次の図は、企業で一般的に展開されている、サポート対象の LAN ネットワーク設計を示しています。

Bonjour ゲートウェイ機能を提供する SDG エージェントは通常、マルチレイヤネットワーク設計のディストリビューション レイヤまたはルーテッド アクセス ネットワーク設計のアクセスレイヤに配置される可能性がある、有線エンドポイントの IP ゲートウェイです。

• マルチレイヤ LAN：この展開モードにおいて、レイヤ 2 アクセススイッチは、ローカルに接続された有線エンドポイントにファーストホップ Bonjour ゲートウェイ機能を提供します。Bonjour サービスとグローバルディスカバリ要求は、IP ゲートウェイまたは SDG エージェントとして機能するディストリビューション レイヤ システムにルーティングされます。Cisco Catalyst スイッチのアクセスレイヤとディストリビューション レイヤ間で既存のレイヤ 2 トランク設定を変更する際、追加の設定や新しい要件は必要ありません。レイヤ 2 サービスピアスイッチ間のポリシーベースのサービスルーティングは、SDG エージェントによって実行されます。SDG エージェント間のポリシーベースのサービスルーティングは、Cisco DNA Center コントローラによって実行されます。

• ルーテッドアクセス：この展開モードでは、ファーストホップスイッチは IP ゲートウェイ境界であるため、SDG エージェントのロールを実行する必要があります。SDG エージェント間のポリシーベースのサービスルーティングは、Cisco DNA Center コントローラによって実行されます。

Bonjour 向け Cisco DNA サービス は、企業で一般的に導入されているさまざまなワイヤレス LAN ネットワークの設計もサポートします。Cisco Catalyst 9800 シリーズ ワイヤレス LAN コントローラ（WLC）は、mDNS ゲートウェイをサポートするサービスピアロールに導入でき、エンドツーエンドのサービスルーティングのためにアップストリーム ゲートウェイ スイッチとペアリングできます。

次の図は、企業で一般的に導入されている、サポートされているワイヤレス LAN ネットワークの設計を示しています。

• ローカルモード：この中央スイッチングワイヤレス導入モードで、Bonjour トラフィックは、シスコ アクセスポイントから中央に導入された Cisco ワイヤレス LAN コントローラへの CAPWAP トンネル内にカプセル化されます。シスコ アクセスポイントは、ローカルモードに設定されます（中央スイッチングでは、アクセスポイントを FlexConnect モードに設定することもできます）。中央スイッチングでは、Cisco Catalyst 9800 シリーズ ワイヤレス LAN コントローラは、サービスピアロールで Bonjour サービスの mDNS ゲートウェイ機能を提供します。WLC は、サービスを検出してローカルワイヤレスユーザーに配信し、IP ゲートウェイおよび SDG エージェントとして機能するディストリビューション レイヤの Cisco Catalyst スイッチへのワイヤレス管理インターフェイスを介してユニキャスト サービス ルーティングを実行できます。Cisco ワイヤレス LAN コントローラと Cisco Catalyst スイッチのディストリビューション レイヤ間で既存のレイヤ 2 トランクの設定を変更する際、追加の設定や要件は必要ありません。Cisco Wireless LAN Controller は、マルチキャストモードでグローバルマルチキャストとAP マルチキャストを使用して設定する必要があります。アクセスポイントがワイヤレス LAN コントローラによってアナウンスされたマルチキャストグループに参加しない限り、Bonjour エンドポイントとの通信はワイヤレスユーザーグループに対して有効になりません。

• FlexConnect：FlexConnect ローカルスイッチングモードでは、有線ユーザーとワイヤレスユーザーの両方がアクセスレイヤで同じゲートウェイを共有します。レイヤ 2 アクセススイッチは、ローカルに接続された有線およびワイヤレスユーザーにポリシーベースの mDNS ゲートウェイ機能を提供します。ディストリビューション レイヤの Cisco Catalyst スイッチは、LAN およびワイヤレス LAN ユーザーグループの SDG エージェントとして機能します。

• Embedded Wireless Controller：スイッチ：Cisco Embedded Wireless Controller ソリューションは、Cisco Catalyst 9300 シリーズ スイッチ内で軽量の統合型ワイヤレス LAN コントローラ機能を実現します。ディストリビューション レイヤの Cisco Catalyst スイッチは、LAN およびワイヤレス LAN ユーザーグループに対する SDG エージェントとして機能します。ディストリビューション レイヤの SDG エージェントは、mDNS フラッディングを発生させずに、すべてのワイヤレスアクセスポイントおよびレイヤ 2 サービスピアスイッチにユニキャスト サービス ルーティングを提供します。組み込み Cisco ワイヤレス LAN コントローラスイッチは、マルチキャストモードではグローバルマルチキャストと AP マルチキャストで設定し、ブリッジモードでは mDNS を設定する必要があります。

• Embedded Wireless Controller：アクセスポイント：Cisco Embedded Wireless Controller ソリューションは、プライマリロールで設定されたシスコ アクセスポイント内で軽量の統合型ワイヤレス LAN コントローラ機能を実現します。ワイヤレスユーザーは、アクセスレイヤで有線エンドポイントと同じ Bonjour ゲートウェイを共有します。アクセスレイヤの Cisco Catalyst スイッチは、LAN およびワイヤレス LAN ユーザーグループに対するサービスピアとして機能します。ディストリビューション レイヤの SDG エージェントは、mDNS フラッディングを発生させずに、レイヤ 2 ネットワークブロック内のすべてのレイヤ 2 サービスピアスイッチにユニキャスト サービス ルーティングを提供します。組み込みワイヤレスモード AP には AP マルチキャストが必要で、mDNS はブリッジモードで設定する必要があります。

  （注）	Cisco AireOS ベースの WLC は、ワイヤレスエンドポイント間の mDNS パススルー ネットワーク デバイスとして導入できます。アップストリーム SDG エージェントは、有線ネットワークの場合と同様に、ワイヤレスエンドポイントに一貫した Bonjour ゲートウェイ機能を提供します。一般に、ワイヤレスクライアントの IP ゲートウェイは Bonjour ゲートウェイでもあります。ただし、SDG エージェントの配置は、ワイヤレス LAN の導入モードによって異なる場合があります。

次の図は、レイヤ 2 ネットワーク境界の拡張を伴わない Cisco SD-Access 対応有線およびワイヤレスネットワークを示しています。

Bonjour 向け Cisco DNA サービス SD-Access 対応有線およびワイヤレスネットワークでは、2 つの論理コンポーネントを使用します。

• SDG エージェント：アクセスレイヤネットワークのレイヤ 3 ファブリックエッジスイッチが SDG エージェントとして設定されます。mDNS ゲートウェイおよび Wide Area Bonjour サービスルーティング設定は、SD-Access の設定後にのみ追加されます。

• Cisco DNA コントローラ：Cisco DNA Center 上の Wide Area Bonjour アプリケーションは、ネットワーク全体に分散するファブリックエッジスイッチ間でのポリシーおよびロケーションベースサービスの検出と配信をサポートするコントローラとして機能します。

SDG エージェントとコントローラ間の Wide Area Bonjour 通信は、ネットワークアンダーレイを介して実行されます。SDG エージェントは、ポリシーに基づき、ファブリックアンダーレイを介して、エンドポイントのアナウンスやクエリをコントローラに転送します。サービスが検出されると、Bonjour 対応アプリケーションは、ファブリックオーバーレイを介したエンドポイント間での直接ユニキャスト通信を確立します。この通信は、オーバーレイ IP ルーティングポリシーおよび SGT ポリシーに従います（設定されている場合）。

シスコ ワイヤレス LAN コントローラは、マルチキャストモードでグローバルマルチキャストと AP マルチキャストを使用して設定する必要があります。ネットワーク管理者は、アンダーレイで IP マルチキャストを有効にし、すべてのファブリック対応シスコ ワイヤレス アクセス ポイントがマルチキャストグループに正常に参加していることを確認する必要があります。シスコ ワイヤレス LAN コントローラの mDNS スヌーピング設定は無効であり、無効モードのままにする必要があります。

セキュリティポリシーは、Cisco SD-Access ファブリックネットワークのポリシー拡張ノード（PEN）機能を使用したレイヤ 2 アクセスで Cisco Catalyst 9000 シリーズ スイッチに拡張できます。ネットワークセキュリティと mDNS サービスポリシーは、Cisco DNA Center による Wide Area Bonjour サービスルーティング用の レイヤ 2/3 ディストリビューション レイヤで SDG エージェントモードをサポートするファブリックエッジと組み合わせたサービスピアロールのレイヤ 2 アクセス PEN スイッチで組み合わせることができます。