PTP の設定

このドキュメントでは、Precision Time Protocol(PTP)と、その Cisco Industrial Ethernet 4000 シリーズ スイッチ(IE 4000)、Cisco Industrial Ethernet 4010 シリーズ スイッチ(IE 4010)、および Cisco Industrial Ethernet 5000 シリーズ スイッチ(IE 5000)での設定方法について説明します。このドキュメントでは、「スイッチ」という用語は、これらのプラットフォームを指します

このドキュメントでは、Network Time Protocol(NTP)から PTP への変換機能と、その IE 4000、IE 4010、および IE 5000 での設定方法についても説明します。

Precision Time Protocol について

Precision Time Protocol(PTP)は、IEEE 1588 で、ネットワーク化された測定および制御システムの高精度クロック同期として定義されており、さまざまな精度と安定性の分散デバイス クロックを含むパケットベース ネットワークでクロックを同期させるために開発されました。PTP は、産業用のネットワーク化された測定および制御システム向けに特別に設計されており、最小限の帯域幅とわずかな処理オーバーヘッドしか必要としないため、分散システムでの使用に最適です。


(注)  

この製品のマニュアルセットは、偏向のない言語を使用するように配慮されています。このドキュメントセットでの偏向のない言語とは、年齢、障害、性別、人種的アイデンティティ、民族的アイデンティティ、性的指向、社会経済的地位、およびインターセクショナリティに基づく差別を意味しない言語として定義されています。製品ソフトウェアのユーザインターフェイスにハードコードされている言語、RFP のドキュメントに基づいて使用されている言語、または参照されているサードパーティ製品で使用されている言語によりドキュメントに例外が存在する場合があります。

このドキュメントでは、従来のマスター/スレーブという名称の代わりに、グランドマスタークロック(GMC)または時刻送信側と時刻受信側という用語を使用しています。


PTP を使用する理由

ピーク時課金、仮想発電機、停電の監視/管理などのスマート グリッド電力自動化アプリケーションは、非常に正確な時刻精度と安定性を必要とします。タイミングの精度は、ネットワーク監視の精度とトラブルシューティング能力を向上させます。

時刻精度および同期の提供に加えて、PTP メッセージベース プロトコルは、イーサネット ネットワークなどのパケットベース ネットワークに実装することもできます。イーサネット ネットワークで PTP を使用する利点は次のとおりです。

  • 既存のイーサネット ネットワークでコストを削減でき、セットアップも容易

  • PTP データパケットは限られた帯域幅しか必要としない

イーサネット スイッチと遅延

イーサネット ネットワークでは、スイッチは、ネットワーク デバイス間の全二重通信パスを提供します。スイッチは、パケットに含まれるアドレス情報を使用して、データ パケットをパケット宛先に送信します。スイッチは、複数のパケットを同時に送信しようとする場合、送信前に失われないようにパケットの一部をバッファします。バッファがいっぱいになると、スイッチはパケットの送信を遅延させます。この遅延により、ネットワーク上のデバイス クロックが相互に同期しなくなる可能性があります。

スイッチが MAC アドレス テーブルを検索してパケット CRC フィールドを確認している間に、スイッチに入るパケットがローカル メモリに保存されると、追加の遅延が発生する可能性があります。このプロセスによりパケット転送時間のレイテンシが変動し、これらの変動によってパケット遅延時間が非対称になる場合があります。

PTP をネットワークに追加することで、デバイス クロックを正しく調整し、相互の同期を維持することにより、これらのレイテンシおよび遅延の問題を補うことができます。PTP により、ネットワーク スイッチは、境界クロック(BC)やトランスペアレント クロック(TC)などの PTP デバイスとして機能することが可能になります。


(注)  

PTP クロック デバイスと PTP ネットワークにおけるそれらの役割の詳細については、PTP クロックを参照してください。

メッセージベースの同期

クロックの同期を確保するために、PTP では、時刻送信側(グランドマスタークロック)と時刻受信側の間の通信パス遅延を正確に測定する必要があります。PTP は、遅延測定を決定するために、時刻源と時刻受信者の間でメッセージを送信します。次に、PTP は正確なメッセージ送受信時間を測定し、これらの時間を使用して通信パス遅延を計算します。その後、PTP は、計算された遅延に対してネットワーク データに含まれる現在の時刻情報を調整し、より正確な時刻情報を生成します。

この遅延測定原理によってネットワーク上のデバイス間のパス遅延が決定され、時刻源と時刻受信者の間で送信される一連のメッセージを使用して、この遅延に関してローカルクロックが調整されます。一方向の遅延時間は、送信メッセージと受信メッセージのパス遅延を平均化することによって計算されます。この計算は対称的な通信パスを前提としていますが、スイッチド ネットワークは、バッファリング プロセスのために必ずしも対称的な通信パスを持つとはかぎりません。

PTP は、トランスペアレントクロックを使用し、スイッチをネットワーク上の時刻源と時刻受信者ノードに対して一時的に透過的にして、ネットワーク タイミング パケットの時間間隔フィールドの遅延を測定し、割り出す方法を提供します。エンドツーエンド トランスペアレント クロックは、スイッチと同じ方法で、ネットワーク上のすべてのメッセージを転送します。


(注)  

Cisco PTP は、マルチキャスト PTP メッセージのみをサポートしています。


同期メッセージの詳細については、PTP イベント メッセージ シーケンスを参照してください。トランスペアレント クロックがネットワーク遅延を計算する方法の詳細については、トランスペアレント クロックを参照してください。

次の図に、グランドマスター クロック、境界クロック モードのスイッチ、およびデジタル リレーや保護デバイスなどのインテリジェント電子装置(IED)を含む標準的な 1588 PTP ネットワークを示します。この図では、Time Source 1 がグランドマスタークロックです。Time Source 1 が使用できなくなった場合、時刻受信者の境界クロックは同期のために Time Source 2 に切り替わります。

図 1. PTP ネットワーク

PTP イベント メッセージ シーケンス

ここでは、同期中に発生する PTP イベント メッセージ シーケンスについて説明します。

境界クロックとの同期

遅延要求/応答メカニズム用に設定されたオーディナリ クロックと境界クロックは、次のイベント メッセージを使用してタイミング情報を生成し、伝えます。

  • Sync

  • Delay_Req

  • Follow_Up

  • Delay_Resp

これらのメッセージは、次のシーケンスで送信されます。

  1. 時刻送信側が時刻受信側に Sync メッセージを送信し、それを送信した時刻 t1 を記録します。

  2. 時刻受信側が Sync メッセージを受信し、受信した時刻 t2 を記録します。

  3. 時刻源が、Follow_Up メッセージにタイムスタンプ t1 を組み込むことによって、タイムスタンプ t1 を時刻受信者に伝えます。

  4. 時刻受信側が時刻送信側に Delay_Req メッセージを送信し、それを送信した時刻 t3 を記録します。

  5. 時刻送信側が Delay_Req メッセージを受信し、それを受信した時刻 t4 を記録します。

  6. 時刻源は、タイムスタンプ t4 を Delay_Resp メッセージに埋め込むことにより、タイムスタンプ t4 を時刻受信者に伝達します。

このシーケンスの後、時刻受信者は 4 つのタイムスタンプをすべて保有します。これらのタイムスタンプを使用して、時刻源に対する時刻受信者クロックのオフセットと、2 つのクロック間のメッセージの平均伝達時間を計算できます。

オフセット計算は、メッセージが時刻源から時刻受信者に伝達される時間が時刻受信者から時刻源に伝達されるために必要な時間と同じであるという前提に基づいています。この前提は、非対称的なパケット遅延時間のためにイーサネット ネットワーク上では必ずしも妥当ではありません。

図 2. 詳細な手順:境界クロック同期

ピアツーピア トランスペアレント クロックとの同期

ネットワークの階層内に複数のレベルの境界クロックが含まれており、それらの間に非 PTP 対応デバイスがある場合は、同期の精度が低下します。

ラウンドトリップ時間は mean_path_delay/2 と等しいことが前提となっていますが、この前提はイーサネット ネットワークでは必ずしも妥当ではありません。精度を向上させるために、各中間クロックの常駐時間がエンドツーエンド トランスペアレント クロックのオフセットに追加されます。ただし、常駐時間にはピア間のリンク遅延が考慮されていません。ピア間のリンク遅延はピアツーピア トランスペアレント クロックによって処理されます。

ピアツーピア トランスペアレント クロックは、ピア遅延メカニズムを実装する 2 つのクロック ポート間のリンク遅延を測定します。リンク遅延は、Sync メッセージと Follow_Up メッセージのタイミング情報を修正するために使用されます。

ピアツーピア トランスペアレント クロックは、次のイベント メッセージを使用します。

  • Pdelay_Req

  • Pdelay_Resp

  • Pdelay_Resp_Follow_Up

これらのメッセージは、次のシーケンスで送信されます。

  1. ポート 1 が、Pdelay_Req メッセージのタイムスタンプ t1 を生成します。

  2. ポート 2 が、このメッセージを受信してタイムスタンプ t2 を生成します。

  3. ポート 2 が、Pdelay_Resp メッセージを返してタイムスタンプ t3 を生成します。

    2 つのポート間の周波数オフセットによるエラーを最小限に抑えるために、ポート 2 は、Pdelay_Req メッセージを受信した後に、できるかぎり迅速に Pdelay_Resp メッセージを返します。

  4. ポート 2 が、Pdelay_Resp メッセージと Pdelay_Resp_Follow_Up メッセージでそれぞれタイムスタンプ t2 とタイムスタンプ t3 を返します。

  5. ポート 1 が、Pdelay_Resp メッセージを受信した後に、タイムスタンプ t4 を生成します。その後、ポート 1 が、4 つのタイムスタンプ(t1、t2、t3、t4)を使用して平均リンク遅延を計算します。

図 3. 詳細な手順:ピアツーピア トランスペアレント クロック同期

ローカル クロックの同期

理想的な PTP ネットワークでは、時刻源クロックと時刻受信者クロックは同じ周波数で動作します。ただし、このネットワークでは「ばらつき」が発生する可能性がありますドリフトは、時刻源クロックと時刻受信者クロックの周波数差です。デバイスハードウェアのタイムスタンプ情報とフォローアップメッセージ(スイッチで代行受信)を使用してローカルクロックの周波数を調整し、時刻源クロックの周波数と一致させることによって、ばらつきを補うことができます。

ベスト マスター クロック アルゴリズム

ベスト マスター クロック アルゴリズム(BMCA)は PTP 機能の基盤です。BMCA は、ネットワーク上の各クロックが、そのサブドメイン内で認識できるすべてのクロック(そのクロック自体を含む)のうちで最適な時刻送信側クロックを決定する方法を指定します。BMCA はネットワーク上で継続的に動作し、ネットワーク構成における変更に対して迅速に調整します。

BMCA は、次の基準を使用して、サブドメイン内の最適な時刻送信側クロックを決定します。

  • クロック品質(たとえば、GPS は最高品質とみなされます)

  • クロックの時刻基準のクロック精度

  • 局部発振器の安定性

  • グランドマスターに最も近いクロック

BMCA は最適な時刻送信側クロックを特定するのみでなく、次のことを保証して、PTP ネットワーク上でのクロック競合の発生を確実に防止します。

  • クロックが相互にネゴシエートする必要がない。

  • 時刻送信側クロックの識別プロセスの結果として、時刻送信側クロックが 2 つある、または時刻送信側クロックがないなどの誤設定をしない。

PTP クロック

PTP ネットワークは、PTP 対応デバイスと PTP を使用していないデバイスで構成されます。PTP 対応デバイスは、通常、次のクロック タイプで構成されます。

グランドマスター クロック

PTP ドメイン内では、グランドマスター クロックが、PTP によるクロック同期の主時刻源です。グランドマスター クロックは、通常、GPS や原子時計などの非常に正確な時刻源を持っています。ネットワークが外部時刻リファレンスを必要とせず、内部でのみ同期する必要がある場合、グランドマスター クロックはフリー ランできます。

スイッチは、NTP を時刻源として使用し、ハイブリッド グランドマスター境界クロックとして機能することができます。詳細については、NTP から PTP への時間変換を参照してください。

オーディナリ クロック

オーディナリ クロックは、1 つの PTP ポートを持つ PTP クロックです。PTP ネットワークのノードとして機能します。オーディナリ クロックは、同期が必要なデバイスに接続されているネットワーク上のエンド ノードとして使用されるため、PTP ネットワーク上で最も一般的なクロック タイプです。オーディナリ クロックには、外部デバイスに対するさまざまなインタフェースがあります。

境界クロック

PTP ネットワークの境界クロックは、標準ネットワーク スイッチまたはルータの代わりに動作します。境界クロックには複数の PTP ポートがあり、各ポートは個別の PTP 通信パスへのアクセスを提供します。境界クロックは、PTP ドメイン間のインターフェイスを提供します。このクロックは、すべての PTP メッセージを代行受信して処理し、他のすべてのネットワーク トラフィックを渡します。また、境界クロックは、BMCA を使用して、どのポートからも認識されるベスト クロックを選択します。選択したポートは非マスターモードに設定されます。マスターポートはダウンストリームに接続されたクロックを同期させ、非マスターポートはアップストリーム マスター クロックと同期します。

トランスペアレント クロック

PTP ネットワークのトランスペアレント クロックの役割は、PTP イベント メッセージの一部である時間間隔フィールドを更新することです。この更新により、スイッチの遅延が補われ、1 ピコ秒未満の精度が実現されます。

次の 2 種類のトランスペアレント クロックがあります。

End-to-end (E2E) transparent clocks は、SYNC メッセージと DELAY_REQUEST メッセージに関して PTP イベントメッセージ中継時間(「常駐時間」とも呼ばれる)を測定します。この測定された中継時間は、対応するメッセージのデータフィールド(修正フィールド)に追加されます。

  • SYNC メッセージの測定された中継時間は、対応する SYNC メッセージまたは FOLLOW_UP メッセージの修正フィールドに追加されます。

  • DELAY_REQUEST メッセージの測定された中継時間は、対応する DELAY_RESPONSE メッセージの修正フィールドに追加されます。

時刻受信側は、時刻受信側の時刻と時刻送信側の時刻間のオフセットを決定するときにこの情報を使用します。E2E トランスペアレント クロックは、リンク自体の伝播遅延は修正しません。

Peer-to-peer (P2P) transparent clocks は、前述のように、E2E トランスペアレントクロックと同じ方法で PTP イベントメッセージ中継時間を測定します。さらに、P2P トランスペアレント クロックはアップストリーム リンク遅延を測定します。アップストリーム リンク遅延は、アップストリーム ネイバー P2P トランスペアレント クロックと考慮対象の P2P トランスペアレント クロックの間の推定パケット伝搬遅延です。

これらの 2 つの時間(メッセージ中継時間とアップストリームリンク遅延時間)は両方とも PTP イベントメッセージの修正フィールドに追加され、時刻受信者によって受信されるメッセージの修正フィールドにはすべてのリンク遅延の合計が含まれます。理論的には、これは、SYNC パケットのエンドツーエンドの遅延の合計(時刻源から時刻受信者まで)です。

次の図に、PTP ネットワーク内の時刻源/時刻受信者階層に含まれる PTP クロックを示します。

図 4. PTP クロック階層

PTP プロファイル

PTP プロファイルの IEEE 1588 定義は、「デバイスに適用可能な、許容される一連の PTP 機能」です。PTP プロファイルは、通常、特定のタイプのアプリケーションまたは環境に固有のものであり、次の値を定義します。

  • ベスト マスター クロック アルゴリズム オプション

  • 設定管理オプション

  • パス遅延メカニズム(ピア遅延または遅延要求/応答)

  • すべての PTP 設定可能属性およびデータ セット メンバーの範囲とデフォルト値

  • 必要な、許可される、または禁止されるトランスポート メカニズム

  • 必要な、許可される、または禁止されるノード タイプ

  • 必要な、許可される、または禁止されるオプション

スイッチでは次の PTP プロファイルを使用できます。

  • デフォルト プロファイル

  • 電力プロファイル(C37.238-2011/IEC 61850-9-3 サポート)

  • 802.1AS プロファイル(IE 4000 のみ)

  • 拡張電力プロファイル(IEEE C37.238-2017 のサポート:透過クロックモードのみ)

デフォルト プロファイル モード

スイッチのデフォルトの PTP プロファイル モードは、デフォルト プロファイル モードです。このモードでは、次のようになります。

  • トランスポートの PTP モードはレイヤ 3 です。

  • サポートされるトランスペアレント クロック モードはエンドツーエンド(E2E)です。

表 1 に、デフォルト プロファイル モードのスイッチの設定値を示します。

電力プロファイル モード

電力プロファイルは C37.238-2011:電力システムアプリケーションでの IEEE 1588 Precision Time Protocol の使用に関する IEEE ドラフト標準規格プロファイルで定義されています。このスイッチ ドキュメンテーションでは、この IEEE 1588 プロファイルおよび関連設定値を参照する際に、電力プロファイル モードとデフォルト プロファイル モードという用語を使用します。

IEEE 電力プロファイルは、変電所で使用される PTP ネットワークの特定の値または許容値を定義します。定義される値には、最適な物理層、PTP メッセージ用のより高位のプロトコル、および優先されるベスト マスター クロック アルゴリズムが含まれます。電力プロファイルの値は、変電所内、変電所間、および広い地理的領域にわたる一貫した信頼性のあるネットワーク時刻配信を保証します。

スイッチは、次の方法で PTP 用に最適化されます。

  • ハードウェア:スイッチは PTP 機能のために FPGA と PHY を使用します。PHY は、ファスト イーサネット ポートとギガビット イーサネット ポートにタイムスタンプを付与します。

  • ソフトウェア:電力プロファイル モードでは、スイッチは、IEEE 1588 電力プロファイル標準で定義されている設定値を使用します。

次の表に、IEEE 1588 電力プロファイルで定義されている設定値と、スイッチが各 PTP プロファイル モードで使用する値を示します。

表 1. IEEE PTP 電力プロファイルとスイッチ モードの設定値

PTP フィールド

電力プロファイル値

スイッチの設定値

電力プロファイル モード

デフォルト プロファイル モード

メッセージ伝送

Ethertype 0X88F7 のイーサネット 802.3。PTP メッセージは、デフォルトの VLAN 0 とデフォルトの優先順位 4 で 802.1Q タグ付きイーサネット フレームとして送信されます。

Access Ports :タグなしレイヤ 2 パケット。Trunk Ports :ポート上のネイティブ VLAN とデフォルトの優先順位値 4 による 802.1Q タグ付きレイヤ 2 パケット。

レイヤ 3 パケット。デフォルトでは、802.1q タギングは無効になっています。

MAC address– 非ピア遅延メッセージ

01-1B-19-00-00-00。

01-1B-19-00-00-00。

01-1B-19-00-00-00。

MAC address– ピア遅延メッセージ

01-80-C2-00-00-0E。

01-80-C2-00-00-0E。

このモードには適用されません。

ドメイン番号

0。

0。

0。

パス遅延計算

ピアツーピア トランスペアレント クロック。

peer_delay メカニズムを使用するピアツーピア トランスペアレント クロック。

delay_request メカニズムを使用するエンドツーエンド トランスペアレント クロック。

BMCA

有効。

有効。

有効。

クロック タイプ

2 ステップ クロックがサポートされます。

2 ステップ。

2 ステップ。

時刻スケール

エポック。1

エポック。

エポック。

グランドマスター ID とローカル時刻の決定

グランドマスター ID を示す PTP 固有の TLV(タイプ、長さ、値)。

グランドマスター ID を示す PTP 固有の TLV。

グランドマスター ID を示す PTP 固有のタイプ、長さ、値。

ネットワーク ホップを超えた時刻精度

16 のホップを超えて、スレーブ デバイス同期精度は 1 usec(1 マイクロ秒)未満です。

16 のホップを超えて、スレーブ デバイス同期精度は 1 usec(1 マイクロ秒)未満です。

このモードでは適用されません。

1 エポック = エポック開始からの経過時間。

拡張電力プロファイル

拡張電力プロファイルは、透過クロックモードで C37.238-2017 をサポートしています。

拡張電力プロファイルには、電力プロファイル(C37.238-2011)と比較して次の特徴があります。

  • このプロファイルは、デフォルトでドメイン番号 254 を使用します。

  • 透過クロックモード動作では、「TotalTimeInAccuracy」が各ノードで約 50ns ずつ増加します。

802.1AS プロファイル(IE 4000 のみ)


(注)  

802.1AS プロファイルは IE 4000 でのみサポートされています。


IEEE 802.1AS 標準規格『Timing and Synchronization for Time-Sensitive Applications in Bridged Local Area Networks』では、ブリッジ型および仮想ブリッジ型のローカルエリアネットワーク全体に時間的制約のあるアプリケーションの同期要件を確実に満たすために使用するプロトコルとプロシージャが規定されています。

802.1AS では、IEEE Std 802.1D -2004 と IEEE Std 802.1Q -2005.1 に照らして適用可能な場合に IEEE 1588(PTP)仕様を使用することが規定されています。802.1AS 標準規格は、3 つの 802.1 AVB ドラフト標準規格の 1 つです。イーサネットでの 802.1AS(802.3)は、IEEE 1588-2008 のプロファイルとして認定されています。これは、IEEE 1588 を簡素化し、さまざまなタイプのメディアでの同期を定義するものです。

802.1AS の主要な特徴は次のとおりです。

  • イーサネット全二重リンクでは、ピア遅延メカニズムを使用します。

  • ドメイン内のすべてのスイッチは、802.1AS 対応である必要があります。

  • 802.1AS パケットの転送は VLAN タグが付されていない L2 マルチキャストのみです。

  • これには 2 段階の処理が必要です(Follow_Up メッセージと Pdelay_Resp_Follow_Up メッセージを使用してタイムスタンプを伝えます)。

  • 時間認識型ネットワークにはアクティブなグランドマスターが 1 つのみ存在します。つまり、802.1AS ドメインは 1 つのみです。

  • BMCA(最適なマスター クロック アルゴリズム)は、次の例外を除き、IEEE 1588 で使用されているものと同じです。

    • 受信側の時刻認識型システムが送信したものではないアナウンスメッセージが時刻受信側ポート上で受信されると、そのメッセージはただちに使用されます。つまり、外部時刻送信側の認定はありません。

    • BMCA が時刻送信側ポートであると判断したポートはただちに時刻送信側の状態になります。つまり、時刻送信側より前の状態はありません。

    • キャリブレーションされていない状態は必要ないため、使用されません。

    • すべての時刻認識型システムは、(システムがグランドマスターに対応していない場合でも)適切なマスターの選択に加える必要があります。

IE 4000 での 802.1AS

IE 4000 では、Time Sensitive Network(TSN)機能で 802.1AS が使用されます。ただし、正確なタイミング配分メカニズムとして、802.1AS は TSN の設定や入力なしで単独で動作します。802.1AS 機能ソフトウェアの実装は、FPGA の既存のタイムスタンプ機能に基づいており、ハードウェアに対する他の PTP プロファイルにはない新しい要件はありません。

IE 4000 での 802.1AS のエンドツーエンドの時刻同期パフォーマンスは次のとおりです。

  • 6 つ以下の時刻認識型システム(つまり、7 ホップ以下)で分離された 2 つの時刻認識型システムは、定常状態で動作中に相互の 1 μs のピークツーピーク以内で同期されます。

  • 7 ホップを超えるパフォーマンスは定義されていません。

PTP プロファイルの比較
表 2. IE スイッチの PTP プロファイルの比較

Profile

デフォルト(*)

電力

802.1AS

標準(Standard)

IEEE1588 v2(J.3)

IEEE C37.238-2011

IEEE802.1AS

モード

境界

エンドツーエンド透過性

境界

ピアツーピア透過性

**

パス遅延

遅延要求/応答

遅延要求/応答

ピア遅延要求/応答

ピア遅延要求/応答

ピア遅延要求/応答

PTP ドメイン内での PTP 以外のデバイスの許容

対応

対応

非対応

非対応

非対応

トランスポート(Transport)

UDP over IP(マルチキャストとユニキャスト)

L2 マルチキャスト

L2 マルチキャスト

* 遅延要求/応答 のデフォルト PTP プロファイル(IEEE1588 J.3 で定義)。

** 802.1AS のモード設定はありません。数学的に、これは P2P 透過性と同等ですが、透過クロックとは動作が異なります。

PTP パケットのタグ付け動作

次の表に、電力プロファイル モードとデフォルト プロファイル モードでのスイッチタグ付け動作を示します。

表 3. PTP パケットのタグ付け動作

スイッチ ポート モード

設定

電力プロファイル モード

デフォルト プロファイル モード

動作

優先順位

動作

優先順位

トランク ポート

vlan dot1q tag native enabled

スイッチがパケットをタグ付け

7

スイッチがパケットをタグ付け

7

トランク ポート

vlan dot1q tag native 無効

PTP ソフトウェアがパケットをタグ付け

4

タグなし

なし

アクセス ポート

該当なし

タグなし

なし

タグなし

なし

スイッチでサポートされる PTP クロック モード

PTP 同期動作は、スイッチで設定する PTP クロック モードによって異なります。スイッチは、次のいずれかのグローバル モードに設定できます。

各クロックモードの設定のガイドラインについては、注意事項と制約事項を参照してください。

グランドマスター 境界クロック モード

スイッチは、NTP を時刻源として使用し、ハイブリッド グランドマスター境界クロックとして機能することができます。詳細については、NTP から PTP への時間変換を参照してください。

境界クロック モード

境界クロックモードに設定されたスイッチは、サブドメインの最善の時刻源クロックの選択に参加し、認識できるすべてのクロック(そのスイッチ自体を含む)から最善の時刻源クロックを選択します。スイッチがそれ自体よりも正確なクロックを検出しなかった場合は、そのスイッチが時刻源クロックになります。より正確なクロックが検出された場合、スイッチはそのクロックに同期し、時刻受信者クロックになります。

最初の同期のあと、スイッチと接続済み装置は、PTP タイミング メッセージを交換して、クロックのオフセットとネットワークの遅延による時間の変更を修正します。

転送モード

転送モードに設定されたスイッチは、受信 PTP パケットを通常のマルチキャスト トラフィックとして渡します。

E2E および P2P の透過クロックモード

透過クロックは、同期メッセージをスヌーピングすることによって、ローカルクロックを GMC に同期します。これらは最適なマスター クロック アルゴリズムに参加しません。透過クロックは、すべてのポートでデフォルトの PTP クロックモードを使用します。

設定可能な境界クロック同期アルゴリズム

入力時刻エラーのフィルタリングと迅速な収束のどちらを優先させる必要があるかに応じて、さまざまな PTP 使用例に対応するように BC 同期アルゴリズムを設定できます。パケット遅延変動(PDV)をフィルタリングする PTP アルゴリズムは、フィルタリングしない PTP アルゴリズムより収束に時間がかかります。

デフォルトでは、BC は線形フィードバック コントローラ(つまりサーボ)を使用して BC の時刻出力を次のクロックに設定します。線形サーボは、少量の PDV フィルタリングを提供し、平均時間内に収束します。BC は、収束時間を改善するために、TC フィードフォワード アルゴリズムを使用して、ネットワーク要素フォワーディング プレーン(外乱)によって加えられた遅延を測定し、その測定された遅延を使用して時刻出力を制御することができます。

フィードフォワード BC により境界クロックが劇的に迅速化されますが、フィードフォワード BC は PDV をフィルタリングしません。適応型 PDV フィルタは、PTP をサポートせず、PDV を大幅に増加させるワイヤレス アクセス ポイント(AP)およびエンタープライズ スイッチ間で、PDV が存在する場合の高品質の時刻同期を実現します。

BC 同期には次の 3 つのオプション(すべて IEEE 1588-2008 に準拠)があります。

  • フィードフォワード:非常に迅速かつ正確な収束を実現します。PDV フィルタリングはありません。

  • 適応型:PDV 特性、ハードウェア構成、および環境条件に関する一連の仮定を考慮し、可能なかぎり多くの PDV をフィルタリングします。


    (注)  

    適応型フィルタを使用する場合、スイッチは、ITU-T G.8261 で規定されている時間パフォーマンス要件を満たしません。
  • 線形:単純な線形フィルタリングを提供します(デフォルト)。

適応型モード(ptp transfer filter adaptive )は、電力プロファイルモードでは使用できません。

設定情報については、スイッチの PTP の設定を参照してください。

NTP から PTP への時間変換

NTP から PTP への時刻変換機能により、Network Time Protocol(NTP)を PTP の時刻源として使用できます。サイト内で非常に正確な同期を実現するために PTP を使用するお客様は、正確な同期を必要としないサイト間で NTP を使用できます。

NTP は、パケットベース ネットワーク間でクロックを同期させる従来の方法です。NTP は、時刻源とエンドデバイス間で双方向の時間転送メカニズムを使用します。NTP を使用すると、インターネットを介して数百ミリ秒以内に、緊密に制御された LAN では数ミリ秒以内にデバイスを同期させることができます。PTP の時刻源として NTP を使用できることで、お客様は、PTP ネットワークで生成されるデータと NTP が動作しているエンタープライズ データセンターのデータを関連付けることができます。

次の図に、産業自動化および制御システム リファレンス モデルに基づく産業ネットワークの例を示します。企業ゾーンと緩衝地帯では NTP が動作しており、製造ゾーンとセル/エリア ゾーンでは NTP を時刻源として PTP が動作しています。NTP から PTP への変換機能を持つスイッチは、セル/エリア ゾーン内のレイヤ 2 スイッチまたはディストリビューション スイッチのいずれかになります。

図 5. NTP と PTP を使用した産業ネットワーク

グランドマスター境界クロック ハイブリッド

NTP から PTP への変換機能により Cisco PTP にグランドマスター クロック機能が追加され、スイッチは時刻源になることや時刻を転送することが可能になります。新しい PTP クロック タイプであるグランドマスター境界クロック(GMC-BC)は、PTP の NTP 時刻源を提供します。GMC-BC は、BC 上の仮想ポートに接続されたシングルポート GMC により、マルチポート デバイスである BC のように動作します。GMC-BC は動作を切り替え、GMC-BC がプライマリ GMC の場合は GMC のように動作し、GMC-BC がバックアップの場合は BC のように動作します。これにより、PTP ネットワーク上のすべてのデバイスがフェールオーバー シナリオで同期を確実に維持できます。次の図は、冗長 GMC-BC を使用した PTP ネットワークを示します。GMC-BC 1 はグランドマスター クロックであり、GMC-BC 2 はバックアップ の GMC と BC の両方です。

図 6. 冗長 GMC-BC 構成

2 つの GMC-BC があるネットワークでは、セカンダリ GMC-BC が NTP リファレンスと PTP リファレンスの両方と同時に同期できるため、プライマリ GMC-BC に障害が発生した場合にセカンダリ GMC-BC がすぐに動作を引き継ぐことができます。GMC-BC は、スイッチオーバー時に時刻を即座に更新します。

クロック マネージャ

クロック マネージャは、NTP を PTP に変換するシスコのソフトウェア アーキテクチャに含まれるコンポーネントで、さまざまなタイム サービスを継続的に追跡し、時刻をアクティブに提供するクロックを選択します。クロック マネージャは、状態の変化、うるう秒、サマータイムといった重要な変化をタイム サービスに通知します。

また、クロック マネージャは、最初に NTP または手動設定のクロックを選択し、NTP がアクティブでなければ、その後に PTP およびリアルタイム クロックを選択します。次の表に、クロック選択プロセスの結果を示します。

表 4. タイム サービスの選択

NTP(アクティブ)または手動設定

PTP(アクティブ)

リアルタイム クロック

選択される出力

考慮しない

考慮しない

NTP または手動設定

×

考慮しない

PTP

×

×

リアルタイム クロック

一般に、クロックマネージャは、Cisco IOS コマンドの show ptp clock show clock によって表示される時刻が一致することを保証します。show clock コマンドは常に上記の優先順位に従いますが、show ptp clock の時刻は、次の 2 つの例外的な状況下で異なる可能性があります。

  • スイッチが TC または BC のいずれかであり、ネットワーク上に他のアクティブなリファレンスが存在しない。下位互換性を保持するために、TC と BC はクロック マネージャから時刻を取得せず、ネットワークの PTP GMC からのみ時刻を取得する。アクティブな PTP GMC が存在しない場合、show clock および show ptp clock コマンドの出力で表示される時刻が異なる可能性があります。

  • スイッチが、同調元の TC、スレーブ ポートを持つ BC、またはスレーブ ポートを持つ GMC-BC であり、PTP GMC によって提供される時刻が、NTP またはユーザ(つまり手動設定)によって提供される時刻と一致しない。この場合、PTP クロックは PTP GMC からの時刻を転送する必要がある。PTP クロックが PTP GMC に従わない場合、PTP ネットワークには 2 つの異なる時刻基準が存在することになり、PTP を使用するイベント アプリケーションの制御ループまたはシーケンスが破綻する。

次の表に、Cisco IOS および PTP クロックがさまざまな設定でどのように動作するかを示します。ほとんどの場合、2 つのクロックは一致します。ただし、場合によっては 2 つのクロックが異なります。それらの設定は、表で強調表示されています。

表 5. 予期される時刻フロー

IOS クロックの設定

PTP クロックの設定

IOS クロックのソース

PTP クロックのソース

カレンダー

BC モードの PTP BC、E2E TC、または GMC-BC

PTP

PTP

Manual

PTP BC, E2E TC, or GMC-BC in BC Mode

Manual

PTP

NTP

PTP BC, E2E TC, or GMC-BC in BC Mode

NTP

PTP

カレンダー

GM モードの GMC-BC

カレンダー

カレンダー

手動

GM モードの GMC-BC

手動

手動

NTP

GM モードの GMC-BC

NTP

NTP

GMC ブロック

GMC ブロックは、ネットワーク内のデバイスと同期しようとする不正な GMC から既存のネットワークを保護します。この機能は、転送モードを除くすべての PTP クロックモードでサポートされます。インターフェイスでこの機能を有効にすると、出力アナウンス、同期、およびフォローアップの PTP パケットのみが許可され、すべての入力アナウンス、同期、およびフォローアップのパケットがこのインターフェイスでドロップされます。これにより、時刻受信側へのポート状態の遷移が防止されます。

不正な GMC に関する情報は、パケットをドロップする前にパケットから取得します。ただし、このインターフェイスからの出力 PTP パケットは引き続き許可されるため、GMC として機能できます。不正デバイスを特定するために、IP アドレスやクロック ID などの詳細がインターフェイス用に保存され、表示されます。また、2 つの Syslog メッセージが生成され、不正デバイスの存在とクリアを通知します。

複数の外部ネットワークが既存のシステムに接続されている疑いがある場合は、複数のポートで PTP gmc-block を設定できます。ポート単位の Syslog メッセージは、不正パケットを受信してから 30 秒後と、パケットの受信が停止してから 180 ~ 240 秒後に表示されます。リレーマイナーアラームと SNMP トラップも生成され、外部の不正デバイスの存在を通知します。

パケット フロー

次の図に、インターフェイスに GMC ブロック機能が設定された PTP ネットワークトポロジの例を示します。

PTP パケットは、既存のネットワークと同期しようとする外部ネットワークの GMC から発信されます。GMC ブロックが設定されたポートに PTP パケットが到達すると、システムがパケットから必要な情報を取得した後にそれらのパケットはドロップされます。

外部ネットワークからのパケットは制限されているため、システムは既存のシステム内に存在するローカル GMC と同期します。GMC ブロックが設定されているポートから発信される PTP パケットは、このインターフェイスからの出力が引き続き許可されます。そのため、既存のネットワーク内のデバイスを GMC にすることができます。

ポートチャネルでの PTP

透過クロック(TC)モードと境界クロック(BC)モードの PTP は、追加設定なしでポート チャネル インターフェイス上でシームレスに動作します。

集約リンクの場合、PTP プロファイルの標準規格では、同じメンバーリンクがすべての PTP パケットに使用されるように、リンク集約アルゴリズムをバイパスした物理リンクの直接アクセスを推奨しています。集約ポートのパラレル冗長メンバーリンクでの PTP 転送の目的は、PTP とリンク集約の標準規格を維持しながら、PTP パケットの冗長性を回避し、集約ポートの冗長性を提供することです。ポート チャネル インターフェイスをスイッチ上の他の通常の物理インターフェイスと見なされるようにするため、ポートチャネルでの PTP 機能では、境界クロック(BC)モードの実装と同様に、BMCA によって取得された PTP 状態を使用します。BC モードでは、ポートチャネルの時刻受信側の末端のすべてのパラレル冗長ポートがパッシブ状態に移行するため、PTP メッセージを処理または送信しません。

次の図に、すべてのノードが TC ノードである PTP ネットワークの完全なトポロジの一部を示します。PTP メッセージは GMC によって開始されます(図には示されていません)。これは、TC 時刻送信側スイッチに直接接続されている場合とされていない場合があり、ポートチャネルを介して通常のクロック(OC、またはエンド PTP コンシューマノード)に流れます。返信メッセージは逆方向に流れます。可能なトポロジは次のとおりです。

GMC ---------- TC(時刻送信側)-------- TC(時刻受信側)----------- OC

または

GMC ---------- BC ----------- TC(時刻送信側)-------- TC(時刻受信側)----------- OC

メンバーリンクの選択に PTP 状態を使用するため、BMCA は透過モードと境界クロックモードで実行します。PTP 状態は内部的に維持され、パッシブ状態のメンバーリンクに到着したパケットを廃棄します。GMC へのスイッチはメンバーリンクの選択を認識しないため、すべてのメンバーリンクで PTP メッセージを送信し続けます。

ポート チャネル インターフェイスの時刻送信側から送信される PTP メッセージの重複を減らすために、一部のポート チャネル メンバー リンクで PTP を無効にできます。これは、PTP 転送にユーザー設定のメンバーリンクのみを使用する他のベンダースイッチとの相互運用にも役立ちます。次に例を示します。

Switch#configure terminal
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Switch(config)#interface GigabitInterface1/3
Switch(config-if)#channel-group 5 mode on
Switch(config-if)#no ptp enable
Switch(config-if)#exit
Switch(config)#interface GigabitInterface1/4
Switch(config-if)#channel-group 5 mode on
Switch(config-if)#no ptp enable
Switch(config-if)#end
Switch#

透過モードのスイッチは、クロックを GMC に同期させます。次に例を示します。

Switch#show ptp time-property 
 PTP CLOCK TIME PROPERTY
  Clock Syntonized: TRUE
  Domain Syntonized: FALSE
  Scaled Fractional Frequency Offset: Unknown
Switch#

PTP パフォーマンスが測定されます。このパフォーマンスはスタンドアロンリンクに匹敵します。

透過クロックモードの BMCA ポートの状態は、show ptp internal-info コマンドの出力に表示されます。トラブルシューティングをしやすくするため、ポートチャネルでの PTP 機能は透過クロックモードに次の機能を追加します。

  • PTP 透過クロックノードが GMC との同期を失った場合の Syslog と SNMP トラップ。

  • show ptp コマンドで GMC に同期されるノードのローカルポート情報。


(注)  

ポートチャネルでの PTP は、水平スタック構成でサポートされています。PTP と水平スタック構成については、水平スタック構成での PTPを参照してください。


水平スタック構成での PTP

IE 5000 では、スタンドアロンモードと水平スタックモードの両方で IEEE 1588v2 の PTP デフォルトプロファイル、電力プロファイル(C37.238-2011)、および拡張電力プロファイル(C37.238-2017)がサポートされています。水平スタック型構成の IE 5000 上の PTP は透過的に動作するため、IE 5000 に接続している他のすべてのデバイスとスイッチは水平スタックを認識しません。水平スタック構成での PTP 機能は、スタンドアロンと水平スタック型 IE 5000 スイッチに同じ PTP 動作を提供し、スイッチの 1 つが水平スタックでダウンした場合のハイアベイラビリティの利点を実現します。


(注)  

IE 5000 での水平スタック構成の詳細については、『Horizontal Stacking Software Configuration Guide for IE 5000 Switches』[英語] を参照してください。


上記のトポロジ図は、グランドマスタークロック、境界/透過クロックモードの水平スタック型スイッチ、PTP ピアデバイス、PLC、デジタルリレーなどのエンドポイントを含む水平スタッフ構成ネットワークでの 1588 PTP を示しています。この図では、Master 1 がグランドマスター クロックです。マスター 1 が使用できなくなると、水平スタック型スイッチに接続された PTP 時刻受信側デバイスは、同期のためにマスター 2 に切り替わります。グランドマスタークロック、PTP ピアデバイス、およびエンドポイントは、水平スタック内のどのスイッチ(スタックマスターまたはスタックメンバー)にも接続できます。

水平スタックでは、すべてのスイッチが単一の論理スイッチとして表示されます。PTP の場合、スタック内のすべてのスイッチは PTP メッセージで同じ「クロック ID」値を使用するため、PTP ピアデバイスからは単一の論理スイッチとして認識されます。「クロック ID」値はスタックマスターのベース MAC アドレスから取得されます。

スタンドアロンスイッチにおける PTP の既存の機能はすべて水平スタック構成でもサポートされていますが、次の制限があります。

  • 水平スタック構成での PTP は、最大 3 台のスイッチのスタックサイズでサポートされます。

  • GPS は水平スタックマスターに接続する必要があります。

  • IRIG 入出力は、水平スタックモードではサポートされていません。

スタック型スイッチのいずれも GMC にすることができ、どれもがデフォルトプロファイルと電力プロファイルを使用できます。水平スタック構成での PTP でサポートされているクロックモードは次のとおりです。

  • デフォルト プロファイル

    • 境界クロック

    • E2E 透過クロック

  • 電力プロファイル

    • 境界クロック

    • P2P トランスペアレント クロック

  • 拡張電力プロファイル(C37.238-2017)

    • P2P トランスペアレント クロック

  • GMC-BC

    • GPS(スタックマスターの GPS)

    • NTP

    • IRIG(サポート対象外)

注意事項と制約事項

PTP メッセージ

  • Cisco PTP の実装では、2 ステップ クロックのみがサポートされ、1 ステップ クロックはサポートされません。スイッチは、グランドマスター クロックから 1 ステップ メッセージを受信すると、2 ステップ メッセージに変換します。

  • Cisco PTP は、マルチキャスト PTP メッセージのみをサポートしています。

PTP モードとプロファイル

  • スイッチとグランドマスター クロックは、同じ PTP ドメイン内にある必要があります。

  • 電力プロファイル モードが有効になっている場合、スイッチは、Organization_extensionAlternate_timescale の 2 つのタイプ、長さ、値(TLV)メッセージ拡張を含まない PTP アナウンス メッセージをドロップします。

    グランドマスタークロックが PTP に準拠しておらず、これらの TLV なしでアナウンスメッセージを送信する場合は、ptp allow-without-tlv コマンドを入力して、アナウンスメッセージを処理するようにスイッチを設定します。

    このコマンドの詳細については、スイッチの PTP 電力プロファイル モードの設定を参照してください。

  • スイッチが電力プロファイル モードになっている場合は、peer_delay メカニズムのみがサポートされます。

    境界クロック モードと peer_delay メカニズムに変更するには、 ptp mode boundary pdelay-req コマンドを入力します。

  • 電力プロファイルモードを無効にしてスイッチをE2E および P2P の透過クロックモードに戻すには、no ptp profile power コマンドを入力します。

    このコマンドの詳細については、スイッチのデフォルト プロファイル モードの設定を参照してください。

  • デフォルト プロファイル モードでは、delay_request メカニズムのみがサポートされます。

    delay_request メカニズムを使用して境界クロック モードに変更するには、ptp mode boundary delay-req コマンドを入力します。

  • 802.1AS プロファイルは IE 4000 でのみ使用できます。

  • 802.1AS プロファイルにはクロックモード設定がありません。

  • IEC 61850-9-3 は、電力プロファイルで透過クロックとして動作し、allow-without-tlv グローバル設定オプションが有効になっている場合にサポートされます。

パケットのフォーマット

  • PTP メッセージのパケット フォーマットには、802.1q タグ付きパケットまたはタグなしパケットを使用できます。

  • スイッチは 802.1q QinQ トンネリングをサポートしていません。

  • スイッチの電力プロファイル モードでは、次のようになります。

    • PTP インターフェイスがアクセス ポートとして設定されている場合、PTP メッセージはタグなしのレイヤ 2 パケットとして送信されます。

    • PTP インターフェイスがトランク ポートとして設定されている場合、PTP パケットはポート ネイティブ VLAN で 802.1q タグ付きレイヤ 2 パケットとして送信されます。

  • 時刻受信者 IED はタグ付きパケットとタグなしパケットをサポートする必要があります。

  • PTP パケットがE2E および P2P の透過クロックモードのネイティブ VLAN で送信される場合は、タグなしパケットとして送信されます。タグ付きパケットとして送信するようにスイッチを設定するには、グローバルの vlan dot1q tag native コマンドを入力します。

VLAN の設定

  • トランク ポートで PTP VLAN を設定します。範囲は 1 ~ 4094 です。デフォルトは、トランク ポートのネイティブ VLAN です。

  • 境界モードでは、PTP VLAN 内の PTP パケットのみが処理され、他の VLAN からの PTP パケットはドロップされます。

  • インターフェイスで PTP VLAN を設定する前に、PTP VLAN を作成し、トランクポートで許可する必要があります。

  • ほとんどのグランドマスター クロックは、デフォルトの VLAN 0 を使用します。電力プロファイル モードでは、スイッチのデフォルト VLAN は VLAN 1 で、VLAN 0 は予約されています。デフォルトのグランドマスター クロック VLAN を変更する場合は、0 以外の VLAN に変更する必要があります。

  • グランドマスター クロックで VLAN が無効になっている場合は、PTP インターフェイスをアクセス ポートとして設定する必要があります。

クロックの設定

  • すべての PHY PTP クロックはグランドマスター クロックと同期します。スイッチ システム クロックは、PTP 設定およびプロセスの一部として同期しません。

  • グランドマスター クロックで VLAN が有効になっている場合、グランドマスター クロックは、スイッチ上の PTP ポートのネイティブ VLAN と同じ VLAN にある必要があります。

  • グランドマスター クロックで VLAN が設定されている場合、グランドマスター クロックはタグなし PTP メッセージをドロップできます。スイッチにタグ付きパケットをグランドマスタークロックに送信するように強制するには、グローバルの vlan dot1q tag native コマンドを入力します。

クロック モード


(注)  

802.1AS プロファイルにはクロックモード設定がありません。


PDV フィルタリング

適応型モード(ptp transfer filter adaptive )は電力プロファイルモードまたは 802.1AS プロファイルモードでは使用できません。

PTP と他の機能との相互作用

  • Cisco IOS リリース 15.2.(7)E3 より前では、次の PTP クロックポートは EtherChannel での PTP をサポートしていません。

    • e2etransparent

    • p2ptransparent

    EtherChannel サポートの詳細については、ポートチャネルでの PTP機能の履歴を参照してください。

  • 次の PTP クロック モードは、単一の VLAN 上でのみ動作します。

    • e2etransparent

    • p2ptransparent

NTP から PTP への変換

  • NTP から PTP への機能は、デフォルトの E2E プロファイルと電力プロファイルをサポートします。

GMC ブロック

  • GMC ブロック機能は、転送モードではサポートされていません。

水平スタック構成での PTP

  • 水平スタック構成は IE 5000 でのみサポートされています。

  • 水平スタック構成での PTP は、最大 3 台のスイッチのスタックサイズでサポートされます。

  • GPS は水平スタックマスターに接続する必要があります。

  • IRIG 入出力は、水平スタックモードではサポートされていません。

デフォルト設定

  • スイッチでは PTP がデフォルトで有効になっています。

  • デフォルトでは、スイッチはデフォルト プロファイルで定義されている設定値を使用します(デフォルト プロファイル モードが有効になっています)。

  • スイッチのデフォルトの PTP クロック モードは、E2E および P2P の透過クロックモードです。

  • デフォルトの BC 同期アルゴリズムは、線形フィルタです。

スイッチの PTP の設定

PTP に関してスイッチを設定するには、ここで説明する次のいずれかの手順を使用します。


(注)  

スイッチをグランドマスター境界クロックモード(gmc-bc)に設定する方法については、NTP から PTP への時刻変換機能の設定を参照してください。


スイッチのデフォルト プロファイル モードの設定

ここでは、スイッチをデフォルト プロファイル モードで動作するように設定する方法について説明します。

始める前に

グランドマスター クロックに接続されたスイッチ ポートが次のように設定されている場合、スイッチはネイティブ VLAN 上でタグなし PTP パケットを送信します。

  • スイッチがデフォルト プロファイル モードになっている。

  • スイッチがトランク モードになっている。

  • VLAN X がネイティブ VLAN として設定されている。

グランドマスター クロックにタグ付きパケットが必要な場合は、次のいずれかの設定変更を行います。

  • グローバルコマンドの vlan dot1q tag native を入力して、スイッチにタグ付きフレームを強制的に送信させます。

  • タグなしパケットを送受信するようにグランドマスター クロックを設定します。グランドマスター クロックでこの設定変更を行う場合は、スイッチ ポートをアクセス ポートとして設定できます。

スイッチでのデフォルト プロファイルの設定については、いくつかのガイドラインがあります。

  • PTP ポート設定コマンドで no を入力すると、指定されたポートプロパティがデフォルト値に設定されます。

  • PTP グローバルコマンドの interval 変数の値(秒単位)を決定するには、対数目盛りを使用します。次の表に、対数目盛で秒数に変換された interval 変数の値の例を示します。

入力される値

対数計算

秒単位の値

-1

2 -1

1/2

0

2 0

1

手順の概要

  1. グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
  2. スイッチが電力プロファイル モードになっている場合は、デフォルト プロファイル モードに設定します。スイッチがすでにデフォルト プロファイル モードになっている場合は、このコマンドは無効です。no ptp profile-name コマンドは、スイッチをデフォルトプロファイルモードに戻します。
  3. 同期クロック モードを指定します。
  4. (任意、BC および TC モード)PTP クロック ドメインを指定します。
  5. (任意、BC モードのみ)BMCA 優先順位を指定します。
  6. (任意、BC モードのみ)タイム プロパティ予約を指定します。
  7. (任意、BC モードのみ)BC 同期アルゴリズムを指定します。
  8. (オプション、BC モードのみ)DSCP イベント/一般メッセージ値を指定します。
  9. (任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
  10. (任意)ポート設定を指定します。
  11. 特権 EXEC モードに戻ります。
  12. 入力内容を確認します。
  13. (任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

手順の詳細


ステップ 1

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

configure terminal

ステップ 2

スイッチが電力プロファイル モードになっている場合は、デフォルト プロファイル モードに設定します。スイッチがすでにデフォルト プロファイル モードになっている場合は、このコマンドは無効です。no ptp profile-name コマンドは、スイッチをデフォルトプロファイルモードに戻します。

no ptp profile power

ステップ 3

同期クロック モードを指定します。

{| | ptp mode boundary delay-req e2etransparent forward | gmc-bc}

  • mode boundary delay-req :遅延要求メカニズムを使用して、スイッチを境界クロックモードに設定します。このモードでは、スイッチが、最も正確なマスター クロックの選択に参加します。このモードは、過負荷または重負荷の状態により大きな遅延ジッタが生じるときに使用します。

  • mode e2etransparent :スイッチをエンドツーエンド トランスペアレント モードに設定します。このモードのスイッチ クロックは、すべてのスイッチ ポートをマスター クロックに同期します。このスイッチは、マスター クロックの選択に参加せず、すべてのポートでデフォルト PTP クロック モードを使用します。これがデフォルトのクロック モードです。メッセージ中継時間が常駐時間に追加されます。ジッタとエラーの累積を減らすには、このモードを使用します。

  • mode forward :受信 PTP パケットを通常のマルチキャストトラフィックとして渡すようにスイッチを設定します。

  • mode gmc-bc :スイッチをグランドマスター境界クロックモードに設定します。スイッチをこのモードに設定する方法については、NTP から PTP への時刻変換機能の設定を参照してください。

ステップ 4

(任意、BC および TC モード)PTP クロック ドメインを指定します。

ptp domain domain-number

domain-number 0 から 255 までの数。

参加するグランドマスタークロック、スイッチ、および時刻受信者デバイスは、同じドメインに存在する必要があります。

ステップ 5

(任意、BC モードのみ)BMCA 優先順位を指定します。

ptp priority1 priority priority2 priority

  • priority1 priority: 最も正確なマスタークロックを選択するためのデフォルトの基準(クロック品質とクロッククラス)をオーバーライドします。

  • priority2 priority: 2 つのスイッチがデフォルトの条件に一致する場合に、一方が選択されるようにします。たとえば、2 を入力すると、同一のスイッチを超えるスイッチ優先順位が与えられます。 priority 0 〜 255 までの優先順位番号。デフォルト値は 128 です。

ステップ 6

(任意、BC モードのみ)タイム プロパティ予約を指定します。

ptp time-property persist {value | infinite}

  • value 0 から 100000 までの期間(秒単位)。デフォルトは 300 です。

  • infinite タイム プロパティが無期限に保存されます。

タイムプロパティを予約することにより、冗長 GMC がスタンバイ状態ではなくなるときに時刻受信者クロックが時間値の変動を検出することを防止できます。

ステップ 7

(任意、BC モードのみ)BC 同期アルゴリズムを指定します。

ptp transfer {feedforward | filter {adaptive | linear }}

  • feedforward :非常に高速かつ高精度です。PDV フィルタリングはありません。

  • filter adaptive :可能なかぎり多くの PDV を自動的にフィルタリングします。

  • filter linear :単純な線形フィルタを提供します(デフォルト)。

ステップ 8

(オプション、BC モードのみ)DSCP イベント/一般メッセージ値を指定します。

ptp ip dscp dscp_value message {event | general}

  • dscp_value:0 ~ 63 の範囲内の番号。

  • message event:イベントメッセージの DSCP 値を設定します。デフォルト値は 59 です。

  • message general:一般的なメッセージの DSCP 値を設定します。デフォルト値は 47 です。

ステップ 9

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

ステップ 10

(任意)ポート設定を指定します。

境界 delay-req モード:

ptp {announce {interval value | timeout value } | delay-req interval value | enable | sync {interval value | limit value } | vlan value }

e2etransparent モード:

ptp {enable | sync {interval value | limit value }}

  • announce interval value :アナウンスメッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は 0 ~ 4 です。デフォルトは 1(2 秒)です。

  • announce timeout value :タイムアウトメッセージをアナウンスする対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は 2 ~ 10 です。デフォルトは 3(8 秒)です。

  • delay-req interval value :ポートが時刻源クロック状態のときに時刻受信者デバイスが遅延要求メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -2 ~ 6 です。デフォルトは -5(1/32 秒ごとに 1 パケット、つまり 1 秒ごとに 32 パケット)です。

  • enable :ポートベースのモジュールで PTP をイネーブルにします。

  • sync interval value :同期メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -2 ~ 1 です。デフォルト値は 1 秒です。

  • sync limit value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 50 ~ 500000000 ナノ秒です。デフォルトは 500000000 ナノ秒です。

  • vlan value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 1 ~ 4094 です。デフォルトは、トランク ポートのネイティブ VLAN です。境界モードでは、PTP VLAN 内の PTP パケットのみが処理され、他の VLAN からの PTP パケットはドロップされます。インターフェイスで PTP VLAN を設定する前に、PTP VLAN を作成し、トランクポートで許可する必要があります。

ステップ 11

特権 EXEC モードに戻ります。

end

ステップ 12

入力内容を確認します。

show running-config

ステップ 13

(任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

copy running-config startup-config


次の例では、デフォルト プロファイル モードとエンドツーエンド トランスペアレント モードで動作するようにスイッチを設定し、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# no ptp profile
switch(config)# ptp mode e2etransparent

次の例では、delay_request メカニズムを使用してスイッチをデフォルト プロファイル モードと境界クロック モードに設定し、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# no ptp profile
switch(config)# ptp mode boundary delay-req

スイッチの PTP 電力プロファイル モードの設定

ここでは、PTP 電力プロファイルを使用してモード電力プロファイル モードで動作するようにスイッチを設定する方法について説明します。

始める前に

スイッチでの電力プロファイルの設定については、いくつかのガイドラインがあります。

  • PTP ポート設定コマンドで no を入力すると、指定されたポートプロパティがデフォルト値に設定されます。

  • PTP グローバルコマンドの interval 変数の値(秒単位)を決定するには、対数目盛りを使用します。次の表に、対数目盛で秒数に変換された interval 変数の値の例を示します。

入力される値

対数計算

秒単位の値

-1

2 -1

1/2

0

2 0

1

手順の概要

  1. グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
  2. 電力プロファイルを設定します。
  3. 同期クロック モードを指定します。
  4. (任意、BC モードと TC モード。拡張電力プロファイルでは使用不可)TLV 設定を指定します。
  5. (任意、BC および TC モード)PTP クロック ドメインを指定します。
  6. (任意、BC および TC モード)パケット優先順位を指定します。
  7. (任意、BC モードのみ)BMCA 優先順位を指定します。
  8. (任意、BC モードのみ)タイム プロパティ予約を指定します。
  9. (任意、BC モードのみ)BC 同期アルゴリズムを指定します。
  10. (任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
  11. (任意)ポート設定を指定します。
  12. 特権 EXEC モードに戻ります。
  13. 入力内容を確認します。
  14. (任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

手順の詳細


ステップ 1

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

configure terminal

ステップ 2

電力プロファイルを設定します。

ptp profile power

ステップ 3

同期クロック モードを指定します。

ptp mode {boundary pdelay-req | p2ptransparent | forward}| gmc-bc}

  • mode boundary pdelay-req :遅延要求メカニズムを使用して、スイッチを境界クロックモードに設定します。このモードでは、スイッチが、最も正確な時刻源クロックの選択に参加します。このモードは、過負荷または重負荷の状態により大きな遅延ジッタが生じるときに使用します。

  • mode p2ptransparent :スイッチをピアツーピア トランスペアレント クロック モードに設定し、すべてのスイッチポートをマスタークロックと同期させます。参加している PTP ポート間のリンク遅延時間とメッセージ中継時間が常駐時間に追加されます。ジッタとエラーの累積を減らすには、このモードを使用します。これが電力プロファイル モードのデフォルトです。

  • mode forward :受信 PTP パケットを通常のマルチキャストトラフィックとして渡すようにスイッチを設定します。

  • mode gmc-bc :スイッチをグランドマスター境界クロックモードに設定します。スイッチをこのモードに設定する方法については、NTP から PTP への時刻変換機能の設定を参照してください。

ステップ 4

(任意、BC モードと TC モード。拡張電力プロファイルでは使用不可)TLV 設定を指定します。

ptp allow-without-tlv

ステップ 5

(任意、BC および TC モード)PTP クロック ドメインを指定します。

ptp domain domain-number

domain-number:0 〜 255 までの数。デフォルトは、電力プロファイルの場合は 0、拡張電力プロファイルの場合は 254 です。

参加するグランドマスタークロック、スイッチ、および時刻受信者デバイスは、同じドメインに存在する必要があります。

ステップ 6

(任意、BC および TC モード)パケット優先順位を指定します。

ptp packet priority

PTP パケットのデフォルトの優先順位は 4 です。低い値が優先されます。

ステップ 7

(任意、BC モードのみ)BMCA 優先順位を指定します。

ptp priority1 priority priority2 priority

  • priority1 優先順位: 最も正確な時刻源クロックを選択するために、デフォルトの条件(クロック品質、クロッククラスなど)を上書きします。

  • priority2 優先順位: 2 つのスイッチがデフォルトの条件に一致する場合に、一方が選択されるようにします。たとえば、2 を入力すると、同一のスイッチを超えるスイッチ優先順位が与えられます。

  • 優先順位 0 ~ 255 の優先番号。デフォルト値は 128 です。

ステップ 8

(任意、BC モードのみ)タイム プロパティ予約を指定します。

ptp time-property persist {value | infinite }

  • value 0 から 100000 までの期間(秒単位)。デフォルトは 300 です。

  • infinite タイムプロパティが無期限に保存されます。

タイムプロパティを予約することにより、冗長 GMC がスタンバイ状態ではなくなるときに時刻受信者クロックが時間値の変動を検出することを防止できます。

ステップ 9

(任意、BC モードのみ)BC 同期アルゴリズムを指定します。

ptp transfer {feedforward | filter linear }

  • feedforward :非常に高速かつ高精度です。PDV フィルタリングはありません。

  • filter linear :単純な線形フィルタを提供します(デフォルト)。

ステップ 10

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

ステップ 11

(任意)ポート設定を指定します。

境界 pdelay-req モード:

ptp {announce {interval value | timeout value } | pdelay-req interval value | enable | sync {interval value | limit value } | vlan value }

p2ptransparent モード:

ptp {pdelay-req interval value | enable | sync limit value | vlan value }

  • announce interval value :アナウンスメッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は 0 ~ 4 です。デフォルトは 1(2 秒)です。

  • announce timeout value :タイムアウトメッセージをアナウンスする対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は 2 ~ 10 です。デフォルトは 3(8 秒)です。

  • pdelay-req interval value :ポートが時刻源クロック状態のときに時刻受信者デバイスが pdelay 要求メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -3 ~ 5 です。デフォルト値は 0(1 秒)です。

  • enable :ポートベースのモジュールで PTP をイネーブルにします。

  • sync interval value :同期メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -2 ~ 1 です。デフォルト値は 1 秒です。

  • sync limit value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 50 ~ 500000000 ナノ秒です。デフォルトは 10000 ナノ秒です。

  • vlan value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 1 ~ 4094 です。デフォルトは、トランク ポートのネイティブ VLAN です。境界モードでは、PTP VLAN 内の PTP パケットのみが処理され、他の VLAN からの PTP パケットはドロップされます。インターフェイスで PTP VLAN を設定する前に、PTP VLAN を作成し、トランクポートで許可する必要があります。

ステップ 12

特権 EXEC モードに戻ります。

end

ステップ 13

入力内容を確認します。

show running-config

ステップ 14

(任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

copy running-config startup-config


次の例では、スイッチを P2P トランスペアレントモード(電力プロファイルモードでのデフォルト)にスイッチを設定し、「allow-without-tlv 」という PTP メッセージ処理を指定して、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# ptp allow-without-tlv

次の例では、ピア遅延要求(pdelay-req)メカニズムを使用してスイッチを境界クロック モードに設定し、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# ptp mode boundary pdelay-req

スイッチでの 802.1AS プ ロファイルモードの設定(IE 4000 のみ)

この項では、802.1AS プロファイルを使用して 802.1AS プロファイルモードで動作するように IE 4000 スイッチを設定する方法について説明します。

手順の概要

  1. グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
  2. 802.1AS プロファイルを設定します。

手順の詳細


ステップ 1

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

configure terminal

ステップ 2

802.1AS プロファイルを設定します。

ptp profile dot1as


次に、802.1AS プ ロファイルを使用するように IE 4000 スイッチを設定する例を示します。

IE4000-SW2(config)#ptp profile dot1as

802.1AS のトラブルシューティング

802.1AS の問題をトラブルシューティングするには、次を参照してください。

  • 新しい Syslog(情報):親とグランドマスタークロックの変更 syslog で親/グランドマスターの再選択をユーザーに通知します。この変更が頻繁に発生する場合、またはシステムの期待を満たしていない場合はさらに調査する必要があります。次に、ログエントリの例を示します。

    • Mar 24 21:22:40.702: %PTP-6-PARENT_CLOCK_CHANGE: Old parent clock identity: 0x0:0:0:0:0:0:0:0 port number: 0, New parent clock identity: 0x0:35:1A:FF:FE:DA:12:80 port number: 9

    • Mar 24 21:22:40.702: %PTP-6-GRANDMASTER_CLOCK_CHANGE: Old grandmaster clock identity: 0x0:0:0:0:0:0:0:0, New grandmaster clock identity: 0x0:35:1A:FF:FE:DA:12:80

    • Mar 24 19:18:34.235: %PTP-6-GRANDMASTER_CLOCK_CHANGE_TO_LOCAL: Old grandmaster clock identity: 0x0:35:1A:FF:FE:DA:12:80, New grandmaster clock identity: 0x58:97:BD:FF:FE:D9:97:80 (local system)

  • SyncReceive TimeOut

    • 802.1AS には、同期受信タイムアウトを検出するための新しいタイマーが追加されました。次の同期メッセージが PTP 時刻受信側ポートで 3 回の同期間隔(最初の同期メッセージのヘッダーで指定)内に到着しない場合、同期受信タイムアウトが発生します。

    • これは、コンソールで debug ptp event と [PTP(インターフェイス GigabitEthernet1/1):同期受信タイムアウト(PTP (Interface GigabitEthernet1/1): sync receipt timeout)] をオンにして観察することで確認できます。

    • SyncReceive Timeout の時点で、その PTP ポートの状態が時刻受信側ではなくなります。次の BMCA は新しい時刻受信側ポートを再選択します。

拡張電力プロファイルの設定

この項では、透過モードで拡張電力プロファイル(C37.238-2017)を使用するようにスイッチを設定する方法について説明します。


(注)  

ptp allow-without-tlv と透過クロックモード以外のクロックモードを除き、電力プロファイルで使用可能なすべてのオプションが拡張電力プロファイルで使用できます。


手順


ステップ 1

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

configure terminal

ステップ 2

拡張電力プロファイルを設定します。

ptp profile power-2017

ステップ 3

(任意)PTP クロックドメインを指定します。

ptp domain domain-number

domain-number:0 〜 255 までの数。デフォルトは、電力プロファイルの場合は 0、拡張電力プロファイルの場合は 254 です。

参加するグランドマスタークロック、スイッチ、および時刻受信者デバイスは、同じドメインに存在する必要があります。

ステップ 4

(任意)パケット優先順位を指定します。

ptp packet priority

PTP パケットのデフォルトの優先順位は 4 です。低い値が優先されます。

ステップ 5

(任意)インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

ステップ 6

(任意)ポート設定を指定します。

p2ptransparent モード:

ptp {pdelay-req interval value | enable | sync limit value | vlan value }

  • pdelay-req interval value :ポートが時刻源クロック状態のときに時刻受信者デバイスが pdelay 要求メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -3 ~ 5 です。デフォルト値は 0(1 秒)です。

  • enable :ポートベースのモジュールで PTP をイネーブルにします。

  • sync interval value :同期メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -2 ~ 1 です。デフォルト値は 1 秒です。

  • sync limit value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 50 ~ 500000000 ナノ秒です。デフォルトは 10000 ナノ秒です。

  • vlan value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 1 ~ 4094 です。デフォルトは、トランク ポートのネイティブ VLAN です。境界モードでは、PTP VLAN 内の PTP パケットのみが処理され、他の VLAN からの PTP パケットはドロップされます。インターフェイスで PTP VLAN を設定する前に、PTP VLAN を作成し、トランクポートで許可する必要があります。

ステップ 7

特権 EXEC モードに戻ります。

end

ステップ 8

入力内容を確認します。

show running-config

ステップ 9

(任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

copy running-config startup-config


次に、拡張電力プロファイルを使用するようにスイッチを設定する例を示します。

Switch(config)#)#ptp profile ?
  power          Power profile (IEEE C37.238-2011)
  power-2017	 Power profile (IEEE C37.238-2017)
Switch(config)#ptp profile power-2017
Switch(config)#

次に、拡張電力プロファイルが設定されている場合の show ptp clock の出力例を示します。

Switch#show ptp clock  
 PTP CLOCK INFO
  PTP Device Type: Peer to Peer transparent clock
  PTP Device Profile: Power Profile C37.238-2017
  Local Time Inaccuracy: 50 ns
  Clock Identity: 0xE0:E:DA:FF:FE:69:11:0
  Clock Domain: 254
  Number of PTP ports: 17
  PTP Packet priority: 4
  Delay Mechanism: Peer to Peer
  Local clock time: 09:36:16 MVT Mar 29 2021
Switch#

設定の確認

コマンド

目的

show ptp {clock | foreign-master-records | parent | port {FastEthernet | GigabitEthernet} | time-property } 表示する PTP 情報を指定します。
  • clock :PTP クロック情報を表示します。

  • foreign-master-records :PTP の外部マスターレコードを表示します。

  • parent :PTP ペアレントプロパティを表示します。

  • port FastEthernet :FastEthernet IEEE 802.3 インターフェイスに関する PTP のプロパティを表示します。

  • port GigabitEthernet :GigabitEthernet IEEE 802.3z インターフェイスに関する PTP のプロパティを表示します。

  • time-property :PTP クロックタイムプロパティを表示します。

電力プロファイルの例


switch# show ptp parent
 PTP PARENT PROPERTIES
  Parent Clock:
  Parent Clock Identity: 0xA4:C:C3:FF:FE:BF:B4:0
  Parent Port Number: 23
  Observed Parent Offset (log variance): N/A
  Observed Parent Clock Phase Change Rate: N/A
  Grandmaster Clock:
  Grandmaster Clock Identity: 0xA4:C:C3:FF:FE:BF:2B:0
  Grandmaster Clock Quality:
        Class: 248
        Accuracy: Unknown
        Offset (log variance): N/A
        Priority1: 128
        Priority2: 128
switch# show ptp clock
 PTP CLOCK INFO
  PTP Device Type: Boundary clock
  PTP Device Profile: Power Profile
  Clock Identity: 0xA4:C:C3:FF:FE:BF:E0:80
  Clock Domain: 0
  Number of PTP ports: 26
  PTP Packet priority: 4
  Priority1: 128
  Priority2: 128
  Clock Quality:
        Class: 248
        Accuracy: Unknown
        Offset (log variance): N/A
  Offset From Master(ns): 25
  Mean Path Delay(ns): 705
  Steps Removed: 4
  Local clock time: 14:23:56 PST Apr 5 2013
switch# show ptp foreign-master-record
PTP FOREIGN MASTER RECORDS
 Interface GigabitEthernet1/1
   Foreign master port identity: clock id: 0xF4:4E:5:FF:FE:E5:82:0
   Foreign master port identity: port num: 1
   Number of Announce messages: 4
   Message received port: 1
   Time stamps: 1999872004, 1999870997
 Interface GigabitEthernet1/2
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/3
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/4
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/5
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/6
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/7
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/8
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/9
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/10
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/11
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/12
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/13
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/14
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/15
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/16
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/17
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/18
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/19
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/20
   Empty
switch#
switch# show ptp ?
  clock                  show ptp clock information
  foreign-master-record  show PTP foreign master records
  parent                 show PTP parent properties
  port                   show PTP port properties
  time-property          show PTP clock time property
switch# show ptp time-property
 PTP CLOCK TIME PROPERTY
  Current UTC offset valid: 0
  Current UTC offset: 35
  Leap 59: 0
  Leap 61: 0
  Time Traceable: 16
  Frequency Traceable: 32
  PTP Timescale: 1
  Time Source: Internal Osciliator
  Time Property Persistence: 300 seconds
switch# show ptp port GigabitEthernet 1/1
PTP PORT DATASET: GigabitEthernet1/1
  Port identity: clock identity: 0xF4:4E:5:FF:FE:E5:91:80
  Port identity: port number: 1
  PTP version: 2
  Port state: UNCALIBRATED
  Delay request interval(log mean): 5
  Announce receipt time out: 3
  Peer mean path delay(ns): 0
  Announce interval(log mean): 0
  Sync interval(log mean): 0
  Delay Mechanism: Peer to Peer
  Peer delay request interval(log mean): 0
  Sync fault limit: 500000000
switch# 

802.1AS プロファイルの例

IE4000-SW2#show ptp clock  		//check profile, and clock offset
PTP CLOCK INFO  PTP 
Device Type: 802.1AS - Time Aware Bridge  
PTP Device Profile: 802.1AS Profile  
Clock Identity: 0x58:97:BD:FF:FE:D9:97:80  
Clock Domain: 0
…
Offset From Master(ns): 3			// this should be less than 1uS
IE4000-SW2#show ptp port FastEthernet 1/9
 	PTP PORT DATASET: FastEthernet1/9
	 …
	 Neighbor Rate Ratio: 1 (+0 PPM)		// this should be within +/-100PPM
	 Port 802.1AS capable: TRUE		// 802.1AS capable

IE4000-SW2#show ptp parent 
	PTP PARENT PROPERTIES
	 …
	 Clock Identity Path Trace:  		// path trace TLV list – the clock IDs of nodes on the clock distribution chain from the grandmaster
	 Clock Identity 0: 0x0:00:00:11:11:11:11:01	// grandmaster
	 Clock Identity 1: 0x0:35:1A:FF:FE:DA:12:80	// 2nd clock in the path

設定例

次の例では、スイッチを P2P トランスペアレントモードに設定し、「allow-without-tlv 」という PTP メッセージ処理を指定して、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# ptp allow-without-tlv

次に、ピア遅延要求(pdelay- req)メカニズムを使用してスイッチを境界クロックモードに設定し、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用する例を示します。


switch(config)# ptp mode boundary pdelay-req

次の例では、デフォルト プロファイル モードとエンドツーエンド トランスペアレント モードで動作するようにスイッチを設定し、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# no ptp profile
switch(config)# ptp mode e2etransparent

次の例では、delay_request メカニズムを使用してスイッチをデフォルト プロファイル モードと境界クロック モードに設定し、すべての PTP 間隔設定にデフォルト値を使用しています。


switch(config)# no ptp profile
switch(config)# ptp mode boundary delay-req

NTP から PTP への時刻変換機能の設定

始める前に

  • 注意事項と制約事項を確認します。

  • NTP から PTP への変換機能を使用するには、NTP が機能するためにスイッチが IP アドレスを持つ必要があります。

  • NTP から PTP への変換機能を使用するには、少なくとも 1 つの NTP サーバを設定する必要があります。3 つ以上の NTP サーバを設定すると、NTP は不良クロックを無視できます。


    (注)  

    NTP の設定については、『Catalyst 3750-X and 3560-X Switch Software Configuration Guide, Release 12.2(55)SE』の「Configuring NTP」の項を参照してください。


  • PTP ポート設定コマンドで no を入力すると、指定されたポートプロパティがデフォルト値に設定されます。

  • PTP グローバルコマンドの interval 変数の値(秒単位)を決定するには、対数目盛りを使用します。次の表に、対数目盛で秒数に変換された interval 変数の値の例を示します。

入力される値

対数計算

秒単位の値

-1

2 -1

1/2

0

2 0

1

手順の概要

  1. グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
  2. デフォルト プロファイル モードまたは電力プロファイルモード用にスイッチを構成します。
  3. GMC-BC を同期クロックに指定します。
  4. (任意)BMCA 優先順位を指定します。
  5. (任意)BC 同期アルゴリズムを指定します。
  6. インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
  7. (任意)ポート設定を指定します。
  8. 特権 EXEC モードに戻ります。
  9. 入力内容を確認します。
  10. (任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

手順の詳細


ステップ 1

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

configure terminal

ステップ 2

デフォルト プロファイル モードまたは電力プロファイルモード用にスイッチを構成します。

no ptp profile power

または

ptp profile power

ステップ 3

GMC-BC を同期クロックに指定します。

ptp mode gmc-bc delay-req

GMC-BC は、NTP が使用可能であれば NTP を時刻源として自動的に選択します。

ステップ 4

(任意)BMCA 優先順位を指定します。

ptp priority1 priority priority2 priority

  • priority1 優先順位: 最も正確な時刻源クロックを選択するために、デフォルトの条件(クロック品質、クロッククラスなど)を上書きします。

  • priority2 優先順位: 2 つのスイッチがデフォルトの条件に一致する場合に、一方が選択されるようにします。たとえば、2 を入力すると、同一のスイッチを超えるスイッチ優先順位が与えられます。 優先順位 0 〜 255 までの優先順位番号。デフォルト値は 128 です。

ステップ 5

(任意)BC 同期アルゴリズムを指定します。

ptp transfer {feedforward | filter {adaptive | linear }}

  • feedforward :非常に高速かつ高精度です。PDV フィルタリングはありません。

  • filter adaptive :可能なかぎり多くの PDV を自動的にフィルタリングします。

  • filter linear :単純な線形フィルタを提供します(デフォルト)。

ステップ 6

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

ステップ 7

(任意)ポート設定を指定します。

ptp {announce {interval value | timeout value } | delay-req interval value | enable | sync {interval value | limit value } | vlan value }

  • announce interval value :アナウンスメッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は 0 ~ 4 です。デフォルトは 1(2 秒)です。

  • announce timeout value :タイムアウトメッセージをアナウンスする時間を設定します。範囲は 2 ~ 10 秒です。デフォルトは 3(8 秒)です。

  • delay-req interval value :ポートが時刻源クロック状態のときに時刻受信者デバイスが遅延要求メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -2 ~ 6 です。デフォルトは -5(1/32 秒ごとに 1 パケット、つまり 1 秒ごとに 32 パケット)です。

  • enable :ポートベースのモジュールで PTP をイネーブルにします。

  • sync interval value :同期メッセージを送信する対数平均間隔を秒単位で設定します。範囲は -2 ~ 1 です。デフォルト値は 1 秒です。

  • sync limit value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 50 ~ 500000000 ナノ秒です。デフォルトは 500000000 ナノ秒です。

  • vlan value :PTP が再同期を試みるまでの、最大クロックオフセット値を設定します。範囲は 1 ~ 4094 です。デフォルトは、トランク ポートのネイティブ VLAN です。境界モードでは、PTP VLAN 内の PTP パケットのみが処理され、他の VLAN からの PTP パケットはドロップされます。インターフェイスで PTP VLAN を設定する前に、PTP VLAN を作成し、トランクポートで許可する必要があります。

ステップ 8

特権 EXEC モードに戻ります。

end

ステップ 9

入力内容を確認します。

show running-config

ステップ 10

(任意)設定ファイルに入力内容を保存します。

copy running-config startup-config


次の例では、デフォルト プロファイルを使用し、NTP を使用してグランドマスター クロックとして動作し、フィードフォワード BC 同期アルゴリズムを使用するようにスイッチを設定しています。


switch(config)# no ptp profile power
switch(config)# ptp mode gmc-bc
switch(config)# ptp transfer feedforward

設定の確認

スイッチが GMC-BC として動作し、NTP と PTP が同期していることを確認するには、次の手順に従います。

手順の概要

  1. NTP がロックするまで NTP のステータスをモニターします。
  2. 各 NTP サーバーのステータスを表示します。
  3. NTP が起動したら、NTP クロックと PTP クロックが同期していることを確認します。

手順の詳細


ステップ 1

NTP がロックするまで NTP のステータスをモニターします。

show ntp status

特に次のフィールドに注意してください。

  • Clock is synchronized/unsynchronized.

  • system poll interval:NTP クライアントがメッセージを送信する頻度(秒単位)。

  • last update:最後のクロック調整からの経過時間(秒単位)。

例:


switch# show ntp status
Clock is synchronized, stratum 2, reference is 72.163.32.43
nominal freq is 286.1023 Hz, actual freq is 286.0738 Hz, precision is 2**21
ntp uptime is 58682700 (1/100 of seconds), resolution is 3496
reference time is D95162A8.68E52FF9 (22:52:24.409 UTC Wed Jul 15 2015)
clock offset is 0.0459 msec, root delay is 16.19 msec
root dispersion is 15.07 msec, peer dispersion is 0.10 msec
loopfilter state is 'CTRL' (Normal Controlled Loop), drift is 0.000099341 s/s
system poll interval is 1024, last update was 925 sec ago.
ステップ 2

各 NTP サーバーのステータスを表示します。

show ntp association

  • sys.peer は現在選択されているリファレンスです。

  • candidate はフォールバック リファレンスです。

  • falseticker は無視される不良クロックです。

(注)   
NTP がアソシエーションを選択してから NTP がロックを宣言するまで数秒の遅延があります。

例:


switch# show ntp association
address         ref clock       st   when   poll reach  delay  offset   disp
+~171.68.38.65    .GPS.            1    706   1024   377 60.318  -0.255  0.166
+~171.68.38.66    .GPS.            1    450   1024   377 60.333  -0.096  0.121
-~10.81.254.202   .GPS.            1    555   1024   377 48.707   2.804  0.111
x~173.38.201.115  .GPS.            1    322   1024   377 293.19  74.409  0.107
*~72.163.32.43    .GPS.            1     37   1024   375 17.110  -0.410  0.081
 * sys.peer, # selected, + candidate, - outlyer, x falseticker, ~ configured
ステップ 3

NTP が起動したら、NTP クロックと PTP クロックが同期していることを確認します。

  • show clock detail により、NTP 時刻が表示されます。

  • show ptp clock により、PTP 時刻と BMCA データセットの詳細情報が表示されます。

  • show ptp clock の Steps Removed フィールドには、GMC-BC が実際に GMC であるかどうか、または他のクロックが PTP ネットワークを実行しているかどうかが示されます。GMC が BMCA に勝る場合には、Steps Removed フィールドは 0 になります。

例:


show clock detail
23:16:53.865 UTC Wed Jul 15 2015
Time source is NTP
show ptp clock
 PTP CLOCK INFO
  
PTP Device Type: Grand Master clock - Boundary clock
  PTP Device Profile: Default Profile
  Clock Identity: 0xF4:4E:5:FF:FE:E5:95:0
  Clock Domain: 0
  Number of PTP ports: 20
  
Time Transfer: Linear Filter <<< Displayed when the clock is configured as a BC or a GMC-BC
  Priority1: 128
  Priority2: 128
  Clock Quality:
        Class: 13
        Accuracy: Within 1s
        Offset (log variance): N/A
  Offset From Master(ns): 0
  Mean Path Delay(ns): 0
  
Steps Removed: 0
  Local clock time: 23:16:53 UTC Jul 15 2015

設定例


switch# conf t
switch(config)# no ptp profile power
switch(config)# ptp mode gmc-bc
switch(config)# ptp transfer feedforward
switch(config)# end

PTP マスターのみの設定

PTP マスターのみを有効にし、インターフェイス上のすべての入力 PTP アナウンス、同期、およびフォローアップのメッセージをブロックするには、次の手順を実行します。

始める前に

PTP マスター専用機能を有効にする前に、PTP が有効になっていることを確認します。

手順の概要

  1. グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
  2. インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。
  3. インターフェイスで GMC ブロックを有効にします。

手順の詳細

  コマンドまたはアクション 目的
ステップ 1

グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。

configure terminal

ステップ 2

インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。

interface interface-id

ステップ 3

インターフェイスで GMC ブロックを有効にします。

ptp gmc-block

Switch#
Switch#conf t
Enter configuration commands, one per line.  End with CNTL/Z.
Switch(config)#int gi 
Switch(config)#int gigabitEthernet 1/9
Switch(config-if)#ptp ?
  announce   announce settings
  delay-req  delay request settings
  enable     ptp protocol enable
  gmc-block  block rogue gmc
  sync       sync settings

Switch(config-if)#ptp gmc-block 
Switch(config-if)

設定の確認

不正デバイスの詳細を確認するには、次の例の場合は show ptp rogue master record コマンドを使用します。

Switch#
Switch#sh ptp rogue-master-record 
 PTP Rogue Master Records
 Interface GigabitEthernet1/1
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/2
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/3
   Empty
 Interface GigabitEthernet1/4
   Rogue master MAC address :0xB0:AA:77:58:6D:04 
   Rogue master IP address: 20.0.0.1
   Rogue master clock identity: 0xB0:AA:77:FF:FE:58:6D:0 
   Last packet received time stamp: 08:46:51 UTC Wed Mar 25 2020 

 Interface GigabitEthernet1/13
   Empty
 Interface FastEthernet1/5
   Empty

SNMP トラップ

不正デバイスを識別するために SNMP トラップが生成されます。2 つの SNMP トラップが生成されます。1 つは検出用で、もう 1 つは不正デバイスの存在をクリアします。

次に、検出用の SNMP トラップの例を示します。


Received SNMPv2c Trap: Community: public 
From: 10.65.217.108 
mib_2.1.3.0 = 00:11:15.96 
snmpModules.1.1.4.1.0 = ciscoPtpRogueMaster
cPtpClockRogueMasterDetect.1 = true(1) 
cPtpClockPortName.1 = GigabitEthernet1/9

次に、SNMP ウォークの出力を示します。

Mib Object: 1.3.6.1.4.1.9.9.760.1.2.7.1.11
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.1 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.2 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.3 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.4 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.5 = 0
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.6 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.7 = 0
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.8 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.9 = true(1)   (port 9 is enabled with gmc-block)
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.10 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.11 = 0 
cPtpClockPortBlockGMC.0.3.1.12 = 0

Syslog メッセージ

ネットワーク外の GMC から PTP パケットを受信した後に 2 つの Syslog メッセージが表示されます。

  • %PTP-4-ROGUE_MASTER_DETECT: Rogue master packets received on Gigabitetherne1/4

    gmc-block コマンドを設定すると、システムは 30 秒間待機します。不正パケットを受信すると、このメッセージが表示されます。30 秒のタイマーが切れた後に不正なパケットが着信した場合でも、このメッセージが表示されます。

    このメッセージは、すべてのパケットに対して表示されるのではなく、1 回のみ表示されます。

  • %PTP-6-ROGUE_MASTER_CLEAR: Stopped receiving rogue master packets on Gigabitetherne1/4

    このメッセージは、不正な PTP パケットがインターフェイスで受信されなくなった後に表示されます。

    システムは 180 〜 240 秒待機してから、この syslog メッセージを表示します。パケットを再度受信すると、タイマーが再初期化されます。

アラーム

PTP マスター専用に設定されたポートで不正パケットを受信すると、次のアラームが生成されます。

ソース(Source)

重大度

説明

Relay

時刻(Time)

PTP

[マイナー(Minor)]

不正なマスターパケットが受信された

MIN

Jan 2 2020 10:41:23

PTP 保守性

PTP 保守性とは、Cisco IE スイッチを備えたネットワークでの PTP パフォーマンスのトラブルシューティングと監視を行う機能を指します。このセクションでは、次の PTP 保守性の統計と情報を表示する方法について説明します。

  • PTP メッセージカウンタ

  • PTP エラーカウンタ

  • タイムスタンプオフセットと平均パス遅延の最大値と最小値

  • オフセットと平均パス遅延値のヒストグラム

PTP メッセージカウンタの表示

すべてのインターフェイスで送受信された PTP メッセージのカウンタ情報を表示するには、show ptp port counters messages コマンドを使用します。特定のインターフェイスのカウンタを表示するには、show ptp port counters messages <interface> と入力します。次に例を示します。

Switch# show ptp port gi1/4 counters messages

GigabitEthernet1/4

       Transmit                                 Receive
            5  Announce                            34  Announce
            9  Sync                                68  Sync
            9  Follow_Up                           68  Follow_Up
           10  Delay_Req                            0  Delay_Req
            0  Delay_Resp                          10  Delay_Resp
            0  Pdelay_Req                           0  Pdelay_Req
            0  Pdelay_Resp                          0  Pdelay_Resp
            0  Pdelay_Resp_Follow_Up                0  Pdelay_Resp_Follow_Up
            0  Signaling                            0  Signaling
            0  Management                           0  Management

(注)  

注:Cisco IOS リリース 15.2(8)E では、show ptp port counters メッセージの出力が変更されました。以前の Cisco IOS リリースのスイッチでは、show ptp counters メッセージの出力が異なる形式で表示されます。


コマンドの出力を次の表に示します。

すべてのインターフェイスのメッセージカウンタをクリアするには、clear ptp port counters messages と入力します。

特定のポートのカウンタをクリアするには、clear ptp port interface <interface> counters messages と入力します。

Port

ポートのタイプと番号(Gi1/3 など)。

Transmit, Receive

テーブルに表示されるデータの方向。

Announce

時刻源/時刻受信者階層を確立するために使用される一般的なメッセージ(タイムスタンプでタグ付けされていない)。

Sync

データパケットがポートに到達、またはそこから離れるときにタイムスタンプでタグ付けされ、通常のクロックと境界クロックを同期するために使用されるイベントメッセージ。

Follow_Up

通常のクロックと境界クロックを同期するために使用される(タイムスタンプでタグ付けされていない)一般的なメッセージ。

Delay_Req

遅延要求:データパケットがポートに到達、またはそこから離れるときにタイムスタンプでタグ付けされ、通常のクロックと境界クロックを同期するために使用されるイベントメッセージ。

Delay_Resp

遅延応答:通常のクロックと境界クロックを同期するために使用される一般的なメッセージ。時刻源は、タイムスタンプ t4 を Delay_Resp メッセージに埋め込むことにより、タイムスタンプ t4 を時刻受信者に伝達します。

Pdelay_Req

ピア遅延要求:データパケットがポートに到達、またはそこから離れるときにタイムスタンプでタグ付けされ、透過クロックのリンク遅延を測定するために使用されるイベントメッセージ。

Pdelay_Resp

ピア遅延応答:データパケットがポートに到達、またはそこから離れるときにタイムスタンプでタグ付けされ、透過クロックのリンク遅延を測定するために使用されるイベントメッセージ。

Pdelay_Resp_Follow_Up

ピア遅延応答のフォローアップ:透過クロックのリンク遅延を測定するために使用される一般的なメッセージ(タイムスタンプでタグ付けされていない)。

Signaling

1 つ以上の TLV エンティティのシーケンスを転送するために使用されるメッセージ。シグナリングメッセージは、1 つのクロックから 1 つ以上の他のクロックに送信されます。

Management

属性にアクセスし、PTP 標準で定義された特定のイベントを生成するために使用されるメッセージ。

PTP エラーメッセージカウンタの表示

PTP エラーは、フィールドの不一致エラー、予期しないメッセージ、重複メッセージ、および一般的なエラーに分類されます。すべてのインターフェイスで発生した PTP エラーのカウンタ情報を表示するには、show ptp port counters errors コマンドを使用します。特定のインターフェイスのカウンタを表示するには、show ptp port counters errors <interface> と入力します。次に例を示します。

NAT2#sh ptp port counters errors 

GigabitEthernet1/1

            0  Sanity check failed                  0  Blocked port                    
            0  Timestamp get failed                 0  ParentId invalid                
            0  Vlan mismatch                        0  GmcId invalid                   
            0  Domain mismatch                      0  SequenceId invalid              
            0  Sync fault                           0  Unmatched Follow_Up             
            0  Duplicate Sync                       0  Unmatched Delay_Resp            
            0  Duplicate Announce                   0  Unmatched Pdelay_Resp           
            0  Send error                           0  Unmatched Pdelay_Resp_Follow_Up 
            0  Misc error                           0  Rogue master Sync               
            0  Rogue master Follow_Up               0  Rogue master Announce   

NAT2#sh ptp port gi1/2 counters errors 

GigabitEthernet1/2

            0  Sanity check failed                  0  Blocked port                    
            0  Timestamp get failed                 0  ParentId invalid                
            0  Vlan mismatch                        0  GmcId invalid                   
            0  Domain mismatch                      0  SequenceId invalid              
            0  Sync fault                           0  Unmatched Follow_Up             
            0  Duplicate Sync                       0  Unmatched Delay_Resp            
            0  Duplicate Announce                   0  Unmatched Pdelay_Resp           
            0  Send error                           0  Unmatched Pdelay_Resp_Follow_Up 
            0  Misc error                           0  Rogue master Sync               
            0  Rogue master Follow_Up               0  Rogue master Announce           

NAT2#

コマンドの出力を次の表に示します。

すべてのインターフェイスのエラーカウンタをクリアするには、clear ptp port counters errors と入力します。

特定のポートのエラーカウンタをクリアするには、clear ptp port interface <interface> counters errors と入力します。

Port

ポートのタイプと番号。

Sanity check failed

入力 PTP パケットの PTP メッセージ ヘッダー フィールドが無効です。

Timestamp get failed

PTP メッセージのタイムスタンプは、ハードウェアによって生成されます。

タイムスタンプ エラー カウンタは、ソフトウェアが特定の PTP メッセージのタイムスタンプを取得できない場合に増加します。タイムスタンプを持つ PTP メッセージは、Sync、Delay_Req、Pdelay_Req、および Pdelay_Resp です。

Vlan mismatch

入力 PTP メッセージの VLAN ID は、ptp vlan コマンドで設定された VLAN ID とは異なります。

Domain mismatch

(境界クロックモードでのみ適用可能)

入力 PTP メッセージのドメイン番号フィールドは、設定された PTP クロックドメイン(ptp domain コマンドで設定された PTP ドメイン番号)とは異なります。

Sync fault

PTP クロックオフセット値が、PTP 時刻受信者ポートで設定された「同期制限」値(PTP SLAVE 状態のインターフェイスの ptp sync limit で設定された値)を超えました。

Duplicate sync

スイッチが受信した重複 PTP 同期メッセージの数。(重複は、受信したメッセージの PTP シーケンス番号をチェックすることによって識別されます。)

Duplicate announce

スイッチが受信した重複 PTP アナウンスメッセージの数。(重複は、受信したメッセージの PTP シーケンス番号をチェックすることによって識別されます。)

Send error

障害が原因で送信できなかった PTP メッセージの数。PTP ソフトウェアは、メモリ割り当ての失敗、正しい発信インターフェイス情報の取得の失敗などの理由により、PTP メッセージの送信に失敗する可能性があります。

Misc error

PTP プロトコルで発生したその他のエラーの数。上記に記載されていないエラーは、その他のエラーとして分類されます。

Rogue master Follow_Up

ドロップされた不正パケットの着信フォローアップメッセージの数。

Blocked port

PTP メッセージ(ピア遅延メッセージを除く)は、REP/STP ブロックポートで受信されます。

ParentId invalid

(境界クロックモードでのみ適用可能)

入力 PTP メッセージの送信元ポート ID は、ローカル PTP クロックの親ポート ID とは異なります。

GMCId invalid

(境界クロックモードでのみ適用可能)

入力アナウンスメッセージのグランドマスタークロック ID の値が無効です(入力アナウンスメッセージのグランドマスタークロック ID は、ローカル PTP クロックのクロック ID と同じです)。

SequenceId invalid

(境界クロックモードでのみ適用可能)

入力 PTP メッセージのシーケンス ID フィールドに無効な値があります(フォローアップメッセージのシーケンス ID は、以前の同期メッセージのシーケンス ID と異なります)。

Unmatched Follow_Up

スイッチでは、フォローアップが予期されていた未処理の同期メッセージがないときに、フォローアップメッセージが受信されました。

Unmatched Delay_Resp

一致しない遅延応答:スイッチは遅延要求を送信せずに遅延応答を受信しました。

Unmatched Pdelay_Resp

一致しないピア遅延応答:スイッチでは、ピア遅延要求を送信せずにピア遅延応メッセージが受信されました。

Unmatched Pdelay_Resp_Follow_Up

一致しないピア遅延応答のフォローアップ:スイッチでは、ピア遅延要求を送信せずにピア遅延応答メッセージが受信されました。

Rogue master Sync

ドロップされた不正パケットの着信同期メッセージの数。

Rogue master Announce

ドロップされた不正パケットの着信アナウンスメッセージの数。

PTP オフセットと遅延の表示

PTP オフセット値は、マスタークロックから測定されたクロックのオフセット(ナノ秒単位)です。平均パス遅延は、PTP フレームが時刻源と時刻受信者間を移動するのにかかる平均時間(ナノ秒単位)です。スイッチが GMC-BC(グランドマスター境界クロック)または BC(境界クロック)モードで動作している場合、時刻源からのオフセットと平均パス遅延の履歴の最大値と最小値を表示できます。オフセット、遅延、および時間エラーのヒストグラムを表示することもできます。ここで、指定されたフィールドの履歴値は、データ分布を示すためにビンに分割されます。

高いオフセット値と遅延値は、たとえば、デバイスがネットワーク内でダウンし、時刻源へのリンクが利用可能だが実行可能でない場合などの問題を示している可能性があります。理想的には、オフセットと遅延の値はできるだけ小さくする必要があります。一部の PTP モードまたはプロファイルにより、オフセット値が高くなる可能性があります。オフセットは負の値にすることができます。

オフセットと遅延の値は、最後の日と過去 5 秒間、15 秒間、1 分間、5 分間、15 分間、1 時間、5 時間、15 時間、1 日(過去 1 日)、5 日間、15 日間、15 日間を超えて表示されます。

スイッチが時刻源またはグランドマスタークロックである場合、これらの値はゼロになります。


(注)  

時刻源からのオフセットと平均パス遅延の履歴の最大値と最小値を表示するコマンドは、PTP デフォルトプロファイルと電力プロファイルの両方でサポートされています。

時間エラーデータを表示するコマンドは、p2ptransparent または e2etransparent クロックモードに適用されます。


Offset

時刻源からのオフセットの過去の最大値と最小値を表示するには、次のように show ptp history offset コマンドを入力します。

NAT1#sh ptp history offset 

                              5 seconds  15 seconds    1 minute   5 minutes

Max offset from master(ns):           0           0           0           0
Min offset from master(ns):           0           0           0           0

                             15 minutes      1 hour     5 hours    15 hours

Max offset from master(ns):           0           0           0           0
Min offset from master(ns):           0           0           0           0

                                  1 day      5 days     15 days    >15 days

Max offset from master(ns):        2999        2999        2999        2999
Min offset from master(ns):        -726        -726        -726        -726

NAT1#

遅延

平均パス遅延の過去の最大値と最小値を表示するには、次の例が示すように show ptp history delay を入力します。

NAT1#sh ptp history delay 

                           5 seconds  15 seconds    1 minute   5 minutes

Max mean path delay(ns):           0           0           0           0
Min mean path delay(ns):           0           0           0           0

                          15 minutes      1 hour     5 hours    15 hours

Max mean path delay(ns):           0           0           0           0
Min mean path delay(ns):           0           0           0           0

                               1 day      5 days     15 days    >15 days

Max mean path delay(ns):       12154       12154       12154       12154
Min mean path delay(ns):           0           0           0           0

NAT1#

   

時刻エラー

クロックモードが p2ptransparent または e2etransparent の場合に、タイムエラーデータの過去の最大値と最小値を表示するには、次の例が示すように show ptp history time-error を入力します。

NAT2#sh ptp history time-error 

                      5 seconds  15 seconds    1 minute   5 minutes

Max time error(ns):           0           0           0           0
Min time error(ns):      -35260      -36487      -36487           0

                     15 minutes      1 hour     5 hours    15 hours

Max time error(ns):           0           0           0           0
Min time error(ns):           0           0           0           0

                          1 day      5 days     15 days    >15 days

Max time error(ns):           0           0           0           0
Min time error(ns):           0           0           0           0

NAT2#

ヒストグラム

PTP オフセット、遅延、または時間エラーデータのヒストグラムを表示するには、show ptp histogram [offset|delay|time-error] コマンドを入力します。過去 60 秒間、過去 1 時間、過去 24 時間のデータが表示されます。値は、0 ~ 20 ナノ秒、20 ~ 50 ナノ秒、50 ~ 100 ナノ秒、100 ~ 250 ナノ秒、250 ~ 500 ナノ秒、500 ~ 1,000 ナノ秒、1,000 ~ 10,000 ナノ秒、および 10,000 ナノ秒を超える範囲に分割されます。オフセット値とタイムエラー値は、さらに負または正に分類されます。

  • [Offset]:クロックモードが境界の場合に使用できます。時刻源からのオフセットのヒストグラムを表示します。

  • [Delay]:クロックモードが境界または gmc 境界の場合に使用できます。平均パス遅延データのヒストグラムを表示します。

  • [Time-error]:クロックモードが p2ptransparent または e2etransparent の場合に使用できます。時間エラー(周波数エラー * 隔離時間)のデータのヒストグラムを表示します。

次の例は、PTP オフセットと遅延のヒストグラムを示しています。

Switch#show ptp histogram offset 
Offset data history

Last 60 seconds:
0          5          5          2          -6         1          0          4          
-3         -5         2          -4         0          -1         2          4          
3          -3         -4         -2         3          3          2          -3         
0          -8         4          4          -2         6          -5         -6         
4          0          2          -1         -4         1          -6         2          
2          -3         -1         4          -1         1          0          3          
-4         -6         0          5          0          7          5          0          
-6         2          4          1          

Offset range        Positive     Negative
0-20ns                 38           22   
20-50ns                0            0    
50-100ns               0            0    
100-250ns              0            0    
250-500ns              0            0    
500-1us                0            0    
1-10us                 0            0    
>10us                  0            0    

Last 60 mins:
-6         2          -2         -6         0          0          0          1          
-6         3          -2         3          -6         -1         4          3          
-4         3          -6         -2         3          -2         -1         -4         
-1         -7         2          0          -6         3          1          -5         
5          -6         3          -1         -4         -1         2          1          
-2         1          2          -2         4          2          0          4          
0          -2         3          -2         -5         -4         -3         -5         
-1         -1         -4         -1         

Offset range        Positive     Negative
0-20ns                 27           33   
20-50ns                0            0    
50-100ns               0            0    
100-250ns              0            0    
250-500ns              0            0    
500-1us                0            0    
1-10us                 0            0    
>10us                  0            0    

Last 24hr:
0          -4         -3         4          7          0          6          1          
-6         3          3          -3         4          0          1          -9         
1          -3         -2         0          2          -5         -1         -4         

Offset range        Positive     Negative
0-20ns                 14           10   
20-50ns                0            0    
50-100ns               0            0    
100-250ns              0            0    
250-500ns              0            0    
500-1us                0            0    
1-10us                 0            0    
>10us                  0            0    


Switch#show ptp histogram delay 
Mean path delay data history

Last 60 seconds:
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        123        123        
123        123        123        123        

Delay range
0-20ns         0     
20-50ns        0     
50-100ns       0     
100-250ns      60    
250-500ns      0     
500-1us        0     
1-10us         0     
>10us          0     

Last 60 minutes:
122        122        123        123        123        123        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
121        121        122        121        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        122        122        122        
122        122        122        122        122        121        121        121        
121        122        122        122        122        121        121        122        
122        122        122        122        

Delay range
0-20ns         0     
20-50ns        0     
50-100ns       0     
100-250ns      60    
250-500ns      0     
500-1us        0     
1-10us         0     
>10us          0     

Last 24 hours:
121        122        121        122        122        122        122        122        
121        122        121        122        121        121        122        121        
121        122        122        122        122        122        122        122        

Delay range
0-20ns         0     
20-50ns        0     
50-100ns       0     
100-250ns      24    
250-500ns      0     
500-1us        0     
1-10us         0     
>10us          0     

次の例は、時間エラーデータのヒストグラムを示しています。

NAT2#sh ptp histogram time-error 

Time Error (in nanoseconds)

Last 60 seconds:
        286        270        264        240        211        201        172
        137        129        105         83         38         -5        -48
        -69        -97       -148       -208       -229       -266       -336
       -357       -427       -451       -500       -567       -664       -705
       -772       -840       -910      -1022      -1071      -1165      -1262
      -1435      -1489      -1592      -1757      -1836      -1969      -2199
      -2263      -2498      -2578      -2735      -3013      -3106      -3311
      -3509      -3718      -3936      -4183      -4596      -4729      -5020
      -5338      -5650      -6121      -6282

Time Error range        Positive     Negative
----------------        --------     --------
  0-20ns                    0            1
 20-50ns                    1            1
 50-100ns                   1            2
100-250ns                   7            3
250-500ns                   3            6
500-1us                     0            6
  1-10us                    0           29
   >10us                    0            0

Last 60 minutes:
       -208      -3106     -16704          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0

Time Error range        Positive     Negative
----------------        --------     --------
  0-20ns                   57            0
 20-50ns                    0            0
 50-100ns                   0            0
100-250ns                   0            1
250-500ns                   0            0
500-1us                     0            0
  1-10us                    0            1
   >10us                    0            1

Last 24 hours:
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0          0          0          0          0
          0          0          0

Time Error range        Positive     Negative
----------------        --------     --------
  0-20ns                   24            0
 20-50ns                    0            0
 50-100ns                   0            0
100-250ns                   0            0
250-500ns                   0            0
500-1us                     0            0
  1-10us                    0            0
   >10us                    0            0

NAT2#

統計情報のクリア

オフセット、遅延、および時間エラーの履歴統計情報をクリアするには、clear ptp history と入力します。

オフセット、遅延、および時間エラーヒストグラム統計情報をクリアするには、clear ptp histogram と入力します。

PTP のデバッグ

次の表に、PTP のデバッグに使用できるコマンドを示します。

debug ptp messages [message-type]

PTP メッセージのデバッグをイネーブルにします。

message-type を指定すると、PTP メッセージタイプに基づいてログをフィルタリングできます。

  • announce

  • delayreq

  • delayresp

  • followup

  • peerdelayfollowup

  • peerdelayreq

  • peerdelayresp

  • sync

debug ptp error

PTP エラーのデバッグをイネーブルにします。

debug ptp bmc

PTP ベスト マスター クロック アルゴリズムのデバッグをイネーブルにします。

debug ptp event

PTP ステート イベントのデバッグをイネーブルにします。

機能の履歴

機能名

リリース

機能情報

C37.238-2017:電力プロファイルのサポート

15.2(8)E1

IE 4000、IE 4010、および IE 5000 での透過クロックの IEEE 1588 PTPv2、C37.238-2017 電力プロファイルのサポート。

PTP IE5000 水平スタック

15.2(8)E

水平スタックとして動作する IE 5000 スイッチでの PTP サポート。

ポートチャネル TC での PTP

15.2(8)E

透過クロックのポートチャネルでの PTP サポート。

ポートチャネル BC での PTP

15.2(7)E3

境界クロックのポートチャネルでの PTP サポート。

IEC 61850-9-3 2016 プロファイル

15.2(7)E3

透過クロックモードの電力プロファイルを有効にするように設定します。

GMC ブロック

15.2(7)E3

IE 4000、IE 4010、および IE 5000 スイッチでの初期サポート。

PTP DSCP 値

15.2(7)E3

IE 4000、IE 4010、および IE 5000 スイッチでの初期サポート。

PTP 保守性

15.2(7)E1a

IE 4000、IE 4010、および IE 5000 スイッチでの初期サポート。

802.1AS プロファイル

15.2(5)E2

IE 4000 スイッチでの初期サポート。

タイム サービス機能拡張

15.2(4)EA1

NTP から PTP への時刻変換、フィードフォワード BC、および PDV フィルタリングのために IE 5000 スイッチで初期サポート。

15.2(4)EA

NTP から PTP への時刻変換、フィードフォワード BC、および PDV フィルタリングのために IE 4000 スイッチで初期サポート。

Precision Time Protocol

15.2(4)EC

IE 4010 で初期サポート。

15.2(2)EB1

IE 5000 で初期サポート。

15.2(2)EA

IE 4000 で初期サポート。