SAN Extension Tuner の設定
SAN Extension Tuner(SET)は、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチ固有の機能です。この機能は、直接アクセス(磁気ディスク)または順次アクセス(磁気テープ)SCSI 入出力コマンドを生成し、これらのトラフィックを特定の仮想ターゲットに振り分けることによって、FCIP パフォーマンスの最適化を図ります。テスト用入出力転送のサイズ、テスト中に生成する並行またはシリアル入出力の数を指定できます。SET からは、入出力/秒(IOPS)および入出力遅延の結果が報告されます。この情報は、FCIP スループットを最大にするために必要な、並行入出力の数を決定するときに役立ちます。
この章は、次の項で構成されています。
SAN Extension Tuner の概要
SAN Extension Tuner(SET)は、Cisco MDS 9000 ファミリ スイッチ固有の機能です。この機能は、直接アクセス(磁気ディスク)または順次アクセス(磁気テープ)SCSI 入出力コマンドを生成し、これらのトラフィックを特定の仮想ターゲットに振り分けることによって、FCIP パフォーマンスの最適化を図ります。リモート コピーおよびデータ バックアップなどのアプリケーションでは、IP ネットワーク上で FCIP を使用し、地理的に分散されている SAN を介して接続します。SET は IPS ポートで実装されます。この機能がイネーブルの場合、この機能を使用して、設定されたオプションに基づいて、仮想ターゲットに対する SCSI 入出力コマンド(read および write)を生成できます。
(注) SAN 拡張チューナーは、HP c-Class Bladesystem 用シスコ ファブリック スイッチ、IBM BladeCenter 用シスコ ファブリック スイッチ、および 16 ポート ストレージ サービス ノード(SSN-16)ではサポートされていません。
(注) Cisco MDS SAN-OS Release 3.3(1a) では、SAN Extension Tuner はマルチサービス モジュール(MSM)および Multiservice Modular スイッチでサポートされています。
リモート コピーおよびデータ バックアップなどのアプリケーションでは、IP ネットワーク上で FCIP を使用し、地理的に分散されている SAN を介して接続します。ファブリック全体で最大限のスループット パフォーマンスを実現するために、次の設定パラメータを調整できます。
- FCIP プロファイル用の TCP パラメータ(“ウィンドウ管理” section を参照)
- アプリケーションが生成する並行 SCSI 入出力の数
- FCIP リンク上でアプリケーションが使用する転送サイズ
SET は IPS ポートで実装されます。この機能がイネーブルの場合、この機能を使用することによって、設定されたオプションに基づいて、仮想ターゲットに対する SCSI 入出力コマンド(read および write)を生成できます(図 3-1 を参照)。
図 3-1 仮想ターゲットに対する SCSI コマンドの生成
SET 機能は、さまざまな SCSI トラフィック負荷を生成することによって、調整を支援します。さらに、FCIP リンク上の入出力ごとに、スループットおよび応答時間を測定します。
SAN ファブリックを調整する前に、次の注意事項を確認してください。
– 調整後の設定に持続性はありません。
– 作成された仮想 N ポートはサポート対象の FC4 機能をネーム サーバに登録しません。これは、SAN に含まれるホストがこれらの N ポートを通常の発信側またはターゲットとして検出しないようにするためです。
– SAN 内の他の発信側からのログイン要求は拒否されます。
– 仮想 N ポートは SCSI スイート全体を実装するのではなく、SCSI read および write コマンドだけを実装します。
– チューナーの発信側が通信できるのは、チューナーのターゲットだけです。
- 物理層でギガビット イーサネット インターフェイスがアップであることを確認します(GBIC とケーブルが接続されている、IP アドレスは不要)。
- スイッチ上で iSCSI をイネーブルにします(他の iSCSI 設定は不要)。
- インターフェイスをイネーブルにします(その他の iSCSI インターフェイス設定は不要)。
詳細については、「“iSCSI インターフェイスの作成” section」を参照してください。
- ギガビット イーサネット インターフェイスで iSCSI インターフェイスを作成し、このインターフェイスを有効にします(その他の iSCSI インターフェイス設定は不要です)
詳細については、「“iSCSI インターフェイスの作成” section」を参照してください。
- ネットワークの必要性に応じて、別個の VSAN またはゾーンで仮想 N ポートを設定します。
- 仮想 N ポートだけからなる独立した VSAN は、必須ではありませんが推奨します。ターゲットへのログインが拒否された場合に、一部のレガシー HBA が失敗する可能性があるからです。
- 同じギガビット イーサネット インターフェイスを使用して、仮想 N ポートと FCIP リンクを設定しないでください。それぞれ異なるギガビット イーサネット インターフェイスを使用してください。これは必須ではありませんが、推奨します。仮想 N ポートによって発生したトラフィックが FCIP リンクのパフォーマンスに悪影響を与えることがあるからです。
SAN Extension Tuner の設定
図 3-2 に、スループットと遅延が測定される FCIP リンクには含まれないポート上で、仮想 N ポートを作成する物理構成の例を示します。
図 3-2 N ポート調整の物理構成例
図 3-3 に、スループットと遅延が測定される FCIP リンクには含まれないポート上で、仮想 N ポートを作成する論理構成の例を示します。
図 3-3 FCIP リンクに対応する N ポート調整の論理構成例
データ パターン
デフォルトでは、仮想 N ポートが生成するデータのパターンとして、すべてゼロのパターンが使用されます。オプションとして、3 つの保存場所(bootflash: ディレクトリ、volatile: ディレクトリ、または slot0: ディレクトリ)のいずれかにあるデータ パターン ファイルを選択すると、生成されるデータ パターンとしてファイルを指定できます。このオプションは、FCIP リンク上での圧縮をテストする場合に特に便利です。ベンチマーク目的で、Canterbury 資料または人工資料ファイルも使用できます。
ライセンスの前提条件
SET を使用するには、SAN_EXTN_OVER_IP ライセンスが必要です(『Cisco Family NX-OS Licensing Guide』を参照)。
SAN Extension Tuner の設定
この項では、次のトピックについて取り上げます。
FCIP リンクの調整
所定の FCIP リンクを調整する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 スイッチ上の仮想 N ポートに nWWN を設定します。
ステップ 2 N ポートを作成するインターフェイス上で iSCSI をイネーブルにします。
ステップ 3 FCIP リンクの両側に仮想 N ポートを設定します。
ステップ 4 SAN 内の実発信側が仮想 N ポートを認識しないことを確認します。実際のイニシエータを分離するには、ゾーン分割(『Cisco Fabric Manager Fabric Configuration Guide』『Cisco MDS 9000 Family NX-OS Fabric Configuration Guide』を参照)を使用します。仮想 N ポートが相互に通信できるように、ゾーニング構成が設定されていることを確認します。
ステップ 5 SCSI の読み取りおよび書き込み入出力を開始します。
ステップ 6 必要に応じて、スイッチの他のギガビット イーサネット ポートに N ポートを追加し、最大限のスループットが得られるようにします。N ポートの追加が必要な状況としては、FCIP ポートチャネルを使用する場合などがあります。
SAN Extension Tuner Wizard の使用方法
SAN Extension Tuner Wizard の使用方法
SAN Extension Tuner Wizard を使用して、次の作業を行います。
- nWWN ポートの設定
- iSCSI のイネーブル化
- 仮想 N ポートの設定
- SCSI read および write CLI コマンドの割り当て
- SCSI tape read および write CLI コマンドの割り当て
- SCSI コマンドに対応するデータ パターンの設定
Fabric Manager の SAN Extension Tuner Wizard を使用して所定の FCIP リンクを調整する手順は、次のとおりです。
ステップ 1 [Fabric] ペインで有効な FCIP リンクを右クリックし、ドロップダウン リストから [SAN Extension Tuner] を選択します。リンクを強調表示して [Tools] > [Other] > [SAN Extension Tuner] を選択することもできます。
[Select Ethernet Port Pair] ダイアログボックスが表示されます(図 3-4 を参照)。
図 3-4 [Select Ethernet Port Pair] ダイアログボックス
ステップ 2 調整予定の FCIP リンクに対応するイーサネット ポート ペアを選択し、[Next] をクリックします。
(注) 選択したイーサネット ポートは down と表示されます。
[Specify Parameters] ダイアログボックスが表示されます(図 3-5 を参照)。
ステップ 3 新しいゾーンを作成してアクティブにし、ゾーン作成ダイアログボックスで [Yes] をクリックして、SAN 内の実発信側に仮想 N ポートが認識されないようにします。
図 3-5 [Specify Parameters] ダイアログボックス
ステップ 4 (任意)転送データ サイズおよび並行 SCSI read/write コマンドの数について、デフォルトの設定を変更します。
a. [Transfer Size] を FCIP リンク上でアプリケーションが使用すると予想されるバイト数に設定します。
b. [Read I/O] を FCIP リンク上でアプリケーションが生成すると予想される並行 SCSI read コマンドの数に設定します。
c. [Write I/O] を FCIP リンク上でアプリケーションが生成すると予想される並行未処理 SCSI write コマンドの数に設定します。
(注) テープ動作をエミュレーションする仮想 N ポートに対しては、未処理の入出力は一時点で 1 つだけです。
d. [Use Pattern File] チェックボックスをオンにして、SAN Extension Tuner で生成されるデータ パターンの設定に使用するファイルを選択します。“データ パターン” sectionを参照してください。
ステップ 5 [Next] をクリックします。
[Results] ダイアログボックスが表示されます(図 3-6 を参照)。
図 3-6 [Results] ダイアログボックス
ステップ 6 [Start] をクリックしてチューナーを起動します。チューナーは、[Stop] がクリックされるまでトラフィックの連続ストリームを送信します。
ステップ 7 [Show] をクリックして最新の調整統計情報を表示します。これは、チューナーの動作中でも、停止後でも選択できます。
ステップ 8 [Stop] をクリックして SAN Extension Tuner を停止します。
Tuner の有効化
調整機能は、Cisco 9000 ファミリのすべてのスイッチについてデフォルトで無効になっています。この機能を有効にすると、調整はスイッチ全体でグローバルに有効になります。
調整機能を有効にするには、次の手順に従います。
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ステップ 1 |
switch# config t |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# feature san-ext-tuner |
調整をイネーブルにします。 |
switch(config)# no feature san-ext-tuner |
現在適用されている調整の設定を削除し、調整を無効にします(デフォルト)。 |
nWWN の設定
このスイッチのチューナーに nWWN を設定するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nWWN 10:00:00:00:00:00:00:00 |
SAN Extension Tuner の nWWN を設定します。 |
仮想 N ポートの設定
調整のために仮想 N ポートを設定するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# config t switch(config)# |
コンフィギュレーション モードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(config)# feature iscsi switch(config)# iscsi enable module 1 |
iSCSI をグローバルに有効にし、次にモジュール 1 で有効にします。 |
ステップ 3 |
switch(config)# interface iscsi 1/1 switch(config-if)# |
iSCSI インターフェイスを作成し、インターフェイス コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 4 |
switch(config-if)# no shutdown |
iSCSI インターフェイスを有効にします。 |
ステップ 5 |
switch(config-if)# end switch# |
EXEC モードに戻ります。 |
ステップ 6 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 7 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
switch(san-ext)# no nport pWWN 22:34:56:78:90:12:34:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN の仮想 N ポートを削除します。 |
SCSI ディスク読み取り/書き込み IO の生成
SCSI read および write コマンドは、一度だけ割り当てるか、または継続的に割り当てることができます。
SCSI read/write コマンドを一度だけ生成するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
ステップ 3 |
switch(san-ext-nport)# read command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 outstanding-ios 2 num-transactions 5000000 |
read コマンドで 2 つの未処理の I/O の転送サイズとして 512,000 バイトを指定します。I/O の合計は 5,000,000 バイトです。 |
ステップ 4 |
switch(san-ext-nport)# write command-id 101 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 outstanding-ios 2 num-transactions 5000000 |
ターゲットが受信する write コマンドで 2 つの未処理の I/O の転送サイズとして 512,000 バイトを指定します。I/O の合計は 5,000,000 バイトです。 |
ステップ 5 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id 100 |
指定された ID のコマンドを停止します。 |
switch(san-ext-nport)# stop all |
(オプション)未処理のコマンドをすべて停止します。 |
ステップ 6 |
switch(san-ext-nport)# clear counters |
この N ポートに関連付けられているカウンタをクリアします。 |
ステップ 7 |
switch(san-ext-nport)# end switch# |
SAN Extension Tuner サブモードを終了します。 |
SCSI read/write コマンドを継続的に生成するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
ステップ 3 |
switch(san-ext-nport)# read command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 outstanding-ios 2 continuous |
SCSI コマンドが継続的に読み取られるように設定します。
ヒント 未処理の設定を停止するには
stop command-id コマンドを使用します。
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ステップ 4 |
switch(san-ext-nport)# write command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 outstanding-ios 2 continuous |
SCSI コマンドが継続的に書き込まれるように設定します。 |
ステップ 5 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id 100 |
指定された ID のコマンドを停止します。 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id all |
(オプション)未処理のコマンドをすべて停止します。 |
ステップ 6 |
switch(san-ext-nport)# clear counters |
この N ポートに関連付けられているカウンタをクリアします。 |
ステップ 7 |
switch(san-ext-nport)# end switch# |
SAN Extension Tuner サブモードを終了します。 |
SCSI write コマンドの転送可能サイズを指定するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
ステップ 3 |
switch(san-ext-nport)# write command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 outstanding-ios 2 num-transactions 5000000 |
ターゲットが受信する write コマンドで 2 つの未処理の I/O の転送サイズとして 512,000 バイトを指定します。I/O の合計は 5,000,000 バイトです。 |
ステップ 4 |
switch(san-ext-nport)# transfer-ready-size 512000 |
SCSI write コマンドのターゲットとして最大転送可能サイズ 512,000 バイトを指定します。SCSI write コマンドにこれよりも大きなサイズを指定すると、ターゲットは指定された転送サイズに基づいて複数の転送を実行します。 |
switch(san-ext-nport)# no transfer-ready-size 512000 |
SCSI write コマンドに対して指定された転送可能サイズ設定を削除します。 |
ステップ 5 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id 100 |
指定された ID のコマンドを停止します。 |
ステップ 6 |
switch(san-ext-nport)# end switch# |
SAN Extension Tuner サブモードを終了します。 |
SCSI テープ読み取り/書き込み IO の生成
(注) 仮想 N ポートが相互に通信できるように、ゾーニング構成が設定されていることを確認します。
SCSI tape read および write コマンドは、一度だけ割り当てるか、または継続的に割り当てることができます。
(注) テープ動作をエミュレーションする仮想 N ポートに対しては、未処理の入出力は一時点で 1 つだけです。
SCSI tape read/write コマンドを一度だけ生成するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
ステップ 3 |
switch(san-ext-nport)# tape-read command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 num-transactions 5000000 filemark-frequency 32 |
32 の SCSI read コマンドごとにファイルマーク上のスペースの転送サイズとして 512,000 バイトを指定します。I/O の合計は 5,000,000 バイトです。 |
ステップ 4 |
switch(san-ext-nport)# tape-write command-id 101 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 num-transactions 5000000 filemark-frequency 32 |
転送サイズとして 512,000 バイトを指定し、ファイル マークが 32 個の SCSI write コマンドごとに書き込まれることを指定します。I/O の合計は 5,000,000 バイトです。 |
ステップ 5 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id 100 |
指定された ID のコマンドを停止します。 |
switch(san-ext-nport)# stop all |
(オプション)未処理のコマンドをすべて停止します。 |
ステップ 6 |
switch(san-ext-nport)# clear counters |
この N ポートに関連付けられているカウンタをクリアします。 |
ステップ 7 |
switch(san-ext-nport)# end switch# |
SAN Extension Tuner サブモードを終了します。 |
SCSI tape read または write コマンドを継続的に生成するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
ステップ 3 |
switch(san-ext-nport)# tape-read command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 continuous filemark-frequency 32 |
SCSI tape read コマンドが継続的に発行されるように設定します。
ヒント 未処理の設定を停止するには
stop command-id コマンドを使用します。
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ステップ 4 |
switch(san-ext-nport)# tape-write command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 continuous filemark-frequency 32 |
SCSI tape write コマンドが継続的に発行されるように設定します。 |
ステップ 5 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id 100 |
指定された ID のコマンドを停止します。 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id all |
(オプション)未処理のコマンドをすべて停止します。 |
ステップ 6 |
switch(san-ext-nport)# clear counters |
この N ポートに関連付けられているカウンタをクリアします。 |
ステップ 7 |
switch(san-ext-nport)# end switch# |
SAN Extension Tuner サブモードを終了します。 |
データ パターンの設定
オプションで SCSI コマンドのデータ パターンを設定するには、次の手順を実行します。
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ステップ 1 |
switch# san-ext-tuner switch(san-ext)# |
SET コンフィギュレーション サブモードを開始します。 |
ステップ 2 |
switch(san-ext)# nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 interface gigabitethernet 1/1 switch(san-ext-nport)# |
指定したギガビット イーサネット ポートおよび VSAN で仮想 N ポートを作成します。この N ポートはイニシエータまたはターゲットとして機能できます。 |
ステップ 3 |
switch(san-ext-nport)# data-pattern-file bootflash://DataPatternFile |
仮想 N ポートが read コマンドのターゲットであり、かつ write コマンドのイニシエータである場合に、この仮想 N ポートにより送信されるデータ パターンを指定します。
ヒント このコマンドは、ターゲットでは read コマンドから戻されるデータを変更するように設定され、イニシエータでは write コマンド用に設定される必要があります。このコマンドは、特定のビット パターンを含むデータ セットまたは特定の圧縮率が設定されているデータ セットを定義するときに役立ちます。デフォルトのデータ セット(すべてゼロ)は非常に均一的であり圧縮率が高くなります。
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switch(san-ext-nport)# no data-pattern-file |
SCSI read および write コマンドに対して指定されたデータ パターン設定を削除します。デフォルトでは、すべてゼロのデータ パターンが送信されます。 |
ステップ 4 |
switch(san-ext-nport)# write command-id 100 target 22:22:22:22:22:22:22:22 transfer-size 512000 outstanding-ios 2 num-transactions 5000000 |
2 つの未処理の I/O の転送サイズとして 512,000 バイトを指定します。I/O の合計は 5,000,000 バイトです。 |
ステップ 5 |
switch(san-ext-nport)# stop command-id 100 |
指定された ID のコマンドを停止します。 |
ステップ 6 |
switch(san-ext-nport)# clear counters |
この N ポートに関連付けられているカウンタをクリアします。 |
ステップ 7 |
switch(san-ext-nport)# end switch# |
SAN Extension Tuner サブモードを終了します。 |
SAN Extension Tuner 設定の確認
Cisco MDS スイッチの現在の SAN Extension Tuner 設定を表示するには、 show コマンドを使用します(例 3-1 ~ 3-6 を参照)。
例 3-1 FLOGI データベースのエントリの表示
switch# show flogi database ------------------------------------------------------------------------------
INTERFACE VSAN FCID PORT NAME NODE NAME ------------------------------------------------------------------------------
iscsi1/1 200 0x050000 12:00:00:00:00:00:00:56 10:00:00:00:00:00:00:00
例 3-2 FLOGI データベースの VSAN エントリの詳細情報の表示
switch# show fcns database vsan 200
--------------------------------------------------------------------------
FCID TYPE PWWN (VENDOR) FC4-TYPE:FEATURE
--------------------------------------------------------------------------
0x020000 N 22:22:22:22:22:22:22:22 scsi-fcp
0x050000 N 12:00:00:00:00:00:00:56 scsi-fcp
例 3-3 指定したインターフェイスで設定されているすべての仮想 N ポートの表示
switch# show san-ext-tuner interface gigabitethernet 3/4 nport pWWN 12:00:00:00:00:00:00:56 vsan 200 counters
Node name 10:00:00:00:00:00:00:00 Port name 12:00:00:00:00:00:00:56
Ingress MB per second : 0.02 MBs/sec (Max -0.02 MBs/sec)
Egress MB per second : 73.97 MBs/sec (Max -75.47 MBs/sec))
Average Response time per I/O : Read - 0 us, Write - 13432 us
Maximum Response time per I/O : Read - 0 us, Write - 6953 us
Minimum Response time per I/O : Read - 0 us, Write - 19752 us
例 3-4 指定したギガビット イーサネット インターフェイスで設定されている N ポートの表示
switch# show san-ext-tuner interface gigabitethernet 3/1
----------------------------------------------------------------------------
Interface NODE NAME PORT NAME VSAN
----------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet3/1 10:00:00:00:00:00:00:00 10:00:00:00:00:00:00:01 91
例 3-5 指定した N ポートに対して設定されている転送可能サイズの表示
switch# show san-ext-tuner interface gigabitethernet 3/1 nport pWWN 10:0:0:0:0:0:0:1 vsan 91
Node name : 10:00:00:00:00:00:00:00
Port name : 10:00:00:00:00:00:00:01
Transfer ready size : all
例 3-6 スイッチで設定されているすべての仮想 N ポートの表示
switch# show san-ext-tuner nports
----------------------------------------------------------------------------
Interface NODE NAME PORT NAME VSAN
----------------------------------------------------------------------------
GigabitEthernet3/1 10:00:00:00:00:00:00:00 10:00:00:00:00:00:00:01 91
調整パラメータのデフォルト設定
表 3-1 に、調整パラメータのデフォルト設定を示します。
表 3-1 デフォルトの調整パラメータ
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調整 |
ディセーブル |
転送可能サイズ |
SCSI write コマンドの転送サイズと同じ |
未処理の入出力 |
1 |
トランザクション数 |
1 |
データ生成フォーマット |
すべてゼロのフォーマット |
ファイル マーキング頻度 |
0 |