従来、キャンパスネットワークでネットワーク セグメンテーションを提供する標準的な方法は VLAN でした。VLAN は、スパニングツリープロトコル(STP)などのループ防止技術を使用しているため、ネットワーク設計と復元力が制限されます。さらに、レイヤ
2 セグメントのアドレス指定に使用できる VLAN の数には制限があります(4,094 個の VLAN)。したがって、大規模で複雑なキャンパスネットワークを構築する IT 部門やクラウドプロバイダにとって、VLAN は制限要因となります。
VXLAN は、VLAN および STP の固有の制限を打破するように設計されています。これは、提案されている IETF 標準規格(RFC 7348)であり、VLAN と同じイーサネットレイヤ 2 のネットワークサービスを提供しますが、柔軟性が向上します。機能的には、VXLAN は既存のレイヤ 3 ネットワーク上で仮想オーバーレイとして動作する MAC-in-UDP のカプセル化プロトコルです。
ただし、VXLAN 自体は拡張性を制限する「フラッディングと学習」メカニズムを使用するため、ネットワークに最適なスイッチングとルーティングの機能を提供しません。「フラッディングと学習」メカニズムは、ホストの情報が到達可能なようにネットワーク全体にフラッディングされます。最適なスイッチングとルーティングの機能を提供するには、VXLAN
オーバーレイに次が必要です。
これらの追加要件を満たすために、BESS ワークグループによって提出された Internet Draft(draft-ietf-bess-evpn-overlay-12)では、レイヤ 2 の MAC 情報とレイヤ 3 の IP 情報を同時に伝送する MP-BGP が提案されていました。これを実現するために、MP-BGP ではネットワーク層到達可能性情報(NLRI)を組み込みます。転送の決定に MAC と IP
の情報を一緒に使用できるため、ネットワーク内のルーティングとスイッチングが最適化されます。これにより、VXLAN で使用される従来の「フラッディングと学習」メカニズムの使用が最小限に抑えられ、ファブリックの拡張性が確保されます。EVPN は、BGP
がレイヤ 2 の MAC とレイヤ 3 の IP 情報を転送できるようにする拡張機能です。この展開を BGP EVPN VXLAN ファブリックと呼びます(VXLAN ファブリックとも呼びまる)。