この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このマニュアルセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザーインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。シスコのインクルーシブランゲージに対する取り組みの詳細は、こちらをご覧ください。
このドキュメントは、米国シスコ発行ドキュメントの参考和訳です。リンク情報につきましては、日本語版掲載時点で、英語版にアップデートがあり、リンク先のページが移動/変更されている場合がありますことをご了承ください。あくまでも参考和訳となりますので、正式な内容については米国サイトのドキュメントを参照ください。
この章は、次の項で構成されています。
VPLEX は、プライベート クラウドで仮想ストレージ システムとデータへのアクセスを提供する EMC テクノロジーです。VPLEX は、Vblock などのポッド展開により、またはスタンドアロン デバイスとして、Cisco UCS Director に実装できます。VPLEX の機能は次のとおりです。
マルチベンダーの高可用性ストレージおよびコンピューティング インフラストラクチャに対して単一のインターフェイスを使用して、アプリケーションとデータを様々なコンピューティング ロケーションおよびストレージ ロケーションにわたり、運用の中断なく、リアルタイムで動的に移動します。VPLEX は、同じデータセンター内、キャンパス全体、または特定の地域で、拡張クラスタリングと分散キャッシュの整合性インテリジェンスを統合します。キャッシュ コヒーレンシにより、データの損失、破損、上書きが発生しないようにキャッシュ管理が行われます。
組織に対し、動的にデータを使用可能にします。たとえば、従来は運用停止や手動でのリストア手順が必要であった障害の場合も、ビジネスを継続できます。
複数のサイト内およびサイト間で同じデータの一貫性を提示、維持して、分散データのコラボレーションを可能にします。
仮想マシン(VM)のサーバとして機能する ESX ホストと、ポッド内、ポッド間、および複数ポッドにデータを拡張できるストレージ エリア ネットワーク(SAN)内のストレージとを結びつけます。
EMC VPLEX は、従来の物理ストレージ アレイ デバイスをカプセル化し、論理的に 3 つのレイヤに抽象化します。各レイヤの論理関係を次の図に示します。
VPLEX はエクステントを使用してストレージ ボリュームを分割します。基盤となるストレージ ボリュームの全部または一部をエクステントにすることができます。VPLEX はエクステントを集約し、デバイス レイヤで RAID 保護を適用します。デバイスは、1 つ以上のエクステントを使用して構築されます。
VPLEX ストレージ構造の最上位レイヤは仮想ボリュームであり、基盤となるデバイスによって作成され、それらのデバイスのサイズを継承します。仮想ボリュームは、2 つ以上のストレージ ボリュームに分散された単一の連続ボリュームの場合があります。
VPLEX は、ホストがフロントエンド(FE)ポートで使用できるように仮想ボリュームを提供し、ホストは仮想ボリュームを認識します。仮想ボリュームへのアクセスはストレージ ビューによって制御されます。ストレージ ビューは、VPLEX FE ポートと仮想ボリュームへのホスト イニシエータのアクセスを決定する論理コンテナとして機能します。
VPLEX は、以降の項で説明されているネットワーク実装に応じて、外部ハードウェア インターフェイスとして Local または Metro を使用できます。VPLEX Local または VPLEX Metro 用 VPLEX ソリューションの詳細については、『Data Center Interconnect Design Guide for Virtualized Workload Mobility with Cisco, EMC, and VMware』を参照してください。
同種構成または異機種構成のストレージ システムが 1 つのポッドに組み込まれており、データ移動が複数の物理データ ストレージ エンティティ間で管理される場合に、VPLEX Local を使用します。
同期距離により分離されている 2 つの場所の間でアクセスおよびデータのモビリティが必要な場合は、VPLEX Metro を使用します。VPLEX Metro では、リモート サイトが論理ユニット番号(LUN)用の物理ストレージを必要とすることなく、LUN を表示できます。VPLEX Metro 構成を使用すると、ユーザに意識させないで、ワークロードの移動や共有、ポッドの統合、ポッド間のリソース使用率の最適化を行えます。
プライベート クラウドのデータにアクセスするための VPLEX 仮想ストレージ システム テクノロジーは、ポッドと関連付けられており、ポッドでサポートされています。Cisco UCS Director は、VPLEX Element Manager API を通じてデータを収集し、HTTPS を使用して VPLEX サーバに接続します。VPLEX アカウントを確立して、VPLEX クラスタ(物理キャビネット内の 1、2、または 4 個のエンジンで構成される)とポッドを関連付けると、Cisco UCS Director で次の VPLEX 機能を設定、管理、および監視できます。
単一の耐障害性クラスタを形成し、1 ~ 4 個のエンジンとして展開される 2 つ以上の VPLEX ディレクタに関する ESX ホストのクラスタ インベントリおよびレポート。
2 つのディレクタ、管理モジュール、および冗長電源を含むエンジンに関する VPLEX エンジン インベントリとレポート。
VPLEX コア ソフトウェアである GeoSynchrony を実行する CPU モジュールに関するディレクタ インベントリとレポート。各エンジンには 2 台のダイレクタがあり、それぞれに、独立して機能できる専用リソースがあります。
ファスト イーサネット ポートおよびイニシエータ ポートに関するポート インベントリとレポート。
最近書き込まれたデータおよび最近アクセスされたデータの一時保存用 VPLEX (Local、Metro、Global)データ キャッシュのレポート。
アレイからエクスポートされた論理ユニット番号(LUN)に関するストレージ ボリューム インベントリとレポート。
ストレージ ボリュームのスライス(ブロックの範囲)に関するエクステント管理(作成、削除、レポート)。
ミラーが地理的に別の場所にある RAID 1 デバイスに関するデバイス管理(作成、削除、ミラーの接続および解除、レポート)。
ESX ホストに提供される 2 つ以上のストレージ ボリュームに分散可能な仮想ボリュームの管理(作成、変更、削除、レポート)。
ストレージへのホスト アクセスの制御に使用される登録済みイニシエータ(ホスト)、フロントエンド ポート、および仮想ボリュームの組み合わせに関するストレージ ビューの管理(作成、変更、削除、レポート)。
特定の障害イベントの前に失われる可能性があるデータ量を決定するリカバリ ポイント。
VPLEX の使用例に関する詳細情報は、『Data Center Interconnect Design Guide for Virtualized Workload Mobility with Cisco, EMC, and VMware』の「Cisco Virtualized Workload Mobility Design Considerations」の章の「EMC VPLEX Metro Functional Overview」のセクションを参照してください。
Cisco UCS Director は、エンドツーエンドの管理やオーケストレーション、自動化に関する、安全性の高い包括的なソリューションです。Cisco や他社の広範なデータ インフラストラクチャ コンポーネントおよび Cisco UCS と Cisco Nexus プラットフォームに基づく、業界をリードするコンバージド インフラストラクチャ ソリューションに対応します。サポート対象のインフラストラクチャ コンポーネントとソリューションの完全なリストについては、『Cisco UCS Director Compatibility Matrix [英語]』を参照してください。
Cisco UCS Director は、次の標準テンプレートを使用する 64 ビットのアプライアンスです。
Cisco UCS Director は、Cisco UCS を通じてコンピューティング層およびネットワーク層の統合を拡張し、データセンター インフラストラクチャ コンポーネントの包括的な可視性と管理性を提供します。Cisco UCS Director を使用して、シスコやシスコ以外が提供するサポート対象のコンポーネントを設定、管理、およびモニタできます。実行できるタスクには次のものがあります。
すべての Cisco UCS サーバおよびコンピューティング アプリケーションを対象にした、サービス プロファイルとテンプレートの作成、複製、および導入。
コンバージド インフラストラクチャにおける組織の使用状況、トレンドおよび容量の継続的なモニタリング。たとえば、すべてのデータセンター間の仮想マシン(VM)の使用率を示すヒート マップを表示できます。
一貫したリピート可能な方法によるコンバージド インフラストラクチャへの容量の導入や追加
Cisco UCS ドメインや Cisco Nexus ネットワーク デバイスなどのデータセンター コンポーネントの管理、監視、報告。
物理インフラストラクチャへのサービスを追加するための仮想サービス カタログの拡張。
非仮想化ワークロードで動作する仮想化ワークロードに対応するための安全なマルチテナント環境の管理。
Cisco UCS Director では、自動化サービスを提供するワークフローを構築し、ワークフローを公開して、そのサービスをオン デマンド方式でユーザに提供できます。社内の他のエキスパートと連携して、ポリシーを迅速かつ簡単に作成できます。単純か複雑かを問わずプロビジョニングおよび設定プロセスを自動化するための Cisco UCS Director ワークフローを構築できます。
一度構築および検証された後は、これらのワークフローは誰が実行しても常に同じように実行できます。経験豊富なデータセンター管理者がそれらを実行したり、または、ロールベース アクセス コントロールを実行してユーザや顧客が必要に応じてセルフサービス ベースでワークフローを実行できるようにすることができます。
Cisco UCS Director を使用することで、シスコやシスコ以外が提供するサポート対象の各種ハードウェアやソフトウェアのデータセンター コンポーネント間で、多岐にわたるタスクおよびユースケースを自動化できます。自動化できる使用例には以下のものがありますが、これらに限定されません。