Cisco 7920 設定ユーティリティのインストール方法
ここでは、Cisco 7920 設定ユーティリティとそのコンポーネントをインストールする方法について説明します。
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのインストール」
• 「インストールされるファイル」
• 「USB ドライバのインストール」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのネットワーク接続」
• 「アプリケーション ウィンドウの概要」
Cisco 7920 設定ユーティリティのインストール
Cisco 7920 設定ユーティリティをインストールする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Cisco 7920 設定ユーティリティ CD を CD-ROM ドライブに挿入します。
ステップ 2 Cisco 7920 設定ユーティリティ CD にあるファイル setup.exe をダブルクリック
します。 InstallShield Wizard ウィンドウが表示されます。
ステップ 3 InstallShield ウィザードは、インストール プロセスを実行するための手順を示します。 Next をクリックして続行し、画面の指示に従います。
ステップ 4 インストールが完了したら Finish をクリックします。
インストールされるファイル
インストール中に、次のファイルが指定された場所にコピーされます。
• Cisco7920.exe:メイン実行可能プログラム
• Cisco7920.pdf:『Cisco Wireless IP Phone 7920 Administrator Guide(Cisco 無線 IP 電話 7920 アドミニストレータ ガイド)』
• Expat.dll:XML パーサー
• <Cisco 7920 USB>:Cisco 無線 IP 電話 7920 対応の USB ドライバ
(注) USB ドライバのインストール時に USB ドライバのパスを指定する必要があるため、これをメモしておいてください。
USB ドライバのインストール
Cisco 7920 設定ユーティリティをインストールした後、USB ポートとケーブルを使用してコンピュータと Cisco 無線 IP 電話 7920 が通信できるように、USB ドライバをインストールする必要があります。
USB ドライバをインストールする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Cisco 無線 IP 電話 7920 の電源をオンにします。
ステップ 2 USB ポートを有効にするには、 Menu ソフトキーを押し、 Phone Settings >
Enable/Disable USB Port > Enable を選択します。
ステップ 3 USB ケーブルを使用して、コンピュータと Cisco 無線 IP 電話 7920 を接続します。
Windows 98、Windows ME、および Windows 2000 を実行している場合、USB ドライバは自動的にインストールされるので、ステップ 5 に進みます。
Windows XP を実行している場合は、ステップ 4 に進み、USB ドライバを手動でインストールします。
ステップ 4 [新しいハードウェアの検出ウィザード]ウィンドウが表示されます。 USB ドライバ ファイルがあるディレクトリを指定し、 [次へ] をクリックして続行します。
ステップ 5 ウィザードが USB デバイスのドライバを検出したら、[次へ]をクリックしてドライバをインストールします。USB ドライバがインストールされたら、 [完了] をクリックして、ウィザード ウィンドウを閉じます。
ステップ 6 USB ドライバをインストールした後は、ネットワーク アダプタ[ Cisco 7920 USB] が[デバイス マネージャ]ウィンドウに表示されます。
(注) Windows 2000 および Windows XP を実行している場合は、USB のインストールが完了すると、Cisco 7920 設定ユーティリティが Cisco 7920 USB にプライベート IP アドレスを割り当てます。 この場合は、この後の手順をスキップできます。
Windows 98 および Windows ME を実行している場合は、ステップ 7 に進みます。
ステップ 7 デスクトップの[ネットワーク コンピュータ]アイコンを右クリックします。次に、ポップアップ メニューから[プロパティ]を選択します。[ネットワークとダイヤルアップ接続]ウィンドウが表示されます。
[ネットワークとダイヤルアップ接続]ウィンドウで、 [Cisco 7920 USB
connection] アイコンを右クリックします。ポップアップ メニューから[ プロパティ] を選択します。
ステップ 8 [ローカル エリア接続のプロパティ]ウィンドウの[全般]タブで、[この接続は次の項目を使用します]の下の[インターネット プロトコル(TCP/IP)]をクリックします。[プロパティ]ボタンをクリックします。
ステップ 9 [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ] ウィンドウで、 [次の IP アドレスを使う] オプション ボタンをクリックします。[IP アドレス]フィールドに IP アドレスを入力し、[サブネット マスク]フィールドにサブネット マスク アドレスを入力します。
(注) • 設定ユーティリティでは、DHCP サーバ機能が制限されています。Cisco 無線 IP 電話 7920 の USB インターフェイスが DHCP に設定されている場合、Cisco 無線 IP 電話 7920 と PC の間のネットワーク通信を可能にするには、IP アドレスを 192.168.1.X にする必要があります。
• USB アダプタのインターネット プロトコルは、スタティック IP アドレスを 192.168.1.2 ~ 192.168.1.255 に設定します。
• サブネットを 255.255.255.0 に設定します。
• Cisco 無線 IP 電話 7920 の予約済み IP アドレスは 192.168.1.1、ポート番号は 5001 です。
ステップ 10 [OK] をクリックして、 [インターネット プロトコル(TCP/IP)のプロパティ] ウィンドウを閉じます。
ステップ 11 システムをリブートします。システムのリブートが完了したら、Cisco 無線 IP 電話 7920 をコンピュータに再接続します。
(注) Windows 98 のユーザの場合、[デバイス マネージャ]ウィンドウに、ネットワーク アダプタ[Cisco 7920 USB driver]が重複して表示される場合があります。このエントリは削除してください。
関連項目
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのインストール」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのネットワーク接続」
Cisco 7920 設定ユーティリティのネットワーク接続
PC から Cisco 7920 設定ユーティリティを起動するときに、USB インターフェイスから 192.168.1.x ネットワークへの接続試行が発生します。 無線ネットワークが 192.168.1.x ネットワークを使用していると、Cisco 無線 IP 電話 7920 の USB を有効にした後で、USB アダプタのロードが失敗することがあります。 PC と 192.168.1.x ネットワークのネットワーク接続は、無効にする必要があります。 Cisco 無線 IP 電話 7920 の 802.11b パラメータを変更すると、認証および
192.168.1.x の IP アドレスの検索を行わなくなります。
PC と 192.168.1.x ネットワークの間にネットワーク接続がないことを確認するには、Cisco 無線 IP 電話 7920 で次の手順を実行してください。
手順
ステップ 1 Network Config > 802.11b Configuration > Wireless Settings を選択します。
ステップ 2 Service Set Identifier(SSID)または認証モードを変更します。
ステップ 3 電話機の電源をオフにします。
ステップ 4 電話機の電源をオンにします。
ステップ 5 再度 USB を有効にします。
ステップ 6 必要に応じて、Cisco 7920 設定ユーティリティを使用して電話設定を変更します。
ステップ 7 ステップ 2 で変更した 802.11 パラメータをリセットし、アクティブにします。
関連項目
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティのインストール」
• 「USB ドライバのインストール」
• 「アプリケーション ウィンドウの概要」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法」
アプリケーション ウィンドウの概要
ここでは、Cisco 7920 設定ユーティリティのユーザ インターフェイスとメニュー オプションについて説明します。内容は次のとおりです。
• 「Current Phone Settings ウィンドウ」
• 「Log History ウィンドウ」
• 「接続ステータス バー」
• 「File メニューの使用方法」
• 「Edit メニューの使用方法」
• 「View メニューの使用方法」
• 「Connection メニューの使用方法」
Current Phone Settings ウィンドウ
設定ユーティリティが起動され、電話機に接続すると、メイン ウィンドウに Current Phone Settings ウィンドウが表示されます(図 4-1)。
図 4-1 Cisco 7920 設定ユーティリティ:Current Phone Settings ウィンドウ
接続した電話機の電話設定が、Current Phone Settings ウィンドウに表示されます。電話設定を変更するには、 Edit > Settings Wizard を選択します。インポートまたはエクスポート機能を実行すると、Current Phone Settings ウィンドウが更新されます。詳細については、「Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法」を参照してください。
Log History ウィンドウ
Cisco 7920 設定ユーティリティが起動されたとき、Log History ウィンドウは空です。 起動後すぐに、イベント タイプとオペレーションの記録が開始されます。 この履歴ログは、設定ユーティリティを終了するときに、コンピュータのディスクに毎回保存されます。
終了するとき、ユーザはデフォルトのログ ファイル名 logHistory.txt を選択するか、別のファイル名を入力するよう要求されます。
ログ ファイルは ASCII ベースです。 単純な ASCII テキスト エディタでログ ファイルを読むことができます。ログ ファイルには、 表 4-1 に示す項目が含まれます。
表 4-1 ログ ファイル情報
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mm.dd.yyyy/hh.mm.ss(PC のローカル時間) |
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電話機のメディア アクセス制御(MAC)アドレス |
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• Import • Export • Configuration |
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Type が Import の場合:インポートの設定 Type が Export の場合: • エクスポート設定ファイルとそのエクスポートの設定 • アップロード設定ファイルおよび電話機のモデル番号と、そのアップロード ファームウェア イメージ Type が Configuration の場合: • 「Save」と保存した設定ファイル名 • 「Save As」と保存した設定ファイル名 • 「Open」と開いた設定ファイル名 |
(注) ログ履歴に含まれる既存のエントリは、削除されたり、新規ログ エントリにより上書きされることはありません。新規ログ エントリは保存済みログ ファイルに追加されます。
接続ステータス バー
Connection メニュー オプションを使用して電話にログインした場合は、接続の状態を監視できます。 ステータス バーの左側に、現在の接続ステータスを示す LED インジケータが表示されます( 表 4-2 )。
表 4-2 接続ステータス
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Connection > Login を選択します。 インポート、エクスポート、またはファームウェア イメージのアップロード オプションを選択します。 |
電話機は接続中です。 インポート、エクスポート、またはファームウェア イメージのアップロード オプションを実行しているとき、接続は実行中になります。 |
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メニュー バーから Connection > Login を選択します。 |
電話機はオンラインであり、接続が確立されています。 インポート、エクスポート、およびファームウェア イメージのアップロード オプションを実行できます。 |
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Connection > Logout を選択します。 USB ケーブルを取りはずします。 |
電話機はオフラインです。 インポート、エクスポート、またはファームウェア イメージのアップロード オプションは実行できません。 |
File メニューの使用方法
File メニューには、次の標準 Windows オプションがあります。
• New:電話機の新しい設定ファイルを開きます。
• Open:既存の設定ファイルを探して開きます。
• Save:設定ファイルの変更を保存します。
• Save As:設定ファイルに新しいファイル名を付けて変更を保存します。
• Exit:アプリケーションを閉じます。
Edit メニューの使用方法
Edit メニューには、次の標準 Windows 編集オプションがあります。
• Cut
• Copy
• Paste
さらに、Edit メニューから次のオプションにアクセスできます。
• Settings Wizard:順を追って電話機を設定するガイド
• Change Admin Password
View メニューの使用方法
Cisco 7920 設定ユーティリティが起動されると、Current Phone Settings ウィンドウおよび Log History ウィンドウが自動的に表示されます。 View メニューを使用して、次のウィンドウを切り替えることができます。
• Current Phone Settings
• Log History
• Toolbar
• Status Bar
ログイン
インポート、エクスポート、またはファームウェアのアップロードを実行するには、電話にログインする必要があります。 Connection > Login を選択します。デフォルトのユーザ名およびパスワードは、 表 4-3 に示すとおりです。
表 4-3 デフォルトのユーザ名およびパスワード
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cisco |
設定ユーティリティ |
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12345 |
Cisco 無線 IP 電話 7920 |
(注) キーロック パスワードを変更しなかった場合、デフォルトのユーザ パスワードを使用して電話機をロック解除できます。
システムを初めて起動したときに、管理者は Admin パスワードを変更してください。
管理者パスワードの変更
管理者パスワードを変更するには、管理者権限でログインする必要があります。次の手順に従って、管理者パスワードを変更します。
手順
ステップ 1 Edit > Change Admin Password を選択して、Change Admin Password ウィンドウを開きます。
ステップ 2 New Password フィールドに、新規パスワードを入力します。
ステップ 3 Verify New Password フィールドに、新規パスワードを入力します。
ステップ 4 OK をクリックします。
ログアウト
ログアウトすると、Cisco 無線 IP 電話 7920 が PC から切断されます。電話機からの設定のインポート、電話機への設定ファイルのエクスポートまたはファームウェア イメージのアップロードはできなくなります。
USB ケーブルを切断すると、自動的にログアウトされます。 オンライン モードで別の電話機に切り替えると、設定ユーティリティから自動的にログアウトします。 ログアウトするには、次の手順に従います。
ステップ 1 メニュー バーから Connection > Logout を選択します。
Logout ウィンドウが表示されます。
ステップ 2 ログアウトを確認するには、 Yes をクリックします。
ファームウェア イメージのアップロード
Upload Firmware Image ウィンドウでは、ファームウェア イメージのファイル名を指定し、このファイルを Cisco 無線 IP 電話 7920 にアップロードします。
最初にログインし、 Connection > Upload Firmware Image を選択します。
ファームウェア イメージがアップロードされた後、Cisco 無線 IP 電話 7920 が自動的にリブートされます。Cisco 7920 設定ユーティリティを使用して Cisco 無線 IP 電話 7920 の設定を続行するには、再度ログインする必要があります。 履歴ログに、uploading firmware image イベントが記録されます。
注意 Cisco CallManager のファームウェア イメージのバージョンが、電話機にアップロードしたファームウェアのバージョンと同じであることを確認してください。 Cisco CallManager サーバのファームウェアのバージョンが異なっている場合、次に電話機が Cisco CallManager に接続したときに、Cisco CallManager からそのバージョンのファームウェアがダウンロードされます。
出荷時のデフォルト値にリセット
設定を出荷時のデフォルト値に復元した場合、通話履歴、プロファイル設定など、Cisco 無線 IP 電話 7920 のすべての設定が元の設定に復元されます。 短縮ダイヤル設定はすべて削除されますが、電話帳に保存したデータは残ります。 設定を出荷時のデフォルト値にリセットした後、Settings Wizard で、カスタム ネットワーク設定を再設定する必要があります。 詳細については、「Settings Wizard の使用方法」を参照してください。
Connection > Restore to Factory Default を選択します。出荷時のデフォルト設定が復元された後、Cisco 無線 IP 電話 7920 は自動的に電源がオフになります。
(注) Phone Settings メニューを使用して、Cisco 無線 IP 電話 7920 を出荷時のデフォルト値にリセットした場合は、無線 IP 電話で AP にアクセスする前に、ネットワーク構成設定値を再入力する必要があります。 電話メニューまたは Cisco 7920 設定ユーティリティを使用して、電話機を再設定できます。
関連項目
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法」
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティの概要」
Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法
ここでは、Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法に関する次の情報について説明します。
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法」
• 「Settings Wizard の使用方法」
• 「Phone Preferences ウィンドウの使用方法」
• 「電話設定値の設定」
Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法
設定ユーティリティを使用して Cisco 無線 IP 電話 7920 を設定するには、次の手順に従います。
手順
ステップ 1 Cisco 無線 IP 電話 7920 の電源をオンにします。
ステップ 2 Cisco 無線 IP 電話 7920 の電源をオンにし、USB ポートを有効にします。 Menu ソフトキーを押し、 Phone Settings > Enable/Disable USB Port > Enable を選択します。
ステップ 3 USB ケーブルを使用して、PC と Cisco 無線 IP 電話 7920 を接続します。
ステップ 4 アプリケーションを起動するには、[スタート]>[プログラム]> Cisco Systems 7920 > Cisco 7920 Configuration Utility を選択します。
設定ユーティリティが自動的に Connection > Login を実行し、Cisco 無線 IP 電話 7920 が PC に接続されます。
ステップ 5 Login ウィンドウで、デフォルトのユーザ名 Admin を選択し、パスワード cisco を入力します(ログイン エントリが認証された場合、オンライン インジケータがステータス バーの左側に表示されます)。
(注) 管理者のパスワードを変更するには、Edit > Change Admin Password を選択します。
ステップ 6 File > New を選択し、新規の Phone Preference ウィンドウを開きます。
ステップ 7 Import ボタンをクリックして、Cisco 無線 IP 電話 7920 から設定をインポートします。
ステップ 8 Phone Preference ウィンドウに表示された設定を変更するには、「Phone Preferences ウィンドウの使用方法」を参照してください。
また、Settings Wizard でメニュー バーから Edit > Settings Wizard を選択して、電話機を設定することもできます。
ステップ 9 設定を設定ファイルに保存するには、 File > Save または File > Save As を選択します。
ステップ 10 変更した設定を含むファイルを Cisco 無線 IP 電話 7920 にアップロードするには、 Export ボタンをクリックします。
関連項目
• 「Settings Wizard の使用方法」
• 「Phone Preferences ウィンドウの使用方法」
• 「電話設定値の設定」
Settings Wizard の使用方法
Cisco 7920 設定ユーティリティで電話設定の値を設定するには、次の 2 通りの方法があります。
• Settings Wizard を使用:順を追って設定します。
• Phone Preference ウィンドウを使用:手動で電話機を設定します。
Edit > Settings Wizard を選択すると、Settings Wizard ウィンドウと Phone
Preference ウィンドウが同時に表示されます(図 4-2)。 次の設定は、Settings Wizard を使用して変更することも、Phone Preferences ウィンドウのタブからアクセスすることもできます。
• システム パラメータ
• RF ネットワーク
• ネットワーク セキュリティ
• 電話設定
• 電話機のロック パスワード
図 4-2 Settings Wizard および Phone Preference ウィンドウ
関連項目
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法」
• 「Phone Preferences ウィンドウの使用方法」
• 「電話設定値の設定」
Phone Preferences ウィンドウの使用方法
Phone Preference ウィンドウを使用して、Cisco 無線 IP 電話 7920 を設定できます。Phone Preference ウィンドウを開くには、 Edit > Settings Wizard または File > New を選択します。
電話設定値を設定するには、次の 2 通りの方法があります。
• 設定ウィザードの手順に従って、順を追って設定する。
• Phone Preference ウィンドウで、電話機を手動で設定する。
Phone Preference ウィンドウの上部には設定タブがあり、下部にはタスク ボタンがあります。
Phone Preference ウィンドウのタブで、次の設定ができます。
• システム パラメータ
• RF ネットワーク
• ネットワーク セキュリティ
• 電話設定
• 電話機のロック パスワード
設定タブの詳細については、「電話設定値の設定」を参照してください。
図 4-3 Phone Preference ウィンドウ
設定のインポート
Import ボタンをクリックすると、USB ポートを介して接続された Cisco 無線 IP 電話 7920 から設定を取得します。インポートされた設定は、Phone Preference ウィンドウの関連する設定タブに適用されます。
設定のエクスポート
Export ボタンをクリックすると、USB ポートを介して接続された Cisco 無線 IP 電話 7920 の設定またはファームウェア イメージを更新します。変更した設定は、Cisco 無線 IP 電話 7920 にエクスポートする前に保存する必要があります。
システム パラメータの設定
Phone Preference ウィンドウの System Parameters タブで、DHCP および TFTP オプションを有効にできます。ダイナミック ホスト コンフィギュレーション プロトコル(DHCP)クライアントには、IP アドレスを動的に割り当てるメカニズムがあり、ホストで不要になったアドレスを再使用します。
ネットワークで DHCP を使用していて、DHCP クライアントが有効な場合、Cisco 無線 IP 電話 7920 は、IP アドレス、サブネット マスク、およびその他の IP 設定情報を DHCP サーバから自動的に取得します。DHCP クライアントが無効な場合は、Static IP Settings グループでスタティック IP 設定を手動で指定する必要があります。
DHCP クライアントおよび TFTP オプションの有効化
DHCP クライアントを有効にする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 System Parameters タブをクリックします。
ステップ 2 DHCP クライアントを有効にするには、 DHCP Client チェックボックスをチェックします。
Static Settings オプションは非アクティブです。
ステップ 3 次のいずれかを実行します。
• プライマリ TFTP サーバの IP アドレスを指定するには、TFTP Option グループの Use Static オプション ボタンをクリックします。
• Cisco 無線 IP 電話 7920 が DHCP サーバからネットワーク設定を自動的に取得するには、 Use DHCP オプション ボタンをクリックします。
DHCP クライアントおよび TFTP オプションの無効化
DHCP クライアントを無効にする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 System Parameters タブをクリックします。
ステップ 2 DHCP クライアントを無効にするには、DHCP Client チェックボックスをオフにします。
TFTP Option グループの Use Static オプション ボタンが自動的に選択されます。
ステップ 3 DHCP Client オプションの下で、次のスタティック IP 設定を入力します。
• IP Address :Cisco 無線 IP 電話 7920 の IP アドレスを入力します。
• Subnet Mask :サブネットワークを識別するための IP サブネット マスク アドレスを入力し、LAN 上で IP アドレスが認識されるようにします。
• Primary TFTP Server :ファイルの場所を識別するための TFTP サーバ アドレスを入力します。Cisco 無線 IP 電話 7920 の設定ファイルとファームウェア イメージは、TFTP サーバに配置します。
• Primary Gateway IP Address :プライマリ ゲートウェイ アドレスを入力します。プライマリ ゲートウェイ アドレスにより、パケットの転送先となる次のネットワーク ポイントが決定されます。
• Primary DNS Server :DNS がインターネット ドメイン名を IP アドレスに変換する DNS サーバ アドレスを入力します。
ステップ 4 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
RF ネットワーク設定値の設定
Phone Preference ウィンドウの RF Network タブ(RF は無線周波数の略)で、Cisco 無線 IP 電話 7920 の次の無線ネットワーク設定値を設定できます。
• Transmit power :無線送信電力レベルをミリワット(mW)単位で表した値。
• Data rate :データ転送レートをメガビット/秒(Mbps)で表した値。
• Service Set Identifier(SSID) :相互に通信する無線デバイスのセットの識別子。 複数の AP が同じ SSID を使用することによって、無線電話のグループをサポートできます。
RF ネットワーク設定を構成する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 RF Network タブをクリックします。
ステップ 2 Transmit Power を設定するには、ドロップダウン リストの矢印をクリックして、適切な電力設定を選択します(デフォルト設定は 20mW)。
ステップ 3 Data Rate を設定するには、ドロップダウン リストの矢印をクリックして、適切なデータ レート設定を選択します(デフォルト設定は 11mW)。
ステップ 4 SSID1 設定を入力するには、ドロップダウン リストの矢印をクリックして、次のいずれかを選択します。
• Any :ネットワーク上の任意の AP を使用します。
• Specify: SSID を指定します。 32 桁までの SSID をフィールドに入力します。
ステップ 5 SSID2 ~ 4 の設定を入力するには、ドロップダウン リストの矢印をクリックして、次のいずれかを選択します。
• Any :ネットワーク上の任意の AP を使用します。
• None: SSID を指定しません。
• Specify: SSID を指定します。 32 桁までの SSID をフィールドに入力します。
ステップ 6 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
ネットワーク セキュリティの設定
Phone Preference ウィンドウの Network Security タブでは、セキュリティ設定用の認証タイプおよび暗号を選択します。
認証タイプ
次の種類の認証を設定できます。
• オープン :AP に自由にアクセスできます。 オプションで、暗号化タイプを静的 Wired Equivalent Privacy(WEP)Key に設定できます。
• 共有キー :ローカル AP の Shared Key セキュリティ オプションを有効にします。 共有キー認証タイプを設定する前に、暗号化タイプを静的 WEP キーに設定する必要があります。
• LEAP :Cisco Light Extensible Authentication Protocol(LEAP)を有効にします。これは、WLAN 環境で中央 RADIUS サーバを使用する無線デバイスの認証用に設計された、シスコの専用プロトコルです。
認証タイプを設定する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Network Security タブをクリックします。
ステップ 2 次のいずれかのセキュリティ設定を選択します。
• オープン: Open オプション ボタンをクリックし、AP と電話機の間のセキュリティを有効にします。
• 共有キー: Shared Key オプション ボタンをクリックし、AP と電話機の間のセキュリティを有効にします。
(注) 認証タイプに共有キーを選択する前に、静的 WEP キー暗号化タイプを設定しておく必要があります。
• LEAP: LEAP オプション ボタンをクリックし、LEAP 設定フィールドをアクティブにします。ネットワーク アクセス サーバ(RADIUS サーバ)に対して許可されたユーザ名およびパスワードを指定します。
(注) 各ユーザ名およびパスワードの最大長は 32 文字です。
ステップ 3 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
暗号化
オープンまたは共有キー認証タイプを選択する前に、Wired Equivalent Privacy(WEP)キーを使用して、暗号化方式を設定する必要があります。Cisco 無線 IP 電話 7920 および Cisco Aironet AP はどちらも、40 ビットおよび 128 ビット暗号化キーをサポートします。 WEP キーは、16 進数文字を使用して設定します。
ネットワークで WEP 暗号化を使用しない場合は、None を選択します。
WEP を設定する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Network Security タブをクリックします。
ステップ 2 いずれかの WEP key オプション ボタンをクリックして、Encryption 設定フィールドをアクティブにします。
ステップ 3 暗号化方式を選択し、適切なキーを入力します。
• ドロップダウン メニューから 40 Bit Encryption を選択します。 WEP Key フィールドに、10 桁のキーを 16 進数形式(0 ~ 9、A ~ F)で入力します。
例:ABCD123456
• ドロップダウン メニューから 128 Bit Encryption を選択します。 WEP Key フィールドに、26 桁のキーを 16 進数形式(0 ~ 9、A ~ F)で入力します。
例:AB123456789CD123456789EF
ステップ 4 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
電話設定値の設定
Phone Preference ウィンドウの Phone Settings タブで、電話機のディスプレイのテキストや、その電話機用にカスタマイズした呼び出しトーンを設定できます。 また、Cisco Discovery Protocol のパラメータの設定や、電話機への新しいファームウェアのアップロードもできます。
電話設定値を設定する手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Phone Settings タブをクリックします。
ステップ 2 Greeting Message フィールドに、電話機を起動したときに表示されるテキスト(15 文字まで)を入力するか、編集します。
ステップ 3 Welcome Message フィールドに、電話機がスタンバイ モードのときに表示されるテキスト(10 文字まで)を入力するか、編集します。
ステップ 4 Ring Tone エリアでは、次の設定を使用して呼び出しトーンを設定する必要があります。
• Default Ring Tone in Phone :Cisco 無線 IP 電話 7920 で現在使用している呼び出しトーンを表示します。デフォルトの呼び出しトーンには、Chirp 1 と Chirp 2 の 2 つがあります。
• Ring List Filename and Path :ローカルの XML 呼び出し音一覧ファイルを指定するには、 ... ボタンをクリックして、目的の呼び出し音一覧ファイルを選択します。
• Ring Tone Name :ドロップダウン リストの矢印をクリックして、呼び出し音一覧ファイルから目的の呼び出しトーンを選択します。
ステップ 5 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
呼び出しトーン一覧に音量の大きな呼び出しトーンを追加する方法については、「大きな音の呼び出しトーンのダウンロード」を参照してください。
CDP パラメータの設定
Cisco ディスカバリ プロトコル(CDP)は、すべての Cisco ネットワーク機器上で実行されるデバイス検出プロトコルです。各デバイスは、マルチキャスト アドレスに識別メッセージを送信し、他のデバイスによって送信されるメッセージを監視します。
ネットワークで CDP を使用する場合は、次の手順に従って、電話機の CDP パラメータを設定します。
手順
ステップ 1 Phone Settings タブをクリックします。
ステップ 2 Cisco Discovery Protocol チェックボックスをチェックして、CDP パラメータをアクティブにします。
ステップ 3 CDP Time To Live フィールドに、電話バッファ内の CDP パケットが廃棄されるまでの時間を秒単位(0 ~ 255)で入力します。
ステップ 4 CDP Transmit Interval フィールドに、Cisco 無線 IP 電話 7920 から CDP パケットを送信する間隔を入力します(0 ~ 65535 秒)。
ステップ 5 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
新しいファームウェア イメージのアップロード
Cisco 無線 IP 電話 7920 に電話設定をエクスポートするときに、同時に新しいファームウェア イメージをアップロードできます。
(注) ファームウェア イメージのバージョンは、現在の電話モデルと互換性がある必要があります。
新しいファームウェアのアップロードを有効にする手順は、次のとおりです。
手順
ステップ 1 Phone Settings タブをクリックします。
ステップ 2 Upload New Firmware Image チェックボックスをチェックして、Firmware Image Filename and Path フィールドをアクティブにします。
ステップ 3 ローカルのファームウェア イメージ ファイルを指定するには、 Firmware Image Filename and Path フィールドのドロップダウン リストの矢印をクリックします。ダイアログボックスからファームウェア イメージ ファイルを選択します。
Phone Preference ウィンドウの Export ボタンを押すと、新しいファームウェア イメージが電話機にアップロードされます。
ステップ 4 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
電話機のロック パスワードの設定
セキュリティを高めるために、電話機のキーパッドにパスワード保護を設定できます。 電話機のキーパッドをロックした場合、キーパッドのロックを解除するには、パスワードを入力する必要があります。 Phone Preference ウィンドウの Phone Lock Password タブを使用して、Cisco 無線 IP 電話 7920 のパスワードを設定またはリセットします。
手順
ステップ 1 Phone Lock Password タブをクリックします。
ステップ 2 Change Password チェックボックスをチェックします。
ステップ 3 New Password フィールドに、10 文字までのパスワードを入力します。使用できる文字は数字の 0 ~ 9、*、# です。
ステップ 4 Verify New Password フィールドに、同じパスワードを再入力します。
ステップ 5 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
電話機のロック パスワードのデフォルトへのリセット
電話機のパスワードを消去する必要がある場合は、次の手順に従って、パスワードをデフォルトにリセットできます。 この手順でパスワードをリセットした場合、電話設定データはすべてそのまま残ります。
手順
ステップ 1 Phone Lock Password タブをクリックします。
ステップ 2 Reset Password to Default チェックボックスをチェックします。
ステップ 3 File > Save を選択して、変更内容を保存します。
(注) キーパッドのロックを解除するデフォルト パスワードは「12345」です。これをユーザに通知する必要があります。
設定ファイルの形式
電話機に設定する設定値は、書式設定されて ASCII ベースのファイルに書き込まれます。大文字と小文字は区別されません。設定ファイルには、パスワード、ログイン名、WEP キー、またはその他の重要なデータのエントリは含まれません。
設定ファイルの形式には 2 つの部分があり、次のように表示されます。
設定パラメータ = 設定値
例:
システム パラメータに使用可能な設定
表 4-4 は、システム パラメータに使用可能な設定の一覧です。
表 4-4 システム パラメータに使用可能な設定
|
|
|
DHCPclient |
Enable | Disable |
DHCP クライアントの有効化または無効化 |
IPaddress |
xxx.xxx.xxx.xxx |
IP アドレス |
SubnetMask |
xxx.xxx.xxx.xxx |
サブネット マスク |
PrimaryTFTPserver |
xxx.xxx.xxx.xxx |
プライマリ TFTP サーバのアドレス |
PrimaryGateway |
xxx.xxx.xxx.xxx |
プライマリ ゲートウェイのアドレス |
PrimaryDNSserver |
xxx.xxx.xxx.xxx |
プライマリ DNS サーバのアドレス |
SecondaryDNSserver |
xxx.xxx.xxx.xxx |
セカンダリ DNS サーバのアドレス |
RF ネットワークに使用可能な設定
表 4-5 は、RF ネットワークに使用可能な設定の一覧です。
表 4-5 RF ネットワークに使用可能な設定
|
|
|
SSID 1 |
文字列(最大長= 32) |
SSID 文字列 |
SSID 2 |
文字列(最大長= 32) |
SSID 文字列 |
SSID 3 |
文字列(最大長= 32) |
SSID 文字列 |
SSID 4 |
文字列(最大長= 32) |
SSID 文字列 |
TransmitPower |
1 | 5 | 20 | 50 | 100 |
送信電力レベル(mW) |
DataRate |
1 | 2 | 5.5 | 11 | Auto |
データ レート(Mbps) |
電話設定に使用可能な設定
表 4-6 は、電話設定に使用可能な設定の一覧です。
表 4-6 電話設定に使用可能な設定
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RingToneIndex |
整数値(1 ~ 4) 現在使用しているもの:(インデックス 1 ~ 3) 1:Chirp 1 2:Chirp 2 3:現在の呼び出しトーン ユーザ指定:(インデックス 4) 4:ユーザが呼び出し音一覧から指定 |
呼び出しトーンのインデックス。 デフォルトの呼び出しトーンは、Chirp 1 および Chirp 2。 |
RingToneName |
文字列(最大長= 20) |
呼び出しトーンの名前。 |
RingToneFile |
文字列(最大長= 64) |
呼び出しトーン ファイル(*.raw)。 |
DispWelcomeMsg |
文字列(最大長= 10) |
画面に表示される初期メッセージ。 |
NewFirmwareImage Upgrade |
Enable | Disable |
ファームウェア アップグレードの有効化または無効化。 |
NewFirmwareImage Filename |
文字列(最大長= 64) |
ファームウェアのファイル名とパス。 |
CDP |
Enable | Disable |
Cisco ディスカバリ プロトコルの有効化または無効化。 |
CDPTransmitInterval |
整数値(0 ~ 65535) |
CDP 伝送間隔(秒)。 |
CDPTTL |
整数値(0 ~ 255) |
CDP 存続可能時間(秒)。 |
関連項目
• 「Cisco 7920 設定ユーティリティの使用方法」