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StackPower では、次の用語を使用します。
使用可能電力とは、PoE で使用できる、電源スタックのすべての電源モジュールからの合計電力です。スタックの使用可能電力を参照するには、show power inline 特権 EXEC コマンドを入力します。
バジェット電力とは、スタックの PoE ポートに接続されているすべての受電デバイスに割り当てられている電力です。バジェット電力は、show power inline コマンドの出力で、Used (Watts) と表示されます。
消費電力とは、受電デバイスで実際に消費される電力です。消費電力は、通常、バジェット電力よりも低くなります。消費電力を確認するには、show power inline police 特権 EXEC コマンドを入力します。
スイッチにはシステム 1 つあたりに 2 つの電源モジュールがあり、電源負荷をそのモジュール間で分散できます。PoE+ 規格(802.3at)に適合した受電デバイスに供給する電力は、1 ポートあたり最大 30 W に増大しましたが、これによって対応できます。PoE+ では、PoE ポートの受電デバイス 1 台につき 30 W を供給する場合、48 ポート システムで 1440 W が必要です。受電デバイスの数が少なければ、必要な電源モジュールが 1 つだけになる場合もあります。この場合、追加の電源モジュールによって、アクティブな電源に 1 対 1 の冗長性を提供できます。
また、スタック構成スイッチは、StackPower をサポートします。これは、スタックの複数のシステムで、電源モジュールが負荷を共有できるようにするものです。スイッチを電源スタック ケーブルで接続することによって、すべてのスイッチおよびスイッチ ポートに接続されている受電デバイスに電源を供給する 1 つの大きな電源モジュールとして最大 4 つのスタック メンバーを管理できます。電源モジュールは、最大負荷の 30 ~ 90% で稼働しているときに効率が最大になります。そのため、一部の電源をオフラインにすると、最大の電源効率が得られます。電源スタックのスイッチは、同じスイッチ(データ)スタックのメンバーになっている必要があります。
次の 2 つのモードのどちらかで実行するように電源スタックを設定できます。
電源共有モード(デフォルト)。すべての入力電力を電源負荷に使用できます。電源スタックのすべてのスイッチ(最大 4 台)の総使用可能電力が、単一の大きな電源モジュールとして扱われ、電力は、すべてのスイッチおよび PoE ポートに接続されているすべての受電デバイスで使用できます。このモードでは、総使用可能電力が電力バジェットの決定に使用され、電源モジュールの障害に対応するために予約される電力はありません。電源モジュールに障害が発生すると、受電デバイスおよびスイッチがシャットダウンされることがあります(負荷制限)。
冗長モード。システムで最大の電源モジュールが電源バジェットから減算され、総使用可能電力が減りますが、これによって、電源モジュールに障害が発生した場合のバックアップ電源を提供します。スイッチおよび受電デバイスのプールで使用できる電力は減りますが、電源障害または極端な電力負荷が発生した場合でも、スイッチまたは受電デバイスのシャットダウンが必要になる可能性が減ります。
また、厳密な電力バジェットと厳密でない(緩やかな)電力バジェットのどちらを実行するか、モードを設定できます。どちらのモードでも、電力バジェットで使用可能な電力がなくなると、電源供給が拒否されます。
厳密モードでは、電源モジュールに障害が発生し、使用可能電力がバジェット電力よりも下がった場合、実際に消費される電力が使用可能電力よりも低くても、システムは受電デバイスの負荷制限によってバジェットを分散させます。
非厳密モードでは、実際の電力が使用可能電力を超えない限り、電源スタックが割り当て超過状態で稼働でき、安定した状態のままです。このモードでは、受電デバイスが通常の電力を超えて電力を引き出すと、電源スタックが負荷制限を開始することがあります。ほとんどのデバイスは最大電力では稼働せず、スタックの複数の受電デバイスが同時に最大電力を必要とすることはほとんどないため、通常は問題になりません。
電源モードは、電源スタック レベルで設定します(つまり、電源スタックのすべてのスイッチで、モードは同じです)。
スイッチをスタンドアロン電源モードに設定して、電源スタックに接続されているスイッチが電源スタックに参加しないように設定することもできます。このモードに設定すると、両方の電源ポートがシャットダウンします。
スイッチまたは受電デバイスが電力を受け取るプライオリティを設定できます。このプライオリティによって、電力が不足したときにシャットダウンされるデバイスの順番が決まります。システムごとに、システム(またはスイッチ)プライオリティ、スイッチの高優先順位 PoE ポートのプライオリティ、スイッチの低優先順位 PoE ポートのプライオリティという 3 つのプライオリティを設定できます。
PoE ポートに接続された受電デバイスに対し、インターフェイス レベルでポート プライオリティを設定します。デフォルトでは、すべてのポートが低優先順位です。
電源スタックの各スイッチのプライオリティ値と、そのスイッチ上の高および低優先順位ポートのプライオリティ値を設定し、電源が遮断され負荷制限が必要になった場合にスイッチとポートがシャットダウンされる順序を設定します。プライオリティ値は 1 ~ 27 です。最も高い値のスイッチおよびポートが最初にシャットダウンされます。
![]() (注) | プライオリティ 27 は、スター型構成に接続された電源スタックに拡張可能な電源モジュールを提供するために使用します。この設定では、1 システムに 9 つのメンバ(スイッチ)があり、各スイッチに 3 つのプライオリティが設定されます。 |
どのスイッチでも、スイッチの優先順位はポートの優先順位よりも低くする必要があります。また、高優先順位値は低優先順位値よりも小さな数字に設定する必要があります。スイッチごとに異なるプライオリティ値を設定し、高優先順位ポートと低優先順位ポートに異なるプライオリティ値を設定することを推奨します。これによって、電源が失われたときに同時にシャットダウンされるデバイスの数が制限されます。同じ電源スタックの異なるスイッチに同じプライオリティ値を設定しようとすると、設定は許可されますが、警告メッセージが表示されます。
デフォルトのプライオリティの範囲は、何も設定していない場合、スイッチが 1 ~ 9、高優先順位ポートが 10 ~ 18、低優先順位ポートが 19 ~ 27 です。
負荷制限は、電源モジュール、ケーブル、またはシステムに障害が発生した場合に、デバイスをシャットダウンするプロセスです。電源共有モードの電源スタックには、即時とグレースフルの 2 種類の負荷制限があります。
即時負荷制限は、障害によって電源スタックの機能が急激に停止する可能性があるときに発生します。たとえば、電源スタックの最大の電源モジュールに障害が発生した場合、スタックはすぐに、受電デバイスのシャットダウンを開始します。
グレースフル負荷制限は、比較的小さな電源モジュールが故障したときに発生します。スイッチおよび受電デバイスは、プライオリティ 27 のデバイスから順に、電源バジェットが入力電源に適合するまで、設定されているプライオリティの順序でシャットダウンされます。
グレースフル負荷制限は常にイネーブルで、即時負荷制限は必要な場合にだけ発生します。そのため、両方が同時に発生することがあります。
![]() (注) | 冗長モードでは、最大の電源モジュールがバックアップ電源として使用されるため、複数の電源モジュールに障害が発生しない限り、負荷制限は発生しません。 |
負荷制限について、次のことに注意してください。
スタック電源の設定には、次の作業が含まれます。
1.
configure terminal
2.
stack-power stackpower stack name
3.
mode {power-sharing | redundant} [strict]
4.
end
5.
show stack-power
1.
configure terminal
2.
stack-power switchswitch-number
3.
stack [power-stack-name]
4.
power-priority switchvalue
5.
power-priority high value
6.
power-priority lowvalue
7.
end
8.
show stack-power
1.
configure terminal
2.
interface interface-id
3.
power inline port priority {high | low}
4.
end
5.
show power inline priority
コマンドまたはアクション | 目的 | |||
---|---|---|---|---|
ステップ 1 | configure terminal 例: Switch# configure terminal
|
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。 | ||
ステップ 2 | interface interface-id 例: Switch(config)# interface gigabitethernet 1/0/1
|
スタックのポートのインターフェイス ID を入力し、インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始します。インターフェイスは PoE ポートである必要があります。 | ||
ステップ 3 | power inline port priority {high | low} 例: Switch(config-if)# power inline port priority high
|
ポートの電源プライオリティを high または low に設定します。電力が低下した場合、低優先順位ポートに接続された受電デバイスが最初にシャットダウンされます。デフォルトは低優先順位です。
| ||
ステップ 4 | end 例: Switch(config-if)# end
|
特権 EXEC モードに戻ります。 | ||
ステップ 5 | show power inline priority 例: Switch# show power inline priority
|
入力を確認します。 |
電源共有モードの電源スタックで、電源スタックの大きな電源モジュールが故障した場合、スタックはすぐに、電源バジェットが入力電源に適合するまで受電デバイスのシャットダウンを開始します。この例では、4 つのスイッチで構成される電源共有モードの電源スタック(Powerstack1)で、2 つの電源モジュールのいずれかが失われたために即時負荷制限プロセスが発生したときに、シャットダウンされるデバイスを示します。
show env all コマンドの出力で、電源共有に含まれる電源モジュールがスイッチ 1 の 715 W の電源モジュール、スイッチ 4 の 350 W の電源モジュール、およびスイッチ 4 の 1100 W の電源モジュールであることが示されます。その他の電源モジュールは非アクティブです(ディセーブル、または存在しません)。
Switch# show env all
Switch 1 FAN 1 is OK
Switch 1 FAN 2 is OK
Switch 1 FAN 3 is OK
FAN PS-1 is OK
FAN PS-2 is OK
Switch 1: SYSTEM TEMPERATURE is OK
SW PID Serial# Status Sys Pwr PoE Pwr Watts
-- ------------------ ---------- --------------- ------- ------- -----
1A PWR-C1-715WAC LIT133705FH OK Good Good 715
1B PWR-C1-715WAC DTN1341K018 Disabled Good Good 715
2A Not Present
2B PWR-C1-350WAC LIT13330FNM Disabled Good Good 350
3A PWR-C1-350WAC LIT13330FN3 Disabled Good Good 350
3B Not Present
4A PWR-C1-350WAC DTN1342L00T OK Good Good 350
4B PWR-C1-1100WAC LIT13370577 OK Good Good 1100
show stack-power 特権 EXEC コマンドの出力で、電源スタックの受電デバイスおよびスイッチのプライオリティが示されます。
Switch# show stack-power Power stack name: Powerstack1 Stack mode: Power sharing Switch 1: Power budget: 206 Low port priority value: 17 High port priority value: 16 Switch priority value: 2 Port A status: Not shut Port B status: Not shut Neighbor on port A: 0022.bdcf.ab00 Neighbor on port B: 0022.bdd0.4380 Switch 2: Power budget: 206 Low port priority value: 12 High port priority value: 11 Switch priority value: 1 Port A status: Not shut Port B status: Not shut Neighbor on port A: 0022.bdd0.6d00 Neighbor on port B: 0022.bdcf.af80 Switch 3: Power budget: 656 Low port priority value: 22 High port priority value: 21 Switch priority value: 3 Port A status: Not shut Port B status: Not shut Neighbor on port A: 0022.bdcf.af80 Neighbor on port B: 0022.bdd0.6d00 Switch 4: Power budget: 682 Low port priority value: 27 High port priority value: 26 Switch priority value: 4 Port A status: Not shut Port B status: Not shut Neighbor on port A: 0022.bdd0.4380 Neighbor on port B: 0022.bdcf.ab00
715 W または 1100 W の電源モジュールに障害が発生した場合、デバイス(PoE ポートに接続されている受電デバイスと、スイッチ自身)は、電力消費量が残りの電源モジュールの定格電力の 105% を下回るまで、次の順序でシャットダウンされます。
スイッチ 4 の低優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 27)
スイッチ 4 の高優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 26)
スイッチ 3 の低優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 22)
スイッチ 3 の高優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 21)
スイッチ 1 の低優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 17)
スイッチ 1 の高優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 16)
スイッチ 2 の低優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 12)
スイッチ 2 の高優先順位ポートに接続されているデバイス(プライオリティ 11)
スイッチ 4(プライオリティ 4)
スイッチ 3(プライオリティ 3)
スイッチ 1(プライオリティ 2)
プライオリティ 1 のデバイスに到達するときには、すべての電源が失われているため、スイッチ 2 はシャットダウンされません。
スタック power1 のスタック電源モードを冗長電源モードに設定する例を示します。スタックで最大の電源モジュールは電力バジェットから除外され、電源モジュールに障害が発生したときにバックアップとして使用されます。
Switch(config)# stack-power stack power1 Switch(config-stackpower)# mode redundant Switch(config-stackpower)# exit
スタック ID が power2 の電源スタックに接続されている switch 3 の、スタック電源パラメータを設定する例を示します。負荷制限が必要になった場合、最も高い番号の電源スタックのスイッチおよび受電デバイスが最初にシャットダウンされ、その後、順序に従ってシャットダウンされます。
Switch(config)# stack-power switch 3 Switch(config-switch-stackpower)# stack power2 Switch(config-switch-stackpower)# power-priority switch 5 Switch(config-switch-stackpower)# power-priority high 12 Switch(config-switch-stackpower)# power-priority low 20 Switch(config-switch-stackpower)# exit Switch(config-stackpower)# exit
![]() (注) | write erase および reload 特権 EXEC コマンドを入力しても、スイッチのフラッシュ メモリに保存されている電源プライオリティまたは電源モードのデフォルトでない設定は変更されません。 |
ポートの電源プライオリティを高優先順位に設定して、電源障害が発生したときに、最後にシャットダウンされるポートの 1 つにする例を示します。
Switch(config)# interface gigabitetherent1/0/1 Switch(config-if)# power inline port priority high Switch(config-if)# exit
説明 | Link |
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このリリースのシステム エラー メッセージを調査し解決するために、エラー メッセージ デコーダ ツールを使用します。 |
https://www.cisco.com/cgi-bin/Support/Errordecoder/index.cgi |
MIB | MIB のリンク |
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本リリースでサポートするすべての MIB |
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリース、およびフィーチャ セットに関する MIB を探してダウンロードするには、次の URL にある Cisco MIB Locator を使用します。 |
説明 | リンク |
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リリース |
変更内容 |
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Cisco IOS XE 3.2SE |
この機能が導入されました。 |