シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシー
シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーは、新しいシャーシまたは FEX を追加したときのシステムの対処方法を決定します。Cisco UCS Manager はシャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーの設定を使用して、シャーシまたは FEX とファブリック インターコネクト間のリンク数の最小しきい値を決定し、IOM からファブリック インターコネクトへのリンクをファブリック ポート チャネルにグループ化するかどうかを決定します。
Cisco UCS Mini(Cisco UCS 6324 ファブリック インターコネクト)セットアップで、シャーシ ディスカバリ ポリシーは 拡張シャーシ でのみサポートされています。
シャーシ リンク
Cisco UCS ドメイン のシャーシの配線リンク数が 1、2、4、および 8 である場合は、Cisco UCS Manager がすべてのシャーシを検出できるように、シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーにドメインの最小リンク数を設定することを推奨します。
Tip |
Cisco UCS ドメイン のファブリック インターコネクトがさまざまなタイプの I/O モジュールに接続しており、それぞれの I/O モジュールが異なる最大アップリンク数に対応している場合、そのドメインで最大限のシャーシ接続を確立するには、プラットフォームの最大値を選択します。プラットフォームの最大値を設定することで、サポートされる最大数の IOM アップリンクが I/O モジュールごとに接続されている場合にのみ、Cisco UCS Managerがシャーシ(接続とサーバを含む)を検出するようになります。 |
シャーシの初期検出後、シャーシ/FEX 検出ポリシーの変更が完了したら、シャーシ全体ではなく IO モジュールを確認して、中断を回避します。検出ポリシーの変更には、ファブリック インターコネクトと IO モジュール間のリンク数の増加、またはリンク グループの基本設定への変更が含まれます。
シャーシの他の IO モジュールに進む前に、接続が確実に復元されるように、IO モジュールの確認応答の前後に障害がないかどうかを確認するようにしてください。
Cisco UCS Manager シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーで設定されたリンク数よりも、配線されるリンク数が少ないシャーシを検出できません。たとえば、シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーで 4 つのリンクが設定されている場合、Cisco UCS Manager は 1 つまたは 2 つのリンクに配線されたシャーシを検出できません。この問題を解決するには、シャーシを再認識させます。
次の表は、複数のシャーシがある Cisco UCS ドメイン に対するシャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーの動作の概要を示しています。
シャーシで配線されるリンク数 | 1 リンクのディスカバリ ポリシー | 2 リンクのディスカバリ ポリシー | 4 リンクのディスカバリ ポリシー | 8 リンクのディスカバリ ポリシー | プラットフォーム最大のディスカバリ ポリシー | ||
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IOM とファブリック インターコネクト間で 1 つのリンクが存在 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 1 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
||
IOM とファブリック インターコネクト間で 2 つのリンクが存在 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 1 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 初回の検出の後にシャーシを再認識させると、Cisco UCS Manager で再認識され、追加のリンクが使用されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 2 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
||
IOM とファブリック インターコネクト間で 4 つのリンクが存在 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 1 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 初回の検出の後にシャーシを再認識させると、Cisco UCS Manager で再認識され、追加のリンクが使用されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 2 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 初回の検出の後にシャーシを再認識させると、Cisco UCS Manager で再認識され、追加のリンクが使用されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 4 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 |
シャーシの接続とサーバは Cisco UCS Manager によって検出できないため、Cisco UCS ドメイン に追加されません。 |
IOM に 4 個のリンクがある場合、シャーシは Cisco UCS Manager に検出され、配線されるリンク数が 4 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。
IOM に 8 個のリンクがある場合、シャーシは Cisco UCS Manager によって十分に検出されません。 |
||
IOM とファブリック インターコネクト間で 8 つのリンクが存在 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 1 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 初回の検出の後にシャーシを再認識させると、Cisco UCS Manager で再認識され、追加のリンクが使用されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 2 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 初回の検出の後にシャーシを再認識させると、Cisco UCS Manager で再認識され、追加のリンクが使用されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 4 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 初回の検出の後にシャーシを再認識させると、Cisco UCS Manager で再認識され、追加のリンクが使用されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 8 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 |
シャーシは Cisco UCS Manager で検出され、配線されるリンク数が 8 のシャーシとして Cisco UCS ドメイン に追加されます。 |
リンクのグループ化
ファブリック ポート チャネルをサポートするハードウェア構成の場合、リンクをグループ化すると、シャーシ ディスカバリの実行中に、IOM からファブリック インターコネクトへのすべてのリンクをファブリック ポート チャネルにグループ化するかどうかが決まります。リンクのグループ化プリファレンスが [Port Channel] に設定されている場合、IOM からファブリック インターコネクトへのすべてのリンクがファブリック ポート チャネルにグループ化されます。[None] に設定すると、IOM からのリンクはファブリック インターコネクトにピン接続されます。
Important |
Cisco UCS 6454 ファブリック インターコネクト の については、リンク グループ設定は常に [ポートチャネル(Port Channel)] に設定します。 |
Cisco UCS Managerによってファブリック ポート チャネルを作成した後、リンクの追加または削除を行うには、リンク グループのプリファレンスを変更してシャーシを再認識させるか、またはポート チャネルからシャーシを有効または無効にします。
Note |
リンク グループ化のプリファレンスは、IOM または FEX とファブリック インターコネクト間のリンクの両側がファブリック ポート チャネルをサポートしている場合にのみ有効になります。リンクの一方がファブリック ポート チャネルをサポートしていない場合、このプリファレンスは無視され、リンクはポート チャネルにグループ化されません。 |
マルチキャスト ハードウェア ハッシュ
ポート チャネルにおいて、デフォルトでは、ファブリック インターコネクト(FI)内のポートにある入力マルチキャスト トラフィックは、IOM とトラフィックを出力するファブリック インターコネクト間の特定のリンクを選択します。帯域幅での潜在的な問題を抑制し、入力マルチキャスト トラフィックに効率的なロード バランシングを提供する場合、マルチキャスト トラフィックに対してハードウェア ハッシュが使用されます。マルチキャスト ハードウェア ハッシュを有効にすると、IOM とポート チャネル内のファブリック インターコネクト間のすべてのリンクがマルチキャスト トラフィックに使用できます。
Note |
Cisco UCS 6454 ファブリック インターコネクト は、マルチキャスト ハードウェア ハッシュをサポートしません。 |
ピン接続
Cisco UCS のピン接続は、アップリンク ポートにだけ関連します。シャーシ ディスカバリで [Link Grouping Preference] を [None] に設定した場合は、IOM は指定のサーバからのトラフィックを、スタティック ルート ピン接続を使用して、アップリンク ポートからファブリック インターコネクトに転送します。
次の表は、IOM とファブリック インターコネクト間のアクティブなファブリック リンク数に基づき、IOM とファブリック インターコネクト間でピン接続がどのように行われるかを示します。
アクティブなファブリック リンクの数 |
ファブリック リンクにピン接続されるサーバ スロット |
---|---|
1 リンク |
すべての HIF ポートがアクティブ リンクにピン接続されます。 |
2 リンク |
1、3、5、7 はリンク 1 にピン接続 2、4、6、8 はリンク 2 にピン接続 |
4 リンク |
1、5 はリンク 1 にピン接続 2、6 はリンク 2 にピン接続 3、7 はリンク 3 にピン接続 4、8 はリンク 4 にピン接続 |
8 リンク(2208XP のみ) |
1 はリンク 1 にピン接続 2 はリンク 2 にピン接続 3 はリンク 3 にピン接続 4 はリンク 4 にピン接続 5 はリンク 5 にピン接続 6 はリンク 6 にピン接続 7 はリンク 7 にピン接続 8 はリンク 8 にピン接続 |
1、2、4、8 リンクだけがサポートされます。3、5、6、7 リンクは無効な構成となります。
ポートチャネリング
特定のサーバからのトラフィックをアップリンク ポートにピン接続すると、ユニファイド ファブリックをきめ細かく制御でき、アップリンクのポート帯域幅の使用率を最適化できますが、特定の回路にトラフィックが過剰に集中してしまうという問題が生じます。この問題は、ポート チャネリングを使用することで解決できます。ポート チャネリングでは、IOM とファブリック インターコネクト間のすべてのリンクを、1 つのポート チャネルとしてグループ化します。ポート チャネルではロード バランシング アルゴリズムを使用して、トラフィックの送信先となるリンクが決定されます。この結果、最適なトラフィック管理が行われます。
Cisco UCS では、Link Aggregation Control Protocol(LACP)を介したポート チャネリングのみがサポートされます。ファブリック ポート チャネルをサポートするハードウェア構成の場合、シャーシ ディスカバリの実行中に IOM からファブリック インターコネクトへのすべてのリンクをファブリック ポート チャネルにグループ化するかどうかは、リンクのグループ化によって決まります。[Link Grouping Preference] が [Port Channel] に設定されている場合、IOM からファブリック インターコネクトへのすべてのリンクがファブリック ポート チャネルにグループ化されます。このパラメータを [None] に設定すると、IOM からファブリック インターコネクトへのリンクは、ファブリック ポート チャネルにグループ化されません。
ファブリック ポート チャネルが作成されると、リンク グループのプリファレンスを変更してシャーシを再認識させることで、またはポート チャネルからシャーシをイネーブル化またはディセーブル化することで、リンクの追加または削除を行えます。
シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーの設定
Note |
Cisco UCS 6454 ファブリック インターコネクト でセットアップする場合、シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーの [リンク グループ化設定 (Link Grouping Preference)] 値はユーザーが設定することはできません。値は[Port Channel]に設定されます。 |
SUMMARY STEPS
- UCS-A# scope org /
- UCS-A /org # scope chassis-disc-policy
- UCS-A /org/chassis-disc-policy # set action {1-link | 2-link | 4-link | 8-link | platform-max}
- (Optional) UCS-A /org/chassis-disc-policy # set descr description
- UCS-A /org/chassis-disc-policy # set link-aggregation-pref {none | port-channel}
- UCS-A /org/chassis-disc-policy # set multicast-hw-hash {disabled | enabled}
- (Optional) UCS-A /org/chassis-disc-policy # set qualifier qualifier
- UCS-A /org/chassis-disc-policy # commit-buffer
DETAILED STEPS
Command or Action | Purpose | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
Step 1 |
UCS-A# scope org / |
ルート組織モードを開始します。
|
||||
Step 2 |
UCS-A /org # scope chassis-disc-policy |
組織シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシー モードを開始します。 |
||||
Step 3 |
UCS-A /org/chassis-disc-policy # set action {1-link | 2-link | 4-link | 8-link | platform-max} |
シャーシまたは FEX とファブリック インターコネクト間のリンク数の最小しきい値を指定します。 |
||||
Step 4 |
(Optional) UCS-A /org/chassis-disc-policy # set descr description |
(Optional)
シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーの説明が提供されます。
|
||||
Step 5 |
UCS-A /org/chassis-disc-policy # set link-aggregation-pref {none | port-channel} |
IOM または FEX からファブリック インターコネクトへのリンクをポート チャネルにグループ化するかを指定します。
|
||||
Step 6 |
UCS-A /org/chassis-disc-policy # set multicast-hw-hash {disabled | enabled} |
IOM とポート チャネル内のファブリック インターコネクト間のすべてのリンクがマルチキャスト トラフィックに使用できるかどうかを指定します。
|
||||
Step 7 |
(Optional) UCS-A /org/chassis-disc-policy # set qualifier qualifier |
(Optional)
指定されたサーバ プール ポリシー資格情報をこのポリシーとサーバ プールを関連付けるために使用します。 |
||||
Step 8 |
UCS-A /org/chassis-disc-policy # commit-buffer |
トランザクションをシステムの設定にコミットします。 |
Example
次の例では、デフォルト シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーにスコープ設定し、ファブリック インターコネクトへの 4 つのリンクを持つシャーシの検出に設定し、ポリシーに説明を加え、シャーシの資格認定に使用するサーバ プール ポリシー資格情報を指定し、トランザクションをコミットします。
UCS-A# scope org /
UCS-A /org # scope chassis-disc-policy
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set action 4-link
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set descr "This is an example chassis/FEX discovery policy."
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set qualifier ExampleQual
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # commit-buffer
UCS-A /org/chassis-disc-policy #
次の例では、デフォルト シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーにスコープ設定し、ファブリック インターコネクトへの 8 つのリンクを持つシャーシの検出に設定し、ポリシーに説明を加え、ポート チャネルにリンク グルーピング プリファレンスを設定し、シャーシの資格認定に使用するサーバ プール ポリシー資格情報を指定し、トランザクションをコミットします。
UCS-A# scope org /
UCS-A /org # scope chassis-disc-policy
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set action 8-link
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set descr "This is an example chassis/FEX discovery policy."
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set link-aggregation-pref port-channel
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set qualifier ExampleQual
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # commit-buffer
UCS-A /org/chassis-disc-policy #
次の例では、デフォルト シャーシ/FEX ディスカバリ ポリシーにスコープ設定し、ファブリック インターコネクトへの 4 つのリンクを持つシャーシの検出に設定し、ポリシーに説明を加え、ポート チャネルにリンク グルーピング プリファレンスを設定し、マルチキャスト ハードウェア ハッシュを有効にし、シャーシの資格認定に使用するサーバ プール ポリシー資格情報を指定し、トランザクションをコミットします。
UCS-A# scope org /
UCS-A /org # scope chassis-disc-policy
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set action 4-link
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set descr "This is an example chassis/FEX discovery
policy."
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set link-aggregation-pref port-channel
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set multicast-hw-hash enabled
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # set qualifier ExampleQual
UCS-A /org/chassis-disc-policy* # commit-buffer
UCS-A /org/chassis-disc-policy #
What to do next
特性のシャーシのファブリック ポート チャネルの接続をカスタマイズするには、シャーシ接続ポリシーを設定します。