の手順を実行します。
手順
ステップ 1 [メニュー] > [ネットワークセッテイ] を選択し、 [センタク] を押します。
ステップ 2 [CDP TX ユウコウ/ムコウ] までスクロールして、 [センタク] を押します。
ステップ 3 [ユウコウ] または [ムコウ] までスクロールして、 [センタク] を押します。
選択した項目の横にチェック マークが付きます。 デフォルトは[ユウコウ] です。[モドル] を押してメニューに戻ります。
ステップ 4 CDP TTL (存続可能時間)までスクロールして、 [センタク] を押します。
ステップ 5 [ヘンシュウ] を押して適切な値(デフォルトは 180)を入力します。 次に、 [モドル] を押します。
ステップ 6 [CDP TX カンカク] までスクロールして、 [センタク] を押します。
ステップ 7 [ヘンシュウ] を押して適切な値(デフォルトは 60)を入力します。 次に、 [モドル] を押します。
関連項目
• 「起動と接続の問題の解決」
• 「音声品質とローミングの問題の解決」
• 「一般的なトラブルシューティング情報」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのトラブルシューティングのヒント」
Cisco 7920 設定ユーティリティのトラブルシューティングのヒント
この項では、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 および Cisco 7920 Configuration Utilityで生じる可能性がある問題について説明します。 次の各項では、問題に対して考えられる解決策とエラー コード情報について説明します。
• 「基本的な問題のトラブルシューティング情報」
• 「Windows ユーザ インターフェイスの操作エラー」
• 「TCP 接続エラー」
• 「ファイル形式のエラーまたはファイル アクセス エラー」
• 「TFTP エラーまたはネットワークエラー」
• 「セキュリティ エラー」
基本的な問題のトラブルシューティング情報
Cisco 7920 Configuration Utility と Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の間の接続が失われる場合に共通する最大の原因は、基本設定の不一致です。 Cisco 7920 設定ユーティリティが電話機と通信しない場合は、次の問題がないかどうかを確認します。
• 7920 USB NIC デバイス:この NIC デバイスがPC に設置されていることを確認します。 このデバイスは、TCP/IP と DHCP を有効にして設定します。
• PC の IP アドレス:PC インターフェイスが確実に IP アドレス(192.168.1.X)を取得することを確認します。 電話機の IP アドレスは常に 192.168.1.1 です。 電話機に ping コマンドを実行して、IP アドレッシングを確認します。
• 電話機の USB ポート:電話機の[デンワノセッテイ] メニューを使用して USB ポートを有効にします。 電話機の電源をオフにすると、USB ポートはリセットされて無効になります。
• ローカル PC のファイアウォール:たとえば Windows XP SP2 や Cisco VPN Client などのローカル PC では、ファイアウォールが設定されていないことを確認します。
詳細については、「電話機の USB ポートのアクティブ化」を参照してください。
Windows ユーザ インターフェイスの操作エラー
表10-3 に、Cisco 7920 設定ユーティリティを操作する際の Windows ユーザ インターフェイス(UI)の操作に関して、エラー コード、考えられる問題、および考えられる解決策の一覧を示します Windows のフィールドに値を入力する場合には、次のエラーが発生する場合があります。
表10-3 Windows UI の操作エラー
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文字列が長すぎます。 |
文字列を短くします。 |
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指定範囲外の数字です。 |
適正範囲の数字を入力します。 |
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IP アドレス形式が正しくありません。 |
IP アドレスを 1.0.0.1 ~ 255.255.255.255 の範囲内に設定し、サブネット マスクを 1.0.0.0 ~ 255.255.255.255 の範囲内に設定します。 |
TCP 接続エラー
表10-4 に、Cisco 7920 設定ユーティリティ操作する際の TCP 接続エラーに関して、エラー コード、考えられる問題、考えられる解決策の一覧を示します。
表10-4 TCP 接続エラー
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ネットワーク障害、または電話機の応答失敗により、接続が切断されています。 |
PC の IP 設定を確認します。「電話機の USB ポートのアクティブ化」を参照してください。 |
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指定したアドレスはすでに使用されています。 |
同じ IP アドレスまたはポート番号を使用するアプリケーションを閉じます。 • TCP:Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 のデフォルト IP アドレスは 192.168.1.1、デフォルト ポート番号は 5001 です。 • TFTP:デフォルト ポート番号は 69 です。 |
ファイル形式のエラーまたはファイル アクセス エラー
表10-5 に、Cisco 7920 設定ユーティリティを操作する際の、設定ファイル形式またはファイル アクセス のエラーに関して、エラー コード、考えられる問題、考えられる解決策の一覧を示します。
接続ファイルの詳細については、「設定テンプレートの作成」を参照してください。
表10-5 ファイル形式またはファイル アクセス エラー
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ディスクがいっぱいか、割り当て制限を超えています。 |
コンピュータにファイルを保存するためにディスク スペースを解放します。 |
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設定ファイルに不明な設定パラメータが含まれています。 |
これが新規の設定パラメータである場合は、 Unknown Setting ウィンドウで Skip ボタンをクリックして形式チェックを無視できます。 また、Unknown Setting ウィンドウで Delete ボタンをクリックして、この設定パラメータを削除することもできます。 |
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設定ファイルに設定値がありません。 |
設定ファイルで欠落している設定値を探して訂正します。 |
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設定パラメータと設定値の間に等号記号(=)がありません。 |
設定パラメータと設定値の間に等号記号(=)を追加します。 |
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ファームウェア イメージのチェックサム エラー。 |
ファームウェア イメージを再度アップロードするか、ファームウェア イメージが正しいかどうかを確認します。 |
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ファームウェア イメージ バージョンが無効です。 |
現在の Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 のファームウェア イメージ バージョンが必要です。使用する電話機に応じて、正しいバージョンのファームウェア イメージ ファイルをアップロードします。 |
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フラッシュ メモリへのファームウェア イメージの書き込みエラー。 |
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 の電源を再度オンにします。 エラーが解決されない場合は、TAC に連絡してください。 |
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ファームウェア イメージのファイル サイズが無効です。 |
ファームウェア イメージのバージョンが、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 モデルにとって適切であることを確認します。 |
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ファームウェア イメージのバージョン番号が、設定ロード ID 番号と異なります。 |
ファームウェア イメージのバージョンが、Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 モデルにとって適切であることを確認します。 |
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電話機がロックされているか、起動中、またはファームウェア イメージの更新中です。 |
Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 がロックされているか、またはファームウェア イメージのアップグレードを実行しているかどうかを確認します。 ファームウェア イメージを後で再度アップロードします。 |
TFTP エラーまたはネットワークエラー
表10-6 に、Cisco 7920 設定ユーティリティを操作する際の TFTP エラーまたはネットワークエラーに関して、エラー コード、考えられる問題、考えられる解決策の一覧を示します。
表10-6 TFTP エラーまたはネットワーク エラー
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TFTP が設定ファイルのインポートに失敗しました。 |
設定ファイルを再度インポートします。 |
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TFTP がファームウェア イメージ ファイルのアップロードに失敗しました。 |
ファームウェア イメージを再度アップロードします。 |
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TFTP が呼び出しトーン ファイルのアップロードに失敗しました。 |
設定ファイルを再度アップロードします。 |
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回線が話し中です。 |
後で接続します。 |
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Cisco Unified Wireless IP Phone 7920 のメモリが不足しているため、ファームウェアをアップロードできません。 |
後でアップロードします。 |
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電話機が応答しません。接続されていません。 |
USB ケーブルの接続を確認します。「Cisco 7920 設定ユーティリティの電話機への接続」を参照してください。 |
セキュリティ エラー
表10-7 に、Cisco 7920 設定ユーティリティを操作する際のシステム エラーに関して、エラー コード、考えられる問題、考えられる解決策の一覧を示します。
表10-7 セキュリティ エラー
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不明なユーザ名です。 |
Login ウィンドウに正しいユーザ名を入力します。 |
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パスワードが無効です。 |
Login ウィンドウに正しいパスワードを入力します。 |